鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

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  • 新潮社
4.05
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本棚登録 : 1622
レビュー : 202
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509110

作品紹介・あらすじ

出張先は火山、ジャングル、無人島……センセイ、ご無事のお戻り、祈念しております。必要なのは一に体力、二に体力、三、四がなくて、五に体力?! 噴火する火山の溶岩、耳に飛び込む巨大蛾、襲い来るウツボと闘いながら、吸血カラスを発見したのになぜか意気消沈し、空飛ぶカタツムリに想いをはせ、増え続けるネズミ退治に悪戦苦闘する――アウトドア系「鳥類学者」の知られざる毎日は今日も命がけ! 爆笑必至。

感想・レビュー・書評

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  • この著者の書名のつけかたが好みだな、と以前から思っていたのですが、実際にちゃんと読むのは今回がはじめて。

    鳥類学者のリアルな日常を、シュールな例え話などを交えつつ、軽快に紹介してくれます。
    こんなに楽しい文章が書けるのだから、「鳥類学者はシャイで友達作りが下手」との説は少なくとも著者にはあてはまらないんじゃないか、と思いながら、けらけら笑って読みました。
    調査中にハエが次々と口に飛びこんでくる状況で「このハエは鳥の死体を食べている=素材は鳥肉100%=ハエの形をした鳥肉だ!」と自己暗示をかけたとのエピソードに、フィールドで調査する研究者の根性を感じました。
    各地の調査で見えてくる、生態系の仕組みや外来種の問題、人間の営みが自然に及ぼしてきた影響など、考えさせられる話題もありました。

    同じ著者のほかの著作も読んでみたいと思います。

  • ご存知、子ども科学電話相談の「はーい川上でーす」でお馴染み?の鳥類学者、川上先生の著書。
    番組中のお話が楽しすぎてついつい本まで買ってしまいましたが、案の定といえばいいのか、怒涛のような語り口。忙しすぎるし面白すぎる。
    そのノリで一呼吸ごとにハエと一体化していくようなフィールドワークの過酷さや鳥の保護の難しさが語られるので、「本当に大変だ」とは承知のうえで、やっぱり笑わずにはいられませんでした。
    『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』
    うん、でも、やっぱり、嫌いじゃないんでしょ?

  • ネットで見かけて。

    笑えた。
    どらえもんやガンダムや迦陵頻伽、昔話などが、
    絶妙なタイミングで飛び出てきて、みぞおちを突かれる感じ。
    だんだん慣れてきて、この角で秋元康が来るな、と思っても、毛利元就だったりとか。

    とはいっても鳥類研究の話も面白かった。
    ズクロミゾコイの調査をしていて、その声に似ている牛舎の前にたどりついたり、ホンダのバイクの後ろにいたことがあるとか。
    環境保護地域の南硫黄島への調査に向かうために、一週間前から種子のある果実は食べず、道具はすべて新品を用意し、クリーンルームで準備をして、地域外の動植物をもちこまないように気をつけたとか。
    ボルネオ島の研究対象地がコーヒー農場や違法な石炭採掘場になってしまったとか。

    こういうタイプの本は、最初飛ばしても、最後に失速してしまうことが多いが、最後まで美味しかった。
    そういう意味では、最後までアイスクリームがつまっている抹茶パフェというべきか。
    チョコパフェほど甘くはない。
    抹茶アイスとか生クリームとか抹茶シフォンとか白玉とかあんことか、それぞれ美味しい鳥ばなしがてんこもり、そこにアクセントが効いてる感じかな。
    でも、そのアクセントは、例えるなら何だろう。
    コーンフレークじゃないとは思うんだけど…。

  • 私は、個人的に完璧と思う文章を書く小説家には憧憬の念を隠さないが、同様の文章を小説家以外の人が書くとなると嫉妬の念が勝る。本作に抱いた念は、明らかに後者である。
    学者の書く文章は、たとえそれが自分の専門外の学問であっても、勉強のためと割り切って読むので、いわゆる「うまい」文章は求めていないし、むしろそういうものと思って読む。
    しかし、本作は、鳥類学者が書いた文章のくせに、文章の流れといい、引き込む魔力といい、随所に散りばめられたユーモアといい、単に文章として完璧だ。
    ここまで文章が完成されていると、そこから何を学んだかとか、自らの知見をどう刺激したかなどどうでもよく、ただただ「小説家でもないのに、こんな完璧な文章を書きやがって」と嫉妬するばかりである。
    そのうえ、「オレもこんな文章書きたい」としか思っていないはずなのに、まんまと鳥類や絶海の孤島に興味を抱いてしまっている。
    してやられた。もう、超絶おすすめするほかない。

  • きっかけは、夏休み子ども科学電話相談。川上先生オモロイなと思ったので、購入。

    一段落に一回笑わせようとするサービス精神には頭が下がる!が、そのせいで内容が頭に入って来ないのもまた事実。疲れる…。
    川上先生くらい説明が上手かったら、もうちょい真面目に鳥の話しても皆んなついていけるかと…。

    「鳥は用事がなければ飛ばない」が本書を読んでの一番の学び。

    第二章、南硫黄島での調査の様子はすごくリアルだった。読んでいるこちらの呼吸がしんどくなるほど。読みごたえがあった。

    本文イラストは畠山モグさん、素敵な絵!

  • 完全にタイトルに釣られて買ったが、中身も文句なしに面白い。こんなに面白い本があるのかと驚くと同時に、鳥について何も知らなかったと目を開かされた気分だ。鳥類学研究の現場など、自分にとってはとても縁遠い場所だが、この本を読んで研究者たちを応援したくなった。科学の面白さが詰まった一冊。ちなみに私は著者のサイン会にも行ってしまった。

  • 読んでいて嫉妬したくなるほどの面白さ。鳥類学だけじゃなく、これからは各学界にひとり川上氏を配置すれば、学問全体が盛り上がると思う。

  • 川上先生の本ときいて読んでみました。
    小説家の文章とはまた違う、味のあるウィットに富んだ文体が
    読みやすくてとても面白いです。
    鳥類学に詳しくない自分でもすんなり読めて小難しくなく、
    それでいてとても勉強になりました。
    自分はメグロの話と、キョロちゃんについての考察が特に面白かったです。
    単なるキャラクターのイラストを、
    鳥なのだからと鳥類学の面から考察し
    習性などを考えていくのが非常に良いですね。
    こうしたことから学問になっていくのだなぁと思いました。

  • 子供科学電話相談で人気のバード川上先生。
    著作はどうかなー?と読んでみたら・・・
    せんせい!ご本のほうがラジオ回答よりもさらに面白いじゃありませんか!
    鳥類学者にしておくのがもったいないほど面白かったです。
    自然を対象にする研究者の活動というのは、私たち凡人が思い描くよりもアクティブだったんだなあ、と思った次第です。
    先生が私の拙文をご覧になることはないと思いますが、今後のラジオでのご出演も楽しみにしております。かしこ。

    • ひとこさん
      私もラジオから先生に、そしてこの本にたどり着きました。研究内容もですが文体の語り口もなんだかおもしろくて、なんなんだこの才能は!と思ってしま...
      私もラジオから先生に、そしてこの本にたどり着きました。研究内容もですが文体の語り口もなんだかおもしろくて、なんなんだこの才能は!と思ってしまったり。今年のラジオも楽しみですね~!
      2019/03/09
    • のび太のママさん
      コメントありがとうございました。
      まさか私の文にコメントを頂けるなどとは思ってもおりませんでしたのでびっくりです。ダイナソー小林先生・天文の...
      コメントありがとうございました。
      まさか私の文にコメントを頂けるなどとは思ってもおりませんでしたのでびっくりです。ダイナソー小林先生・天文の永田先生たちはGWのラジオにご出演されるそうで楽しみです。回答の先生方で本を出版されている先生は他にもいらっしゃるようですね。楽しみが増えました。
      2019/04/24
  • 今まで全く無縁の分野だったが、とても面白かった!
    芸能人よりも希少な鳥類学者が日々どのような研究をしているのか、ギャグも満載に分かりやすく書かれていた。
    それだけではなく、外来種による在来種への影響や駆逐について、森林伐採や経済問題についてもしっかりと言及されていた。

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著者プロフィール

独立行政法人森林総合研究所 主任研究員
東京大学農学部林学科卒業、東京大学農学生命科学研究科卒業。

「2017年 『┃ 鳥 ┃ [堅牢版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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