劇場

著者 :
  • 新潮社
3.45
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  • (75)
  • (23)
本棚登録 : 2229
レビュー : 321
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509516

作品紹介・あらすじ

一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の永田が気持ち悪すぎるし、人間として最低すぎて、読むのがダルくなるくらいだったけど、それを文字で感じさせてしまう又吉はすごいと思った。

  • なんでもっと沙希ちゃんを大切にしてあげられへんねやろ、って思わずにはいられない。でも、これって自分に自信が無いからこそ湧いてくる感情なのかなって思う。嫉妬するのもそう。自分のことを好きでいてくれる沙希が怖くなってくるような感覚。やめとけよ、永田なんて。永田の中にいるもう一人の永田がそう言ってるんじゃないかな。天邪鬼と言えばそれまでやけど。ここがすごく私自身に被った。自分のことをカッコいいとかちょっと好きかもって思ってくれる人のことをいつもないがしろにしてしまう。そして、そんな人の尊さを失ってから気づく。

  • 感情を細かく独特な表現でとことん描写している。
    気持ち悪ささえ覚えるような描写。
    特に嫉妬という感情の表現がエグい。
    ダメ男の主人公に腹が立っていたが、徐々に昔の自分に重なり、なんとも言えぬ気持ちになった。今は妻と幸せに暮らせているが永田とサキちゃんもこうなれば良いと願った。

  • 記録

  • サキを見ていて、これは又吉さんの理想なのか?それとも誰かモデルがいるんだろうか?と思ったけれど、実際にこんな人いるんだろうかと思った。街中で声を掛けられ慣れている女性にとって、永田は異質に映るんだろうか?この人はちょっと違う、なんて思うんだろうか。永田が青山に向かってメールを連投するところを読んで、ああ、俺もこんなヤバいことをよくするなと思った。これは、相手を説き伏せるというよりは、自分に対しての戒めのような気がしていて、青山からの返信は、もう一人の自分からかけられる罵倒のような気がした。自分の中の理想の返信だったのではないか。

  • 2019.5.6
    最後泣いてしまった。
    沙希ちゃん、本当に良い子だな。

  • これは太宰の世界なのか。
    ダメなヒモ男とピュアな少女。
    イライラするほどダメ男でしたが、最後は二人で前向きになれたので少し救われた。

  • 人の、黒に近いグレーな部分、自分より弱い存在を虐げる感情(だけどその人から愛されたいが故なのでエスカレートする)を描くのが上手いよな又吉さんは。
    沙希ちゃんのセリフの言葉、不覚にも泣いてしまったが共依存ぽくてあとからぞわぞわする。この物語に出てくる人は大半が自分に自信がなくて、ある人は虚勢を張り、ある人は権威にすがり、ある人はぶら下がる。何にもなれていない自分をどう見せるかに必死だ。

  • ヒロインが天使

  • 大好きな又吉氏
    火花より、読みにくいが、又吉の脳内ぶちまけている感じが好きだ

    劇場を舞台に、描かれる人間模様
    恋愛模様
    この主人公は半分又吉なんだと思う
    さきも、実在した又吉の前の彼女なんだと思う
    最後のシーンが、何度読んでも号泣してしまう

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著者プロフィール

又吉直樹(またよし なおき)
1980年、大阪府寝屋川市生まれ。お笑いコンビ「ピース」のボケ担当。第153回芥川龍之介賞受賞作家。2009年6月せきしろとの共著、自由律俳句集『カキフライが無いなら来なかった』を刊行し、これが初の書籍となる。2010年12月に続編である『まさかジープで来るとは』、2011年11月初の単著『第2図書係補佐』をそれぞれ刊行。2015年1月7日に『文學界』2月号に初の中篇小説『火花』を発表し、純文学作家としてデビュー。3月に文藝春秋から『火花』が単行本化。同作が第28回三島由紀夫賞候補となり、第153回芥川龍之介賞受賞に至る2016年にNetflixと吉本興業によってネット配信ドラマ化2017年板尾創路監督により映画化された。2017年『劇場』刊行。2018年9月、毎日新聞夕刊で新聞小説「人間」を連載し、毎日新聞出版から2019年秋に発売予定となる。

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