カンパニー

著者 :
  • 新潮社
3.86
  • (61)
  • (136)
  • (76)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 683
感想 : 131
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509714

作品紹介・あらすじ

「君、バレエ団に出向しない?」人生の第二幕は、戦力外通告とともに始まった。妻子に逃げられた47歳総務課長。選手に電撃引退された女性トレーナー。製薬会社のリストラ候補二人に課された使命は、世界的プリンシパルの高野が踊る冠公演「白鳥の湖」を成功させること。しかし、高野の故障、配役変更、チケットの売れ行き不振と続々問題が。本当に幕は開くのか!? 仕事と人生に情熱を取り戻す傑作長編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読友さんからの推薦本。今回はバレエにまつわる話。主人公・40代後半の青柳誠一。妻と離婚し、さらにリストラ対象となり与えられたのが仕事が企業が後援するバレエ団のサポート(なんでも屋さん)。12月の大ホールでの成功を後押しする。世界的バレエのプリンシパル・高野、社長令嬢でバレリーナの紗良、ダンスパフォーマーの那由多を中心に作り上げていく。バレエダンサーとして輝けるのはほんの一握り。生まれ持った才能だけではなく、バレエが好きで夢中になれるかどうか。また主役級のプリンシパルの孤独さを痛々しいほど理解できた。⑤

  • 努力(レッスン)×情熱(パッション)×仲間(カンパニー)、この3語に尽きるなあと思いました。
    会社でも家庭でも戦力外通告された青柳は出向先のバレエ団での新たな仲間達と新しいプロジェクトを達成させていくストーリー。そしてその結果の先にまた次の未来の予感があって、努力、情熱、仲間があればもしかすると困難もうち破れるかもと思わせてくれるお話しでした。面白かったです。

  • ドラマ『カンパニー〜逆転のスワン〜』(日曜夜NHKBSプレミアム)にはまっています。
    もちろん録画して見ているのですが、オーディションや
    レッスン風景を消せません、美しくてもったいない。

    8回中5回終わったところで、この度
    もとになった小説を読んでみました。
    登場人物は同じでも、内容もキャラクターも違うなと思いました。

    ということは、まだTVで放送されていない部分も、
    きっと小説とは違うんだろうな。
    いまのところ、TVの勝ちです。
    だから期待しています。

  • 主人公・青柳、47歳。
    長年勤めて来た会社の合併により、バレエ団に出向させられることになった。
    その上、妻や娘にも家出され…
    でも、バレエ公演を成功させれば、また本社にもどれるかもしれない───

    本書のタイトルは『カンパニー』それは”仲間”。
    40代後半で、会社にも妻子にも見捨てられ、
    一度は人生を投げ出しそうになった青柳が、
    バレエという初めての世界で、高野たちと出会い、仲間とともに同じ夢を追った。

    見た目の華やかさからは想像もつかないくらい、
    ハードでストイックなバレエの世界。
    そこの頂点に君臨する高野は、
    本番で、自分があがってると気付くと緊張が消えると言う。
    ”気付く”ということは、自分が今どういう状態にいるのかを、
    外側から見ているということだから大丈夫。
    そうは言われても、自分だったら、ますます緊張してしまいそう…
    「なぜ踊るのか?」との問いに、
    「なぜ生きると聞かれたらどうこたえるの?」と答えるくらいの高野。
    う~ん、やはり天才は違う。

    「心も体も、まだまだ変われるんだ。」
    そう自信をもって言えるようになった青柳。
    この後、彼はどちらの道を選ぶのか…
    会社に残り、新しいプロジェクトで力を発揮するのか、
    それとも…
    私は後者であってほしいと思う。

    すごく良かったです。
    元気がもらえました。
    バレエ好きということもあるかもしれないけれど、
    ”ど”が付くほどの凡人の私にも、今後の人生まだなにかしら新しい道があるのではと、錯覚しそうになる。
    読み終えるのが惜しくて、
    ずっとこの仲間たちと、舞台の興奮の中にいたいと思った。

    ”努力・情熱・仲間”これさえあれば人生は無敵だ!

    • 杜のうさこさん
      azumyさん、こんばんは~♪

      コメント、ありがとう~(*^-^*)
      この本ね、ブク友さんのレビューがきっかけで読んだの。
      バレ...
      azumyさん、こんばんは~♪

      コメント、ありがとう~(*^-^*)
      この本ね、ブク友さんのレビューがきっかけで読んだの。
      バレエとか舞台が好きなせいもあるかもしれないけど、
      すっごく面白かったです♪

      なんかね、最近この先の人生とか、考えたりすることが多くて…
      でもね、人生まだまだこれから!って励まされた。

      日本はこのところ急に寒くなって、衣替えが追いつかないです。
      あいかわらず、ぎゅうぎゅうのクローゼットの前で、途方に暮れている姿を想像してください(笑)
      2017/11/22
    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      たくさん本が読めているようで安心したよ(。•̀ᴗ-)و ✧
      私は相変わらずのんびり読書。これでは忠臣蔵に...
      こんばんは(^-^)/

      たくさん本が読めているようで安心したよ(。•̀ᴗ-)و ✧
      私は相変わらずのんびり読書。これでは忠臣蔵に間に合わない。
      クリスマスの本は今日借りてきたよ。

      最近は映画が多いね。私も映画で同じような言葉で元気もらってたよ。
      「本能寺ホテル」とか「探偵はBARにいる3」とか୧⃛(๑⃙⃘◡̈๑⃙⃘)୨⃛
      でもやっぱり読書もしたいわ!
      明日からまた頑張って読もう。

      この本は「BAR追分」シリーズの作者さんだね。
      いい作者さんだよね◟(๑•͈ᴗ•͈)◞
      2017/12/03
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪
      コメントありがと~~!

      いつも心配かけちゃってごめんね。
      うん、なんとか本は読めてるよ。ペースはかなり...
      けいちゃん、こんばんは~♪
      コメントありがと~~!

      いつも心配かけちゃってごめんね。
      うん、なんとか本は読めてるよ。ペースはかなり落ちてるけど。
      ただ、感想が追いつかない(>_<)
      この本も8月だし…
      ノートには断片的に書いてはあるんだけどね。

      伊吹有喜さん、ブクログ始めてから知ったの。いいよね~♪
      けいちゃんと出会えたこともそうだし、いつもブクログには感謝してる。

      映画、観に行きたいわ~
      レンタルとかWOWOWもいいけど、あの臨場感はやっぱり映画館じゃないとね。

      クリスマスの本、なんだろなぁ。
      楽しみに待ってるね♪

      あっ、それからこの前は愛娘ちゃんと楽しい時間を過ごせたようで良かったね(*^-^*)
      あれよね、月にかわっておしおきよ~♪だよね?
      なんか、魔女っ子メグちゃん思い出しちゃった。古い~(笑)
      2017/12/05
  • カンパニーなので、お仕事小説と思いました。お仕事小説ではありましたが、カンパニーは会社ではなくバレエ団のことなのでした。
    主人公の2人に好感が持てました。リストラ対象であっても、左遷出向でも、運転手でも、くさらずに一生懸命で。フラッシュモブ(という名前は初めて知りました)のところはかっこよくて素敵でした。映像じゃないのにうわぁってなりました。
    終わりも明るくて良かったです。

  • 合併・社名変更・グローバル化。
    老舗製薬会社の改革路線から取り残された47歳の総務課長・青柳。
    「君、バレエ団に出向しない?」人生の第二幕は、戦力外通告とともに始まった。
    時を同じくして突然妻子に逃げたられた青柳。
    選手に電撃引退されたトレーナー由依。
    製薬会社のリストラ候補二人に課された使命は、世界的プリンシパルの
    高野が踊る冠公演「白鳥の湖」を成功させる事。
    成功させなければ、二人の戻る場所はない…。
    しかし、高野の故障・配役変更・チケットの売れ行き不振と続々問題が。
    本当に幕は開くのか…?

    リストラ候補・家庭崩壊と人生のどん底の青柳がバレエ団に出向。
    バレエ団の公演を成功させるという畑違いの仕事を任せられても、
    実直に癌がる姿に心が動かされました。
    真面目で不器用な青柳さん好きだなぁ(〃ω〃)
    そこで巡り合った世界的有名なダンサー高野との関係や
    カンパニー(バレエ団)の人々との関係でバレエに少しずつ魅了されていく。
    そして、様々なトラブルを解決していくうちに新たな自分を発見したり、再生する。

    人の弱さや優しさや狡さや強かさといった、細やかな心理描写が素晴らしかった。
    読みながらドキドキしたりウルッとしたりしてたけど、なんだかずっと幸せで、
    読み終えた時、幸福感に包まれていました。
    努力・情熱・仲間…いい言葉だなぁ。
    人生を取り戻す、情熱と再生の物語でした。
    バレエがとっても身近になった様な錯覚?にとらわれました。
    バレエ観たくなりました(*´ー`*)♡

    • 杜のうさこさん
      しのさん、こんばんは~♪
      寒くなりましたね。
      おこたとみかんと本、本好きにはたまらない季節ですが、
      それにしても寒い…。

      この本...
      しのさん、こんばんは~♪
      寒くなりましたね。
      おこたとみかんと本、本好きにはたまらない季節ですが、
      それにしても寒い…。

      この本、しのさんのレビューで知りました。
      すっごく良かったです!
      色々と凹んでいる時に読んだせいもあって、
      気持ちが明るくなりました。

      読みたくなる素敵なレビューをありがとうございました!

      風邪などひかれませんように(*^-^*)
      2017/11/18
    • しのさん
      杜のうさこさんこんばんは♪
      お久し振りですね~コメントありがとうございました。
      うんうん、めちゃんこ寒くなりましたね。
      おこたから出ら...
      杜のうさこさんこんばんは♪
      お久し振りですね~コメントありがとうございました。
      うんうん、めちゃんこ寒くなりましたね。
      おこたから出られなくなってます(笑)

      うわ~私のレビューでこの本を知って読んで下さったのですね。
      そして、気に入って下さってとっても嬉しいです( *´艸`)

      読んでる間ずっと、幸福感に包まれていたのを覚えています。
      元気を貰えましたよね~(#^^#)

      最近、伊吹さんのなでし子物語の続編〝地の星〟も読みました。それも元気を貰えましたよ。
      良かったら是非♪

      杜のうさこさんも風邪などひかれませんように、ご自愛くださいね(*'▽')
      2017/11/18
  • 妻子に突然家を出ていかれた47歳の青柳は、会社からバレエ団への出向を命じられる。

    バレエ団に集まるのは、リストラ、離婚、怪我等、人生の憂き目を見せられ落ち込む冴えない面々。
    初めは各々が自分の殻に閉じ籠ってしまい、なかなか足並みが揃わなかった。
    けれど踊りの楽しさを知った彼らはもう迷わない。
    「人生はダンス。生きていくって、心臓が打つリズムに合わせて踊ること」
    楽しく踊って身体を激しく動かして、心に溜まった膿も汗と一緒に吹き飛ばす。
    努力・情熱・仲間(カンパニー)…この三つが揃えば無敵。だからありったけの想いを注ぐ。

    バレエはもっと優雅なものと思っていたけれど、こんなに激しいスポーツだとは知らなかった。
    人と人が身体や心を激しくぶつけ合い、夢中で共に一つの舞台を造り上げる情熱は眩しい。
    バレエは無理だけれど、とにかく身体を動かしたくなった。
    中でもフラッシュモブが観てみたい。

  • 予定調和感が強いかな。。
    いつもは気にならない投げっぱなしな部分も気になるレベルかな、と。
    伊吹さんの作品だけに期待すぎというのもあるが。

  • 宝塚を見て、原作が小説だったらそれも読むようにしています。舞台と小説、2度楽しめる。この作品はちょっと前にブルーレイを貸してもらって見ました。2018年月組公演。
    バレエに興味はあまりなかったけど、皆が一丸となってひとつのプロジェクトを成功させようと頑張る姿に、胸が熱くなった。読後感は爽やかです。
    宝塚版では主人公の青柳さんは奥さんに逃げられた設定ではなく、亡くなったという設定だったけど、誠実な性格はそのまま。宝塚のキャストで脳内再生されて楽しかった。

  • なんと爽やかな読後感。会社からも家族からもスポイルされつつある青柳誠一、異動させられての命題は会社がバックアップしているバレー団の公演の成功。バレーなんて縁も所縁も無かった彼だが、与えられた業務は律儀に不器用にくそ真面目にこなす特性がだんだん受け入れられて、遂には欠かせない人になって行く。素人がバレーの世界に刮目して力量を発揮する設定は少し無理があるものの、世界的な日本人男性ダンサーや控え目ながら素晴らしい才能を有するバレリーナや挫折経験がありながらも熱い女性トレーナーなどと関わるなかで、真の才能とは 夢中になれること 好きになれること が根っこだと理解できて、自分らしく歩き出そうとするところで終わる。初めに見たタイトル「カンパニー」で何だか企業に纏わる小説なのかと思ったら全然違って、ここではカンパニーとはバレー団であり仲間であることだと知った。SNSやらフラッシュモブやらがふんだんに出てきて さすがに今の小説だなぁ と思った。

全131件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊吹有喜の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×