ボクたちはみんな大人になれなかった

著者 :
  • 新潮社
3.33
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本棚登録 : 2118
レビュー : 237
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103510116

作品紹介・あらすじ

キミたちはみんな、もっと好きな人に、会えたのだろうか? 糸井重里、大根仁、小沢一敬、堀江貴文、会田誠、樋口毅宏、二村ヒトシ、悶絶! ある朝の満員電車。昔フラれた大好きだった彼女に、間違えてフェイスブックの「友達申請」を送ってしまったボク。43歳独身の、混沌とした1日が始まった――。〝オトナ泣き〞続出、連載中からアクセス殺到の異色ラブストーリー、待望の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • それぞれの時代の、それぞれの青春がある。とおりすぎていった風景や人たちが現在の自分を作り上げている。でも、ふりかえってもそこにはもうなくなっていて、その人は居ない。過去は地層のように積み重なり、あの日はそこに埋もれる。掘り出してももうそれは化石でしかない、あるいは亡霊のように。今日という日はそんなものを引き連れていく日だ。ありがとうとさよならの中間のようなグラデーションみたいな小説。

  • 「あなたは、私にとって遅すぎて」
    「ボクにとってあなたは突然すぎたんだ」

    すごいものを読んだ、というよりは、なんだろう
    夢見心地になれて、この世界にプカプカ酔うかんじだった
    現実主義過ぎるひとにはロマンチックが過ぎて、すこし入り込めない部分のある物語かもしれない
    「君の名は」がよかった!というひとは読んだほうがいいかもしれない

    おざけんの犬キャラ、ビューティフルドリーマー、ガンダム、エヴァンゲリオン、秋葉原通り魔事件、たくさんのリアルと虚構が交差する構成は、このお話がどこまでつくりもので真実なのかわかりたいけどわからなくておもしろくなってゆく

    スーとのもろもろが
    おとこのひとのリアル

    衝撃作ではないけれど
    とても読まされる作品だった

  • Twitterで話題の人。
    Twitter上での燃え殻さんもよく知らなかったけど、すごく詩的な文章だなぁと思った。小説としては正直なところ「?」という感じ。
    本という形態でなく、元々のウェブ連載として読んでいたらまた違った感想を抱いたかも。

  • Twitterでフォローしていた燃え殻さんの小説。いつもつぶやきが面白くて好きだったので、きょうちゃんに借りて読んでみた。

    物語はハタチ前後で付き合っていた元カノがフェイスブックに出てきて、過去を回想するところから始まる。切なさが増すに決まっている好きなスタイルです。
    1章1章が短くて、タイトルもフックがあって、すいすい読めました。また、忘れられない元カノがブスなフリーターってところが女性も喜ばせるんですよね。(ミスチルのシーソーゲーム的な。)
    テーマは「男はみんな元カノでできている」ってことなんだけど、だとすると女のほうが切ないんじゃないかな〜と女の私は思いました。なんか、勝手っていうか。やっぱり女性が書く恋愛小説のほうが好きなんだよなぁ・・・。

    でも、これはこれで「わかるわかる」と周りの男性を思い浮かべてうなずきましたよ。だって男性ってだいたい学生時代の彼女の話好きだもんね。苦笑

    最後の過去の彼女とのお別れシーンなんかは映像が浮かんできたので、「映画化かな〜」と誰もが思ったことでしょう・・・。開けたことのなかったラブホの窓を開けて、「何もなかったね」のところとか、女優&監督の力量が問われそうですね(笑)。

    スーの最後の言葉「あなた」の答えも最後に明らかになりますが、若いときに『あなた』を作った小坂明子ってすごいな〜と思ってしまいました。

  • ササっと読めたが・・・。
    あの時代の空気、何者でもない若者の不安感が。
    感じられた。

    どこに行くかじゃなくて、誰といくかなんだよ。

  • 二時間ほどで一気に読んだ。cakesの時と異なる部分もあったけど、それがまたよかった。男は後ろばっかり見てるな笑

  • 読む程に、胸に蘇るきれぎれの過去。
    疼くような切ない想い。
    誰かの問いかけや、くれた言葉を、
    こんなふうにていねいに
    胸に抱いて生きてこられただろうか。

    読後のこの胸苦しい気持ちを大事にして、残りの人生生きて行こう。そう思った

  • Twitterでフォローしている方々がこぞって推していた、燃え殻さんのデビュー作。2ちゃんねる発の代表文学が『電車男』だったとすれば、Twitter発を代表するのはこの作品ではないかと思う。

    ある日SNSで見つけた、自分が人生で一番愛した女性のアカウントと、ダサい夫婦写真。弾みで押してしまったフォロー申請をきっかけに、彼女と付き合っていた当時を思い出し「ボク」は失ったものを回顧していく。

    大切な女性を失った傷を抱えた主人公が、当時を回顧するストーリーといえば、村上春樹の『ノルウェイの森』を思い出す。もちろん細部はまったく違うのだけど、まとった空気感はとても似ているように思う。こう書くと意外とベタなストーリー展開と言えるのかも知れないが、著者の持ち味である感傷的でウェットな文章に大人たちがバタバタとやられてしまった。もちろん僕もやられた。大人になる上で心の奥底に閉じ込め、気付かないフリをしていた「痛み」の記憶に作用する普遍的な力が、この喪失の物語にはあるのかもしれない。

    《いつかはみんな去ってしまう》
    人生は別れの連続である。作中、ゴールデン街に入り浸る回想のなかに

    【瞬間的にその場限りの友だちになったり、知り合いになったり、なったフリをして、その夜の流れに身をゆだねていたような気がする。自分がすみかにしている場所以外に、別の顔をして別の自分を演じられる居場所を持つことが人生には必要なんだということを、ボクは真夜中のゴールデン街で通りすがりの賢人たちから学ばせてもらった。 】

    とあるように、刹那的な繋がりを繰り返してきた「ボク」。一方で「自分のすみか」においても、スーや七瀬は彼の元を通り過ぎていつの間にか消えてしまうし、チヒロや戦友である関口との別れも近づいている。

    主人公の大きな喪失はもちろんヒロインであるかおりとの別れである。しかし他にも数多くの離別があり、最終的には彼の元には誰も残らない。「哀しいかな誰がいなくなっても世界は大丈夫」なのだと主人公は知っているが、フタを開けてみれば、その別れのひとつひとつが小さな傷になっているはずだ。主人公との別れのシーンで関口は「あんなにたくさんの人間と会ってきたのに、誰とも一緒にいることができなかったなあ」と呟く。別れを繰り返してきたのは関口も同じであり、読み手である自分のなかにも、たくさんの過去の別れが喚起される。物語終盤、チェックアウト前のホテルでうつ伏せになった主人公の脳裏に、たくさんの思い出が走馬灯のように浮かんでくる。そのどれもが、彼が今日までに失ってきたものであるという事実に、読者の胸も締めつけられる。

    《何者でもない自分の居場所探し》
    喪失がひとつの痛みであるとすれば、もうひとつ本書の痛みとして「空虚さ」があるように思う。「20代前半、どこにも居場所のなかったボク」はエクレア工場でバイトをしていた。その後入ったテロップ制作の会社は「ジリ貧」であり、ガムシャラに目の前の仕事をさばいていくなかで、どうにかそこに居場所を見出していく。いつしか「加速して増殖する仕事量、お金の話もどんどん桁が増え」ていき、業界人の端くれと呼ばれるようになった現在の「ボク」。着実に仕事面ではステップアップしてきたはずが、その心のなかは虚しさで占められている。何者でもなかった「ボク」が居場所を見つけ出して行くストーリーと言えば希望がありそうだが、彼が辿り着いた居場所には誰も残っていない。「どこに行くかじゃなくて、誰と行くかなんだよ」というかおりの言葉とは真逆の結末となっているのが、切なすぎる現実ではないか。

    《結局、誰も大人になれなかった》
    本書のストーリーは現在と過去、ふたつの時間軸で進んでいく。現在の「ボク」は43歳、世間的に言えば立派な大人になっている。けれど現在の「ボク」が、過去の「ボク」が望んだ姿であるのかと言えば、どうだろうか。「あと2年以内に海外の舞台に立ちたいの」と語っていたスーは(愛人の1億円を持ち逃げして?)どこかに消えてしまった。ゴールデン街の店をたたんだ七瀬は、その後一度「ボク」に電話をかけてくるが、借金の無心といつまでも安定していない現状がただ伝わってくるだけである。「望み通りのものじゃなくても、美味いと言えるのが大人ってやつよ」と軽口をたたく関口も、おそらく自分の現状に「美味い」を言えなかったのだろう、無職の不安と引き換えに旅に出ることを選んだ。ダサいことを極端に嫌っていたはずのかおりは、傍目から見ればダサい夫婦写真をフェイスブックにアップしている。冒頭で「有名な女優になりたい」と語っていたチヒロも、最後はその夢を撤回すると主人公に告げる。

    彼らはみんな(あの頃思い描いていたような)大人になれなかったーー決してこれまでの人生を否定するわけではないが、改めて「喪失の物語」であると感じる結末は感傷的だ。読者は多かれ少なかれタイトルの「ぼくたち」のひとりとして、物語に共感を覚えてしまうのかもしれない。

  • 正直なところ、文も読みづらいしいまいちかな。
    ところどころグッと来るところもあるけど、読みづらさのほうが鼻につく。

    この本を読んで、私は主人公ほど感傷的なおっさんではないと感じました。

  • 過去と現在が交互にやってくるような構成。
    所々、感嘆させられるワードが気取った感じなく出てきてセンスを感じた。
    出会いも別れも一期一会!なーんて浅い感想でございます。

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著者プロフィール

燃え殻(もえがら)
1973年生まれ。テレビ美術制作会社で企画・人事を担当する。新規事業部立ち上げ時に始めたTwitterが話題になる。2017年、初小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』が話題に。同作が第6回ブクログ大賞受賞。

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