迷: まよう

  • 新潮社
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本棚登録 : 198
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103511113

感想・レビュー・書評

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  • 「未事故物件」「迷い家」がよかった。
    深夜に響く、洗濯機の音の理由は?
    泥酔したときに入りこんでしまった、無人の家の真相は?

    どちらもミステリ(サスペンス?)色が強めで、興味を引く謎だった。

    迷うことがテーマのためか、ダークな感情が多かった。

    〈アミの会(仮)〉のアンソロジー第4弾。

  • いやぁーーっ!と叫んでしまいそうな近藤史恵さんのコワイお話から始まる8人の作家さんが描く8つの“迷”。
    一番楽しみだった乙一さんのお話が一番好き。最後に怖いオチがあるかもと、どきどきしていたけれど優しい着地点にほっ。
    遠野物語のマヨイガをモチーフにした福田和代さんのお話もよかった。
    その福田さんのあとがきの、“迷う”と“惑う”がくっつくと“迷惑”になるのが興味深いに、同意。“迷う”がテーマのこの巻も、いろんな人がいろんなことで迷っているのだけど、それが本人や誰かの迷惑なお話になっていたりして、おもしろいなぁ。

  • 乙一さんの名前を見かけて購入。「迷う」という一つのテーマに沿って書かれたアンソロジー。

    ・未事故物件/近藤史恵
    引っ越した集合住宅で、早朝過ぎる時間に上の階から洗濯機の音がしてきた。しばらく我慢したが、耐えられずに不動産屋に電話すると、上の階には誰も住んでいないという。
    上の階の様子を見に来た女性を襲う計画だったとは。こんな手口、ありそう。不動産屋と悪者がグルになられてしまったら怖いなぁ。

    ・迷い家/福田和代
    酔っぱらって他人の家に忍び込み、用意してあった鍋を食べて酒を飲んだ挙句ぐいの身を持ってきてしまった主人公の中年男性。
    最初は迷い込んだ家を、遠野物語にあった「迷い家」だと思うが、当然そんなわけはなく……。
    主人公を巻き込んみ、老女から詐欺まがいの手口で財産を奪うという事実が隠されていた。
    犯人の部下と話をした時「酔っぱらってよく覚えてない」と言ってたのが良かったね。覚えてたらどうなっていたか……。

    ・沈みかけの船より、愛をこめて/乙一
    両親が離婚することになり、どちらについていくかを迷っている主人公姉弟。父と母はそれぞれ「自分についてきたらいい」という。
    両親本人や祖父母などから話を聞くうち、父親の浮気が明らかになる。
    父親の方にひきとられたら不幸になりそうなので、この決断で良かったんじゃないかと。

    ・置き去り/松村比呂美
    海外でジャングルを見るバスツアーに参加した主人公の女性。しかし途中の休憩で一人、置き去りになってしまう。携帯電話などはバスの中、食料もなく、途方に暮れる。なんとかしようとヒッチハイクを試みるが、運転手に現金を奪われて放り出されるというますます困った事態に……。
    章立てが変わり、またもや置き去りにされた女性の描写が。しかし今度は添乗員がきちんとした対応をしてくれた……。
    実は先に置き去りにされた女性が、後の章の添乗員。彼女は自らの体験を生かし、客の心に寄り添える添乗員として転職していた。

    ・迷い鏡/篠田真由美
    同じサークルに属する4人の女子大生。卒業旅行として、メンバーの一人にゆかりのある古い館を訪れる。
    その館には生垣の迷路があった。迷路の中には結ばれる相手が映るという「迷い鏡」がある。
    その生垣の中で昔、人が死ぬ事件が起こった。死んでいたのは家の使用人の女性。さらにその事件の何十年か後に、館の主が転落死するという事件も起きている。
    事件の裏には二人の兄弟と使用人、婚約者にまつわる複雑な恋心があった。
    冒頭でヘルマ・プロディット(男女どちらの特徴も有する像)という暗示がされていたのに、真相に全く気付かなかったわ……。

    ・女の一生/新津きよみ
    ある女のせいで息子を亡くした主人公の女性。
    離婚をしてひとり離れた土地に住んだ彼女は、あるホームレスの男性と出逢い、自分の家に来るように言う。その意図とは……。
    新津さんらしいじっとりとした女心が描かれた一作でした。

    ・迷蝶/柴田よしき
    仕事をリタイヤし、蝶の写真を撮ることを唯一の趣味とする男性が主人公の話。珍しい迷蝶が現れたと聞き、男性が撮影に向かうと、そこでもう一人の蝶ファンの男性に出会う。二人は何となく互いの身の上話をする
    ……という話なんですが、この男性は昔息子を亡くしており、それが「誰かの不注意」だった。
    その「誰か」が途中で意気投合した蝶ファンというわけです。
    しかしその蝶ファンも、昔「誰かのささいなこと」でプロポーズに失敗した過去があって、その「誰か」が主人公の男性である……とやや入り組んだ構造。

    ・覆面作家/大沢在昌
    騙り手の作家が、一人の死にゆく男性から渡された原稿。その原稿を書いたのは、男一人ではないと語り手は気付く。そして、文壇で話題になっている謎の作家かもしれないと思い至る。
    まるで語り手が大沢さん自身であるかのような描き方で、妙にリアルで良かった。

  • 同時刊行ということで
    どうしても先日読了した『惑』と比べてしまうのですが。
    こっちの方が途中経過が怖いというか
    ブラックな話運びのものが多いような気がしました。
    表紙の色の印象とまるっきり逆ですね。

    ヨマイガの話が被ったのは偶然ですか?

  • 『アミの会』4冊目。
    この「迷」が意味での中で一番好き。

  • アミの会のアンソロジー第四弾 
    乙一さん目的で読んだのでシリーズとしては初読
    勝手な妄想で読みはじめたので期待していたのとは違ったけど
    (もっとホラー的なものかと思った) 
    ひとつのテーマで色々な作家さん作品が楽しめるのは面白い

  • ・よかった編
    「未事故物件」悪質で再現が簡単そうな所が怖い。大手でもそうでなくても、不動産屋に色々個人情報入力するのが怖くなるなーと。

    ・よくなかった編
    「置き去り」斎木の甘ったれな人物がちょっと身近にいる人ぽくて嫌だなあと。あと二重構造にしてある所が「そうだったのねー!」より「書き方がまどろっこしいなー」という印象。個人的に嫌いなタイプの、説明なく時間と人の軸をずらされる奴だった。

    総評
    右か左かキリキリ追い詰められて「迷う」というより、いつの間にやら「彷徨う」「迷い込む」という形が多かったので勝手に思ってたのと違うなぁと。対版「惑」も好みかどうかどうしようかなー、でも読んでみないと分からないからやっぱり読むだろうなあ。そんでどっちも面白くなかったら次作読むのを控えるようにするかも。そういう意味ではすごく迷わせる。でもそういう迷いは要らないんだけどなー。

  • 編集さん主導ではなく、作家さんたちのゆるい繋がりから発案されているというアミの会のアンソロジーもすっかり定着した模様。
    未読の作家さんを知るというアンソロジーの醍醐味はないが、改めて好みに合う合わないがはっきりとわかる。

    「未事故物件」/近藤史恵
    「迷い家」/福田和代
    「沈みかけの船より、愛をこめて」/乙一
    「置き去り」/松村比呂美
    「迷い鏡」/篠田真由美
    「女の一生」/新津きよみ
    「迷蝶」/柴田よしき
    「覆面作家」/大沢在昌

  • 松村比呂美さんの「置き去り」や福田和代さんの「迷い家」が面白かった。
    みんな迷いまくりのアンソロジーでどれも良かった。

  • 「迷い」をテーマにしたアンソロジー。
    人生には必ず迷う時があるが、どの道を選んでも後悔だけはしたくない。

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