- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103511212
感想・レビュー・書評
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雪舟えまさんの描く不思議で、ほんわかあったかくなるショートストーリー6篇です。
現実にあるような、ないようなお話が多くて、もしかしたら未来にはそういう世界になるかも!?ってワクワクしました。
未来っていうと滅亡とか殺伐とした世界観になっちゃう話はよくあります。けれども、雪舟えまさんの描く未来、あるいはもしも?の世界はフワフワしたもので、今よりももっと人に優しくて、なんでも受容してくれる感じがします。
現代が舞台かなって話でも、読者の想像の余地がすごーくあるので、いろいろ自分勝手に想像しながらハッピーエンドにしちゃえます。
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未来の日本を想像したくなる短編集。福祉保険課失恋給付サービス係で働く女性を書いた「失恋給付マジカルタイム」や代理睡眠を仕事にしている女性を書いた「おやすみ僕の睡眠士」などが特に良かった。「愛たいとれいん」では緑に会いに行く楯が見れて表題作では楯が乗っていた斎の船について知れる。東京が未来東京に改名される日は来ないかも知れないけれど不思議と世界の明るさを信じたくなる。
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今回も近未来を舞台にしたふわふわSF恋物語。
「失恋給付マジカルタイム」幸せになりやがれ、ではなく、その幸せを作るために、少しでも寄り添いたい。
「キッチン・ダンス」何度でも巡り合う。姿を変えて、名前を変えて、声を変えて。それでも、会いに行ける。
「ちしゃの旅」『恋シタイヨウ系』の姉弟フェオとトートの、新しい命として生まれる前のおはなし。この二人はどうしたって血を分けて肉体を分けて生まれてくるんだなあ。
「おやすみ僕の睡眠士」百合枠。いや、ほのかにはキッチン・ダンスもだったけど。これは百合じゃなくてもほのぼのする。
表題作は雪舟えまワールドではおなじみ、おとむらい葬儀社・斎の舟ができるまでのおはなし。
「愛たいとれいん」収録作のみどたて枠。こうして読むと、この軸のみどたては綺麗に繋がってるんだな…。盾もちゃんと緑のこと愛しちゃってんですよ、って話。 -
日本のようで日本じゃない、ちょっぴり不思議な短編集。
筆者の物語を読むといつもふわふわしたような、あたたかいような気持ちになって、やさしい世界だなぁとしみじみ思う。
『おやすみ僕の睡眠士』は女性同士、『愛たいとれいん』は男性同士だが関係性が愛おしく、筆者が描く魂の結びつきのようなものが好きなんだろうなぁと自覚。
『パラダイスィー8』『愛たいとれいん』はともに『プラトニック・プラネッツ』の世界観と結びついた話なので、合わせて読むと楽しめるかも?
また、『愛たいとれいん』は『幸せになりやがれ』『緑と楯』の番外編っぽいので、こちらも読んでみたいところ。
<収録作品>
失恋給付マジカルタイム/キッチン・ダンス/ちしゃの旅/おやすみ僕の睡眠士/パラダイスィー8/愛たいとれいん -
失恋給付マジカルタイム ** / キッチン・ダンス *** / ちしゃの旅 ** / おやすみ僕の睡眠士 *** / パラダイスィー8 ** / 愛たいとれいん
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雪舟さんらしいどこかふわふわしたファンタジーランド。失恋給付……実際にあれば立ち直れるかな!
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相変わらず名前の付け方が素敵。おとむらいをはじめ、失恋給付金や睡眠士など独特の習慣とか職業がスルッと違和感なく入ってきて楽しめる。
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空想とメルヘン要素ありの短編集。
失恋給付マジカルタイム、おやすみ僕の睡眠士が個人的に好み。キッチン・ダンスはどこかパラレルワールドな感じ。
愛たいとれいんは、一緒に旅をしている気分になる。北海道にあるか分からない地名でも、北海道行きたいなってなる。