ルビンの壺が割れた

著者 :
  • 新潮社
2.79
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  • (73)
本棚登録 : 1743
レビュー : 308
  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103511618

作品紹介・あらすじ

この小説は、あなたの想像を超える。結末は、絶対に誰にも言わないでください。「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラスト。前代未聞の面白さで話題沸騰、覆面作家によるデビュー作!

感想・レビュー・書評

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  • 派手なポップで飾られた大型書店の一角。
    平台の上に積み上げられた本書。
    「この小説は、あなたの想像を超える。」
    「結末は、絶対に誰にも言わないでください。」
    「賛否両論の嵐が吹き荒れた」
    誘惑に負け手に取りましたが、
    とても薄い本なので数時間で読み終えました。

    学生時代の恋人の名を、フェイスブックでみつけて…
    という始まりに、キラキラした学生時代の恋物語?と期待したのですが…
    いや~合わなかったです。確かに想像を超えるものでした。
    すべてがわかった後で、もう一度初めから読み直したらまた違うのかもしれませんが、
    その気力すらなかったです。

    ただ一箇所だけ、
    「自分が病気になったのはバチが当たったんだ」という手紙への返信、
    「バチが当たるという考えは間違っている。
    もし病気がバチならば、すべての病人はバチが当たったことになる。
    だから病気に何か意味があるとは考えないでほしい。」
    この文章は、少し心に響きました。
    私も病気を抱える度、何か悪いことしたのかな…なんて考えてしまうことがあるので。

    ただ、矛盾するかもしれませんが、この人に限ってはバチでも仕方がないんじゃないかとも…
    ごめんなさい。そう思わないとやりきれないのです。


  • 「衝撃的!」「世界が変わる!」みたいな読者の声がカバーに書かれていて思わず買ってみたけど、それらは小説をあまり読んだことがない人の意見じゃないかと思いました。また煽り文句に騙されてしまった。読書初心者向け?

  • 確かに読後「おっ」とはなったが、それだけ。
    読書趣味の人にはあまり向かない本かと。
    あまり本を読まない人が同じく本を読まない友人に興奮気味に薦める、そんな本。

  •  第一印象、読んでしまったことが悔しい(苦笑)。
     とある本屋での売り出しがけっこうハデで(装丁も帯も派手だが)、店員POPが絶賛していて気になってつい読んでしまった。1時間ちょっとで読めるので時間を無駄にした感はない(むしろ、行列に並ばなきゃならない状況で読んだので、非常によい暇つぶしになったという点ではありがたかった)、が、今、この手の作品が重版、ベストセラー?? うーん、売れりゃいいという短絡的な発想か、いや新たなマーケティングの方向性?(無料期間を設けてネットで読めてSNSで話題にさせる)などなど作品以外のところに思いを馳せてしまったよ。

     物語はまさにそのSNSが蔓延する社会ゆえのお話で、ネットを通じて書簡(メール?メッセージ?)をひと組の男女がやり取りする。読みやすい文章で、30年以上前の青春時代を振り返る内容が、まさに同世代の自分からしてみると「あぁ昭和」な内容で(これも昨今多いモチーフではあるのだけど)、センチメンタルな気持ちでどんどん読み進められる。
     オチ(結末と呼べるほどのものではない。そうオチだ)は確かに衝撃的であるが、もうオチに向かう後半は、下世話な週刊誌の記事的な体験談の羅列に堕し、気分もどんどん悪くなる。でも悪くなりきる前に終わってくれるので助かるっちゃぁ助かる。

     なんでこんなに後味悪いのかをツラツラ考えるに、前半、どちらの登場人物もそれぞれ魅力的に描かれていて、30年ぶりにSNSを通じて連絡を取り合うことになり、想い出を語り合って、できれば良き関係のままエンディングを迎えて欲しいという期待を持ってしまうからかな。言い変えると、登場人物に対して、一種の信頼を置いてしまうのだが、それが見事に裏切られ、自分の人を見る目がなかったと思わされるところなのかもしれない(人を見る目がなかった、本を選ぶ目がなかった、とふたつ後味が悪い・笑)。
     実際、登場人物のふたりは、その青春において、お互いを誰よりも信頼し認め合うが、決定的な裏切りを味わい破局に至る。当時はお互いにその破局の理由、相手に対する許しがたい不信感を伝えることなく別の道を歩む。そして、30年ぶりにSNSを通じての会話のやりとりで、その不信感をついに相手に伝えることになる。と、いうのが謎解きというか、本書のプロットなんだけど、まぁ、よくよく考えたら、そこがあり得ないところで、ロジックも破綻していて読み返す気力も起きないところなんだな。

     この手の話、喩えるなら、合宿やキャンプで、枕を抱えてとか焚火を囲んで話すたわいない怪談話の類か。オチで「わっ!」と驚ければ、それまでの前フリの意味のなさやロジックの破綻なんかはお構いなしの莫迦話。 あぁ、してやられたよ、なんだ真面目に聞いて損した!と枕を投げつけたくなる、あれだな(笑)

     まぁ、それを見越して、こうしたら売れるだろうとマーケティングを仕掛けたのは天晴れだ。そして、昨今、まさにSNSを通じての不気味な事件が起こっているこのご時世、魔の手はこうして忍び寄るんだよという注意喚起の書になるかもしれない。
     悔しくて☆ひとつにしようかと思ったけど、も一つくらいは加えておくかな。

  • 呆気にとられました。
    久しぶりだわ、こんな感情。
    サクッと読めたけど、期待し過ぎました。

  • 帯には「1時間で読める時短小説」とありましたが、まさにその通り。
    あっという間に読み終わりました。

    Facebookのメッセージで30年ぶりに交流するようになった「水谷」と「未帆子」。
    結婚式当日に花嫁が姿を消す、という出来事から、久しぶりにメールを交換し合うふたり。
    次第に過去の様々な事情を語り合うようになり、衝撃の真実が明かされる…。


    着眼点は面白かったのですが、ラストが好きではありませんでした。
    全体的に「薄っぺらいなぁ」という感想です。
    演劇についての語りの場面など、臨場感もあって素敵だったのに、最後のシーンに行くまでの伏線でもなければ、物語の「高低差」をつけるものでもなく。

    時間つぶしにはいいかもしれませんが…。
    個人的には「外した」感のある一冊です。

  • たまたまFacebookでかつての恋人を見つけて思わずメールした。何かの理由で結婚式をエスケープした彼女と、30年の時を経て懐かしい話についてやりとりして…と思っているうちにどんどん不穏な方向へと転がっていく。
    決定的な「何」かを避けたままつづくやりとり。狂気の後出しじゃんけん。
    読みながら考えていたオチは、2人は解放病棟の入院患者。徐々に妄想が上塗りされていく、というのか、男が入院患者。本人は自覚なく二つのアカウントを持っていて一人でやりとりしている、というもの。
    違ったけど。

    • 黒うさぎさん
      そのオチのストーリーを激しく読みたくなりました!
      そのオチのストーリーを激しく読みたくなりました!
      2017/09/03
    • べあべあべあさん
      黒うさぎさま、コメントありがとうございます。そうですか、このオチのストーリー読みたくなっちゃいましたかwうふふふふ
      黒うさぎさま、コメントありがとうございます。そうですか、このオチのストーリー読みたくなっちゃいましたかwうふふふふ
      2017/09/05
  • 50代男女のメールのやり取りのみで
    進んでいくミステリー。
     
    読後感は最悪です(笑)。
     
    いや、つまらないとかそういうことではなくて
    なんだかもやもやとしたものが胸につかえてますww
     
    小説読んですっきりしたい人にはおすすめできませんが
    イヤミス大好きな人には堪らないかも。
     
    敢えて☆の数4つにしましたが
    斬新さ、イヤミス度合い、もやもや感、
    ☆5つにしようか迷った作品です。
     
    簡単に読めるので、取り敢えず読んでみてください!

  • 改めて読み直すと、
    彼が洗礼をうけたのは真人間になるためではなくて、
    刑期を短くして仮出所を早めるためなのかとか、
    パソコンを利用しないのはITに疎いからではなくて、
    刑務所にいたために触ることができなかったからなのかとか、
    そもそも彼は胃がんという設定もウソだと思うんだな。
    互いに行間を読み進めながらの攻防で、
    双方の騙し合いなわけです。

    一馬側は優子に出会って殺し、
    次は美帆子の個人情報を確実につかんで復讐したい。
    美帆子側は相手の心意を読み取り、警察と相談したうえで、
    少しずつ相手の個人情報を手に入れ、
    証拠となる言質をとって
    証拠不十分で不起訴になった事件を立件して逮捕に導きたい、
    という本当の往復書簡の理由が根底にある。

    フェイスブックのメッセージのやりとりには
    表面的な文面だけが記されてはいるけど、
    それを書いている人の深層心理や背景までは読者にはわからない。
    往復メッセージの文面通りに、お互いが秘密を知りながら
    過去の話に呑気に花を咲かせていたわけではない、
    と読み取った。

    最後の一文は彼女の本音が表されている、
    ということで太字になっているんだろう。
    文体を変えるのはさすがにどうかと思うけど。

  •  結城未帆子のフェイスブックに、水谷一馬と名乗る男性から突然のメッセージ。それは30年前の婚約者からだった――。旧交を懐かしむ文字だけのやり取り。出会いから交際、そして婚約、二人は青春時代に戻り語り合うが、水谷が本当に聞きたかったことは、30年前の二人の結婚式当日、未帆子が式場に現れずそれ以来姿を消した理由だった…。真実が明かされる時、読者の中で激しい音をたてて「ルビンの壺」は砕かれる。
     二人の男女のフェイスブックにおけるメッセージのやり取りのみで構成され、ラスト一文が読者に衝撃を与える。本名、性別、年齢、職業など全て未詳の覆面作家・宿野かほるによる新感覚のエンターテイメント小説。

     1時間程度で読了。読後、あまりの衝撃に震えてしまった!先が予想できた、という感想を書いている人もいるが、私は全く予想できずにまんまと作者の手中にはまってしまった。
     牧歌的な青春時代を懐かしむ場面から、めくれ上がる欲と狂気にまみれた真実。恐ろしいのはその振れ幅だ。後半次々と明かされる真相を信じたくない思いで読む読者に、ラスト1ページ、いやラスト1文が、鋭く、激しく、乱暴に叩きつけられる。
     グロテスクな表現はないのに、グロい。表現とか、描写ではなく、読者を巧みに騙す構成力と斬新なスタイルに眼を見張るものがあると感じた。まさにエンターテイメント。癖になる衝撃!とにかく読んでほしい!

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