- 本 ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103512912
作品紹介・あらすじ
今、最もチケットの取れない講談師は、なぜ滅びかけの芸を志したのか。かつて落語を凌ぐ人気を誇った講談は、戦後存続を危ぶまれるほど演者が減った。数の上で女性優位が続く東京の講談界には現在、若手の男性はほんのわずか。そこで一人気を吐くのが、二ツ目の神田松之丞である。巧みな話術で客を釘付けにする彼は、堅苦しい世界をどう変えたのか。張り扇片手に高座へ新風を吹き込む革命的芸道論。
感想・レビュー・書評
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講談を見たくなって、覚悟が凄いなと思った。
松之丞さんはテレビで見た事があって、
講談をやってる人で、毒舌な感じのイメージがあったくらいだった。
初めの頃から戦略的に考えて行動に移して、
私がテレビで見てたのも講談のためで。
実際、松之丞さんを見ていなかったら、講談と言うものがあるのは知っていたけど、見に行きたいとまでは絶対に思わなかった。
いつか必ず見に行きたい。
講談は師匠曰く50歳から楽しくなるらしく、辛くて長いだろうなと思うけど、好きな事を長く続けられる目標がはっきりと先にあるのはカッコよくて羨ましいなと思ってしまった。
伯山の名前を継いだ覚悟が凄すぎる。すごく好きでそれで生きると決めたとしても、継ぐというのは自分だけでは無くなって、いろいろ背負わされる。自分ならビビって無理だ。
伯山さんと講談、
どっちにもすごく興味が湧いた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神田伯山真打昇進前の、インタビュー再構成もの。
講談はテレビでしか見たことがないが、この本を読むと高座を観に行きたくなる。まずはYouTubeで本人の番組を観てみよう。
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テレビ・ラジオでも活躍中の人気講談師六代目神田伯山の、松之丞時代に出版された半生記。本人および師匠の神田松鯉や友人等へのインタビューを中心に構成されている。
落語にハマった高校生が、大学生時代にさらに伝統芸能ファンをこじらせ、どのように講談師への道を歩んできたのかが本人の口から語られている。
私は中高年になってから、とあるマンガがきっかけで落語を聴くようになり、そこから他の伝統芸能にも少しずつ食指を広げていったのだが、松之丞のように10代から既に伝統芸能の魅力に気付いて、かつハマっていく人も一定数いることで、芸は伝承されていくんだな~という事を本書を読んで再認識した。
あと、本書とは直接関係ないが、伯山が松之丞時代からやっているラジオ番組「問わず語りの神田伯山」がヒドい(誉め言葉)。基本的には人の悪口か愚痴。しかもそのほとんどは、自分の勝手な思い込みや被害妄想によるもので、言われた本人にしてみれば激高ものレベル。よく続いているな~と思いつつ、毎週楽しみに聴いております。ちなみに本書で語られている内容もそのほとんどはこの番組で語られていた。 -
ラジオからは想像もつかないくらいの真面目さと真剣さ。こんな人だったのね…
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武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000236873
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東京の講談界で、ほんのわずかの若手の男性、二ツ目の神田松之丞。
子ども時代から学生、入門、前座修行を経て二ツ目までをインタビュー形式で振り返ります。
芸に対する考え方、堅苦しい講談界を変える戦略。
新しい風を吹き込む革命児の芸術論です。 -
講談師に取組む姿勢、自身だけでなく、業界全体のために何が必要かを把握して、自らに役割を課して取組む点を見習いたい。
サラリーマンにはならないと、幼い頃に決めたものの、講談師になることを決めたのは大学卒業の頃だという。一時期、特に男性の入門者が少なく、講談師は絶滅の危機に向かっていた。
前座から二つ目へ、さまざまなしきたりの中でも、講談を背負っていくという思い、自分ならできるという自信、未来を信じることを軸に努力を続け、実力をつけている。 -
講談に永久就職した男の話。就職活動をしていたときに読みたかったくらい、ジャンルを超えた学びがある。単に講談好きが高じて入門したわけではない。業界を分析し尽くして、自分が勝てる主戦場を選んだ策士である。前座時代からすでに二ツ目以降を見据え、講談復権のために聴衆が求める芸を実験に実験を重ねて模索していく姿は、さながら腕利きのマーケターのようでもある。
松之丞カレン、太田松之丞、ラジオを経てこの本にたどり着いた。YouTube以外で一回も彼の講談を見たことがないので、早く生で見てみたい。 -
今、神田松之丞がすごいらしい、です。
講談に疎い私にもいろいろ情報が入ってきます。
講談師といったら、昔、孫と見ていたEテレの神田山陽(何代目かは知りませんが)しか知りません。
ぱっとしない講談の世界に新風を巻き起こしているという松之丞、機会があれば聞いてみたいものだと思っていたところに、この本を発見、まずは知識からということで読んでみました。
まず表紙の松之丞の写真がすごい、黒の羽織袴を着た松之丞が釈台に片手を着きまして、こっちを見ているその目。
目力?睨み付けている?凄い目つきです。
思わず先に目をそらしてしまい、負け。
勢いで釈台がずりずりこっちにズレてきそうです。
内容はといいますと、高校時代から、落語、講談、長唄と片っ端から寄席通い。
それも人気の若手芸人ではなくて、今見とかないと間に合わないぞというような高齢の芸人ばかり。
まあ気持ちはわかりますが、高校生が考えることですかね。
そして大学を出ていよいよ自分でもやってみたいと思ったときに、全盛期の落語では目が出にくいだろうからと講談を選ぶあたりも何だかこ憎たらしい。
そう、なんか気に入らないんです、態度がでかいのか、偉ぶっているのか、訳の分からない自信なのか・・・
そして読み終わったころ、タイミングよくラジオで幽霊話を聴く機会がありまして聴いてみました。
う~ん、まだ何とも言えません、変に先入観があるし、人気が先行しているし。
まぁ来年かな、真打になるらしいし、実際見てみないとね。
それより私は、こちらも近々人間国宝になられるという、松之丞の師匠の三代目神田松鯉の講談を聞いてみたくなりました。 -
^_^ 有り 779.1/カ/17 棚:19
著者プロフィール
神田松之丞の作品





