1ミリの後悔もない、はずがない

著者 : 一木けい
  • 新潮社 (2018年1月31日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103514411

作品紹介

ネクストブレイクはこの作家! 心揺さぶる恋を描く鮮烈なデビュー作。「俺いま、すごくやましい気持ち……」わたしが好きになったのは、背が高く喉仏の美しい桐原。あの日々があったから、そのあと人に言えないような絶望があっても、わたしは生きてこられた――。ひりひりと肌を刺す恋の記憶。出口の見えない家族関係。人生の切実なひと筋の光を描く究極の恋愛小説。R-18文学賞読者賞受賞作。

1ミリの後悔もない、はずがないの感想・レビュー・書評

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  • 「うしなった人間に対して一ミリの後悔もないということが、ありうるだろうか」

    西国分寺が舞台の、初恋のお話。
    本書には5篇のお話が収録されているがすべて地続きの同じ物語。
    匂いや色気、女の本音、きれいなものも汚いものも包み隠さず押し込められている。
    スターだった先輩、その成れの果てとか、とはいえ、誰かに愛されている姿とか。
    桐原という男の子と由井という女の子の恋愛が主軸にあって、物語はその二人をとりまく人物にフォーカスが移動したり戻ってきたりして進んでいくのだけれど、この二人が大人びていて静かに、でも中2とは思えない穏やかさで愛を育んだ過程が描写としては最初のお話でしか描かれていないのに、それぞれの視点から感じ取れるのがすごい。
    そして最後まで桐原くんは格好いい。
    桐原くんのまま、というのが、いい。
    彼だけが成長していないままで、それが切ない。
    しんだひとみたい。

    題名も表紙の写真もぴったり。
    脇だけど、高山先輩は非常に興味深い人物でした。

  • 最初はフレッシュすぎる気持ちもしたにゃ
    じわじわきたにゃ。

    塞いできた蓋を開けられてしまったにゃ

  • それにしても苦しい。読んでいる間、ずっと苦しかった。彼ら、彼女らとは全然別の十四歳を超えて来た自分なのに、どうしてこんなに苦しいのだろう。
    もしも、十代で誰かに本気の恋をしたり、誰かに心から大切にされた思いがあれば、多分その後の人生、どんなことがあっても大丈夫だ。たとえ、絶望も一緒に味わったとしても。
    そして、かつて心の底から大切だと思った誰かの幸せをずっと祈って行けるような、そんな恋をしたい、そう思う。

  • 作者のデビュー作とのこと、とても良かった。
    人に否応なくついてくる悲しみが由井や河子を通して描かれているけれど、その中に作者の優しさが感じられて、じわじわとくる作品。
    過酷な生活を送る由井が、淡々と自分の人生を受け入れている様子がいじらしい。
    そして桐原の存在がなんとも素敵。最後の最後彼の温かさに心が救われる気がした。

  • 最初の一話目からクライマックス。
    これが新人さんとか絶対嘘だろ…と思わず呟いた。
    短編形式だけど、登場人物は少しずつ繋がっている好きなパターンの短編集。
    短編だけど、最後まで読むと大きな流れになった一冊の初恋恋愛集。
    恋に不器用でいながらも何でも全力だったあの拙い頃の気持ちが苦く蘇る。

  • 自分の歩んできた人生を、見透かすような秀逸なタイトル。
    過去の回想で、気持ちは一瞬にしてあの頃に戻る。
    懐かしい少女の時の気持ち、今にして思えば痛くて恥ずかしくて後悔してぐちゃぐちゃだったのに、それでもやっぱり宝物のような恋だった、と思う。
    その時の後悔を持ったままでも、どうか幸せになって。

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