隣のずこずこ

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  • 新潮社 (2018年3月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784103516613

作品紹介・あらすじ

「あいつ」が現れてから私たちの平凡な日常は一変した、はずだった――。中学3年生のはじめが住む矢喜原町に突如、伝説の「あいつ」と謎の美女・あかりさんがやって来た。なんでも1カ月後に「あいつ」は町を破壊し尽くし、町民はみな丸呑みにされるという。え、マジすか? はじめたちは計画阻止のため、ゆるゆると奔走するのだが……。全選考委員興奮&絶賛の新時代のファンタジー小説!

感想・レビュー・書評

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  • 本屋で偶然見つけて購入した本。
    とても面白かった!
    権三郎狸とは?飲み込む?どうなるの?と続きが気になって仕方がない。
    なんてことのない当たり前の日常が、ある日を境に崩壊するのだけど、なぜかのほほんとしていて、現実味がないのになぜかゾッとする。たんたんとした笑顔のあかりさんも怖い。
    どう終わらせるのだろうと思ってたら、まさかこー来るとは!!
    そしてそこで終わるの!?と。
    もー最後まで面白かった!

  • 不条理。ファンタジーカテゴリなんだこれ。。
    権三郎狸という信楽焼の狸がやってきた町や村は1ヶ月後に、住んでる人は狸に呑まれて村は焼かれて跡形もなく消されるというお話。記憶にも残らない。
    「そういう事になってるから」で済んできたのか、と思ったけど、人も土地も記憶から消されるので何もわからないんだろうな。
    いきなり消えないといけないのも苦しいけど、消してきたものを忘れられず覚え続けていないといけないのも相当な苦しみだと思いました。狸憑き、殺されて権三郎狸になることがいつしか救済みたいに思えてくるのかも。

  • 王道の昔話なのかもしれない。

    この物語を読んでいるとどうしても3.11や福島県の帰還困難区域のことを連想してしまう。

    突然に、日常を喪い、身近な他者を喪い、大切だったはずなのに、或いは衝撃を受けたはずなのに、記憶が薄れてゆく。

    記憶と実存。

    P.205『でも思い出したとしても懐かしむだけで、それからどうかしようという気は起こらない。(中略)・・・たような激しい感情は、今の私にはもう起こらない。』

    ヒトは生々しい記憶もいずれは薄れるようにできている。

    もしも想起する度に生々しい記憶が甦ると、そのたびに深い傷を何度でも受けてしまう事になり、これは忘却という防衛機制なのかもしれない。

    もちろん、記憶が脱感作されずフラッシュバックや解離・離人を引き起こすPTSDも形成されることも多いが。

    この物語は何の変哲もない、没個性的な村落が舞台となる。恐らく関西、近畿地方だろうか。

    没個性的日常に突如として出現した非日常。
    これもまた日本的な神話の在り方だ。

    このように考えれば、この本もやはり一つのにほん昔話的要素が色濃い。

    自然災害、被害、忘却という日本人の心性、民族的トラウマというべき集合的無意識が「権三郎狸」という形で表出した、王道の昔話なのかもしれない。

    面白い。

  • 日本ファンタジーノベル大賞受賞作ではあるが、ホラーの要素が強いな、と思った。
    昔話として語り継がれていた、村を滅ぼす権三郎狸が現れた。一ヶ月で村の全員が呑まれてしまうと言われ……。
    ファンタジーにしろホラーにしろSFにしろ、設定の奇抜さやユニークさはもちろん、その状況において人はどう考え行動するのか、が物語のキモだと再確認した。
    本作は、不思議な諦観と、ときにそれに抗うような熱さと、やっぱり諦観に戻ってくる流れがある。田舎という舞台設定もあって納得もし、どうにかしたいと一緒になってモヤモヤもする。
    理不尽な運命に対する反応や行動が、現代日本を反映しているようで、ある意味不気味で、よくよく考えるとぞっとした。
    ラストここで終わり!? とも思ったが、カタルシスを求める話ではないので、読者に問いを残すくらいでいいのかもしれない。

  • めちゃくちゃ面白い。「終わり」を描く作品はたくさんあるけど、こんなの読んだことない。ファンタジー×ホラー×民話なのかな〜。

    主人公・はじめの住む地区には古くから伝わっている民話がある。『ある日、女がやってきて「しばらくここに置いて欲しい」と頼まれ、村で暮らすこと一ヶ月、女が突然去った後に狸がやって来る。その狸は巨大化し、村の人々を丸呑みし、炎を吐いて村を焼き尽くす』というもの。

    なんと、民話だと思っていたが、本当に狸がやってきてしまった。しかも女も同時に。
    その女・あかりは「一ヶ月後に権三郎狸が村を滅ぼす。どうしようもできない」と、ほのぼのと言う。
    さあ残り一ヶ月となった人生を、主人公たちはどう過ごすか。と言うお話。

    信楽焼の狸が装丁にも描かれているが、物語にもこの形の狸が現れて、その歩く音が「ずこずこ」。
    切羽詰まったはずの主人公なのに、どこかのほほんとしていて、自分ごととして捉えられてないのが面白い。登場人物感にはもちろん温度差があって、主人公より敏感な人は生き残るために行動に移すけれど、そうしない人もいて、対比に笑う。ずっとバーベキューして、ぶくぶく太って、もはや肉をうまく感じなくなった家族がいるんだけど、自分も似たような過ごし方をするかもしれない。
    そして納得のラスト。まさかだった。

  • 「日本ファンタジーノベル大賞 2017」受賞作品。中学3年生のはじめの住む町に謎の美女 あかりがやって来た·····あの伝説の「狸」を連れて。1ヶ月後に「狸」は町民を呑み込み、町を破壊すると言うが·····。
    1ヶ月後に人生が終わることを知り、それを受け入れ物語はほのぼのと進んでいく。自身の周りの人々との関係を通して人間の感情の変化が現れると共に物語は重い感じ、ホラーへと変貌していく。理不尽としか思えぬ状況、忘れる恐怖と忘れられない辛さ。
    この物語は「大人の昔話」 ホラーファンタジー。
    ★★★✩✩ 3.0

  • ほのぼのとしてストーリーを期待してたのにむっちゃ怖かった

  • 2019/12/5
    表紙の印象とは違う内容。
    ストーリーは表紙のままなのに。
    哲学なのかな?

  • ファンタジーというより私にとってはホラーだった。
    タイトルと表紙の可愛い絵に騙された感じ。

    古くから村に伝わる昔話の主人公・権三郎狸がある日突然、目の前に現れたら。
    しかも一ヶ月後に、村も村人達も全員権三郎狸に呑まれ滅ぼされてしまうとなったら。
    これまで通りの日常のまま過ごす者、ゲーム三昧を楽しむ者、高価な肉を食べまくる者、海外に逃げる者等々、それぞれの一ヶ月を過ごす。
    自分の終わりを知った時の行動により、その人の人間性が浮き彫りになる。
    たとえ権三郎狸が村にやって来なかったとしても、人生の終わりは必ずある。
    それは分かっていても終わりまでのリミットを具体的に告げられるのは堪らない。

    「一ヶ月でできないようなことは、きっと一生かけたところでできやしない」
    村人達にとって濃くて長い一ヶ月。
    私ならこの一ヶ月をどのように過ごすだろう。
    ラストがどのようなオチになるのか、気になりつつ読み進めていたけれど、意外な終わり方にモヤモヤが残った。

  • ふむ

  • ずこずこという表現が読んだ後は、ぴったりだなと思った。
    一ヶ月後にタヌキに飲まれると知ったら、自分だったら何をするかなとかつい考えてしまった。
    ただ、何故狸と女の人が来たのかとか、逃げてる森田一家はどうなったのか謎が残る。
    全体的に読みやすくて、面白かった。

  • ユーモラスな響きのタイトル。「たぬきがやってくる」という不思議でやや抜けた設定。それら全てを裏切ってくるような容赦のなさと残酷さの詰まった物語でした。

  • 「あいつ」が現れてから私たちの平凡な日常は一変した、はずだった――。中学3年生のはじめが住む矢喜原町 に突如、伝説の「あいつ」と謎の美女・あかりさんがやって来た。なんでも1カ月後に「あいつ」は町を破壊し尽くし、町民はみな丸呑みにされるという。え、マジすか? はじめたちは計画阻止のため、ゆるゆると奔走するのだが……。全選考委員興奮&絶賛の新時代のファンタジー小説!

  • 森見ナイト〜ペンギンといっしょに〜テーマ「森見登美彦」で紹介された本です。
    2018.8.19

  • 本当に大切なものは宝箱に入れて引き出しの一番底にしまってあるものではなく、机の上でずっとこねくり回して手垢でぴかぴか光っているものだ。

    もうちょいポップかと思ってたら、意外と物騒で不穏な話やった。予想外で面白かったなー!結末はなんとも言えん後味というか、主人公もう狂ってしもたやん。目的がというか目的の重さがおかしくなってもとる。
    しかし、ラスト近辺の誤字とか、編集者仕事せい!!

  • のどかな山間の村に、権三郎狸を伴った美女が現れる。
    権三郎狸は、訪れた一ヶ月後にすべての村人を呑み込み、村を焼き尽くすという言い伝え。それは真実だった。
    終わりまで一ヶ月足らずを宣告された村人たちは、反応は人ぞれぞれながら、しかしどこかやはりのどかなのだ。その中で、語り手である女子中学生のはじめの周囲にも、変化が起き始める。
    村はどうなるのか、はじめはいったいどうするのか。

    軽妙な文章は読みやすく、雰囲気はシュールで、読んでいて飽きませんでした。
    とはいえ、ファンタジーノベル大賞らしいというか、一筋縄ではいかない作品でした。
    読了して、ものすごいわだかまりが胸の中にあるけれど、一言で現すなら「怖い」が一番近いのかなと思います。
    動く信楽焼である権三郎狸は、まあふつうに怖いです。あと、おしゃべり上手で人当たりの良いあかりさんも、わりと早い段階から怖いなと感じました。うすら怖いというか。肉を食べ続ける綾子も地味に怖いし。
    そして、権三郎狸に呑まれるということは、結局どういうことなのか? と否応なく考えさせられ、それがとても怖い。

    自傷のような真似までして忘却に抗おうとしたはじめなのに、自身が生き残れることが決定した時、村と人々が呑まれてしまうことを「まあ仕方ない」とばかりに許容したのはなぜだろう。
    忘れること、忘れられること、憶えていること、時間の繋がり、生きること。それらが複雑に絡み合って、ぱっと見エゴの極致めいた結末になっているよう。でも私の中身を丹念に検めてみたら、そういうものが痛いくらいの切実さをまとって存在している気がする。

    飄々とした語り口は、全体を通しての大きな魅力です。しかしこれが最大の効力を発揮するのは、はじめがあかりさんと夜の散歩をした後の長い独白に至ってだと思います。数ページに渡りはじめの胸中が語られる場面ですが、この最中にはじめは境界をまたいでしまったのではと感じました。それほどまでに耐え難いことだったのではないかな。
    そんなはじめだからこそ、あかりさんの跡を継ぎ、そしていずれは権三郎狸になるのだろうと思えば納得がいき、そしてやはり怖い。

  • 中学生のハジメが暮らす田舎の村には、権三郎狸の昔話が伝わっている。ある日昔話の通りに狸を連れた女性がやってきて、1カ月後に村を滅ぼすと宣言した⁈

  • どう終わるのだろう…という興味がつづいた。

  • 正直もう読みたくない。
    こういうジャンルは嫌いでは無いのだが、そもそももっとふわふわしたほのぼの系かと思った。
    それは置いといて、読後感が酷く悪い。
    伏線の回収や、キャラクターたちの動きの気持ち悪さが自分には合わなかった。
    お前には感情がないんか?と思うような、平凡な状態から凶行に走ったり、かと思えば巻き込まれてもすぐにケロッとする。
    いやいやいやいや、確かに彼らには彼らの世紀末感があるのかもしれない。だから平和な世の自分には分からないのかもしれない。が、感情移入できない。こんなに出来ないのは数えるくらいだ。

    唯一、1ヶ月の中で出来ない奴は、一生かけても何も出来ない的な言葉は、確かにそうだよなと納得。

  • ほんわか系
    田舎感
    サクッと読める
    ちょいグロ
    謎多い

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