物語を忘れた外国語

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 300
感想 : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103517214

作品紹介・あらすじ

いつもかたわらに物語を。小説や映画と一緒なら、語学はもっと面白い! 何のために言葉を学ぶのか? 試験や資格のための勉強では見えてこない、外国語習得の秘訣、大公開! 語学学習で大切なのは、TOEIC対策でも問題集を何周もすることでもありません。小説、映画、テレビドラマetc……、物語から学ぶこと。言葉を知れば、物語の新たな魅力も見えてくる。本当の語学の楽しさ、教えます!

感想・レビュー・書評

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  • 言語学者ってこういう発想なのか・・・唖然とする箇所あり、そうなのかもな、と納得する箇所あり。紹介される本の読み方、映画の着眼点の話を読んでいると控えめに言っても相当な変人、という気がするけれど、言語というものを心底愛しているのが伝わってきてとても面白い。

    歴史と関わり、風習や生活とも密接に繋がる言語は「ちゃん」という接尾辞ひとつ、人称代名詞ひとつ取ってもそれぞれ発想が違ったり重要視するポイントが違ったりする。言われてみれば当たり前。でもそれを言語学的に言うと?ということが素人にも分かりやすく、面白く紹介されている。著者本人も似たことを言っているように、相当はみ出し言語学者かも。

    つい真似して、異国の言語で物語を読んでみたくなる。

  • 外国語、こんな勉強法(親しみ方)もあります。

    外国語学習=会話がすべて、か? そうは思わない。検定試験を受ければ、外国語の力がついたことになるか。そうでもない。読書を通じて、しかも物語を通じて学ぶことの魅力をこれでもかと筆者は語ってくれる。言語、文学、歴史は、外国語を学ぶために必要なのだ。そして、それは魅力でもある。その言語に興味を持ったら、その言語の使われている文学や、背景の歴史も一緒に学ぶ。そういう勉強方法もあっていいのだ。

    翻訳について書かれたもの、とも言えるかもしれない。あまりに外国的な物語は、その文化固有のものや歴史についての注釈が多くなるから、翻訳には向かないか。人称代名詞をどう訳すか。星新一を、横溝正史を、三島由紀夫を、湊かなえを、松本清張を訳したらどうなるか。ソビエト文学の、地域の広さと、そこに現れている歴史的な解釈。様々な物語に出てくる「外国語」の存在感。谷崎潤一郎『細雪』に出てくるロシア人はウクライナの人ではないか説など、興味深く読んだ。

    英語でピーターラビットやのばら村など、小さい頃に親しんだ物語を読んで、無性に嬉しくなったことを思い出した。ハリーポッターは、話を知っている今でも、やはり英語で読むと面白い。ヨーロッパ四カ国語の子ども向け絵事典を、何度も何度も繰り返し眺めたのも楽しかったものだ。そういう自分の体験を、筆者が言い表してくれているような気がした。

  • 騙されたと思って実践すると良い意味で騙される奴

  • 軽いエッセイ集。

  • どこまでも共感。黒田先生、ありがとう。

  • 辞書を引かないで最後まで読み進める、邦訳でのネタバレはなるべく避ける、映画であらすじを知っておく…など、物語を用いた外国語学習のコツを教わった。
    完璧を求めすぎず、もっと気楽に楽しく外国語を学んでいこうと思った。
    読了後、"Harry Potter and the Philosopher’s Stone"をポチった

  • 外国語を勉強するときに、物語から学ぶことは多い
    文法書や参考書ばかりにかじりつくのではなくて知っている英語が原作の作品を見たり読んだりすることからも学ぶことができる
    言語学者として言葉にこだわりすぎていたのかもしれないと思った。

  • 多くの文学作品が紹介されていて読んでみたくなる

  • 黒田さんは、聴く、話す、読む、書くという四技能のうちどれをとってもロシア語が一番得意で、二番目は英語。ウクライナ語とフランス語の読書、イタリア語とセルビア語・クロアチア語も話せるそうです。本書の冒頭はチェコ語で講演する話でした。恐るべしマルチリンガル。ためになったのは、やはり外国語学習法。黒田さんの場合、物語の日本語訳を読む、原文を当たる、映画を観る、と同じ作品に何度も違う形で触れるそうです。そういうことをわたしたちは学校でも塾でも家庭学習でもしてこなかったように思います。だからこそ「物語」を読むことを忘れてはいけない、という意味も込めて、本書にはこのタイトルが付けられているのです。

    p65
    わたしはその土地に根差した小説が好きである。歴史背景や文化事情が濃厚に反映していて、外国人がただ読んだだけでは容易に理解できない物語。そういうのがいいのだ。

    p120
    ディック・ブルーナのうさこちゃんシリーズ。最近はミッフィーともいう。もともとはオランダの作品で、原タイトルはオランダ語でNijntjeといい、「ナインチェ」あるいは「ネインチェ」と発音するらしい。その英訳がミッフィーで、日本語訳がうさこちゃんとなる。

    p133
    ロシア語のЯ(「ヤー」と発音し、英語のIと同じ意味。Rの裏返しではない)

    p141
    ソビエト文学はロシアに限らない。地方の民族共和国を舞台にしたものもある。ソ連は十五の共和国からなり、さらに多くの民族を抱えていた。

  • なんとなくで手に取ってみたんだけど、面白かった!
    というか、レベルが違い過ぎておこがましいけど、私も語学勉強に、て小説読んでたので、同じだ〜、とちょっと嬉しい。
    読むスピードは日本語の3倍で、理解度は3分の1て感じでしたが…
    しばらく日本語の本の読みやすさに流されて外国語本読んでなかったけど、また読もう。
    ちなみに私としては村上春樹は外国語でも読みやすくて良かったな。あと漫画w
    推理ものは細かく理解してないとついてけないので、向いてなかった…

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。東京大学大学院修了。スラヴ語学専攻。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。

「2023年 『外国語の遊園地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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