商う狼 江戸商人 杉本茂十郎

  • 新潮社 (2020年6月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784103520221

作品紹介・あらすじ

「いざとなれば、金は刀より強いんです」江戸の商業を“最適化”した風雲児の生涯! 甲斐の農家から江戸の飛脚問屋の養子となった茂十郎は、名を揚げた矢先に永代橋の崩落事故で妻子を失う。その悲しみを糧に、茂十郎は三橋会所頭取となり橋の運営に要する莫大な費用を集め、十組問屋を再編し、菱垣廻船を立て直して流通を一新。江戸の金の流れを掌握し、「狼」と恐れられながらも商いの道理を貫いた実在の改革者に迫る傑作歴史小説。

みんなの感想まとめ

江戸の商人、杉本茂十郎の生涯を描いたこの歴史小説は、彼が高い志を持ち、悪しき慣習を打破しながら江戸の繁栄に貢献する姿を追います。主人公の茂十郎は、最初は周囲から斜に見られつつも、その行動が少しずつ人々...

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ『木挽町のあだ討ち』が超絶面白かったので、永井紗耶子さんおかわりです

    こちらは「本屋が選ぶ時代小説大賞」とのこと

    うん、悪くない
    悪くないんだけど…
    江戸の商人で高い志を持った杉本茂十郎という人がいたんだね、へーっていう

    ちょっと自分にはエンタメ度が低すぎました

    今村翔吾さん読み過ぎたかな?(それが悪いみたいな言い方w)
    大丈夫、ちゃんと分かってるから!っていうね
    もっとエンタメに寄ってええんやで!っていうね

    いじょ!

    • みんみんさん
      駕籠と飛脚と損料屋かな〜
      他はシリーズじゃないから適当に♪
      北原亞也子の慶次郎‼︎
      駕籠と飛脚と損料屋かな〜
      他はシリーズじゃないから適当に♪
      北原亞也子の慶次郎‼︎
      2023/06/10
    • みんみんさん
      北原亞以子だった〜
      北原亞以子だった〜
      2023/06/10
    • ひまわりめろんさん
      そっもすごく面白そうだけど、まぁ、そのうちにね
      そっもすごく面白そうだけど、まぁ、そのうちにね
      2023/06/10
  • 江戸商人の頂へと駆け上り、毛充狼と言われた男。
    実在した杉本茂十郎をえがく歴史小説。

    第10回「本屋が選ぶ時代小説大賞」。

    とても面白かった!

    人物が魅力的。

    既存の枠組みや、悪しき慣習を打ち破っていく、茂十郎がまず痛快。
    最初は彼を斜めに見ていた者たちが、少しずつ変わっていくのもよかった。

    私利私欲ではなく、江戸の民の幸せを第一に考える、茂十郎の言動は、とにかくさわやか。

    しかし、金と権力が集まれば、だんだんと軋みが発生するもの。
    茂十郎の原動力の源がわかるからこそ、歪んでいくのが切なかった。

    これだけの難事を、実際にやり遂げた人物が実在したことに、驚き。
    読み応えのある作品だった。

  •  「金は刀より強い」と十組問屋の旦那衆の古臭いやり方から、経済改革を果たした男、杉本茂十郎。

     経済を廻すものは誰なのか? 

     それは何のために行うのか?

     橋や建物の改修工事は?

     永代橋が崩落したために妻と跡取り息子を亡くした男が何を求めたのか?

     今こそ、読むべき作品なのだと感じました。

     前作は大奥を舞台にした女性の職業小説でしたが、今回は江戸というお上のいる大きな都市での経済改革をした男性の物語というべきでしょう。



     この辺りは私の歴史の知識が浅くて、杉本茂十郎という人物がいたことも知りませんでしたし、元々は飛脚問屋の婿養子になった人物。飛脚の運賃に関する上奏をしたため、「飛脚定法」という価格を定めたそうです。

     そのことがきっかけとなり、十問屋衆と争うことになります。



     そこから始まる物語は、まるで今の社会を映し出す鏡のようでした。

     十問屋が甘い汁を吸っている大企業の姿に見え、必死に経済改革を推し進めようとする茂十郎を陥れるようになるお上は現在の政府に。



     「貧すれば鈍する」、「衣食足りて礼節を知る」という言葉があるように、お金というのはこの小説の中でたびたび例えられる血液のようなものだと思います。それが茂十郎が語るようにお上や大店の人々の手によって詰まってはいけない。

     そんなことになれば、人間であれば死んでしまう。

     そんなことも考えてしまいました。



     そして、茂十郎がこの仕事に命を懸けるきっかけとなった永代橋の崩落事故。ここで、彼は妻と息子をなくすのですが、その後、肝心の橋の再建をするのに、資金をどこから調達したらいいか、意見がバラバラ。

     本当に江戸時代の話なのかしらと思ってしまいましたよ

  • 新田次郎賞に永井紗耶子さん:時事ドットコム
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2021041300954&g=soc

    『商う狼: 江戸商人 杉本茂十郎』(新潮社) - 著者:紗耶子, 永井 - 本郷 和人による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    https://allreviews.jp/review/5006/

    永井紗耶子 『商う狼―江戸商人 杉本茂十郎―』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/352022/

  • 永井紗耶子さんの文章を好きになったので、こちらも読んでみた。
    江戸商人・茂十郎が悪しき慣習を打ち破り、江戸の繁栄に生涯を捧げる。
    とても面白かった。やっぱり永井さんの、主人公に対する深い愛情が感じられていい。

  • 『木挽町の仇討ち』が面白かったので、過去の作品も、と。
    老朽した橋の崩落で妻子を亡くしたことをきっかけに、1人の商人が江戸の安全と繁栄を誓って闘い、やがて、失脚していくさまを描く。
    商人や農民からお金を納めさせ、湯水のように使うお上。それを止められない側近たち。主人公の茂十郎は、お上をあてにせずとも、商人が金を得て力を持ち江戸を守ることを願う。どこか、今の時代にも通じるような気がする。だが、大きすぎる力は、1人には背負いきれないもの。茂十郎の描く未来を理解して、共に歩くことのできるものがいなかった。繰り返す歴史と、人の気持ちの移ろいやすさに、少しやるせない気持ちが残る。
    一気に読みきったというよりは、茂十郎の人生をなぞるように考えながら読んだ。

  • 2023.1 ストーリーの線がぶつ切れで、乱暴な進行な気がする小説だったかな。

  • 今住んでいる場所の近くの話で興味深く読んだ。時折通るこの橋が落ちて、多くの人が亡くなった過去があったんだなぁ。
    理想を求めた茂十郎の凄みのある生き様がかっこよかった。いつの世も、お金をあるべき場所に行き渡らせることは本当に難しいんだなと思う

  • 野心家である主人公が権力を得てから失うまでを描いた作品。江戸時代の商人の物語であるが、規制を打破し権力を握り、そして更なる高みに行きつく前に妬みや嫉妬、既得権にしがみつくものから排斥されてしまう流れは現代の世も変わらない。杉本茂十郎という一人の商人や周りの人間のキャラが深掘りされていて読み応えのある一冊になっている。

  • これはシンドイ…

  • 実在の人ということで、とても興味深く読めました。
    判断力と決断力の強い人だという印象ですね。

    身近に似た人がいるので、人物が重なりました。
    「上司が変わると仕事も変わる」とよく言っていましたので、同じだな~と思いました。

    ずっと続いていく組織を作るのはとても難しいですね。茂十郎は、命を懸けてその時代を作った人ですが、引き継がれていかなかったのが悲しいです。

    生きていて欲しいと私も思いました。

  • 橋が落ちて最愛の妻子を亡くした大阪屋茂兵衛が悔しさをバネに江戸の町を立て直す。
    落ちた永代橋を付け替え、その橋は今もなお道の要として堂々と残り、飛脚たちの暮らしを守る定法もそのままに残っている。菱垣廻船は物の流れを支えており、会所の金はお上に献上されている。
    その大阪屋茂兵衛が上の力で消し去られてしまう…。
    「出る杭は打たれる」という言葉があるが、彼の業績をみるとそんな言葉で簡単に片づけることは出来ない。
    そしてこのことは、いつの時代にもあり得るのだということを再認識させられる。

  • お江戸商いもの。永代橋崩落事故をきっかけに問屋を取りまとめた三橋会所の頭取になり幕府と駆け引きするまでに昇段した実在人物、杉本茂十郎が主人公。歴史には全然詳しくないけれど、徳川家斉の奴!と覚えておくことにする。読みやすかったけれど、文体が固くて情感が物足りなかった。

  • 商人、堤弥三郎が主人公で、豪傑杉本茂十郎を活写していくスタイル。永代橋の架替と船輸送の十組問屋を抜けようとする砂糖問屋の問題を一挙に解決、三橋会所という商人が参加する会をつくり、政府の主要メンバーまで取り込んでいく。薩摩が、脱法的に砂糖販売を独自で始め、幕府にも金を上納することで、幕府も見逃していく。それに対抗するために杉本茂十郎は紀州と手を組んで蔵をつくったりするのだが、秘密裏に行ったため幕府の知るところとなり、捕まってしまい零落する。そのために江戸経済は混乱し物不足、物価高になっていく。史実にある人なので、救いはないままそんな人がいたとさ話。

    時代小説にありがちな英雄伝で、過剰に称賛するスタイルはあまり好みではない。江戸の商人の様子がビビッドに描かれていて興味深かった。

    第10回「本屋が選ぶ時代小説大賞」本の雑誌2020年度時代小説ベスト

  • 甲斐の山奥に『毛充狼』モウジュウロウという獣が現れた。
    その獣は、メウガメウガと吠える。
    一度これを聴く人、皆阿呆となる。

    江戸の商人の強力な組織作りに邁進した革命家の
    杉本茂十郎のことを巷では、そう噂していた。

    なぜ、そうなかったのか。
    甲斐の農家から奉公人としてきた茂十郎が江戸の飛脚問屋の養子となり、出世していた矢先に、永代橋の崩落事故で家族を失い、そこから猛烈な憎しみと革命魂が芽生え、
    十組問屋、菱垣廻船を立て直して江戸の商いを活性化させた。
    その精神の裏には、お金さえあれば、永代橋が崩落せずに家族は救われたという魂の声がある。

    後半は色々な人達たちからの、妬みとかで『毛充狼』と
    噂されてしまう。

    苦しく悲しい場面もあるが、
    全体的に躍動感が有り、読み応えがある傑作歴史小説。

  • 1人の人生を堪能させてもらった。
    苦しい、悔しいことがたくさん書かれているはずなのに、読むのはさほど辛くない。
    行動の元となる熱量が伝わってくるせいか、側で見る冷静な眼が少し感情を落ち着かせてくれるせいか。
    ああ、本を読むのは楽しいなあ、と思わせてくれた。

  • 徳川11代将軍家斉時代、実在した杉本茂十郎江戸商人の話し。
    実在の人物とも知らず読んでいたけど、史実に忠実であればとても有能な人物だったなのはわかった。現代に通ずるところも多々あり、江戸時代物なのに始終ヒリヒリした空気感で、読後スッキリする系では無かったけど面白かった。政治経済がわかるとより楽しめるんだろうな、といった印象。勉強になりました。

  • 読み進めるうちに「お上」が今の政治家に、わが社の経営陣に見えてきた。。まったくいつも時代もお金を私物化する阿呆がいてること。。茂十郎が孤立化する中盤は読んでいて辛かったけれど、確固たる信念を持ち続ける茂十郎は尊敬する。
    「木挽町の仇討ち」で永井さんのことを知ったけれど、ほかの作品も読んでみたい。

  • 改革者の光と影。
    今の世にも通づるものがある。
    江戸中期から後期の政治経済がよく分かる。

  • 江戸の町民の生活を良くするために、お金の流れをよくする仕組みを作り、失脚した商人の杉本茂十郎の話。永代橋を建て、十組問屋を再編し、菱垣廻船積株仲間を成立させた。旧来の商人や、公権力に楯突いても、金を循環させて皆の生活を良くするという商人の信念を貫いた。

    知らなかった…

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著者プロフィール

永井 紗耶子(ながい・さやこ):一九七七年神奈川県出身。新聞記者・フリーライターを経て二〇一〇年「絡繰り心中」で小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。二〇年『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』で新田次郎文学賞・細谷正充賞・本屋が選ぶ時代小説大賞、二三年『木挽町のあだ討ち』で山本周五郎賞・直木三十五賞を受賞。『秘仏の扉』など著書多数。

「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永井紗耶子の作品

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