母影

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  • 新潮社 (2021年1月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784103521426

作品紹介・あらすじ

行き場のない少女は、カーテン越しに世界に触れる。デビュー作『祐介』以来、4年半ぶり初の文芸誌掲載中篇。小学校でも友だちをつくれず、居場所のない少女は、母親の勤めるマッサージ店の片隅で息を潜めている。お客さんの「こわれたところを直している」お母さんは、日に日に苦しそうになっていく。カーテンの向こうの母親が見えない。少女は願う。「もうこれ以上お母さんの変がどこにも行かないように」。

みんなの感想まとめ

行き場のない少女とその母親の愛情を描いた物語は、独特の視点から語られ、詩的な表現が印象的です。母親が勤めるマッサージ店の片隅で息を潜める少女は、周囲の厳しい現実を受け入れつつも、母の愛によって世界を信...

感想・レビュー・書評

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  • 過剰なまでに詩的だ。
    というか、全編を1つの詩と捉えることもできなくもない。

    軽度の知的障害を持つ母と娘の愛の物語。
    母親はいかがわしい行為もあるマッサージ店に勤務している。

    小学生の娘の視点で描かれた世界は、厳しいがどことなく楽観的だ。世界を絶対的に信頼している。
    学校で友達ができなくても、母の愛がしっかりと世界を繋ぎとめている。

    尾崎世界観さんはクリープハイプというバンドのヴォーカルとギターをしているのだそう。
    クリープハイプ…あまりよく知らない。
    でも、聴いてみようかな、と思った。

    この小説、あまり大きな声で推せない気もするけど、けっこうよいよ。

    第164回芥川賞候補作品。
    ちなみに、第164回の受賞作品は「推し、燃ゆ」。

    • naonaonao16gさん
      残業中だったんですね…
      聴けてたらいいなぁ…
      残業中だったんですね…
      聴けてたらいいなぁ…
      2022/11/28
    • たけさん
      naonaoさん、おはようございます。

      昨夜の帰り道からクリープハイプ、Apple Musicで聴いてますよ。
      おすすめのとおり、「死ぬま...
      naonaoさん、おはようございます。

      昨夜の帰り道からクリープハイプ、Apple Musicで聴いてますよ。
      おすすめのとおり、「死ぬまで一生愛されて〜」を聴いてますが、「オレンジ」いいですね。
      曲調が明るいので、メンヘラ具合はじわじわとくる感じですかね。
      ところどころ気になるワードをぶっ込んでくるな、と。
      もう少し聴いてみますが、取り急ぎ…
      2022/11/29
    • naonaonao16gさん
      たけさん、おはようございます!

      おお!聴いてみましたか!!
      そうでしょうそうでしょう笑
      たぶん、「オレンジ」は他の曲に比べてメンヘラ具合は...
      たけさん、おはようございます!

      おお!聴いてみましたか!!
      そうでしょうそうでしょう笑
      たぶん、「オレンジ」は他の曲に比べてメンヘラ具合は控えめですが、きてますよね笑

      以前、「オレンジ」のエピソードで、この曲が売れなかったらバンドやめようみたいな話をメンバーとしてて、そしたら結構オレンジが売れて、と話していたのを覚えています。
      2022/11/29
  • お母さんはお客さん相手に、いわゆる"いかがわしい"マッサージをしている。
    私は宿題をしながら、カーテン越しにそれを聞いている。私もお母さんに直してほしいのに、悪いところが見当たらない。

    子ども目線でこのお話は進んでいく。

    カーテンで隠れていて、そこから覗くお客さんのクツから感情が見えてくるのが良いなぁと思った。


    通学路の途中にある、「いけやまよしひろ」の選挙ポスター。子どもの頃、毎日飽きることなく目にするものってあったけど、そんな感じなのかな。
    かっこ悪く映ったり、泣きそうな顔で笑っていたり、雨の中カサもささずに笑っていたり。ある時それが新しくなっていて、ちゃんとした顔をしていたり。
    私の心情によって見え方が変わってくるのが良い◎


    「口に夜が入ってきて歯が黒くならないように手でかくした。」

    「私は雨の音をよく聞いて、悲しい耳をあらった。それなのに、どんなに雨の音を聞いてもお母さんのごめんねが消えなかった。」

    子ども特有の独特な表現が多く、それが純文学とうまく融合しているような印象。


    読了後は、切なくて悲しい気持ちになった。

    純文学の読み方がまだ定着していないからか、難しいと感じるところも多かったけど、またじっくりと再読したいなぁ。

  • アーティストなだけあって、情景描写には時たまポエジーを感じた
    ふわっともわっとぼんやりした物語で印象が薄く忘れてしまいそうな予感がする…
    「コレ」といった強みがない
    物語が進むにつればら撒いてきた種を、ラストで全部発芽させられなかったように感じた
    一番残念に思ったのはイノセンスが足りなかったところだった
    私の心には爪痕を残さなかった物語だった

  • 子ども目線の語りって、子どもは自力で周りの環境を変える力を与えられてないからこそ切ない。

    人生の序盤で"当たり前"だったことに疑念や違和感を持つのは難しい。けど、この子は「なんかいやなかんじ」という感覚を持っていて、それが救いでもあるけど、現時点では何とかする方法を持っていないために辛さを加速させる要素でもある。

    彼女がその賢い感覚を持ったまま成長して、正しいところにSOSを出して、少しずつでも生きやすくなっていけるといい。

  • 子供は小さな哲学者と言われる。子供が感じる、子供ならではの疑問、感覚、感情を子供視点で子供の言葉で表現した作品。凄いと思います。大人になるにつれ忘れてしまう子供の気持ちをここまで子供の言葉で表現できる大人って、います?
    いやビックリです。

  • タイトルのまま、母の影を題材にしていた。
    芥川賞となった『推し、燃ゆ』は生きづらさのある女子高生が主人公だったけど
    『母影』は、生きづらさのある母娘が主人公だった。

    小学生女子の主人公と一緒の気持ちになって、「あれは何だろう?」と追体験できる文体だった。
    「とうめいな飲み物を飲んでるのに顔が赤くなるなんて、理科のじっけんみたいでおもしろかった。」とか、完全に小学生の感性で描かれていた。すごいなあ。

    シングルの家庭の子どもにとっては、唯一頼れるのは母親しかいない。
    もしも「おかしな」仕事をしていても、母親こそがその子の世界なのである。

    読み手が大人であれば、「きっと”あれ”なんだろうな」と推測できるけれど、この作品はあくまで小学生女子の目線で描かれているから、ところどころで出てくる「あれ」の正体がつかめない。明確には描かれない。
    読み手は大人で、わかっているはずの「大人の世界」のことなのに「わからない」気持ちになる。こちらも同じようにカーテンで遮られている感じ。
    それを「書けないのに読める漢字みたいだ」と表現する感性。
    不思議な読書体験だった。


    先日、芥川賞候補になったときの情熱大陸を観た。
    かつて働いていた会社で、自分の書いたのが製本されてるってすっごいだろうな…!

    疎外感や憤りが原動力って表現者に多い気がする。
    確かに何かを表現するときってそれがきっかけかもしれない。

    クリープハイプの尾崎世界観さん。小説を初めて読んだけれど、独特な感性の方だなぁと。
    曲は有名どころしか知らないけれど、改めて歌詞をじっくり読んでみようと思った。

  • 小説というよりも、壮大な詩を読み終えた感じ。
    小さな少女の視点を通じて、よくこれほどの情景を描けたものかと驚いた。
    それと同時に、「生きるとはどういうことなのだろう」と考えずにはいられなかった。
    この母娘はこの続き、どんな人生を歩むのだろう。
    何を目的に生きていくのだろうと考えさせられた。

    きっと、同じような母娘って何人も存在するのだろう。
    でも、みんな幸せな人生であって欲しい。

    「個」ではなく、「家族」としての一つのかたまりを強く意識させる内容でした。

  • 尾崎世界観さんが好きで、本を書いていることをテレビで知り、図書館で借りて読みました。主人公の女の子はいじめられていて、私もいじめられっ子だったので、読んでいて寄り添える部分はありましたが、何かぐっと惹かれる部分があまりなかったのが少し残念でした。

  • マッサージ店のベッドのカーテンに隠れ、そこで働くお母さんはもしかしたらお客さんとなにか変な、おかしなことをしているのではないかと、訝しむ小学生の娘。
    露骨な表現やセリフにはいくつか眉をひそめたが、結局それがどんなことであるかまだ知らない小さな女の子が、必死に世界を読み解こうとする姿はとてもいじらしい。
    あやしみつつもずっとお母さんを心配し、ひたむきにお母さんを愛する。どうかその瞳に汚らわしい世界が映ることのないように、と願ってやまない。
    話題になったのはもう二年前だが、今読んでおこうと手に取った一冊。曲も聴いてみる。

  • 感受性豊かな子どもが感じたことをそのままの言葉で書いてあって、すごいな、と思った。
    お母さんがしている仕事は何か変なことだ、きっとしちゃいけないことだ、何をしてるのか知りたい、という思いとともに、母に直接聞いてはいけないことのように感じている。
     でも、試着室でカーテン越しに母の影を見て、カーテンで隔てられている今なら、聞いてもいいのではないか、返事が怖いけど思い切って聞いてしまった「私」。その場面の心の動き、ドキドキ感が伝わってきて、こういう感じ、子どもの時あったなぁと思い出した。
     銭湯にいた同級生の男の子の、見ては行けないものを見てしまった感覚も。そういうことは、教えられたわけでもないのに感じるんだと思った。

  • 面影…「母影」?そっちかぁっ!!母影っていう題名から、なんか意味ありげだったけど、読んでみると本当に意味があったよ。(意味がない題名なんてないっ!)なんか、私も三歳ごろ、こういう視点から大人たちを見てたんだろうかって、回想した。
    (*☻-☻*)(◀︎大人たちを見る目)

  • 母親と娘の関係。
    今は母親の仕事が理解できない年だから
    曖昧な関係で母親を理解して助けてあげたい
    そんな娘の気持ちが温く心に響いた。

    今後母親の仕事を理解して関係性が
    変化していくことは描かれていなかったが
    想像できて悲しくなった。

  • 「母影」と書いて”おもかげ”と読みます。

    ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル&ギターの尾崎世界観さんの4年半ぶり、初の純文学作品。第164回 芥川賞候補作です。

    ♡ブログにて詳しいレビューしています♡
    https://happy-books.hateblo.jp/entry/books-omokage

  • 「なに様?」って言われそうだけど
    私の感想だから感じたままでいいか
    なんだか文体がわざとらしく感じて胸やけがした
    こんな風に書いちゃってる俺ってスゴイだろ
    って感じてしまう
    少女の気持ちを書くならやっぱり作家も女性がいいなと思った
    終始気持ち悪い
    性描写とか慣れてるけど
    子供目線ってのが気持ち悪さを際立たせるんだろうね

  • ああ…何も知らなかった頃に戻りたい…(°▽°)

  • 第164回2020下半期芥川賞候補作。受賞作は宇佐見りんの「推し、燃ゆ」
    山田詠美の選評で「今回、取り扱い注意の少女ばっかり登場で辟易したのだが、この作品もそのひとつ。男の書き手がそういう少女を描くと、自らの求めるイメージを投影し過ぎる。自分の好みの傷付きように沿って、彼女らを傷付かせるのだ。むしろ、私は、少女のお母さんを主に書いてもらいたかった。」(一部抜粋)
    とあったが、私も『少女のお母さんを主に』した小説を読んでみたかったと思った。
    設定年齢は小学校低学年だろうか。低学年にしてはあまりに鋭い(大人のような)考え方じゃないか?と気になる部分もあった。
    小説全体に尾崎世界観独特の表現が見られ、「らしい」小説ではあった。

  • 尾崎世界観の作品へ対するこだわりが凄い。
    本作品は始終幼い女の子の目線で語られているが、漢字一つ言葉一つ、全て年齢に合わせた使い方になっていた。素晴らしい、、、
    読み終えた後、なんだかとても虚しく切ない気持ちになった。泣きたいのに泣けない、そんな気持ちになった。読んでいる最中は変に色々考察したり勘繰ってしまったが、純粋無垢な愛に胸が締め付けられた。
    とても素敵な作品です。

  • 少女目線で簡単な単語で綴られた文体のため早く読み進めることができました。その特徴的な文体は芥川賞の選評でもあったが、大人が書いた少女だというあざとさがたしかに終始透けて見えました。少女の目線に徹するのであれば大人のセリフもすべて少女が知っているであろう漢字だけを漢字で表記すべきだったのではないでしょうか。また、少女の語りが過剰に幼稚な表現である点もあくまで大人の想像の範囲を超えられていなかったように思えて仕方がなかったです。私には少女の影を踏む作者が浮かび上がりました。
    少女の知らない世界が自身の不遇さの原因となりそれを本人が理解しようと純粋な気持ちで触れる切なさが痛く感じられます。
    改札機のくだりは小さいことですが少女の成長が上手に表現されていました。

  • 子供目線で色々書いてあるのは分かるし、
    大人にたいしての
    いろんなおかしさを書きたいのかなとも思うけど
    読んでる間、なんかずっとイライラした
    こんな本書いて意味ある?と思ってしまった

    きっと私には合わなかったんやと思う

  • 大人の小説って感じでわかるようなわからんような。性的表現があるのも大人の小説って感じ。表現は素敵だと思った。セミに近づく感じとか。

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著者プロフィール

1984年、東京都生まれ。ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル、ギターを担当。作家としても活動し、これまでに小説『祐介』、日記エッセイ『苦汁100%』『苦汁200%』(いずれも文藝春秋)、『犬も食わない』千早茜との共著(新潮社)を上梓。

尾崎世界観の作品

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