孤独の意味も、女であることの味わいも

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 584
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103522522

作品紹介・あらすじ

女であることは、強さと矛盾しない。知性は感性を殺さない。本を偏愛した少女時代。
学校生活での疎外は暴力へ。夫との出会い、最愛のわが子を喪う経験、母親から再び
女性になるということ。どんなことがあっても救えない子はいない。正解のない試行
錯誤そのままに、気鋭の国際政治学者が、長年抱いてきた葛藤を初めて語る。

感想・レビュー・書評

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  • 私より一回り以上年齢を重ねた方が書いた本だから今より葛藤する機会が多かったのだろうなと思うけど、今の世代にも通ずるし、染み入った.....孤独の意味も女であることの味わいももっと知れると思えば、大人になるのも楽しみだ〜〜

    「女性性の葛藤からの一つの脱出方法は、擬態を排除して盾をはりめぐらし、お気に入りのもので自分を囲んで眼鏡越しに世界を見ることだ。」
    「帰責性と因果関係を混同したらだめだ。」
    「やがて私が辿った道の一部を通り、苦労することも、幸せを覚えることもあるだろうけれど、それをあらかじめ指摘して意識させ、行動を縛ることに何の意味があるのだろう。」
    「あなた自身を、出来事や外部に定義させてはいけない。あなたのことはあなた自身が定義すべきなのだから。」
    「私は私の愛する人たちのためにも、そして無数の私のためにも、書いておこうと思ったのだった。」

  • 著者が子供の頃から体験し、感じてきたことを、22項目のエッセイにして纏めた本。母親のこと、学校のこと、高校生の時に暴行を受けたこと、付き合っていた男性のこと、そして死産をしたことなど、衝撃的な内容を、自分の言葉で主観的にはっきりと述べている。スマートで、とても勇気がある人だと思う。現在を真剣に生きるのが大事ということが、著者の積極性やチャレンジ精神を支えているのだと理解した。感銘を受けた。

    「真摯に向き合う一瞬一瞬の「いま」が積み重なって、川の流れのように私たちを終着点へ押しやる。映画の主人公と同じく、「いま」をどう生きるか私が真剣に考えるようになったのは、多分この年齢になってからだ」p137

  • 湘南高校から東大の美人、現在は国際政治学者。
    結婚して子どももいる。
    これまですべて順風満帆に生きてきたのだろうと思っていました。

    こんな壮絶な体験をしてきたなんて…。
    ものすごく強い人なんですね。

    いろいろ辛い経験をして思い悩んでいる人は
    読んでみたらいいと思います。
    偉人伝よりも心を打つかもしれません。

  • 何も感じずに生きていけたらどれほど幸せだろうかと思っていた。敏感であることは弱さであり、良くないことだと感じていた。
    著者は過去を徹底的に内省し、困難な経験を自身の智慧と愛情へと昇華した。ヒントとなる言葉がたくさんある。強くなるということは「オトコ」になることではなく、自分らしく堂々とあることであるということ、本当に美しい人だと思った。

  • 女性と男性は平等だし男女同権と言いながら、決して日本社会はそうではないわけで、そんな綺麗事ではない。そして女性にしか経験できず、感じることは男性には知りようも無いし、それは逆もまた然り。とはいえ、女性としての彼女のこれまでの自伝ともいうべき本書は、男性が女性の立場に立って見る視点の一助にはなると思う。最後のページは本当にそうだなと思わせます。朝生の彼女はあまり好きでは無いですが、また違った視点で彼女を見るきっかけになりました。

  • よかった…。
    辛いことも、嫌なこともあるんだけど、
    著者は強く賢く、著者なりの"孤独"の中に生きている。
    子どももだんなさんもいて、ぱっと見孤独には見えないと
    思うんだよなぁ…
    幸せが主観的なように、孤独もそうなんだってことだろうな。

    以下いいなと思った表現などのメモ
    p29
    彼女の誕生の瞬間は、連続的で、騒々しく、満ち足りて、またそのために記憶はぼんやりしたものだ。
    →出産のときなんて激痛やときに恐怖や不安で、自分の感情の流れなんて覚えておいてもいられなそうなのに。ぼんやりといいながらも、まさしく言い当ててそうだなというその表現。人それぞれだろうけど、幸せと喧騒と痛みと、その瞬間にぎゅっとまとめて巻き起こる渦。


    p128
    私たちが恋愛を求めるのは、生きていくため。生きる上で、愛し、関心を向ける対象を必要としているからだ。

    次の瞬間を、明日を心待ちにするための何か。
    →安定すると、マンネリの中で安心しきって素敵な自分が引っ込んでいきがち。新しいものを求めたいというだけじゃないけど、好きな人をいいなとおもう気持ちにふたをしなければならないというルールに縛られなくてもいいよね! 自分勝手かなぁ…。

    p130
    私には、自らの人生の欠落を埋めようと試行錯誤する彼女がいとおしいものに見えた。人間が生きて行こうとする姿は本物だ。それが結局は度重なる失望に終わるのだとしても、人に思いを懸けることはそれ自体、美しいからだ。
    人というのはたいてい愛すべき存在なのだった。

    →それって、人類みな愛しいって、すなわち母性なのだと私は思っている。

    p137
    周囲の人から孤立しても、最愛の子を喪っても、人生には必ず意味がある。さまざまな刺激に心を開いていれば、時が傷を癒したことに気づくことができる。それほど人生にはさまざまなことが待ち受けている



    p138
    →ちいさいころ~の記載を読んで、職場の休憩室で涙が出た、人生って、女の人生っていろいろあるけど、自分は自分。著者自身によって、自分のために時を超えて残されたストーリーなのだと知った。

  • テレビ等で鋭い論説を繰り広げる政治学者として著名だが、自分の周りのことを綴った本書も読み応え充分だった。学者としてのみならずエッセイストとしても一流だったのか。氏の冷静な分析力は、自分に向けられたときも切れ味が鈍ることはない。この人は論述家として信頼に値する人だ、と認識した。

  • 話を聞いていると、政治経済の今や、その背景にとても興味が出てくる人がいる。
    その1人が三浦瑠璃さんである。
    彼女のことにも興味が出てきて手に取ったのが、この本。
    衝撃…こんなに赤裸々に書いていいの?と。
    長女の死産、暴行、不倫、どれもが現在の三浦さんを作っているのだろう。

  • テレビで見ていて、モナリザを思わせる、なんか気になる人だなぁ。と思って読んでみた。赤裸々に過去を語っている。強いなぁ。この人に怖いものはもう無いのだろう。

  • 人に伝える言葉を持つことの大切さを感じた。

    著者自身の幼少期から現在(38歳)までの体験を書きおろし。
    著者のことをほとんど知らないからか、
    読者の私が男だから、
    淡々と読み進めるだけで、心が大きく動くようなことはなかった。

    著者のことを知っている人だったり女性が読者なら、
    私にはわからなかった本書の味わいがあるんだろう、とは思った。

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著者プロフィール

三浦瑠麗(みうら るり)
1980年神奈川県生まれの研究者。専門は国際政治。現在、東京大学政策ビジョン研究センター講師。東京大学農学部を経て、東京大学公共政策大学院修了、東京大学大学院法学政治学研究科修了。博士(法学)。主な著書に『シビリアンの戦争』(岩波書店)、『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書)、『「トランプ時代」の新世界秩序』(潮新書)。2019年5月17日、自伝的作品『孤独の意味も、女であることの味わいも』(新潮社)を刊行。

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