欲が出ました

  • 新潮社 (2020年7月17日発売)
3.84
  • (171)
  • (220)
  • (213)
  • (21)
  • (6)
本棚登録 : 2819
感想 : 264
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (152ページ) / ISBN・EAN: 9784103524526

作品紹介・あらすじ

大人も子どもも、欲の出やすいすべての人へ――。「しいていうなら、くらしの知恵に!」。お菓子をもう一個取っていいんじゃない? もうちょっと寝ててもいいんじゃない? 人間って、プチ欲が出たとき、何とも言えなーい顔をする。そんな一瞬を、絵本作家ヨシタケシンスケが、「深く浅く」切り取ってみると……欲が出るから失敗するけど、欲が出るから人間って面白い!? 人気絵本作家の、大好評イラストエッセイ集、第二弾!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • R4.1.26 読了。

     イラストと少し妄想的なエッセイ集。「それ、わかる!」と「そんな考え方もあるんだ(笑)。」の繰り返し。思わず笑ってしまうイラストの数々。いつの間にか夢中になって読んでました。とても面白かった。
     「思わず考えちゃう。」も読みたい。

    ・「何をすればその人の気がすむのかっていうことをクリアしないと、次にいかないんだな。」
    ・「ここまでだったら失敗しても怒られないんだ、やっちゃって大丈夫なんだと、そういうのを事前に聞けちゃう雰囲気こそが、実は何かをやろうという上で、一番大事なんじゃないでしょうか。」
    ・「一人の人間は、そこまで他人に、十把一絡げに何かを判断されるべきものじゃないってことでもあるんです。」

  • この前作「思わず考えちゃう」を楽しく読めたので、この作品も手にしました。「親子そろって欲が出ました」では、ヨシタケシンスケさんが子育ての場面でふっと気が付いたことや感じたことに触れています。“そうそう、子供ってそうなんだよねぇ~”って共感したり、ヨシタケシンスケさんだからたどり着けたと思われることに関しては“さすがだなぁ~”と感心したりしました(^-^)

    「だってほら本人だもの。あきる訳にはいかんわな。」そうなんですよねぇ…どこに行っても本人は本人、何かあっても自分の中で面白がって飼いならしていくしかないって、納得です。この作品にはヨシタケシンスケさんが思わず書きたくなったイラストの中に、今の私のことが…読みたい本を手にすると積んで満足するって、ドキッとしてしまいました(汗)。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      やっぱり
      ヨシタケシンスケワールド…。良いですよね♡♡読みたくなりますよね~時々(o^-')b !
      やっぱり
      ヨシタケシンスケワールド…。良いですよね♡♡読みたくなりますよね~時々(o^-')b !
      2023/05/16
    • かなさん
      チーニャさん、おはようございます(^^)
      ヨシタケシンスケさん、やっぱすごくいいです。
      そうなんです、時々読みたくなります。
      いいねと...
      チーニャさん、おはようございます(^^)
      ヨシタケシンスケさん、やっぱすごくいいです。
      そうなんです、時々読みたくなります。
      いいねとコメント、ありがとうございます。
      2023/05/17
  • 哲学書かな?
    アーティストが自分の創作ノートの一部をその考えとともに世に出してくれてる本。
    私の好きなアーティストは大体みんな自分の弱さを克服しようともがく中で、素晴らしい音楽や芸術に昇華している方が多いと思う。
    同じくらい過酷な経験をしたとして、私が高度な芸術に昇華出来るとはとても思えないし、フラッシュバックに悩まされながら継続して作品を生み出すのは生半可なことじゃない。
    そういう凄みが伝わるから、ファンや評価する人が大勢出てくるのじゃないかな、と考えてる。

    イラストの独特な丸みが唯一無二で、子供も大人も丸いフォルムに癒されるし包まれてる気がする。根底にある自他共への優しさが絵から感じられて癒される。
    解説がない、イラストだけのページはこちらの想像も広がるのでより楽しかった。

  • 「サァ!今日も元気に顔色をうかがっていこっ!」

    ヨシタケシンスケさんのエッセイ2冊目。
    『思わず考えちゃう』の続編。

    図書館で借りたんだけど、結局購入しちゃう…
    ヨシタケさんの引力…(この本にも引力の話が出てくる)

    ラーメン屋さんの『表面にうかんでるイロイロをていねいにどかしてからすくう』話すき。
    作品を作るときも、本来言いたいこと、伝えたいこと、面白いなって思ってることを表現するためには、何か余計なものをどかす必要がある。

    ・感謝を促す係
    ・肯定係   …ほしい。

    納得欲、水平欲、肯定欲。
    いろんな欲が出てくるけど、たしかになぁ。
    確かになぁってなってる今わたしは納得欲が満たされている。ヨシタケさんの本は、納得欲が満たされるよね。

    前作と違って、今作はイラストだけのコーナーがあって、中でも1番気になったのが「人生の参加賞」ってイラスト。なんなんだろうこれ。
    トイレットペーパー…?みたいな何かしら。笑


    「何も愛だ、恋だ言わなくても、シーツをたたむためだねで、二人で暮らしてもいいんざゃないか。夫婦が一緒にいる理由は、大きなものがたたみやすいっていうだけで、十何年連れ添ってもいいわけですよ。」

    「キミの一部がほしいんだ。全部はいらないんだ。」

    「知りたくないことは知らないままでもいいのだろうか。」

    「ボクを選ばなかったことを、いずれ後悔していただくので、そのつもりで。」
    → まさにこれを今日思った。で、自分って性格悪いなって思った。でも、同じこと考えてる人もいるんだなって。ちょっと安心した。


    2022.03.23 読了

  • 2作目と知らずに借りてしまったので、1作目も読みたいです。

    子どものいいところ→丸洗いできる
    確かに!って思いました。

    似た考え方なところも多く、その部分で悩んでいたりすると思いっきり肯定してもらえるので、心に刺さると同時に軽くなりました。

  • 正しいかどうかではなく「気がすむ」かどうか。まず相手の話を全部聞いてあげる、相手がやりたいことをまずやらせてあげる、それから相手にやってほしいことを提案する、が原則。要は、何をすればその人の気がすむのかっていうことをクリアしないと次にいかない。世の中ってやっぱり正しいかどうかでは回っていない

  • 前作「思わず考えちゃう」が大好評につき、「欲が出ました」とばかりに制作されました!
    スケッチをもとに、ヨシタケ氏の「考えていること」を知ることができるエッセイ。

    〜~〜~〜~〜~〜~〜~~~~~~~~~~~~~~

    「思わず考えちゃう」がおもしろかったので、読者のわたしも“欲張って”「欲が出ました」も手に取っちゃぃした。
    結果、またしてもスケッチに脱力&エッセイの文章にうなずきながらあっという間に読み終えてしまいました。

    無欲ってもてはやされがちですけども、でも無欲すぎると人は生きることにすら執着しなくなるので、ほどほどに生きられるくらいの欲は必要だなあと感じます。
    ほら、あれです、「いつ逝ってもいいんだ」といいつつも、毎日医者通い、みたいなそういう欲がないと、人間生きられないもんだよな…と思います。
    (↑このエピソードは本書にはありませんけれども…)

    ちょこちょこ、気になるエッセイはあったのですが、中でもいちばん「ヨシタケシンスケ氏、恐るべし…!」と思ったのは「必要なところだけじゃまなものをどける」(54〜56ページ)のエッセイでした。
    どういうエッセイなのか?というと、雪か積もるとさ、いろんなものが浮き彫りになってくるよね、雪がどけられているところとそうでないところを見ると、人間関係とか人の生命力の強さまで浮き彫りになっちゃってますね、雪をどけるみたいに人はそれぞれ何をどけて生きているんでしょうね、みたいなお話でした。

    わたしが思った“恐るべし”ポイントは、雪が積もりっばなしなところとどけられたところで、人間関係まで見えてくるという部分でした。
    人が出入りするところは雪がどけられていくし、そうでないところは、人がいたとしても雪は降り積もっていく…
    「雪がいろんなものを可視化させる。」(55ページ)と書かれていましたが、雪は積もったらただかいて道を作り出ていくものとしか思っていなかったので、そんな目線を与えられて心がびっくりしました。

    どこの雪をどかすかで、人が必要としている場所とそうでない場所が丸わかりになってしまう…
    この目線を知ってしまったわたしは、来季に雪かきをするたびに、きっと「この道が、わたしにとって生きるために必要な道であり場所なのか…」なんて真顔でふっとたそがれちゃうんだろうな…知る前にはもう戻れないもんな…
    たとえ家族らからは「お母さん、またなんか心どっかに飛ばしてんね」としか見えなくても…ほどほどに生きていこうと思います。
    自分のまわりくらいは“雪かき”できるように、ほどほどにね。
    (なんのこっちゃ)

  • 「思わず考えちゃう」の第二弾。
    冒頭の、好評だったために欲が出た出版社の方々のイラストでいきなり笑かしてもらいました。
    何気ないように見えるイラストと、ヨシタケシンスケさんのああでもないこうでもない思考の中から出てきた、哲学が時折心に刺さります。
    「うまくいかないときは、そもそも持ち方が違うのでは」
    「幸せの予感さえあればどうにかやっていける」
    「心にはめる軍手のようなものが欲しい」
    「正しいかどうかではなく気が済むかどうか」
    「よろこぶ顔が見たい、というよりは、おこった顔が見たくないだけなのです。」
    ゆるいイラストとゆるい文章でさらっと読めてしまうけれど、なにかしら悩みを抱えた人には有効なヒントをくれる、生き方ガイドブックの役割を果たしてしまっている一冊。
    読めてよかった令和二年秋。

  • 最近TVで、(NHK) ヨシタケシンスケさんを、知って、読んでみたくなりました。

  • ヨシタケシンスケさんによるエッセイとスケッチ集。
    人間がもっていると思われるいろいろな欲について言及されていておもしろい。
    たとえば納得欲。なぜだろう?という事象に対しての納得できる理屈とか説明が欲しくなっちゃうのわかる!
    ほかには、正しいかどうかではなく自分の気が済むかどうか。それもまた一つの欲望なんだな。
    そして何よりスケッチが可愛くって、クスッと笑える。
    なんてことのないシーンなんだけど、そのなんてことのないシーンを敢えて切り取ることで絶妙にシュールな"ゆるさ"が生まれてる。アイデアのしっぽ。

全264件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1973年神奈川県生まれ。絵本作家、イラストレーター。日常の一コマを切り取ったスケッチ集や、装画、挿絵など、幅広く活動している。絵本デビュー作『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)で第6回MOE絵本屋さん大賞、『もうぬげない』(ブロンズ新社)でボローニャ・ラガッツィ賞特別賞など、多くの賞を受賞。近著に『にげてさがして』 (ポプラ社)、『ヨイヨワネ あおむけ編』『ヨイヨワネ うつぶせ編』(筑摩書房)など。2022年から展覧会『ヨシタケシンスケ展かもしれない』が日本各地で巡回開催中。

「2025年 『まだ大どろぼうになっていないあなたへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヨシタケシンスケの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×