ボダ子

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  • 新潮社 (2019年4月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784103524816

作品紹介・あらすじ

愛する娘は〝ボーダー〞だった! 63歳にして新人。異能の作家が実体験を基に描く、正真正銘の問題作! バブルのあぶく金を摑み、順風満帆に過ごしてきたはずだった。やがて事業は破綻し、境界性人格障害の娘を連れた大西浩平は東北で土木作業員へと転身。再起を賭し、津波避難タワー建設へ奔走するも、それは奈落への序章に過ぎなかった。圧倒的な孤独、極限の恐怖、そして、絶望の頂へ――。あなたは、この現実を直視できるか。

感想・レビュー・書評

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  • 本書も地区センターにてお借りした1冊です♪

    赤松利市さん、はじめまして (・ω・)ノ*。.・°*

    いやいや、ぶっ飛びすぎでしょ!!
    これ、私小説なんですって(´;ω;`)

    ヤバくないですか?
    ってか、ヤバすぎですよね…

    読み終えて放心状態っていうよりも…
    ガーン(꒪д꒪II

    って感じが正しい気がする…

    タイトルでもある「ボタ子」(娘・恵子)がもっと主人公として扱われるのかと思ったんですが…
    完全に「ボタ子」の父である「浩平」が主人公の物語。
    いや、私小説だから、もはや物語でもないのか(○.○!!)

    なんだろうなぁ…
    胸糞悪い訳でもなく…
    可哀想な訳でもない…

    でも惹き込まれるんだよなぁ…

    ある意味恐ろしいカタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ

    (´ρ`*)コホン
    では、本書の内容について。

    読者に強烈な衝撃を与える作品!!

    境界性パーソナリティー障害を抱えた娘と、その父親が織りなす壮絶な人生を描いたこの小説は、単なる親子の物語ではない。
    人間の業や社会の歪み、救いのない現実を赤裸々に映し出し、読者の心をえぐる。

    主人公・大西浩平は、かつては消費者金融業界で成功を収めたものの、バブル崩壊の煽りを受けて転落していく。
    事業の失敗だけでなく、家庭の崩壊、娘の精神疾患という過酷な現実に直面しながらも、復興バブルに望みをかけて仙台へ移住する。
    しかし、彼の人生は好転するどころか、ますます底なしの闇へと沈んでいくのだ。

    特に衝撃的なのは、浩平と娘・恵子(通称「ボダ子」)との関係である。
    恵子は精神的に不安定で、自傷行為を繰り返し、父親に過剰な依存を見せる。
    浩平は娘を救おうとするものの、彼自身もまた欲望や過去の過ちに囚われ続け、親子の絆は歪んだ形で絡み合っていく。
    どちらが被害者でどちらが加害者なのか、その境界線が曖昧である点も、この作品の恐ろしさの一つだ。

    『ボダ子』がこれほどまでに胸を抉るのは、著者自身の経験が色濃く反映されているからだろう。
    精神疾患を抱えた家族を持つことの苦しみ、そのケアに伴う絶望、そしてそこに絡みつく社会的要因――どれもがリアルで、決して作り物の物語ではない。

    むしろ、これは現実そのものなのだ。

    読了後、何とも言えない喪失感と重苦しさが残る。
    救いのないストーリーではあるが、それでも目を背けてはならない現実がここにある。
    人間の本質を深く考えさせられる一冊であり、感情の振り幅が激しく揺さぶられる。
    決して気軽に読める作品ではないが、文学の持つ力を痛感させられる一作だった。

    この作品を読んだ人は、おそらく自分自身の人生や人間関係についても深く考えることになるだろう。
    読後の余韻は強烈であり、簡単に忘れ去ることはできない。

    これこそが、真に衝撃的な作品の証なのかもしれない。

    <あらすじ>
    **『ボダ子』**は赤松利市による私小説で、境界性パーソナリティー障害を持つ娘と、その父親の壮絶な人生を描いた作品です。主人公の大西浩平は、かつて消費者金融業界で成功を収めたものの、バブル崩壊や東日本大震災の影響で事業が破綻。娘の精神疾患に直面しながらも、復興バブルに賭けて仙台へ移住します。

    物語は、浩平の人生の転落と、娘・恵子(通称「ボダ子」)との関係を中心に展開します。恵子はボランティア活動に励むものの、精神的な不安定さから自傷行為を繰り返し、父親との関係も複雑なものとなっていきます。浩平は娘を救おうとする一方で、自身の欲望や過去の過ちに囚われ続け、物語は救いのない現実を突きつけます。

    この作品は、著者自身の経験を色濃く反映したものとされ、読者に強烈な印象を与える内容となっています。興味があれば、ぜひ読んでみてください。

    本の概要
    私は、“あの町"で娘を見殺しにした。鬼才による正真正銘の問題作。
    第33回山本周五郎賞候補作品。

    バブルのあぶく銭を掴み、順風満帆に過ごしてきたはずだった。
    大西浩平の人生の歯車が狂い始めたのは、娘が中学校に入学して間もなくのこと。
    愛する我が子は境界性人格障害と診断された……。
    震災を機に、ビジネスは破綻。東北で土木作業員へと転じる。
    極寒の中での過酷な労働環境、同僚の苛烈ないじめ、迫り来る貧困。
    チキショウ、金だ! 金だ! 絶対正義の金を握るしかない!
    再起を賭し、ある事業の実現へ奔走する浩平。

    しかし、待ち受けていたのは逃れ難き運命の悪意だった。

    未体験の読後感へと突き動かす、私小説の極北。

    出版社からのコメント
    正真正銘の問題作にして、紛う事なき私小説の傑作です。

    著者について
    **赤松利市**(あかまつ りいち)は、日本の小説家です。1956年生まれで、香川県の小豆島出身。彼の作品は社会の底辺に生きる人々のリアルな描写が特徴で、特に『藻屑蟹』で第1回大藪春彦新人賞を受賞し、作家デビューを果たしました。

    彼の人生経験は波乱に満ちており、消費者金融会社での勤務、起業、家庭の崩壊、東日本大震災後の除染作業員としての生活など、多くの困難を乗り越えてきました。その経験が作品に深みを与えています。

    代表作には『鯖』『ボダ子』『犬』などがあり、特に『犬』では第22回大藪春彦賞を受賞しています。彼の作品は、社会の暗部を鋭く描きながらも、読者に強い印象を残すものが多いです。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      なになにこの作品。
      すっごく気になります!
      「いいね」ありがとうございます。

      なになにこの作品。
      すっごく気になります!
      2025/06/19
    • ヒボさん
      機会があればぜひぜひ‪(っ ॑꒳ ॑c)
      機会があればぜひぜひ‪(っ ॑꒳ ॑c)
      2025/06/21
    • きたごやたろうさん
      ヒボさんへ

      了解です♪
      ヒボさんへ

      了解です♪
      2025/06/21
  • バブル期に年収2000万円を稼いだ実業家、大西浩平。カネも女も不自由せず、結婚と離婚を繰り返してきた人生で、初めて手に入れた「愛」が娘だった。が、彼女はボーダーと呼ばれる精神障害を患い、周囲からボダ子と呼ばれ、リストカットや安易な性行為を繰り返す。

    しかも、東日本大震災をきっかけに大西の事業は破綻。彼は新たなカネを求めて、娘を残して震災地へ向かう。

    「金か!金なのか!」と叫びながらも愛人との変態プレーは欠かさない作者の分身、大西は太宰治以上に人間失格だ。そんな彼を含めてクズな人間しか出てこない私小説作品。ボランティアも含めて震災復興に携わる人々や娘「ボダ子」もクズだ。

    結局、大西は人とのつながりやカネも全て放り出し、上京。ホームレスを経て、作家、赤松利市となる。本作品がどこまで事実なのかはわからないが、震災復興を利用する人々の醜態と、それに巻き込まれるボダ子を見てしまった著者の人生経験はあまりに壮絶。作家デビュー後、作品を発表しまくるエネルギーの元は、この経験があるからなのか。

  • ブクログでどなたかの感想を読み、興味を惹かれたので読んでみた。

    主人公がボダ子じゃなくてその父親! ダマされた感を持ち続けたまま読了。この内容で「ボダ子」って題名はないよなぁ。

    ストーリー自体は面白く、一気に読んでしまった。だが、別に読まなくてもよかった本。人に薦めることもないだろう。

  • 私小説らしい。
    しかしあの当時、震災バブルや義援金詐欺、耳を疑うような話も実際に聞こえてきたのも事実。
    地元民で震災経験者としては、リアルな内容。

    ボダ子はこの先も、愛に餓えて愛に溺れて行くんだろうな...。

  • ボーダーの少女が病んでめちゃくちゃなことをする話かと思って読んだら予想外にボダ子の父親目線で描かれておりすんごい面白かった。的外れなところはあるけれど父親なりにあれこれ考えたり考えなかったりしながら不器用に必死に奔走するところは、心をもっていかれるものがあり「なんでそんなことするの!?」と思いながらも魅力的で正直ボダ子がちょっとうらやましく思った。あとから実話に基いてると知ってびっくり。このあとボダ子たちはどうなったんだろう!?他の作品も読みたい。

  • 行く先、選ぶ道がすべて塞がれる人生。望みも救いもない。頑張れば報われるとか、助けてくれる誰かがきっといるなどという人生訓は通用しない。登場人物たちはろくでなし、ダメ野郎、どの形容が相応しいのか、絶望のショーケースだ。

    赤松さん初読み。成熟社会のこの時代、共感やら、善い人、寛容なことが、やたらもてはやされているので、こういう作品は私は大好物だ。根底から善悪の根っこを抜いて、大いに揺さぶってくれる。

    筆致に圧倒的な疾走感があり、出来事が次々と連なっていても飽きさせない。頁を捲るたびに、出来事がひっくりかえることも多く、展開から目が離せない。それほど、登場人物たちの行動のふり幅が大きく、いつ裏切られ、陥れられるか、不安と絶望が掻き立てられる。

    震災の復興事情や、ボランティアの内実など、私たちが外から触れていない清濁併せ呑まねばならぬ現実はあまたあるのだと思う。世の中は、結局は性悪説通りかと、やるせなさは否定できないが、読後は悪くない。文中に度々出てくる「何とか、どうにかなる」という主人公浩平の生来の楽天気質と、徹頭徹尾の実行力が、必ずしも物語を地獄では終わらせてはいない気がする。

    作中に描かれるいくつかの家庭の様子が、私の離れた実家の記憶を呼び起こし、度々胸が潰れた。本人が一番辛いのは百も承知だが、私も境界性人格障害の妹に40年近く悩まされ、振り回されてきた。壊れた家、生気を人から奪い取り、それが家に沈殿した重苦しい家庭の雰囲気が赤松さんの筆から溢れ、伝わってきた。他の作品も読んでみたい。

  • この内容が私小説なのか…。
    最後のページを閉じた瞬間、絶句してしまった。

    タイトルはボダ子(境界性人格障害と診断された主人公の娘)になっているけれど、
    描かれているのは父親である主人公の強烈熾烈なキャラクターとその半生。

    家族とも自分自身とも向き合わず、逃げ続けた男の末路でありながら、
    メタ的な描写によって反省や教訓が滲み出し、どこか人生譚ぽくもある。

    そして読み進めるうちに、読者として目をそらしてはいけない気持ちになってくる。
    そうして気づけばより深い絶望へと誘われている。

  • イヤミスじゃなくイヤコロ。読んでいて嫌な気分にさせる人生転げ落ち小説。運気上昇していく小説は読んでいて楽しみになりウキウキもするが、やることなす事全て破綻しか待っていない物語、しかも主人公のアホさ加減にゲンナリさせられて気鬱になりそう。読むほどに結末まで読みたくないけど先が知りたい無情な欲求に抗えず、しかしページをめくるとやっぱりそれかと項垂れる。
    タイトルは目に付くけれど興味をもたせないセンスの無さで、読むたいと言うよりなんじゃこの野暮ったい本は?と手にしてしまった。帯も大層でタイトルと内容もなんだか噛み合わないイラっと感じる一方ジワる。読み始めはつまらないと感じたが、読み出すと一気。やばいわ、これは笑

  • 大西は仕事に夢中になり家庭を顧みなかった。三回目の結婚は京都の玄人の女悦子。何かにつけて攻撃的で、一晩中愚痴が続く。娘は可愛かったが離婚した。鎌倉の女と再婚した。すると悦子から連絡があり、娘が精神を病んだ、境界性人格障害だと診断されたと言う・・・

    うーむ。とってもスリリングだった。

    グロテスクな表現が多いのだけれど、ギリギリ過剰にならない程度に収まってる。自分範囲の者たちのバトル+悲しい者たちの悲劇だった。

  • 『藻屑蟹』で大藪春彦新人賞を受賞してデビューした、63歳の大型新人・赤松利市の4作目の小説。

    私が読む赤松作品は、これが3作目。『藻屑蟹』のときから「大藪春彦って感じじゃないなァ。もっと純文寄りの人ではないか」と思っていたが、この第4作はなんと、自らが小説家になるまでの半生を描いた私小説である。

    版元の内容紹介が簡にして要を得たものなので、引用する。

    《バブルのあぶく銭を掴み、順風満帆に過ごしてきたはずだった。
    大西浩平の人生の歯車が狂い始めたのは、娘が中学校に入学して間もなくのこと。
    愛する我が子は境界性人格障害と診断された……。
    震災を機に、ビジネスは破綻。東北で土木作業員へと転じる。
    極寒の中での過酷な労働環境、同僚の苛烈ないじめ、迫り来る貧困。
    チキショウ、金だ! 金だ! 絶対正義の金を握るしかない!
    再起を賭し、ある事業の実現へ奔走する浩平。

    しかし、待ち受けていたのは逃れ難き運命の悪意だった。
    未体験の読後感へと突き動かす、私小説の極北。》

    タイトルの「ボダ子」とは、主人公の娘のこと。「ボーダーライン」(境界性人格障害)ゆえに「ボダ子」なのだ。
    娘との関係が小説の大きな核にはなるのだが、「ボダ子」は主人公ではない。主人公はあくまで、作者の分身である還暦間近の男・大西だ。

    著者インタビューによれば、本作の内容は100%実体験なのだそうだが、「ホントはかなり脚色があるのでは?」と勘ぐりたくなる。それくらいすさまじい内容である。

    私小説ではあるが、エンタメ的な面白さも十分にあり、私は一気読みしてしまった。

    きれいごとだけでは済まない被災地の現実の描写も鮮やかで、優れた「震災文学」でもある。

    勝目梓の『小説家』のように、エンタメ作家が本気で私小説を書くとすごいものが出来上がることがあるが、本作はまさにそれ。
    量産のきくタイプの作品ではなく、一回限りの場外ホームランのようなものだと思うが、間違いなく赤松利市の代表作になるだろう。

  • 現実の世界では、目論見が外れることも多いし、解決しない問題も多い。
    この本では、そんなことだらけで、妙にリアルだなと思いながら読んだ。

    主人公の男性は、多額の借金を負うわけでも、暴力振るうわけでも、ギャンブルに溺れるわけでもないけど、ただただ目の前のことから逃げ続ける。
    いつか破綻するとどこかで理解しながら、解決を先送りにして、逃げて、どうしようもなくなったら行方をくらます・・・。
    無責任の権化のような人だ。

    ボーダー(境界性人格障害)について詳しくはありませんが・・・。
    この本の中では「医者にとって都合の悪い患者につける病名」だと書かれていた。つまり、障害と名はつくものの、明確な基準や線引きはないということだろうか。
    確かに、ボダ子自身は、主人公が好んだ女性たちとやってること大差ないわけで、「障害」と診断されるかどうかは、診断される機会があったか否かの違いだけにも思える。
    現実の世界でも、少女が家出をして性と引きかえに成人男性に匿われたりしてる。その少女たちの原動力は「自分の今いる場所・親への反発」なわけで・・・
    でも、親の愛に恵まれなかった少女が、表面的でも優しくしてくれる男にすがってしまう気持ちや行動を、「ボーダー」のせいだとは一般的には考えられていないよね。
    ボダ子みたいな女の子って、実は珍しい話ではないのかもしれない。

    何も解決しない、誰も救われないけど、それが現実なのか・・・。
    読んでる途中は緊張感あったけど、さいごまで読んで、脱力。

  • しばらく前に買ってたものの、途中で挫折していた本。

    ここ最近、図書館にも本屋にも行けないので、家の本棚にある本を読み返しているところに、これがあったな、ともう一度初めから読み始めた。

    今度は、ハマって読む。
    救いないし、こりゃダメだ…ってなるし、共感もなにもないが、最後まで読んだ。

    読んで幸せになれる、読んで人生の勉強になる、読んで日々が丁寧な暮らしになる、読んで目の前がひらける、
    そんな本ばかりが良い本だとは感じない。

    むしろこんな暗くて、モヤっとなるような本をたくさん読みたい。

  • 面白いと言えば、最後まで読み通してしまうぐらいには面白い。
    でも、何よりこんなに小説の主人公が嫌いになる作品は初めて。
    その印象があまりに強過ぎました。

  • これ、私小説らしいです。
    自分の恥部をよくまあここまで
    赤裸々に描けるなあと 笑

    一人娘が境界性人格障害(ボーダー)。
    なのでボダ子。

    その娘との関係を軸に
    仕事関係、男女関係、夫婦関係が
    描かれてるけど
    まあ、全てがゲスい!笑

    女にだらしない主人公の生き様は
    読んでて苦笑するしかないです。

    ちなみに続編もあるらしいので
    もちろん読みます 笑

  • 大風呂敷をひろげ
    その場限りの嘘で切り抜け
    でも 成功したら金がはいる快感に振り回されてます
    とんでもない方向 それもよくないほうばかりに
    進んでいく人生・・
    ギラギラしたその迫力に
    どんどん読み進めてしまいますが
    最後は空しいかなぁ・・・
    いあいあ 著者は諦めてないから
    この小説が書けたんですよね

  • いやー面白かった!
    夢中になって読んでしまった。
    大西も元妻も、娘のことを顧みない、本当にどうしようもない人間だなと思った。
    しかし著者は、自分の醜い部分や弱い部分を隠すことなく書いてて、すごいなと思った。

  • シェイクスピアぽいといえなくなくもない。
    下半身がピリピリする。

  • 救いようのなさはこれまでの二作と同じだが、読後感は一番胸くそ悪い。

    一、二作目と舞台やシチュエーションは似ていても、筆致がぜんぜん違い、ハードボイルドではない。テイストがぜんぜん違う。この作品にはシリアスさ、ヘビーさがなく、コミカルでさえある。

    作者が主人公の転落を、自業自得だろと突き放して書いている。

    思慮深い登場人物や、熱い信念や純情をもつもの、裏でそろばんを弾きながらも顔に出さない策士も、この小説には一切出てこない。判で押したような安いキャラばかりだ。

    主人公の生活は操り人形のように安いキャラに絡まっていき、当然破綻する。

    作者は徹底的に主人公が、自分勝手のくだらない理由の連鎖で不幸になっていくことを楽しみながら書いている。その表現にはハードボイルドな筆致は必要なかったということだろう。

    この作品はフィクションだが、主人公のモデルは作者らしい。終章で主人公と作者の人生が重なり合ったということなのだろう。ちょっと安易なエンディング。

    『ボダ子』というタイトルはどうなんだろうと思った。

  • すさまじい。絶句。しかしこれまぎれもなく2019年、日本を描いた小説だ。懺悔なのか、自傷なのか、小説なのか、最後の1ページは、すべてを語るかのようで、これ以上語ることを拒否せんばかりの重みだけを告げるようだ。

  • ギブアップしました。評価不可能です。なんて小説だ……。露悪的なものにも種類があるけど、ここまで人間の間違いを畳みかけられると耐えられないことを知る。もう読み返したいとは思わないでしょう。それはこの小説が稚拙だからでは全くなく、登場人物の全員があらゆる部分で間違っているので、読者も一つくらい、何かしら刺さってくる部分があるんじゃないだろうか。これが著者の自伝なのでびっくりするけれど、案外人というものはそういうものなのかもしれない。そう思うと何故か解放感があった。ギブアップしたのに……。

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著者プロフィール

赤松利市
一九五六年、香川県生まれ。二〇一八年、「藻屑蟹」で第一回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー。二〇年、『犬』で第二十二回大藪春彦賞を受賞。他の著書に『鯖』『らんちう』『ボダ子』『饗宴』『エレジー』『東京棄民』など、エッセイに『下級国民A』がある。

「2023年 『アウターライズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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