同潤会代官山アパートメント

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 272
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103525318

感想・レビュー・書評

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  • 時の流れとともに受け継がれていく、家族の年代記。
    こんな家族がいろんなところに存在しただろう。
    悲しいこともあり、嬉しいこともある。

    始まりは、竹井光夫と八重の夫婦。
    竹井は元々、八重の妹の愛子と婚約していたが、愛子を失った二人はやがて家庭を作ることに。

    同潤会代官山アパートは、関東大震災の救済措置として建設されたアパートのひとつ。
    大切な人を守りたくて、竹井は当時最先端だった鉄筋コンクリートのこの建物に住むことにしたのだ。

    4代を経て、取り壊されるまで、アパートは竹井から杉原に続く家族の成長と老いと新しい命を見守り続けた。
    読み終えてプロローグに戻ってみれば、自分も「遙々来たものだなあ」という気持ちになる。
    最初に読んだ時には何の意味もなさなかったものが、思い出とともに色彩を帯びていく。

    冒頭の家系図は盛大なネタばれだが(笑)問題無い。

  • 代官山の同潤会アパートを舞台に、そこで暮らした4世代の家族70年の歴史。

    亡き妹の恋人と結婚した八重。
    義姉から妻となった女性を大切にし続けた夫竹井。
    その娘、孫達、そして曾孫。
    それぞれがその時代ごとに歴史を刻み、住み暮らしていた場所。
    彼らの大切な場所であったことが、物語の最初から最後までずっと感じられます。
    とても素敵な話でした。

    最後まで読んでからプロローグに戻ると、そこに書かれた八重達の歴史が語られていた事に気づき、新たな感動に包まれます。

    孫の進の高校時代のエピソードが良かった。
    思わず吹き出す微笑ましいセリフ「少しは黙れ!星のフラメンコ!」
    多くの人に読んでいただきたい作品でした。

  • 代官山のアパートを舞台に、一組の夫婦と、子、孫、ひ孫の代までを、約10年ずつ記した物語。
    意味が分からなかったプロローグが、最後に改めて読むと、短い文章の中にこみ上げてくるものがある。
    色んな性格の人が出てくるけど、家族でも性格は色々で、気の合う人は、どこかにいるんだなって思える。
    一気に読んだけど、最後に家系図見てたら、あ、この人はあのエピソードの人だって思い出せる。
    描き方がうまい。


    ビブリア古書堂の作者のはずだけど、本の印象は全然違う。この作品も面白かった。

  • 四世代に渡る家族の話。
    昭和初期(戦争前)から関東大震災、そして阪神淡路大震災もこの物語に出てくる。
    私も阪神淡路大震災は経験したので、ちょっとタイムスリップした気分でした。
    八重さんすてきな女性です。だから素敵な家族に囲まれたんだね。
    本の帯に「心の居場所」と書いてありましたが、ほんとそうだなと思いました。
    人に薦めたい一冊です。

  • 家族の歴史を見守る家。物語のはじめと終わりをあの出来事にしているのはどんな意図なんだろうか。やっぱり、この「家」を際立たせるためなんだろうか。

著者プロフィール

1971年、神奈川県横浜市生まれ。 武蔵大学人文学部社会学科卒業。中古レコード店、古書店勤務を経て、『ダーク・バイオレッツ』で2002年デビュー。2011年に発表した古書ミステリー『ビブリア古書堂の事件手帖』が人気作になる。同作は2012年に本屋大賞にノミネート。2012年、「足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)」(『ビブリア古書堂の事件手帖2』に収録)で第65回(平成24年度)日本推理作家協会賞短編部門にノミネート。2014年3月14日、『ビブリア古書堂の事件手帖4』(メディアワークス文庫)で第67回(平成26年度)日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

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