ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

  • 新潮社
4.43
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本棚登録 : 1642
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103526810

作品紹介・あらすじ

大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽々と飛び越えていく。優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。落涙必至の等身大ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • ブク友さん方のレビューを拝見し、とても興味を持ったノンフィクションです。
    うん、読んでよかったです。この本を知ることが出来てブク友さんありがとうです。

    『世界の縮図のような』とは言い得て妙です。ここでは、英国にある「元・底辺中学校」での日常がそのような場となっていますが、日本でも多文化共生、多様性などの言葉が目につき、耳に入るようになってきた昨今、遠い国の話ではなくなってきてると改めて思いました。
    そして、実際に見て聞いて体験し、他者と話し合うことの大切さを、今更ながらひしひしと感じました。子どもに対して、つい大人は先回りして、まだ難しいからとか、こんなこと知れば傷つくだろうからとか、酷い事実を隠したいと思ってしまいます。でも、子どもってちゃんと考え理解しようとする力を持っているんだと思います。逆に、大人が「ねえ、どうして?」と聞かれると、答えに窮してしまったり、後ろめたい気持ちや、邪魔くさい気持ちになって、子どもたちを問題から遠ざけようと無意識のうちにしているのではないのだろうかと思ってしまいした。
    著者の書かれるとおり、幼児たちの世界では、「こうでなくちゃいけない」の鋳型がありません。「この形がふつう」「こうでなくちゃいけない」の概念さえありません。それは、自分の子どもたちのことを振り返ってみても、その通りだと思いました。じゃあ、なぜ、子どもたちが成長するに従って、彼らの世界にいろいろな鋳型が現れ、自由で朗らかな存在でいられなくなるのでしょうか。偏見や差別、いじめがなぜ子どもたちの世界で生まれてくるのだろうか。考えてみれば簡単なことで、子どもたちに影響を与えてしまうのは、周りに存在する大人なんですよね。
    この優等生の「ぼく」は、そんな問題にぶち当たったとき、一緒に考えてくれる「母ちゃん」がいました。二人が考える物事は難しいように思えるけれど、「ぼく」のように、何が大切なことなのかをちゃんと考える力は、世界中の子どもたちが本来ちゃんと持っている力だと私は信じてます。ひとりで分からなかったら、ふたりで考えましょう。そうすれば、きっと何かが見えてくるはず。
    そんな大人の存在が増えてほしいし、私もそうでありたいです。

    • 5552さん
      地球っこさん、こんにちは♪
      この本、わたしも読みました。
      これからの日本に必要な良い本ですよね。
      いろいろ学ばさせてもらいました。
      ...
      地球っこさん、こんにちは♪
      この本、わたしも読みました。
      これからの日本に必要な良い本ですよね。
      いろいろ学ばさせてもらいました。

      2019/10/04
    • 地球っこさん
      5552さん、こんにちは。
      コメントありがとうございます!
      5552さんのおっしゃる通り、
      いろんなことを考えるきっかけを
      与えてく...
      5552さん、こんにちは。
      コメントありがとうございます!
      5552さんのおっしゃる通り、
      いろんなことを考えるきっかけを
      与えてくれる、素晴らしい本でした♪
      2019/10/04
  • ただひたすら衝撃!!の一言
    一体何が衝撃的だったのか? 何もかもだ
    この本の全てがフィクションではなく、実話だということ

    市の学校ランキング1位のカトリックの小学校から人種も貧富もごちゃまぜ世界の縮図のような元・底辺中学校に進んだ「ぼく」
    アイルランド人の父と日本人の母を持つぼくが、次々と直面する不合理で差別的な現実に逃げることなく真っ正面からぶつかり考える

    それでも分からないことは、素直に母親に質問し、親子でごまかすことなく話し合う

    「多様性っていいことなんでしょ?学校でそう教わったけど」
    「じゃあ、どうして多様性があるとややこしくなるの」
    「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶え
    ないし、そりゃない方が楽よ」
    「楽じゃないものが、どうしていいの?」
    「楽ばっかりしていると、無知になるから」

    「人種差別は違法だけど、貧乏な人や恵まれない人は差別しても
    合法なんて、おかしくない? そんなの本当に正しいのかな」
    「いや、法は正しいってのがそもそも違うと思うよ。法は世の中
    をうまく回していくためのものだから、必ずしも正しいわけじ
    ゃない・・・」
    「それじゃまるで犬のしつけみたいじゃないか」

    多くの移民を受け入れ.性的にもLGBTQさまざまな人々が混在するこの地域(なのか、国の教育方針としてなのか) は、中学といえど、授業の内容にも驚かされる

    『エンパシー』とは何か? 『シンパシー』との違い
    『FGM』( 女性割礼) について

    エンパシーについて、ぼくは「自分で誰かの靴を履いてみること」と答えている 何と端的に言い得ていることか これがイギリスの中学生か

    同じ島国なのに日本は・・・と、生ぬるい温泉にでも浸かっているような感覚さえ抱かされた
    日本も労働力不足で外国人研修生を受け入れたりして、ようやく
    多様性について真剣に向き合わなければいけない事態になっている
    一文一文、自分はどう考えるのか? と反芻しながら読み終えた

    いつもは図書館のお世話になっているが、この本は自分の物として是非手元に置いておき、自分の人権意識を見直し、正す一冊にしたいと思った


  • 「マルチカルチュラル(多文化主義)な社会で生きることは、ときとしてクラゲがぷかぷか浮いている海を泳ぐことに似ている」
    様々な人種・文化がごちゃ混ぜになっている社会に生きるイギリス在住のブレイディみかこさんが、中一の息子くんの学校生活を生き生きと描いたエッセイ。
    息子くんは日本人(母)とアイルランド人(父)のDNAをあわせ持つ(ハーフと言われることは嫌らしい)素直な男の子。
    息子くんが通う中学校は、生徒の肌の色も様々で、宗教も概念も親の性別も何もかもが多様化している。
    それ故思いがけない地雷を踏んでしまうことも。
    差別されたかと思えば、逆に差別してしまったこともある。

    そんな中で冷静かつ客観的に自分の意見を言える息子くんは素敵な人だと思った。
    学校でエンパシー(共感、感情移入のこと)とは何か、と問われ「自分で誰かの靴を履いてみること」と答える息子くん。
    他者の立場に立って考えられる息子くんは素晴らしい。
    He is too cool!
    こんなクールな少年はちょっといない。

    ずっと親戚のおばちゃん気分で読んでいた。
    息子くんはこんなコテコテのイエローのおばちゃんなんて迷惑だろうけれど。

    「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(不安)」と中学へ入学したばかりの頃ノートに落書きした息子くん。
    一年半経った今、どちらかというとグリーン(未熟)に変わったらしい。
    次に逢ったとき息子くんが何色に変化しているのか知るのがとても楽しみだ。
    明るく楽しい色になっていることを願って。
    このまま止まらず、突っ走れ!
    息子くんの後日談がいつか読みたい。

    読んでいる途中での決定。
    2019本屋大賞「第2回ノンフィクション本」大賞受賞!
    ブレイディみかこさん、おめでとうございます!
    納得の受賞です。

    • やまさん
      mofuさん
      こんばんは。
      やま
      mofuさん
      こんばんは。
      やま
      2019/11/09
    • mofuさん
      やまさん、こんばんは。
      いいねをありがとうございます。
      この作品良かったですよ(*^^*)
      やまさん、こんばんは。
      いいねをありがとうございます。
      この作品良かったですよ(*^^*)
      2019/11/09
  • イギリス在住ブレイディさん、息子さんを取り巻く問題。息子さんの成長とともに、貧困、差別…日常を描くノンフィクション。
    人種も貧富も多様性溢れる環境でしかも自分はハーフ、自分にありどころを探す息子さん、向かい合う母さん、読んでいて面白さを感じるだけでなく、いくつもの気づきを与えてくださいました、文化の違いを学びつつ。イギリスと日本では考え方や学校で教わる科目内容も違いますが、それを超えて心に響いてきたものがあります。エンパシー、自分とは違う立場の人や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみることが大事とか、多様性はややこしい、でも楽してばかりしていると無知になる、っていうところとかいつでも心に留めておきたいですね。読みやすかったし、読んでよかった。息子さん頭柔らかいなあ。

  • タイトルは著者の息子さんが発した言葉。
    イギリス人のご主人と息子さんとブライトンという場所で暮らされています。

    息子さんはハーフなわけで、これも彼らからしたら差別用語っていう事実を知ってちょっとショック。
    今まで気軽に使ってしまっていた。

    日本も貧富の差は多少あると思うけど、イギリスも格差社会。知らない事だらけでかなり衝撃だったな。
    それだけ集中して読む事も出来ました。目が離せない感じで。

    世界は広い。なんかまだまだ日本人は甘いなって思いました。酔っぱらいの日本人にむかついてる場合じゃないのかな。

  • どうしよう、だれかれかまわずおすすめしたい……
    平常、お薦めの本は?と聞かれたときは、相手の好みや求めているものをまずよく聞いて、それならこんなのどうかしら、と対応します。自分の好みを全面に出すことはできるだけせずに、相手の”今”にほどよくハマるものを手渡したいなぁと思っています。
    それなのにどうしよう、この本を誰彼かまわずおすすめしたい。傍若無人自己満足強烈押売をしたい。
    でもそれはやっぱりしたくないなぁ……なので、相手の話をよく聞いて、髪の毛一本分でも、この本に結び付きそうなものがあったら、こんなのどうかしらと手渡す本の中に、この本を必ず入れよう、と思います。

  • 今まで「差別問題とかには割と問題意識をもってきたし、自分自身差別的なことを言ったりしたりなんかしていないもんね」と思っていた私は、このエッセイを読んで、思いっきり往復ビンタされ、みぞおちに膝蹴りを食らったほど打ちのめされた。
    ものすごく、衝撃だった。この世界にはこんなにも多くの「差別」レイヤーが存在し、多くの人が差別を受け、そして差別しているのだということが、そしてそれをほとんど知らずに平気で生きてきた自分の浅はかさが恥ずかしくてうずくまっている。
    ほんの12歳の少年が、これほど多くの差別に直面し、それを自分の頭で考え、そのときそのときで最善と思える行動をとっていることも、ある意味衝撃だった。自分が12歳の時はどうだっただろうか。自分の子どもたちが12歳のときは…答えは明らかだ。「何も知らず、何も考えす、何も行動していなかった」。
    知らないということの罪深さ。「差別なんてしていない」と言い切っていた自分は、今までに多分たくさん差別的な視線で人を見てきたのだろう、気づかないままに。そしてきっと相手が「差別だ」と思うような発言をしてきたのだろう。いったい何人の人を傷つけてしまったのだろう。
    人種、職種、生活レベル、宗教、セクシャリティ…今の日本にも存在するたくさんのレイヤー。その一つ一つに「差別」が存在している。私たちは、「単一民族」だの「総中流」だのという幻想から早く脱するべきなんだ。まずは知ること。自分とは違う隣の誰かを、違うままに受け入れること。そこから始めなきゃ。
    カッコいい母ちゃんと、クールでクレバーでだけどホットな息子の毎日は、サイコーの教科書だ。
    この世界のどこでどんな風に生きていくとしても、人として必要な、とてもとても大切なことがこの一冊の中にある。いろんな人と一緒に暮らすことの困難さと大切さ、その大きさの意味を私たちは知らなければならない。

  • ちょっと「正しい」すぎて困る。

  • 知らない言葉が多く、自分の無知さを改めて知った。
    色々な差別があるが日本に住んでいる者にとっては限定的な部分が多いと思う。
    隣国が陸続き国や移民を多く受け入れている国にはもっと複雑な差別があること、違いがあることを知った。
    そのような中でも親子でこの違いを受け入れ、楽しみ、日々成長する日常がある。

  • 鋭くて芯をつくような考えをして、力のあることばをいう。
    どうしたらこんなにしっかりとした子どもが育つのだろう、と思いながら読みましたが、大事なところをしっかり受け止めて自分の体験からくる真実で応じるお母さんの存在がしっかりあるように感じました。
    まずは自分がしっかり(としか言えない、そんな器)しなければ。

    • やまさん
      りえさん、おはようございます。
      レビューを読みました。
      なかなかいい本ですね。
      りえさん、おはようございます。
      レビューを読みました。
      なかなかいい本ですね。
      2019/11/07
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著者プロフィール

1965年、福岡県生まれ。保育士、ライター。

「2019年 『街場の平成論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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