- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103526827
作品紹介・あらすじ
13歳になった「ぼく」に親離れの季節が――「一生モノの課題図書」、完結。中学生の「ぼく」の日常は、今も世界の縮図のよう。授業でのスタートアップ実習、ノンバイナリーの教員たち、音楽部でのポリコレ騒動、ずっと助け合ってきた隣人との別れ、そして母の国での祖父母との旅―― “事件”続きの暮らしの中で、少年は大人へのらせん階段を昇っていく。80万人が読んだ「親子の成長物語」、ついに完結。
感想・レビュー・書評
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子供の成長はすこぶる
速い。
昨日までオムツをして
いたのがいつの間にと
いう感慨は、
すべての大人が感じる
ものではないでしょう
か。
我が子はもちろん近所
のあの子や姪っ子でも、
ちょっとぼやぼやして
いたらあっという間に
大人になっているもの。
でも当人にしてみれば
人生のなかで一番長い
時間を過ごす子供時代。
そこには成人してから
のものとは比較になら
ない、
とくべつに濃密な時間
が流れていますよね。
父母に屈託なく甘える
ことができた幼少期。
ワルを気取るのが格好
いいと思った思春期。
大人は多難という話を
聞かされても全然ピン
とこなかった。
いま思えば、それだけ
私の子供時代は、
苦労知らずで恵まれて
いたということなんで
しょうね。
あらためて両親に感謝
です。
息子くんがいつか人生
を振り返るとき、
この父母を想いきっと
目を赤く腫らすんだろ
な・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イギリス在住の日本人主婦ライターによるノンフィクションだ。
前作がかなりの話題作で、なぜこれ程までに人気が出てるんだろうと興味本位で読んでみたのがきっかけだったが、面白かったので続編にも手を伸ばした次第。
前作ほどのインパクトはない… 作品の内容にインパクト欠けるのか、私が前作で免疫が出来てしまいそう感じてしまうのかはわからない。
とはいえ、文体というか筆致がおしゃれ。今の時代にウケるであろうコミカルで軽妙なタッチなのでするする〜っと読めちゃう。
英国の地方都市でのブレイディ親子の日常生活での出来事が恥も外聞もなく赤裸々に綴られている。
この目線の良さというか目のつけどころはあっぱれ、さすがです。
日本でも多様性やダイバシティの重要性が叫ばれているが、それらに関して私が前作と本作から学んだことはとても大きい。その意味では、みかこ姐さんに感謝(笑
下手なダイバシティのテキストで学ぶならこの本で学ぶべし!と声を大にして言いたい。
笑えたのが、隣家に越してきた乳飲み子を抱えたシングルマザーが著者を訪ねて来て、
「私早く働きたいので、ベビーシッターをする気はないか、あなたを雇いたい」
的なお願いをしていたことだ。日本では大人気ライターになんつ〜ことお願いしてるの(笑 これもまさに多様性!
それにしてもイギリスの少年少女たちは意識高いんだな〜、日本はどうなんだろうかなどと思ってしまった。-
TAKAHIROさん
フォローしていただきありがとうございます。
「ぼくはイエローで〜」の続編が出ていたのですね。
知りませんでした。
前作...TAKAHIROさん
フォローしていただきありがとうございます。
「ぼくはイエローで〜」の続編が出ていたのですね。
知りませんでした。
前作で英国の現状を知って驚きでした。
その後著者の「This is Japan」を読んだのですが「ぼくはイエローで〜」とは雰囲気の違うとても客観的な視点で日本の格差、保育の現状を語っていて、こちらも日本人でありながら自分の無知を思い知ったものです。
日本の歴史、凄いですね。
私は小学生、中学生時代の歴史嫌いをはんせいして戦国時代とその付近だけ読んでいます
私もフォローさせていただきます。2022/07/18
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前作同様、様々な考え、立場、境遇の人たちの中で冷静な判断をしながら育っていく息子を見守る母。
前作と違うのは、息子さんがもうすっかり親に頼っていないところ。
前は、疑問に思ったことは何でも親子で話し合い、解決していた印象だったけれど、今作の息子さんはちょっと言葉少なめ。
何でも親に話してくる時期はもう過ぎたってことですね。
そんな息子さんにちょっと動揺しているみかこさんが可愛くて親近感を持てました。
いつの間にか、相談されるというよりは、意見を交換し合えるようにまで成長した息子さん。
でも、さすが作家さん。成長した息子さんを黙って見守るだけではありません。
「執筆の役に立つんじゃないかと思って、スピーチ文の構成に関するプリントをコピーさせてもらったのは言うまでもない」
さすがです!!! -
続編なので、よく知ってる親子とその町のお話って感じで、するする読める。
とても賢い息子さんは、ますます成長していて頼もしい。
息子が親に相談する。というより、対等に意見を交わせる相手になっている。
本作では、イギリスの中学ってスゴイなぁ。
と強く感じた。
例えばミュージックの授業。
“コンサートのプロモーターになったつもりで、クライアントに会場の提案をするためのプレゼン資料を作りなさい”
という宿題。
実際、息子さんはその会場に電話をして、レンタル料金を聞いたりしている。
13歳てすよ?!
国語のスピーチテストというのもあって、息子さんの選んだテーマは“社会を信じること”
他には“ドラッグ問題”“LGBTQ”“ポリティカル・コレクトネス”等か選ばれているらしい。
私が中学生の頃の授業は、これと比べるとずいぶん受け身だったなぁ、と思う。
今は日本の中学でも変わってきているのかな?
最後に息子さんの名言。
「でも、ライフって、そんなもんでしょ。
後悔する日もあったり、後悔しない日もあったり、
その繰り返しが続いていくことじゃないの?」 -
前作がとてもよかったので、2も読むでしょ、今でしょ、とすぐに購入。
多様性。ついついこの一言でこの「ぼくはイエローで・・・」の2冊をまとめてしまう私だけど、その多様性にも人種だけでなく、性別の問題や貧困問題や移民問題など色々な社会問題が複雑に絡み合う。そのひとつひとつの出来事に、「怖かったわ」「嫌な思いしたわ」とかで済ませるのではなく、自分で考えようとするブレイディ一家が素晴らしい。
で、それとは別に、前回のレビューで書けなかったからなんだか二冊のレビューがごちゃまぜになるけど、イギリス社会に根付くチャリティー精神と、イギリスの教育で日本と違って素晴らしいところを知れたのも大きな収穫だった。
ボランティアだとか福祉的なチャリティー活動が盛んなのは知っていたけど、なんというかしっかりと人々の暮らしに根付いているのがすごい。政府が緊縮財政をとってきたなら、市民レベルで助け合わないと、と。こういう精神は一朝一夕に根付くものではない。
そして、教育よ!イギリスの教育の方が日本より良い、なんていうつもりはさらさらないけど、主要科目だけを重視するのではなく、音楽や演劇、シティズンシップなどなどあげればキリがないほど、「え、それ、日本では入試にないよ?」みたいな科目も重視され、全国統一なんたらかんたらの科目として認められてるんですって!ステキ。国語、数学、英語、色々苦手でも音楽得意なんですって子も輝ける瞬間があるってステキ。
国も人間の集合体。完璧な人間がいないように完璧な国もないけれど、イギリスを参考にしても良い部分も大いにあると思った。
しかし、著者が書いているようなイギリスで目にする子どもの格差には、ちょっと言葉を失う。今後日本もそうなってしまわないよう願うばかり。
あ、福岡のじいちゃんと息子さんの絆にはなんか胸がつまって泣けました。 -
相変わらず真っ直ぐで理知的な「僕」。あまりにいい子すぎて、みかこさんもかわいくて仕方がないのではないか。
矛盾する大人の様子を冷静に分析して、自分が生きていく上での指標を築き上げようとする健気な姿に、いろいろなことを学ぶ。
ピリオド・ポヴァティ(生理貧困)のこととか、ノンバイナリー(性自認が男性でも女性でもなく、どちらかの枠組みに自分を当てはめないこと)の先生の話とか、普段気にもかけないことを考えさせてくれて、少しだけ自分の世界が広がる。
あと、クリスマスソングの定番(少なくとも、僕の中では)The Poguesの「Fairytale of New York」がポリティカルコレクト的にどうなんだ?というくだりは、興味深い議論だな、と。歌い継がれてほしい名曲だと思うけど、不快に思う人も確かにいるだろうね。
多様性って難しいけど、純粋な目でジグソーパズルを解くように考えていく姿勢が必要なのかもしれない、と思った。 -
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1.あらすじ
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前作の続編。
息子さんは中学2年生。
またまた、いろんな国の人たちが登場してきて、世界というものに触れる機会を作ってくれます。
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2.感想
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中学生になっても相変わらずの息子。
今回は登場シーンが少ないけど、かっこよさは健在。
おじいちゃんとの話は、こっちも泣けてきます。2人が、なにか、とてもかっこよく感じます。
旦那さんの一言も相変わらずいい感じ。
配偶者と息子がいい感じで、とてもよいファミリー感が伝わってきます。いいね♪
私は、まったくグローバルな活動をしていないので、話の内容がとても新鮮です。用語も知らないことばかりで、勉強にもなります。
■話の中で感じたこと
・同じ潮流
みんな同じ潮流にのることが多いな〜と、感じることは多いです。最近は、やたらと感謝のキーワードがありふれていて、ちょっと、騒がしく感じます。
ZOOMで挙手してさされると、「お時間いただきありがとうございます。」とか、「あなたのおかげです」という表面的な感謝の言葉がありふれてて、なんか、嫌な感じです。
・ノンバイナリー
子どもの頃、私の周りにも女性的な男性は必ずいました。きっと、性別という枠組みで息苦しさを感じてる人もいたんだろうなと…。
・個性
いろいろと違う考え方を持ち、いろいろ違う活動をしている先生たちがいるからこそ、それぞれ違う個性や問題を抱えた子どもたちに対応できる。そう、いろんな個性がもっとあってよくて、なんでもかんでも他人に合わせたり、場の空気に合わせたりする必要はない。個性を大切にしていきたい。
・息子
やっぱり、息子、かっこいいな。
リーダーの資質を問われて、ひっぱるだけでなく、後部が離れてしまわないように押し上げることと、答えている。
私が現在在籍している企業は、優秀な人はどんどんひっぱりあげていくが、成果がでない人間はすぐに切り捨てます。私は、成果が出せない人間を、成果が出せるように導くことがリーダーの取るべき行動だと思っているので、息子のこの言葉は、かなりしびれました。
子どもではないアングルから私たちをみていた。なんて、言葉も、なかなかにかっこいいです。するどいアングル、いろいろなアングル、様々な角度での視点を持つことは、よりよい人生を送る上で大切だと思います。
・学校
中学生でスピーチのテストが普通にあるのがすごい。
5Sというメソッド
Situation
聞き手が想像できるようなシーンを設定して議論を始める
Strongest
演説の最も重要な主張を提示する
story
個人の経験談を用いて自分の主張を裏付ける
shut down
反論を封じ込める
solution
処方箋を提案する
とにかく音楽。音楽と若い頃から関わることは楽しそう。
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3.用語
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■ヒジャブ
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%96
■ノンバイナリー
自身の性表現に男性、女性を当てはめない
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/X%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC
■ ピリオド・ポヴァティ
直訳だと生理貧困。貧困により生理用品を購入できずに、活動に制限がかかってしまう。
■ インターネット・ミーム
ネットを通じて人から人へと伝わっていく概念や行動、スタイル、習慣のこと。
■ ポリティカル・コネクトレス
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%8D%E3%82%B9
■スノー・フレイク
https://masterlanguage.net/word/8217.html -
先日読んだ著者のエッセイ第二弾
今回も知らなかったことがたくさんでてきました
そして、著者の息子さんはやはり立派!
相変わらず考え方が大人!
行動が大人!
そして、そんな息子さんもいよいよ本格的に思春期に突入したみたい
(この息子さんに限って親を完全無視!やオカンうるさい!っていうことはないだろうがw)
でも、著者も息子がこれからは言わないこと、話してくれないことがどんどん増えてくるのだろうなと感じているみたいです
そうやって思春期を過ごし、子供は本当の大人へと成長していくのでしょうね!-
ほん3さん、こんばんは♪
はい、読みましたよ(^^)
相変わらず息子さんは立派でした!
で、ときどき登場する配偶者さんも素晴らしい方ですね!...ほん3さん、こんばんは♪
はい、読みましたよ(^^)
相変わらず息子さんは立派でした!
で、ときどき登場する配偶者さんも素晴らしい方ですね!
ほん3さんの息子さんもきっと立派な子供さんだと思いますよ(≧∇≦)b
なんてたってほん3さんの息子さんですから!( ̄ー ̄)ニヤリ2023/04/21
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前回同様勉強になる。
無知故の罪を無くすためある程度は知っておかなければならない事が息子の日常の話として分かりやすく書いてあるので(途中わからないことが多くて調べながら)想像もしやすい。
それにしてもよくできた息子さん。そして日本の教育は今のままで大丈夫なんだろうか…。イギリスの教育が絶対正解とは思わないけど、日本が随分遅れているように感じることは確か。 -
「ぼくはイエローで……」のナンバリング続編である今作。前作に比べてやや大人しめの日常が語られているものの、面白さは顕在であった。
子どもは自らが育つ環境の中で興味関心を育てていく。ドラッグ、LGBTQ、移民、ホームレスといったセンシティブな問題がそこかしこに現れ、それに触れた子どもたちが現代的なテーマで葛藤するのも、登場人物たちが住む地域が、中流階級のアングロサクソンや貧困層の移民といった多種多様な人々がごった煮になっている場所だからだ。
そして、この本が読者を魅了している点は、ロンドンの地方公立中学校に通う息子が、学校のトラブルをちょっと大人びた視点で眺めながら、その裏にある現代社会の複雑さを純な気持ちで言葉にすることで、読み手の心に小さなトゲを残している部分にあると思っている。13歳という思春期ならではの感情で鋭い切れ込みを入れ、そしてその指摘に大人たちが逐一立ち止まり、「そういえば社会ってそういうものだった」と省察することに、本書ならではの味が生まれるのではないだろうか。
だから、この本を「イギリスと日本の公教育の違い」という単純な図式だけで解釈してほしくないなぁ、と私は思っている。もちろん、「イギリスは多様性についての教育がこんなに進んでいる」という視点で読むのも面白いが、そうした「海外の感想」だけで終わりにしてしまうのはもったいない。イギリスにも、――それこそ息子が通わなかったいいとこのカトリック学校などの――成員がある程度画一化されている教育機関は存在するし、そうした人々は貧困に縁のない地域で暮らしている。
また、教育のカリキュラムが多種多様だからといって、中の生徒は多様性に目覚めているとは限らない。本書で語られている「息子の友達たち」のように、貧困線に近ければ近いほど思想は中庸でなくなる傾向にある。政治やジェンダーに思いを巡らせるにはコストがかかるからだ。もちろん、そうした思想が生まれるのは彼らの行動のせいではない。
そうしたワイルドなコミュニティにおいて、中庸的な目で物事を眺められる「息子」という存在が、いかに貴重であるかを忘れてはならない。読者には、そうした息子と筆者の視点をありがたく頂戴しつつ、イギリスの片隅から世界を眺め直してほしいと思った。