ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

  • 新潮社
4.23
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本棚登録 : 7962
感想 : 585
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103526827

作品紹介・あらすじ

13歳になった「ぼく」に親離れの季節が――「一生モノの課題図書」、完結。中学生の「ぼく」の日常は、今も世界の縮図のよう。授業でのスタートアップ実習、ノンバイナリーの教員たち、音楽部でのポリコレ騒動、ずっと助け合ってきた隣人との別れ、そして母の国での祖父母との旅―― “事件”続きの暮らしの中で、少年は大人へのらせん階段を昇っていく。80万人が読んだ「親子の成長物語」、ついに完結。

感想・レビュー・書評

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  • イギリス在住の日本人主婦ライターによるノンフィクションだ。

    前作がかなりの話題作で、なぜこれ程までに人気が出てるんだろうと興味本位で読んでみたのがきっかけだったが、面白かったので続編にも手を伸ばした次第。

    前作ほどのインパクトはない… 作品の内容にインパクト欠けるのか、私が前作で免疫が出来てしまいそう感じてしまうのかはわからない。

    とはいえ、文体というか筆致がおしゃれ。今の時代にウケるであろうコミカルで軽妙なタッチなのでするする〜っと読めちゃう。

    英国の地方都市でのブレイディ親子の日常生活での出来事が恥も外聞もなく赤裸々に綴られている。
    この目線の良さというか目のつけどころはあっぱれ、さすがです。

    日本でも多様性やダイバシティの重要性が叫ばれているが、それらに関して私が前作と本作から学んだことはとても大きい。その意味では、みかこ姐さんに感謝(笑
    下手なダイバシティのテキストで学ぶならこの本で学ぶべし!と声を大にして言いたい。

    笑えたのが、隣家に越してきた乳飲み子を抱えたシングルマザーが著者を訪ねて来て、
    「私早く働きたいので、ベビーシッターをする気はないか、あなたを雇いたい」
    的なお願いをしていたことだ。日本では大人気ライターになんつ〜ことお願いしてるの(笑 これもまさに多様性!

    それにしてもイギリスの少年少女たちは意識高いんだな〜、日本はどうなんだろうかなどと思ってしまった。

    • moboyokohamaさん
      TAKAHIROさん
      フォローしていただきありがとうございます。
      「ぼくはイエローで〜」の続編が出ていたのですね。
      知りませんでした。
      前作...
      TAKAHIROさん
      フォローしていただきありがとうございます。
      「ぼくはイエローで〜」の続編が出ていたのですね。
      知りませんでした。
      前作で英国の現状を知って驚きでした。
      その後著者の「This is Japan」を読んだのですが「ぼくはイエローで〜」とは雰囲気の違うとても客観的な視点で日本の格差、保育の現状を語っていて、こちらも日本人でありながら自分の無知を思い知ったものです。

      日本の歴史、凄いですね。
      私は小学生、中学生時代の歴史嫌いをはんせいして戦国時代とその付近だけ読んでいます

      私もフォローさせていただきます。
      2022/07/18
  • 前作同様、様々な考え、立場、境遇の人たちの中で冷静な判断をしながら育っていく息子を見守る母。
    前作と違うのは、息子さんがもうすっかり親に頼っていないところ。
    前は、疑問に思ったことは何でも親子で話し合い、解決していた印象だったけれど、今作の息子さんはちょっと言葉少なめ。
    何でも親に話してくる時期はもう過ぎたってことですね。
    そんな息子さんにちょっと動揺しているみかこさんが可愛くて親近感を持てました。
    いつの間にか、相談されるというよりは、意見を交換し合えるようにまで成長した息子さん。
    でも、さすが作家さん。成長した息子さんを黙って見守るだけではありません。
    「執筆の役に立つんじゃないかと思って、スピーチ文の構成に関するプリントをコピーさせてもらったのは言うまでもない」
    さすがです!!!

  • 続編なので、よく知ってる親子とその町のお話って感じで、するする読める。
    とても賢い息子さんは、ますます成長していて頼もしい。
    息子が親に相談する。というより、対等に意見を交わせる相手になっている。

    本作では、イギリスの中学ってスゴイなぁ。
    と強く感じた。
    例えばミュージックの授業。
    “コンサートのプロモーターになったつもりで、クライアントに会場の提案をするためのプレゼン資料を作りなさい”
    という宿題。
    実際、息子さんはその会場に電話をして、レンタル料金を聞いたりしている。
    13歳てすよ?!

    国語のスピーチテストというのもあって、息子さんの選んだテーマは“社会を信じること”
    他には“ドラッグ問題”“LGBTQ”“ポリティカル・コレクトネス”等か選ばれているらしい。

    私が中学生の頃の授業は、これと比べるとずいぶん受け身だったなぁ、と思う。
    今は日本の中学でも変わってきているのかな?

    最後に息子さんの名言。
    「でも、ライフって、そんなもんでしょ。
    後悔する日もあったり、後悔しない日もあったり、
    その繰り返しが続いていくことじゃないの?」

  • 自分の子が小学生になっても早いなと感慨深いものだけど、よそのお子さんの成長の早さたるや、目を見張るものがありますよね。

    ブレイディみかこさんの息子さんも13歳、中学生。思春期にさしかかり、言葉数は減ったかもしれないけれど、親子の対話はしっかり持たれている印象。息子さんの内面の成長が著しい。
    ある程度似たような環境の人たちといると楽だけど、思考は鈍麻してしまうのかもしれないね。人種も経済面でも思想面でも色々な子供たちの世界で居場所を作るのに、思考を鈍麻させていてはいけない。壁にぶつかるたびに、何が問題なのだろう、どうしたらいいんだろう、といつも考えているのだろうなと思う。

    イギリスの教育のあり方は面白い。中学教育修了時の統一テストGCSEというのがあり、英語、数学、科学、外国語、歴史といった科目のほかに、シティズンシップ、経済、コンピューティング、芸術&デザイン、ダンス、映像、エンジニアリング、宗教、音楽、演劇など多種多様な科目を選んで受験できるという。例えばビジネスの授業では、自営業を始めるのに必要な知識を与えるのだというから、すごい実践的だ。

    ノンバイナリーの先生たちはheとかsheではなくてtheyと呼ばれたいとか、イギリスで愛され歌われてきた曲の歌詞に侮蔑表現があり、ポリティカルコレクトネスの見地から歌うのはやめるべきだという意見が出たとか、緊縮財政のあおりで図書館が閉鎖され、ホームレスの施設にしようとして住民の反対運動が起きたり。イギリス社会の抱えている問題は日本と共通するところも多いが、言葉狩りは日本よりも強烈な気がする。
    最近、19世紀付近のイギリスに興味があって色々と読んでいたけど、現代のイギリスもまた興味深い。

    それにしても息子くん、本当にまっすぐ育っている。うちの息子も、悩みを正面からきちんと考える子に育ってほしいなぁと。親っぽい感想で締めとく。笑

  • 相変わらず真っ直ぐで理知的な「僕」。あまりにいい子すぎて、みかこさんもかわいくて仕方がないのではないか。
    矛盾する大人の様子を冷静に分析して、自分が生きていく上での指標を築き上げようとする健気な姿に、いろいろなことを学ぶ。

    ピリオド・ポヴァティ(生理貧困)のこととか、ノンバイナリー(性自認が男性でも女性でもなく、どちらかの枠組みに自分を当てはめないこと)の先生の話とか、普段気にもかけないことを考えさせてくれて、少しだけ自分の世界が広がる。

    あと、クリスマスソングの定番(少なくとも、僕の中では)The Poguesの「Fairytale of New York」がポリティカルコレクト的にどうなんだ?というくだりは、興味深い議論だな、と。歌い継がれてほしい名曲だと思うけど、不快に思う人も確かにいるだろうね。

    多様性って難しいけど、純粋な目でジグソーパズルを解くように考えていく姿勢が必要なのかもしれない、と思った。

  • 「ぼくはイエローで……」のナンバリング続編である今作。前作に比べてやや大人しめの日常が語られているものの、面白さは顕在であった。

    子どもは自らが育つ環境の中で興味関心を育てていく。ドラッグ、LGBTQ、移民、ホームレスといったセンシティブな問題がそこかしこに現れ、それに触れた子どもたちが現代的なテーマで葛藤するのも、登場人物たちが住む地域が、中流階級のアングロサクソンや貧困層の移民といった多種多様な人々がごった煮になっている場所だからだ。
    そして、この本が読者を魅了している点は、ロンドンの地方公立中学校に通う息子が、学校のトラブルをちょっと大人びた視点で眺めながら、その裏にある現代社会の複雑さを純な気持ちで言葉にすることで、読み手の心に小さなトゲを残している部分にあると思っている。13歳という思春期ならではの感情で鋭い切れ込みを入れ、そしてその指摘に大人たちが逐一立ち止まり、「そういえば社会ってそういうものだった」と省察することに、本書ならではの味が生まれるのではないだろうか。

    だから、この本を「イギリスと日本の公教育の違い」という単純な図式だけで解釈してほしくないなぁ、と私は思っている。もちろん、「イギリスは多様性についての教育がこんなに進んでいる」という視点で読むのも面白いが、そうした「海外の感想」だけで終わりにしてしまうのはもったいない。イギリスにも、――それこそ息子が通わなかったいいとこのカトリック学校などの――成員がある程度画一化されている教育機関は存在するし、そうした人々は貧困に縁のない地域で暮らしている。
    また、教育のカリキュラムが多種多様だからといって、中の生徒は多様性に目覚めているとは限らない。本書で語られている「息子の友達たち」のように、貧困線に近ければ近いほど思想は中庸でなくなる傾向にある。政治やジェンダーに思いを巡らせるにはコストがかかるからだ。もちろん、そうした思想が生まれるのは彼らの行動のせいではない。

    そうしたワイルドなコミュニティにおいて、中庸的な目で物事を眺められる「息子」という存在が、いかに貴重であるかを忘れてはならない。読者には、そうした息子と筆者の視点をありがたく頂戴しつつ、イギリスの片隅から世界を眺め直してほしいと思った。

  • 前作では、小学校卒業を迎えた息子さんが進学する中学を選ぶところから始まり、その後新しく選んだ学校での勉強や友人関係、クラブ活動など、息子さんの目を通して見える景色を著者のブレイディさんが共有し、彼女が息子さんの成長を頼もしくも少し寂しく感じながら見守っている様子が、よく伝わってきた。
    また、イギリスの社会事情や教育事情などが、普通に生活をする市民の目線で書かれており、その日本との違いが、なかなかに衝撃的であった。

    今回の2では、物事を冷静に客観的に捉える息子さんが更に成長した姿が見られる。
    ブレイディさんの、そんな息子さんを見守る視線も変わらず、時には親の目線ではなく、同じ目線に立って考えているところも、「ああ、見習わなければ」と感じさせられる。
    配偶者の方の意表を突いた意見も、鋭く効いている。

    そんなブレイディ一家は、コロナ禍のイギリスをどんな風に捉えたのだろうか、3も期待したい。
    2021.1.10

  • 息子くん、一歩一歩成長していってるなぁ。
    政治、気候変動、移民、LGBTQ、格差…様々な社会問題を学校で取り上げて議論したり、友人関係の中で実際に体験したり…それをまた家の食卓でも親子で話すブレイディ家。
    自分を振り返って、なかなか出来ないことだなぁ。

  • 前作のインパクトは物凄いものがあり、2作目も同じタイトルできたのでこれは読まないといけないと心して読んだ。が、このタイトルと内容が一致しない。子どもが13歳までの成長の中で、学校での差別、友人との葛藤、ホームレス、お隣さんの事情、英国の政治などが「フワ~っと」と書かれていて、13歳の少年を中心とした構成になっていない。話があっちこっちにブレて、もうしっちゃかめっちゃか。。。最近の読書は運がないのかちょっと残念。でも2019年の日本の豪雨災害、ホームレスを公民館から締め出した映像が世界中に流れていたとは。②

  • ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』続編刊行 - 書籍ニュース : CINRA.NET
    https://www.cinra.net/news/20210811-bradymikako

    ブレイディみかこ 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/352682/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      〔週刊 本の発見〕『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』| レイバーネット
      https://tanabekeiei.cybozu....
      〔週刊 本の発見〕『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』| レイバーネット
      https://tanabekeiei.cybozu.com/g/portal/index.csp?
      2021/11/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【本ナビ+1】キャスター・タレント、ホラン千秋 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』 少年から学ぶ他者尊重 - 産経ニュース
      h...
      【本ナビ+1】キャスター・タレント、ホラン千秋 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』 少年から学ぶ他者尊重 - 産経ニュース
      https://www.sankei.com/article/20211204-J62BR3UUUVNX5GJ4GMPZAP5QA4/
      2021/12/04
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著者プロフィール

ブレイディみかこ
ライター、コラムニスト。1965年福岡市生まれ。音楽好きが高じて渡英、96年からブライトン在住。著書に『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』『ジンセイハ、オンガクデアル LIFE IS MUSIC』(ちくま文庫)、『いまモリッシーを聴くということ』(Pヴァイン)、『子どもたちの階級闘争』(みすず書房)、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮文庫)、『ワイルドサイドをほっつき歩け』(筑摩書房)、『他者の靴を履く』(文藝春秋)、『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)など多数。

「2022年 『オンガクハ、セイジデアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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