八本目の槍

著者 :
  • 新潮社
4.02
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本棚登録 : 198
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103527114

作品紹介・あらすじ

石田三成は、何を考えていたのか? そこに「戦国」の答えがある! 秀吉の配下となった八人の若者。七人は「賤ケ岳の七本槍」とよばれ、別々の道を進む。出世だけを願う者、「愛」だけを欲する者、「裏切り」だけを求められる者――。残る一人は、関ケ原ですべてを失った。この小説を読み終えたとき、その男、石田三成のことを、あなたは好きになるだろう。歴史小説最注目作家、期待の上をいく飛翔作。

感想・レビュー・書評

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  • もしもあの時○○だったなら…、ターニングポイントで現実と異なる道に思いを巡らせることはよくある。
    今とは異なる世の中とはどんなだろう。
    もしも関ヶ原の戦いの勝者が西軍だったなら。
    天下統一を果たしたのが徳川家康ではなく、石田三成が押す豊臣秀頼だったなら、日本は一体どんな国になっていただろう。

    「賤ケ岳の七本槍」と称された豊臣秀吉の家臣7名が語る八本目の槍・石田三成。
    今まで描いていた、冷淡で計算高い石田三成のイメージが見事に払拭された。
    野心にまみれ迷いながらも戦国の世を懸命に生きた7名の男達に対し、己の信念を曲げない愚直さ故に時代の流れに逆らえず一人散ってしまった三成。
    世の戦を絶やしたい。
    武士のいない世にしたい。
    三成の思い描いた数百年後の日本とは…。
    三成の理想郷にしばし思いを巡らせた。

    先を見通していた、という三成。
    七本槍の一人の言う「お前の考えは、恐らく早過ぎた」
    これに尽きると思う。

    前半は面白かったのに後半は少々失速。
    三成を美化し過ぎかな…。
    オチの付け方にちょっと強引すぎた感があり残念。
    男同士の友情話だけなら良かったんだけど。

  • 【記録】
    八本目の槍。
    2019.07発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    残念です。

    今村翔吾さんの本を読むのを楽しみにしているのだが、
    今回の本も字が小さくて読めず。単行本。
    残念、返却する。
    これで今村翔吾さんの本を字が小さくて読めず返却したのは、「童の神」に続き2冊目となる。文庫本で字の大きいのを是非出してほしい。
    ※【記録】の説明は、プロフィール欄に書いて有ります。

    • 信道アルトさん
      私のおじいちゃんおばあちゃんは固定された拡大鏡を使って読んでいました。
      読みたい本ならば拡大鏡を使って読むのどうでしょうか?
      私のおじいちゃんおばあちゃんは固定された拡大鏡を使って読んでいました。
      読みたい本ならば拡大鏡を使って読むのどうでしょうか?
      2019/12/09
  • 〈賤ケ岳の七本槍〉と呼ばれた男たちと、石田三成。
    おなじ小姓組として共に過ごした彼らと、豊臣家の運命をえがく。

    おもしろかった。

    時には言い合うこともあるけれど、なんだかんだで仲のいい8人。
    個性の強い小姓組のキャラクターに、魅力がある。

    共に笑い、切磋琢磨し、おなじ方向を向いていた彼らは、いつしか立場を変えていく。
    小姓組時代があたたかかったからこそ、道を分かつときがせつない。

    豊臣家への思いと、それぞれのやり方。
    彼らの友情と歴史をからめていて、おもしろかった。

  • 明智光秀で大河ドラマやるなら石田三成もそろそろかな。
    その時はこれを原作とすればいいと思う。

  • 3.8
    賤ヶ岳七本槍と謳われた秀吉側近の七人の武将それぞれにスポットを当てながら、盟友・三成との繋がりを描く事で「石田三成」という男を浮き彫りにした作品。

    ◯加藤清正(虎之助)
    朝鮮出兵の背景、さらには虎之助の肥後への移封まで遡のぼり繋がって行く驚愕の真実。そして、己の軍才に全く自信の無い虎之助は何故戦上手足り得たのか…
    そして、文字通り命を賭して仕掛けた策は…

    ◯糟屋武則(助右衛門)
    槍を取らせれば古今無双と言われる男は何故「腰抜け助右衛門」となったか…
    尊敬し憧れた種違いの兄・朝正との悲しい最後、そして再びその手に命がけの槍を持たせた男との邂逅…

    ◯脇坂安治(陣内)
    関ヶ原の戦いに於いて、小早川の寝返りに呼応して盟友・三成を裏切った陣内。
    戦局を大いに左右したこの寝返りの裏に何が…。 
    嘗ての主人・浅井長政とお市夫婦に憧れ、生涯を共にする女の為に出世すると公言していた男は・・
    後の大蔵卿局・八重という女の正体。

    ◯片桐且元(助作)
    食ってさえ行ければ良いと公言する凡夫は、秀吉在りし日、幼い秀頼の自分に向けた愛情に涙する。
    やがて、秀吉も去り、誓い合った友も一人また一人と欠けて行く中、その最後の時まで己の全てを掛けて秀頼を支えて行くが…

    手彫りの馬が微笑ましい

    ◯加藤嘉明(孫六)
    日がな一日蟻を眺めているのが好きだった男は、家康の麾下であった父・岸教明の謀で、その乗馬の才を使い秀吉の小姓組に加わる。
    そこで初めて手に入れた、夢を語り合える仲間達。
    いつまでもこの時が続きますように…、
    だが、三珠院の大杉に掛けた願いも虚しく…

    二人の友から告げられた
    「解っている」が悲しい

    ◯平野長泰(権平)
    七本槍の中で唯一波に乗り損ねた男。盟友達の思い遣りが、かえって己のプライドを切り裂く。
    歯に衣着せぬ物言いながら、心から自分行く末を思い遣る三成が、自らの命を掛けた戦いの前に授けた提案とは…
    そして、亡き友への餞に家康に一矢報いる為挑む武器…

    その卓越した戦術理論

    ◯福島政則(市松)
    佐吉(三成)と最も反りの合わなかった男。
    無謀としか思えない蜂起に怒りを覚えながらも、目下の敵・小早川、さらには七本槍の陣内までが佐吉を裏切る様に激怒する男。
    大津城に於いて正に死の淵に立つ佐吉が必死に伝えようとした呪詛(策)・・その答えを求め長い歳月をかけ七本槍を訪ね歩く。
    およそ十年後、二条城会談後の、虎之助の命を賭した策も功を奏さず、いよいよ家康が牙を剥く。

    ついに辿り着いた答えとは…

    先を行き過ぎていた友と、その後ろ姿さへ見えていなかった自分達

  • 賤ヶ岳七本槍と呼ばれた若者たちのそれぞれの人生。豊臣秀吉に見出され世に出て、その死と豊臣家の滅亡という歴史の流れの中で、違う道を歩くことになりながら、それぞれの道が交錯しつつ、最終的に原点としての小姓時代の絆に気づくという、自分のようなおっさんにはグッと来る物語でした。これから地元の高校時代のクラブの仲間と集まるための帰省の新幹線の中という絶妙のタイミングで読了。「虎之助は何を見る」の加藤清正、「腰抜け助右衛門」の粕谷武則、「惚れてこそ甚内」の脇坂安治、「助作は夢を見ぬ」の片桐且元、「蟻の中の孫六」の加藤嘉明、「権平は笑っているか」の平野長泰、「槍を探す市松」の福島正則、七人の大名。しかし、本当の主人公は七本槍に入らなかった「八本目の槍」石田三成。彼の見る夢を彼がどう実現しようとしたか、が七本槍の人生の積み重ね、絡み合いから見えてきます。最終的なカタルシスもちょっと来ます。石田三成の未来を見据える力の現代性に、本当かよ、と思いつつ、でもこういう三成像も面白いと思いました。

  • 新しい視点で読む三成と7本槍たち。面白かった。
    民主国家を構想しつつ、豊臣家と7本槍たちとの友情を大切に想う佐吉。友情をこそ1番に考える優しさが、壮大な国家構想の実現を阻んだのだろうか。
    徳川が天下を取らなければ、今と違う日本があり得たのか。佐吉の構想は遅ればせながら実現したのか。

  • 連作短編7編
    八本目の槍,石田三成の本当の目的と人となりを,七本鎗の一人一人の目を等してあぶり出す趣向.とても説得力のあるそうだったのかもしれない関ヶ原,謎解きの面白さと男の真の友情が輝いている.とても面白かった.

  • 賤ヶ岳七本槍と石田三成を巡る連作短編集。出世に差が出て、関ヶ原の戦いに向けて敵味方に分かれても、羽柴秀吉の小姓組時代を懐かしむ思いが心を揺さぶられる。独立した短編なのに、それぞれが繋がっている構成も面白い。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00603793

    秀吉の配下となった八人の若者。七人は「賤ケ岳の七本槍」とよばれ、別々の道を進む。出世だけを願う者、「愛」だけを欲する者、「裏切り」だけを求められる者――。残る一人は、関ケ原ですべてを失った。この小説を読み終えたとき、その男、石田三成のことを、あなたは好きになるだろう。歴史小説最注目作家、期待の上をいく飛翔作。(出版社HPより)

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著者プロフィール

今村 翔吾(いまむら しょうご)
1984年、京都府生まれの時代小説作家。ダンスインストラクター、作曲家、埋蔵文化財調査員を経て専業作家となる。
2016年、『蹴れ、彦五郎』で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、2016年『狐の城』で第二十三回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞をそれぞれ受賞。2017年『火喰鳥』が単行本デビュー作となり、啓文堂書店時代小説文庫大賞を受賞、「羽州ぼろ鳶組」シリーズとして代表作となる。2018年「童神」で第十回角川春樹小説賞を受賞し、『童の神』と改題されて単行本発刊。同作が第8回本屋が選ぶ時代小説大賞候補となると同時に、第160回直木賞の候補に。

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