デッドライン

著者 :
  • 新潮社
3.43
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本棚登録 : 755
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103529712

感想・レビュー・書評

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  • とても古典的な感じのする小説。なんだろう。三島由紀夫とか。ここまで古典的に感じるのは、文体?設定?

  • ʕ•̫͡•ʔ

  • 最後までよめたから2なのかな。。。
    つまんないもおもしろいもなくて、とにかく過ぎていく過ぎていく。

    2020.7.2
    62

  • ゲイの大学院生が修士論文を書く、その締め切り=デッドライン

    その経緯を淡々と描いている。そして、デッドライン以後も、主人公の生は続く.....

    車窓の景色を見るように、外からその姿を眺めていたけど、景色には意味も目的地も見えない。

  • 読書記録です。まだの人は読まないでね。

    究極の凡人である私には難解すぎる哲学がらみの小説。特に、院まで進んで哲学を極めようとする名前の出ない○○で表現される主人公と、修論を担当する教授の会話が理解できない。会話部分が一番わかりやすいはずなのに、わからないって…あ、なんか哲学的な感想だ。ちなみに隣からこんな会話が聞こえてきたら席を外すわ~(笑)
    著者の風貌と哲学っていうのがミスマッチすぎて、どんなこと書いてんの?っていう興味で読んでみた。さんざんな評価をしてるけど、最後まで読んでしまえたことに自分でも驚いている。けど、最後まで読んで評価がダダ下がりに。落ちちゃいけない側に落ちてんじゃん…院まで行かせたお父さん、お気の毒に。カネがあってもカネがなくても、自分で決めたルールは守って欲しかったなー、そしたら星3つにはなったのに。親側の思考なので評価低くてごめんね。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00601246

    珊瑚礁のまわりで群れをなす魚のように、導きあう男たちが夜の底をクルーズする――。ゲイであること、思考すること、生きること。修士論文のデッドラインが迫るなか、動物になることと女性になることの線上で悩み、哲学と格闘しつつ日々を送る「僕」。気鋭の哲学者による魂を揺さぶるデビュー小説。(出版社HPより)

  • 現代小説だなぁというかんじ。
    流れるように視点が切り替わるのが特徴的。

    人物描写や風景描写は、いまいち入り込めなかったけど、著者の持ち味の哲学パートが面白い。


    私の外にある状態を主観のなかにインプットするのではなく、近くにいる他者とワンセットであるような、新たな自己になる
    とか、
    真の「秘密」は個々がうちに隠し持つものではなく、ある近さにおいて共有される事実
    とか
    「同じになる」のではなく、互いに相手に「なる」
    とか
    動物になる/女性になる
    とか。

    ただそれがどう物語のメタファーやエピソードと関連していくのかの回収が見えにくかった気が。
    わかる人にはわかるのかな。
    回遊のメタファーはおもしろかったけれども。

    水槽はなんだったのか。
    名前の呼び方の差は?
    いろいろわからないところがある。

    考察レビューを読もうかな。
    ドゥールズも読みたくなった。

    ゲイであることの言語化は、当事者による小説だからこそというかんじがして、そこがこの小説が評価されているところなのかな。

    以下、印象に残ったところのメモ。
     
    ——

    この「言祝ぐ」という言い方が僕に感染する。何かを「肯定する」、「推奨する」ということだが、哲学書に対してその表現を使うならば、その哲学には明確に「価値の傾き」があると認めることになる。荘子なりドゥルーズなりは、最終的にどう生きるのを良しとしたのか。という実践の問いが、その表現の中にはある。

    僕の体は遅い。ノンケの友人たちは、僕とは絶対的に異なる速度を生きているかに思えた。
    安藤くんやリョウや篠原さんと同じく、Kもノンケなのであって、彼らは僕を無限の速度で引き離していく。安藤くんの眼差しのまっすぐさ。あれは速度なのだ。無限速度。
    だが僕の眼差しはカーブする。それどころかカーブしすぎて引き返し、眼差しは僕自身へ戻ってきてしまう。
    僕の眼差しは釣り針のようにカーブして男たちを捕らえ、そして僕自身へ戻ってくる。  
    僕は、僕自身を見ている。  
    そしてこれは僕だけのことではないと思う。男を愛する男は多かれ少なかれそういうものじゃないかと思う。

    まず最初に身体を盗まれるのは少女なのである。そんなにお行儀が悪いのは困ります、あなたはもう子供じゃないのよ。出来損ないの男の子じゃないのよ……。最初に生成変化を盗まれ、一つの歴史や前史を押しつけられるのは少女なのだ。


    まさに僕が、ある意味で身体を盗まれているのかもしれないと思ったからだ。僕の中の少女が、いや、少女としての僕が身体を盗まれている。

  • 本質から逃れて行こうとするポストモダンの思想とゲイとしての性自認や人間関係は良いと思う。
    別の個体であるまま、他者と一体化することへの憧憬がポストモダンの思想にある、それには共感する。でも、一体化することで何をもとめているのか。孤独への不安が和らげたいのか。そのあたりが、主人公がもつ他者との関係性は淡くてあまりわからない。格好つけてごまかしている気がしてしまう。

  • “なる”ということを哲学的に考える小説。荘子が魚が楽しく泳いでいるのを見て、隣の人が魚の気持ちは分からないと答える。近くにいることで、荘子は魚になり、魚は荘子になる。同一化するのではなく、別のものが同じものになるということだ。主人公はゲイの学生。彼が女性になりたいのか、動物になりたいのか、女性を経て動物になるのか、修士論文を書く主人公の思考が物語を展開する。すべて“なる”ことを突き詰めるための行動になる。

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著者プロフィール

1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他

「2019年 『談 no.115』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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