- 新潮社 (2020年1月30日発売)
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感想 : 35件
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784103530916
作品紹介・あらすじ
ようこそカスミ荘へ! 愛情と秘密にあふれた日々をあなたにお約束します。大学を卒業し、引っ越した先はレトロな名前の一見普通のアパート。だけど、しょっちゅう届く大家の回覧板メールに、個性豊か過ぎる住人たち、更に怪現象が続き、新生活はのっけからてんやわんや。しかも、お稲荷様に祟られているなんて、一体ここはどうなってるの!? 新潮ミステリー大賞選考会を紛糾させた話題作が登場!
感想・レビュー・書評
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皆さんのレビューで初めてミステリー大賞作品だと知った。
タイトルだけでは内容が分からない。読み始めると私の好きな、小さなアパートの住民同士の交流の話で興味を引かれた。主人公の社会人一年生・坂出も地味だが真面目で穏やかで好感持てる。
しかし読み進めると様々な違和感を感じる。
全く姿を現さないが『回覧板』なるメールで些細なことでもマメに送信する大家。それだけでなく坂出が入居する日も坂出の名前も住民全員に知らせている。
新たな入居者である坂出の勤務先まで大家に問い合わせ、勤務先に押し掛ける住民一家。
有無を言わせず部屋に押し掛け食事を振る舞う女性住民に、彼女に誘われ一緒に食事を食べに来る住民。
大家や住民たちの距離感に戸惑ってしまう。
それぞれの住民のキャラクターは個性的で、それぞれの背景も興味深いものがあってドラマとしては面白い。
不動産屋のオバサンと電気工事のオジサンとのやりとりも楽しい。
坂出と大学時代の同級生・藤井とのさっぱりした、進まなそうで進んでいる恋愛関係も良い。
しかしそうした一見フワフワほのぼのした雰囲気に惑わされて見逃してしまいそうな、小さな違和感は次第に膨らんでいく。
鳴ったり鳴らなかったりするインターフォン。誰も見たことがないという坂出の隣人。キツネの祟りを理由に草刈りを拒否する隣の空き地の地主。その草むらと化した空き地に時折建てられる『キツネ警報』なる木札…などなど。
更に坂出の勤務先を問い合わせた住民には、子供が幼い頃に一時行方不明になったことが明かされたり、坂出自身にも幼い頃に弟が行方不明になりそのまま今に至っていることが分かったり、何とも不穏な雰囲気に。
タイトルの『キツネ』と『パイナップル』はすぐに出てきたが、『箱』はなかなか出てこない。アパートのことを『箱』に例えているのかと思ったら終盤に出てきた。まさかの『箱男』だったとは。
結局のところ解決したのは『キツネ憑き』の部分だけ。大部分は曖昧なまま。正体不明なもの、真相が分からないものが大半だ。
住民たちの距離感や大家の細やかさも変わりそうにない。
個人的には不気味な印象しか受けなかったが皆が仲良く楽しそうにしているなら良いのか。
藤井が坂出を支えそばにいてくれることが救いだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学を卒業後、職場近くのレトロなアパートに引っ越した坂出。そのアパートでは、大家さんがまめに回覧板メールを送信してきたり、住人も個性的な方ばかり。アパート前の空き地に出現するキツネの噂。大家さんのご主人の亡くなり方。坂出の亡くなった弟の話。アパートの日常そして坂出の周りに起こる不思議なこと。すべては解決するのか。新潮ミステリー大賞優秀賞受賞作品。
タイトルだけでは想像もつかない内容だった。確かに箱もキツネもパイナップルも出てくるんだけれど。坂出の過去にまつわることが原因だけれど、全体的に重くならず、独特なふわふわ(?)空気感。そのふわふわが絶妙か。でも嫌いではない。 -
カスミ荘に住む個性的な住人たち
主人公の和也もごく平凡で誠実な社会人だけど、少年時代の深い葛藤をかかえていた
本人さえも気づかずに眠っているときだけにそれは夢として表れていた
大学時代からの友人、藤井は狐憑きを研究する心理学の学生で
彼女によって初めて和也はなんども繰り返し見る夢の意味を知る
日常系ミステリというよりも、うらやましいほどの人間関係にめぐまれた「カスミ荘」の人びとの物語だった
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前半は、ミステリーを読んでいる感覚は全然無い。アパートの住人との交流に、仕事、少しのロマンス。社会人1年目の主人公が初々しくて素敵だな。と思っている内に、徐々にミステリー色が強くなってきて、すんなり読みやすかった。
爽やかな気持ちのまま読み終われる小説でした。
新潮ミステリー大賞、という帯を見てから読み出したので、色々勘ぐってしまった。予想外の展開でした。全体的に物足りない気持ちも少しある。
藤井があっさりしていて可愛い。友達になりたい。 -
独特。ミステリーと言うより、日常で出くわす小さな謎を寄せ集めたほのぼの日常系という感じ。怖さのかわりに不思議さを集めたオムニバスホラー小説みたいな発想。個人的にはミステリと呼ばれるからには一つの大きな謎を解き明かすカタルシスはほしく、その意味では少し消化不良。
それと、この方、意図してか意図せずか、場面変遷が唐突なのでふとついていけなくなる瞬間がすごく多い。セリフの話者がわからなくなる瞬間が何度もあった。寝落ち寸前の思考のような朧げさが全編を覆っており、それが主人公のキャラと関係しているのかとも思ったけど……終わり方的に偶然っぽい。 -
ミステリといっても、殺人とかのハードなものではなくて、生活や人にまつわる謎なので、楽しめました。
が、推理は全くできませんでした。
それでもカスミ荘の人たちの個性的なこと、それぞれの人生が面白くて、十分楽しめました。
北白川さん、早瀬先生、梅下くんなど、男性たちがとてもユニーク。
大家さんのまめな回覧板の文章とか、主に推理する、冷静な藤井が、彼女じゃないって言わないなら・・・という可愛いことを言うところがすごく気に入っています。本筋と関係ないところにハマってすみません。最後にはちゃんと、えっ?!そうだったのか!!と思いましたから許してください。
他の作品もぜひ読みたくなりました。 -
初めて読むタイプの本。
凄く引き込まれて、ものの数時間で読んでしまった。
面白い。 -
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読了後、しばらく放心した。面白くて。
ふわふわとしていて掴みどころがない、不思議な空気感を持った小説だった。
ジャンル的にはミステリーになるらしい。1章から4章までは、社会人なりたての主人公を取り巻く、ちょっと不思議ながらも何気ない日常風景が描かれているため、「どこが・・・?」と謎だった。ところが5章で謎解きタイム。それまでの不可解なことが明らかになっていく。
こういうミステリーもあるのか、と新鮮に思った。
結局、主人公が抱える特異さについて根本的な解決には至らなかったし、その原因についてもはっきりとした真相は分からない。けれども主人公たちの未来は明るい。藤井の笑顔がそう思わせた。
キツネ云々、超常現象みたいな音云々と、ファンタジー路線が入るのかと思いきや、5章にてすべて現実にあることとして落とし込んだのが素晴らしかった。それから、そういった不可解な現象が日常風景に無理なく溶け込んでいたので、違和感を抱くことなく読めた。
面白かったです。 -
独得の世界観。
最後まで展開の結末には気がづかず、面白かったです。
人同士の繋がりも多く、関わり合いがとても良かった。
けど、現実感のあるファンタジーというより..
現実味がどんどんなくなってしまったため、心情や展開を理解し難いところがありました。
もう少し、ナチュラルな登場人物にするかあっさりとした展開でも、個人的には良かったかも.....
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こんなアパートいいなー
日常の中に潜むミステリーもあっておもしろい -
(threads共有)
最後まで書き切れなかったのか?
消化不良
腹の立つ終わり方だな
風呂敷広げただけで収束してないの
全く好きじゃない
立って読んだ俺の時間を返して欲しいよ -
新潮ミステリー大賞優秀賞受賞作品。
「回覧板とバスケットシューズ」「コンビニとハイヒール」「立て札と目玉焼き」
「桃と玄関チャイム」「分電盤とジョギングと、パイナップル」
5話収録の連作短編集。
主人公は大学を卒業し郊外型の広大なショッピングモール内にあるスポーツショップへ就職した坂出。
通勤の便を考えて入居したのは色気のない「カスミ壮」
どこにでもいそうな素朴な青年と個性豊かなカスミ壮の住人達との触れあいを今では珍しく感じ、ちょっと羨ましくなる。
ほのぼの系かと思えば不穏な要素も入り込みキツネにつままれた様な読後感。 -
五賞用。いい意味でも悪い意味でも予想される物語の行く末を裏切られた感あり。繊細さと雑さが同居しているのも惜しいがまだこれから。次回作を読んでみたいと思ったのはこの作品くらいかな。心理学に関してはちょっと牽強付会な印象。ファンタジー寄りになってた方がよかったな。
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うん。
