約束の果て: 黒と紫の国

著者 :
  • 新潮社
3.93
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本棚登録 : 268
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103532118

作品紹介・あらすじ

「悲劇」を超克する鍵は二冊の書物――。溢れる詩情と弩級の想像力で綴られた、圧巻のデビュー作。父が託した二つの遺物。偽史と小説、大国・伍州で長らく虚構とされた二書には伝説の国、壙と臷南を巡る、ある悲劇が記されていた。書に導かれるがまま、約束の地を訪れた「私」が見た光景とは。そして二つの虚構が交わる時、世界の果てに絢爛たる真実が顕れる。5000と70年の時を繫ぐ、空前絶後のボーイ・ミーツ・ガール。

感想・レビュー・書評

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  • 日本ファンタジー大賞2019を受賞した作品で、奇想天外な物語。架空の伍洲を舞台としているが、古代の中国を彷彿とさせる。現代の伍洲で発見された矢形の装身具から、古代の物語にいつの間にか突入し、なんだこれはと思ううちに引き込まれてしまう。弓の技を追求する螞九、臷南国の遙花、壙国の真气、大敦をめぐる何とも言えない不思議で残酷な話だが、最後に全ては風によって吹き飛んでいく。蟻に操られた人によって築かれた国というのが意表を突く。なぜ蟻なのかという思いがあるが、そんなことはどうでもいいのかもしれない。物語に酔えばいいのだ。

    • goya626さん
      Macomi55さん
      冷徹なというか、純然たる奉仕の組織体制を持っているということでしょうね、多分。この小説で何を言いたいかを読み取るのは...
      Macomi55さん
      冷徹なというか、純然たる奉仕の組織体制を持っているということでしょうね、多分。この小説で何を言いたいかを読み取るのは、なかなか難しいです。レビューのなかには、Boy meets girlということを書いている人がいますが、確かにそうなのですがね。まあ、物語としては面白いですよ。日本ファンタジー大賞の作品はレベルが高そうです。「鬼憑き十兵衛」も受賞作でしたから。
      2022/03/13
    • Macomi55さん
      goya626さん
      おお、Boy meets girlですか。“古代”に“蟻”に“Boy meets girl” 意外な組み合わせのキーワー...
      goya626さん
      おお、Boy meets girlですか。“古代”に“蟻”に“Boy meets girl” 意外な組み合わせのキーワードですね。
      2022/03/13
    • goya626さん
      Macomi55さん
      なかなか魅力的な女の子が出てくるんですよ。
      Macomi55さん
      なかなか魅力的な女の子が出てくるんですよ。
      2022/03/14
  • アニメ化されそうなお話だけど、ちょっと難しいところがあります。

  • 歴史、ファンタジー、ボーイミーツガール、の要素がどう絡んで展開していくのか楽しみだったけど、面白かった。
    少し設定が難しいところもあったけど、物語の転換が必然に起こることと、その切なさがたまらない。

  • 新しさは非常にありますが、話が理解しづらく、物語に入るのが難しかったです。現代パートの必然性を感じられませんでしたが、総合的には面白いと思いました。
    2つの歴史書が交互に出てくる構成で、実在するような本当に、歴史書の与太話も事実だったのでは?という空想を掻き立てる感じ好きでした。

  • 5千70年前の2つの国(壙とじ南)の始まりからその滅びまでを,二つの歴史書を解読して一つにし,その神話のような趣のある書物から立ち現れてきた二人の淡いようでとても強い恋あるいは約束の成就の物語である.グロテスクで残酷な場面もあったけれど,とても面白かった.

  • 読み初めは、ごちゃごちゃしてて読みにくいな…最後まで読めるかなと思ったけど、進めば進むほど面白くなっていく!
    最後は、納得の終わりかたでよかった。

  •  2つの過去の話と現在が交差する時の風吹く感じは快い。現代パートが、もっと奇想天外なら、もっと。

  • 舞台は五州と言う中国を連想させる国。そこの考古学研究員、梁斉河が手にした青銅器は矢を象った装身具らしきもので、それには、軸の部分に銘文が彫られていた。だが、そこから読み取れる二つの国は歴史の中に存在しない。

    出土品の真贋よりも、己の出世欲からその青銅器の由縁を証明する資料を探せ、と上から命じられた梁は、二つの国の名が、正史ではなく神話や講談をまとめた小説『南朱列国演義』と、偽史とされる『歴世神王拾記』の中に記されているのを発見する。

    青銅の矢は、何のために誰から誰に贈られたものだったのか?戦争によって五州を離れ、朱白島に逃れて仕事を変えながらも、密かにその究明に生涯をかけた梁が見出したものとは?

    二つの古文書によって太古の少年と少女を巡るロマンスを軸にした壮大な中華風歴史ファンタジーが繰り広げられるのだが、中盤に差し掛かって何かとんでも無いものを自分は読んでいる、と気づいた時にはもう遅い。いつの間にか話しは二つの国を巡る戦記となり、グロテスクなダークファンタジーの様相を現す。戦闘の策略、民の支配の仕方など、いかにも中華的な要素と五千年の歴史を感じさせて読むものを圧倒する。

    生きているうちに物語を締めくくる事ができなかった梁斉河から息子の思原へ渡された資料群。その思原も、戦争で隔てられた地へ矢と書物が辿り着くことを願って、日本人の田辺幸宏へとそれを送る。老後をその研究に費やした田辺も、息子尚文へ物語を託す。

    誰に認められることも、発表する場もない研究。書物の疑問はまず書物に訊ねなければならないのが文献史学であるにしても、梁斉河から託され続けた虚構とされる書物から導き出される物語に彼らが膨大な時間をかける意味はあったのか?

    「彼のおかげで自分の晩年は豊かなものになったのだと、自信を持って言うことができる。物語の中で観るはずのなかった光景に出会い、知るはずのなかった歴史に触れた」(田辺幸宏)
    「お二人に出会ったことで、世界は広くなりました。私の足だけでは届かぬ場所までも、心は遠くへ行ける」(田辺尚文)
    この二人の言葉に、物語(フィクション)を編む、又は読む意味と喜びが現れていると思った。

    紫と黒はなにを表すのか、「約束の果て」とは何なのか。読了して舞い散る紫の花の中の光景と主人公のあまりにも強い思いに圧倒される。

  • ちょっと気持ち悪いとこがあった。

  • ◆おすすめ度◆
    ・ダークファンタジー小説度:★★★★
    ・ボーイ・ミーツ・ガール度:★★★
    ・SFかホラーかアクションか度:★★★★

    ◆感想◆
    大国・伍州で発掘された矢型の装飾品。そのいわれを調査するうち、フィクションだと思われてきた、伝説の国・壙(こう)と臷南(じなん)の王を巡る摩訶不思議な物語が、実は…

    「日本ファンタジーノベル大賞2019」を受賞したファンタジー小説。
    ちなみに最近の受賞作は、2017年が『隣のずこずこ』、2018年が『鬼憑き十兵衛』です。

    古代中国を連想させる設定で、小難しい言い回しや漢字にややげんなりするけど、十二国記で鍛えられた漢字耐性のおかげで、次第に苦にならずに読み進められるように。

    内容は、青年と女子の出会いを発端に、はじめは普通のファンタジー小説かな?という展開が、SFかホラーかアクションか、というアクロバティックな物語りに脱皮。
    読み進むほど、ホラーとアクション色が濃厚になっていきます。
    それでもボーイ・ミーツ・ガールというモチーフが不変なのは、それが物語のキモだからですね。

    壮大なスケールと想像力を刺激されるボーイ・ミーツ・ガールにしてダーク・ファンタジーな物語。

    登場人物になかなか感情移入できなかったのがちょっと残念。
    ダークファンタジーなライトノベルが好きな方なら無問題です。
    漢字の持つ意味にもこだわって命名してます。

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