組曲 わすれこうじ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 159
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103533115

作品紹介・あらすじ

『abさんご』の衝撃から7年、芥川賞受賞後初となる新作小説集。節句のひながた、骰子、絵葉書、ミニチュアの動物……。手ばこにしまわれ、ひきだし家具に収められた愛おしきものたちの記憶。幼年の心に刻まれた密やかな歓びが、途切れることなく連なる言葉のリズムを得て美しく再生されてゆく。横書きの独創的文体で世を驚かせた芥川賞作家が、7年の歳月をかけて織り上げた無比の小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 「abさんご」という作品で、75歳にして早稲田文学新人賞や芥川賞を受賞した作家さん。

    芥川賞は、奇をてらった作品が多い印象があって、さて、75歳にてどんな作品を書く方かな。

    図書館に赴くと、やれ芥川賞受賞作品は、「貸出中」



    この本が新刊に並んでいたので、何気なく借りることに。



    さて、読んでみると、名詞、固有名詞が出てこない。漢字も少なめで、カタカナも使っていない。

    全てが形容で表現されているので、じっくりと言葉をひらい、読み進めないと、

    「あれ?これは何?」「どこの様子だっけ?」と

    読み手が迷子になってしまいます。飛ばし読みなんて到底無理。

    ついつい、集中して読んでしまい、最初は煩わしい?のに、

    いつの間にか、言葉の間に身を委ねたくなる中毒「黒田マジック」にかかってしまいました。(笑)



    たとえば・・

    十三枚づつの四系統に、どこにも属さない、なぞめいた不穏なふんいきの図がらの

    いちまいをくわえた五十三枚ひとくみのかーど



    私みたいな教養のない者には難解な言葉も潜んでいるのだけれど

    とても流ちょうな美しい日本語なので、あたかも現代版徒然草のようで、

    とはいえ、そこは、ひらがなだけの力じゃなく、その形容の有り様だと思います。



    浮き出しのある絵はがきの件では・・・



    いちいちをとっておくというふうにはあつかわれなくて、このひとひらは時空のすきまにおちていた影の影であり、

    おもかげをうしなったせぴあいろの長方形は、こまかな葉と実のかざり彫りにふちどられた一枚のとびらのようでもある。



    秋の薄曇りの日差しの中で、ゆったりと読むには最高の本です。

    ・・・途中、読みながら、椅子の上で、本をもったままうたたねをしてしまったの。

       も、また、幸せな時間でありました。^^

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