ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編

著者 :
  • 新潮社
3.74
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本棚登録 : 1519
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534044

作品紹介・あらすじ

猫が消えたことは、始まりに過ぎなかった。謎の女はその奇妙な暗い部屋から、僕に向かって電話をかけつづける。「私の名前を見つけてちょうだい」。加納クレタは耐えがたい痛みに満ちた人生から、無痛の薄明をくぐり抜け、新しい名前を持った自己へと向かう。名前、名前、名前。名づけられようのないものが名前を求め、名前のあるものが空白の中にこぼれ落ちていく。そして僕が不思議な井戸の底で見いだしたものは…。

感想・レビュー・書評

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  • 出て行った妻を取り戻そうとする話。
    ありきたりな設定にも関わらず、想像もつかない展開。
    ノモンハンでのエピソード、ディテールの細かさには村上春樹の知識の広さを感じる。
    村上春樹の作品は一貫して、自分を取り戻すっていうイメージ。
    編集するこのレビューを掲載する

  •  作者のまだ初期の頃に書かれた作品だから、「海辺のカフカ」や「1Q84」につながる手の内を見せていて、春樹作品はこの本から読み始めれば良かったと思う。
     肉体をかりそめの殻として、名前そのものにさしたる意味を与えていなかったり、闇というのが複雑な問題を含んでいる事など、次への作品へと引き継がれている。
     僕がどの世界のネジを巻くのか?妻のクミコは同じ世界に戻れるのか? まだまだ先が楽しみ。



    だから春樹小説がぐっと面白くなった。
     

  • 第一部に比べると…
    文庫本で読んだのも影響してるかも(=゚ω゚)ノ
    第三部はハードカバーを確保してるので楽しみ♪( ´θ`)ノ
    井戸の底で過す時間ってどんな感じやろうか。
    そこまではないけど、たまには一人で外界から隔絶されたとこで向き合う時間って必要かも。
    足したり加えたりではなく、引いたり除いたりして、自分の中に既に備わっているものに気付く時間、
    ( ´Д`)y━・~~

  • 本田亨の妻クミコは家出をした。失意の亨は近所の廃屋となった庭に残された井戸の底に潜って思索する。叔父の言葉に従い、11日間人々の顔だけを眺めて過ごし、一人の男を追跡してアパートへ。バットで襲われるが反撃する。加納クレタにクレタ島で一緒に暮らさないかと誘われ、その気になるが、結局は行かない。空き家の井戸の底に身を横たえ思索しているうち、いつか電話をかけてきた謎の女はクミコだと気付く。
     相変わらずつかみ所のない小説だが、ポイントポイントでは引き込まれる。何か雰囲気が変わった描写を「大きな船がかじを切ったように」などとするのは、才能なのかなやっぱり。長い物語だが、次編でいよいよ決着が付くのか?

  • 村上さんの長編というと、たいがい奥さんに逃げられる話ですが。

    今回も逃げられています。
    自分よりずっと若い女の子も、コンパス役で出てくる。

    でも、この物語では第二部に入って、流れが変わってきます。
    逃げられっぱなしではないらしい!

    第三部ではどうなるんだろう?

  • 物語の中の「超自然的」に見える物ごとを、分析するのではなく、文章から浮かんだ映像を体感しながら読んでいくと、自分自身も実体を無くしてシュールな空間に漂うような浮遊感を覚えます。失踪した妻、顔にできたアザ‥不可思議なことが連続しますが、SFでも推理小説でもなく、どのカテゴリにも属さない物語。春樹氏自身、アメリカにいた4年間に没頭して書いた作品であり、作品中の「壁抜け」を実際に体験したといいます。
    私が今まで当たり前のようにしてきた読書をするという作業を、もう一度別の角度から見直した作品。
    初版時に読了。再読。

  • 『人生というものは、その渦中にある人々が考えられているよりはずっと限定されたものなのです。人生という行為の中に光が射し込んでくるのは、限られたほんの短い期間のことなのです。あるいはそれは十数秒のことかもしれません。それが過ぎ去ってしまえば、そしてもしそこに示された掲示を摑み取ることに失敗してしまったなら、そこには二度目の機会というものは存在しないのです。そして人はその後の人生を救いのない深い孤独と悔悟の世界になって、人はもう何ものをも待ち受けることはできません。彼が手にしているものは、あるべきであったものの儚い残骸に過ぎないのです。』

    この文章に心打たれました。
    寂しいけれど、どうしようもないこともあります。
    過ぎ去ってしまったチャンスはもう取り戻せないのです。

  • 2007.07. 読めば読むほど、出口の見えない薄暗い森の中(もしかしたら井戸なのかもしれない)に入りこんでいくみたいで、ぼやぼやした不安定な心地になった。つかめない、よくわからないけれど悲しみをたたえた小さな・大きな出来事の積み重ねは、すぐにでも崩れ落ちてしまいそう。すごく珍しいんだけど、読んでいると眠くないのにどんどんまぶたが重くなって、2,3章読むたびにふっと居眠りしてしまった。どうなるのか、全くどうにも、わからない。けれど、最終巻も読まなくちゃ。

  • 理不尽さや、性、暴力に井戸の底に張り付くほど転落させられた男の、これは恢復譚なのだろうとテーマがぼんやり見えてきた。主人公のあまりにも属性や性格のとらえどころがないことに一巻目までは戸惑っていたが、性や暴力のダメージの強さを際立たせるために、このスカスカの人物設定にせざるを得なかったように思う。何か所も回りくどく、同じような思考や幻想妄想明晰夢が頻出するため読みづらいところを含めて楽しい。さて、どうにでも持っていけるお膳立ては整っての最終巻へ!

  • 雰囲気小説。村上春樹の書いたエロ本(でも抜けない、濡れない)第2弾。

    全然魅力的でない主人公がなぜこんなにもてる?
    説得力がない。ご都合主義すぎ。

    なぜ井戸にもぐる?
    なぜよく知りもしない女とクレタ島へ行こうとする?(結局行かないが)

    なぜ女子高生にもてる?
    なぜ女子高生がタバコ吸うのをとがめない?アンモラルすぎてついていけない。

    主人公は謎の女が妻だったと突如分かるが、そもそも最初に聞いたことのない声だったって言っているじゃん!じゃあ、聞いたことのある声だったんだよね?それとも妻の声が分からなかった?
    ミステリー小説だったら大バッシングな謎解き部分もあり、腹が立ってしょうがなかった。

    読みやすい文章なので、退屈な電車通勤の中で読むものとして惰性で読んでいるが、どんどんきつくなってきた。
    一応第3巻も読むけど、これいろいろな伏線、ちゃんと回収するんでしょうね?

  • 第1部の「皮はぎ」は全然平気だったけど、主人公がただ井戸の中に入って考えているだけなのに、その一文一文がボディブローのように、じわじわと効いてきて、なんかとてもとてもつらいんだな…。わたしの気持ちが。『ノルウェイの森』も読むのがしんどかったけど、この作品もつらくて断念。心の奥、記憶の底に必死に閉じ込めて見たくないものを、やっと封印したのに、それを開けられてしまうんじゃないか…みたいな恐怖を感じた。(こんな風に感じるのは自分くらいだろうけど…)
    深層心理の何かに響きすぎて、これ以上先を読んだら自分が壊れてしまいそうで。
    いつかきちんと読めるような自分になりたいなぁ…。村上春樹ってすごいなぁ…といつも思うけど、本当に参った。心が弱っている時に読んではいけない。次再読する時は8章めから読む。(読むのか不明だけど。)

    この本を読もうと思ったのは『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』が、とてもよかったから。

  • 2018.3.28

  • 第2部のレビューを書く前に、第1部で気に入った文を記した時にもう一つがみつからなかった(忘れた)のですが、第2部の途中で思い出したので、ここに記します。自分のために。

    「好奇心と勇気は似ているものじゃないの?勇気のあるところには好奇心があって、好奇心のあるところには勇気があるんじゃないかしら」
    「そうだね。たしかに似たところはあるかもしれないな。そして場合によっては、君が言うように好奇心と勇気とがひとつにかさなるということはあるかもしれない」
    「黙って他人の家に入ったりするような場合にはね」
    「そのとおり。黙って他人の家に入ったりするようなときには、好奇心と勇気は一緒に行動しているように見える。ときによっては、好奇心は勇気を掘り起こして、かきたててもくれる。でも好奇心というものはほとんどの場合すぐに消えてしまうんだ。勇気のほうがずっと長い道のりを進まなくちゃならない。好奇心というのは信用のできない調子のいい友達と同じだよ。君のことを焚きつけるだけ焚きつけて、適当なところですっと消えてしまうことだってある。そうなると、そのあと君はひとりで自分の勇気をかき集めてなんとかやっていかなくちゃならない」

    ついでに、第2部でも、気にいった箇所をはります。
    「現実というのは幾つかの層のようになって成立しているんだ。だから君はあっちの現実では僕を本気で殺そうとしたかもしれない。でもこっちの現実では僕を本気では殺そうとしていなかったかもしれない。それは君がどの現実をとり、僕がどの現実をとるかという問題になると思うな」

    さて、第2部は「予言する鳥編」
    シューマン作曲の「予言の鳥」からきていると思います。
    これは、シューマンによる「狂気の世界」と私は思っています。
    ですから、この第2部にぴったりでした。

    主人公の夢みたいな、妄想みたいな、狂気のような。
    きっとすごく意味があるのでしょうが、
    充分に理解せずに曖昧なまま読み終えました。

    第3部にはいって、もしそのせいで困ることがあったら
    もう一度読み返しますから、許してください。

    それと、私は加納姉妹は好きです。特に妹のほう。
    第3部でもぜひ登場してほしいです。

  • 【295】

  • 2巻メモ。
    妻の失踪。加納クレタ、気になってるのか?
    綿谷ノボル、やっぱりこんな奴。
    井戸の底。
    妻クミコとの出会い。水族館のクラゲ。妊娠、堕胎。
    帰還。妻の手紙。隣に寝ていた加納クレタの話。クレタ島。
    叔父の言葉。若い男。間宮中尉への手紙と返信。
    宮脇さんの家の解体。笠原メイ。
    プールの中で。

    話の展開が凄くてどんどん読み進めた。あと1冊で解決するのか。

  • 妻が出て行った。
    2ヶ月前からの浮気に気付かなかった。

    深い井戸の中で、生と死の際で考える。

    気付かなかったと自分では思っていたが、きっと気付いていたのだ。妻からの信号に。

  • 再読。

    電話の主は最初からわかっていた。
    再読だけどその点はすっぽり忘れてた。
    でもわかった。

  • 失踪した妻、不思議な登場人物。

  • 最終巻にまとめています。

  • 第1部は読み進めるのに時間がかかったけど、第2部は比較的すぐに読み終わった。けど意味はよく分からない。第3部はどうやって終わるのかが気になる。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=188797

  • おもしろいじゃないか!ちょ〜おもしろいじゃんよ〜!
    万華鏡を覗く様に、変化していく世界に目が離せなくなる。
    私は村上春樹を『ノルウェーの森』で嫌いになり、『海辺のカフカ』で大好きになり、『ねじまき鳥クロニクル』で夢中になっている。
    好き嫌いの激しい私をとりこにするなんて。
    あっぱれ!

  • 突き落とされた感じ。
    重い。思い。想い。…
    ちょっと頭の整理が必要かな?
    彼同様に…
    もわもわしたまま第3章へ

  • ねじまき鳥は村上作品の中でおそらく一番わくわくさせられた本

  • 2014年137冊目(再読)

    猫に続いて妻も失踪した状況で、主人公は暗示的な井戸の底に降り、夢の中で壁を抜け、新しい世界の中で新しい自分で生きていくことの限界を感じる。
    そして、逃げ続けても意味がないことを悟り、行動を起こし始める。
    喪失に対する「取り返す覚悟」の力を読者にも分けてくれるような内容だった。
    ===================
    2014年44冊目。(初読:2014年5月23日)

    喪失したものに、人はどう立ち向かうのか。
    続編の第三部は後から書き加えたらしいが、
    この第二部でも十分終わることもできたと思う。
    結末が分からずとも、逃げても追いかけてくるものと対峙するために必要な力のようなものは、
    深いところで受けとれた気がする。

    様々なとてもフィジカルな描写に触れると、
    著者は本当に物語の中にいて、実際に五感で感じ取ったものを書いているのが分かる。
    その域を僕自身も見てみたい。

  • ある日突然消えたクミコ。綿谷ノボル、加納マルタ、加納クレタとの階段。夢の中での加納クレタとの行為。クミコの妊娠と中絶の過去。クミコからの手紙。井戸の中に閉じ込められた岡田。加納クレタとの関係。クレタ島に向かう加納クレタ。

  • 借りてしまったねじまき鳥。
    1巻目、どうにもこうにもと思っていたけれど、少しはましな感じに話が動き出したような。。。明るいニュースが全然なくて、ワープの途中で異世界に迷っちゃったみたいな雰囲気からやっと脱した感じ。
    なんとか3巻を読もうという希望を持たせてくれました。

  • まあまあ。
    ノモンハンの話が面白い。

  • だんだん掴めてきた。井戸で物事を考えるっていいなあ。私もそういう本当に落ち着ける場所がほしいと思う。
    感想はまとめて第三部で。

  • 綿谷ノボルはわたしの対峙している世界そのもの。圧倒的に「正しく」て、強くて、反論や抵抗の余地がないように思えるものに対して、まさに孤軍奮闘といった風情の主人公を見ていると、ああ、と思う。自分を少しでもまともに保ち、自分の人生を生きるというのはほんとうにむずかしくてこわい。井戸に潜りたくもなりますほんと。

  • (2013年5月22日読了)
    全3部の真ん中、第2部。
    第1部から続いている、岡田亨の周りに起きる(既に起きている)現象について、自身が原因を探ろうとする。
    第1部でいろんな方向、場面が登場し、そこで起きたにまつわる事が、この第2部では岡田に密着し繋がっている。
    また第1部は現実で起きた事が書かれているが、第2部は非現実的なシーンが多く書かれている。
    少しずつ、でも着実にどこか最終地点に向かっている。それが何なのか、何故なのかを知るため、タイトルにまでなっているねじまき鳥との関係を知るためにも、第3部も読みたいと思う。
    第3部で全ては解決されているのだろうか?

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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