ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編

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  • 新潮社
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レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534051

作品紹介・あらすじ

奇妙な夏が終わり、井戸は埋められた。そして人々はみんなどこかに去っていった。ねじまき鳥の声ももう聞こえない。僕に残されたのは、頬の深く青いあざと、謎の青年から引き渡された野球のバットだけだ。でも僕はやがて知ることになる-何かが僕を新しい場所に導こうとしていることを。意識と過去の帳の奥に隠されたねじのありかを求めて、地図のない冒険の旅が開始される。そしてその僕の前に、ねじまき鳥の年代記(クロニクル)が、橇の鈴音とともに静かにひもとかれる。完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 3巻メモ。
    首吊り屋敷の謎。
    不動産屋。宮脇さんの土地について。
    少年、庭にいる二人の男たちの姿。
    オフィス。青年。女。新しい靴と下着。猫が戻る。ワタヤノボル改めサワラ。
    赤坂ナツメグとシナモン。
    ナツメグの話。動物園襲撃。獣医。
    少年の夢。女優の転落。綿谷ノボルの秘書・牛河。
    シナモン。どうしてこうマメな男ばかり出てくるのだ。
    ナツメグ少女時代からのこと。
    パソコン経由で妻との話。
    綿谷ノボルのこと。僕と何人かの人達とのつながり。綿谷ノボルとの話。
    ねじまき鳥クロニクル。シナモンの創作か事実か。僕との共通点。
    笠原メイの手紙、宮脇家のことを「絵にかいて額に入れてはたきをかけたみたいな平和な家」。
    シナモンは来ない。牛河は退職。
    加納クレタの出る夢。コルシカ。間宮中尉の手紙。
    井戸の底から壁を抜けホテルの部屋。208。ニュース。クミコ。綿谷家のこと。井戸に戻る。
    井戸に水。笠原メイのイメージ。
    加納クレタの出る夢。コルシカの父親。
    綿谷ノボルは脳溢血かなにかで倒れた。殴られたのは夢なのか、あの世界だけのことなのか。
    ねじまき鳥クロニクル。クミコの手紙。
    笠原メイの手紙、五百通?


    岡田トオルとクミコ夫妻の話の合間に、いろんな話が混じってかなり混乱気味。特に3巻は多かった気がする。
    大事なことは闇の中であれこれ想像するしかなくて、少しだけ暴かれた綿谷家の謎は解けずに終わった。

    綿谷ノボルも牛河も非常にいらいらさせられたけど、終わってみればなんかこれはこれでいい人たちだったと思うよ。彼らは彼らなりに考えてやるべきことをやったのだろう。

    これでいいのか。まぁいつもの流れからするとこんなものだろう。猫が帰ってきてよかった。サワラっていい名前だ。サザエやカツオやイクラみたい。単に読み逃しただけかもしれないけど、各部のタイトルがいまひとつよくわからない。泥棒かささぎはホテルのボーイが口笛で吹いてた曲というのはわかったけど、それくらい。

    シナモンとナツメグが出てきたら、マルタとクレタが出なくなった。助けを出せる人たちは限定されているのかな。それにしてもシナモンみたいな人はどこでどうすれば知り合えるの。ナツメグみたいな息子もどうしてこんな風に育つの。最初は女性に囲まれてると思ったけど、途中から間宮中尉やナツメグも出てきて、なにかと良い人たちに恵まれてたよね、岡田トオルさん。

    そんな中でずっといた笠原メイ。この子は結局なんなんだろう。ねじまき鳥さんに好意を持っているのは間違いない。まぁ、10代の女の子の考えてることなんて誰にでもよくわからないものかも。好きだから意地悪したりとか。でも謎展開やハラハラドキドキビクビクの中でほっと一息つけるのが笠原メイの手紙でした。最後に手紙でなくちゃんと会えて良かった。

  • “村上春樹をハードカバーでそろえよう計画”の記念すべき第一弾。
    内容も長さもHeavy Weightなこの本は、まさに記念碑的存在にうってつけ。
    ほんとにヘビーで、がしっと掴まれるんですよね、精神的に。
    読んでいる期間中は、仕事をしていても関係ないことをしていても、何か重い荷物を背負っているような気分になります。

    簡単に言ってしまえば、妻がある日突然家を出て行ってしまい、残された夫(主人公)がその妻を取り戻そうとする物語。
    しかし、「なぜ出て行ってしまったのか」「どこへ行ってしまったのか」「彼女をとらえているであろうものは何なのか」
    というところが非常にディープで複雑で、そしてとらえがたい。
    「真実が事実とは限らないし、事実が真実とは限らない」――
    主人公の身の回りには奇妙な出来事が次から次へと起こり、奇妙な人物が次から次へと現れます。

    この小説がヘビーであるゆえんは、中で語られるたくさんの物語にあります。
    たとえば、間宮中尉が語る、ノモンハン事件の直前に満州で起こったある事件であり、またその後日談であり、
    たとえば、主人公が回想する妻とのこれまでのことについてであり、
    たとえば、加納クレタが語る、自らの半生であり、
    たとえば、赤坂ナツメグが語る、動物園と潜水艦の話であり、
    たとえば、笠原メイが語る、宮脇家についての出来事であり、
    ほかにも大小織り交ぜていろいろな物語がぎっしりと詰め込まれています。
    それらのひとつひとつ(だいたいにおいてどれも辛くて暗くてHeavyな物語なのですが、)に含まれるものが必ず、暗示的な何かであって、混沌としている主人公の状況に、少しずつ、ヒントやきっかけを与えていくのです。

    読み応え十分で、どっぷりと読書したいときにぴったり。
    読み終わったときに、ふうっ、と重い荷物を降ろして、ほんのちょっとだけ以前とは違う自分になっている、そんな気がします。

    それにしても、装丁が素敵。つるりとしたこの感触もいい。
    ハードカバーっていいですね。

  • いいです。個人的にはシナモンが大好き。体の中の水、井戸。暗示しているような気がするのに、それが何か言葉に表せない。

  • 赤坂ナツメグや、シナモンに対する描写は私に心地よさを感じさせ、ずっとその描写が続いていればいいのに、と思うほど。
    猫のサワラに関しても。彼の柔らかさと温かさがありありと感じられるんです。
    解決編(?)ということで、あまりこの3部だけでの評価は難しいけれど、なんだか少しほっとしました。安堵はできないけれど、不安に駆られることもないような、そんな結末。

  • 感想なんて軽々しく書けないような大傑作です。個人の闇と集団(歴史)の闇がリンクする所が凄いと思いました。作者の村上春樹さんがものすごい情熱を以って、手を変え品を変え、執拗なまでに何かを私たちに訴えかけている、そのことが感じられただけでも大収穫です。

  • フィリップ・K・ディックの自己喪失ないし自己存在へのそもそもの疑念というテーマに近いかも。ツインピークス的構造も相まって、村上春樹はSF作家だとレッテルを張ったほうが親近感が増す。しかしてフロムやスピノザのような明確で本質的なな自由への希求が根底にあることで希望や救済が結果的にもたらされる。
     自分の中で最高作となった。

  • おもしろくなかった。

  • 一人の女性をここまで深く信じ、愛し、いつまでも待てるものなのだろうか。読んでいて息苦しくなるような緊張感と哀しみがあった。まだどのように言葉にしてよいか、よくわからない。もう一度読み直してみたい。

  • 再読。読みながらアレを書こうコレを書こうと考えていたのだけれど、いざ読み終わってみるとどっと疲れが出て輪郭がぼんやりとする。それは何も自分の知的体力の無さだけに原因があるんではない。読んだ方は分かると思うが、この作品の中では夢が現実であり、現実が夢であるというようなことがたびたび起こる。そしてその境目だけを取り出して見定めようとすると途端に境界線が滲んでぼんやりとする。結局のところこの小説で語られているのは、長い時間をかけて物語られることによってしか伝えられないものがあるってことなのかもしれない。「大事なのは結果じゃなくて過程だよ」と。そういう風に自分でまとめておきながらも、なんだかそんな考えに居心地の悪さを感じてもいるのだけれど。

  • 2018.4.11

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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