神の子どもたちはみな踊る

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1476
レビュー : 163
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534112

作品紹介・あらすじ

しんと静まりかえった心の中のいちばん深い場所で、たしかに、それは起こった。生きること、死ぬこと、そして眠ること-1995年2月、あの地震のあとで、まったく関係のない六人の身の上にどんなことが起こったか?連載『地震のあとで』五篇に書下ろし一篇を加えた著者初の連作小説。

感想・レビュー・書評

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  • 短編6編の連作、久しぶりの春樹作品だけど やっぱりメタファー満載なので読み易い文章なのに考え考えしながら読了。毎度ながら読み手に色んなことを投げてきて答えはあなたが考えなさい!で終わりますね♪
    阪神淡路大震災の5年後に出された「地震のあとで」連作。

  • UFOが釧路に降りる
    アイロンのある風景
    神の子どもたちはみな踊る
    タイランド
    かえるくん 東京を救う
    蜂蜜パイ

    読んでいて気持ちが落ち着く。なんかすき。
    ジャック・ロンドンの『焚火』が登場してすごくよかった。

  • UFOが釧路に降りるー離婚した男が同僚に頼まれて北海道に荷物を運ぶ。

    アイロンのある風景ー焚き火をする男と男女。

    神の子どもたちはみな踊るー宗教絡みの奔放な母とその息子。

    タイランドー女性医師。石。

    かえるくん、東京を救うーでっかい「かえるくん」が地球を救うため、片桐さんと共に闘う?

    蜂蜜パイー淳平、小夜子と高槻の娘の沙羅と熊。


    短編はここで止まるのが短編だけれど、先の気になる話ばかり。
    UFOの小村「まだ始まったばかりなのよ」。
    アイロンの順子と三宅さん、焚き火が消えたら。そして、啓介。
    神の子どもたちの善也、母親。
    タイランドのさつき、二ミット。石と蛇。
    かえるくんの片桐、かえるくんとみみずくん。そもそもかえるくんの説明が何もないけど。
    蜂蜜パイの淳平、小夜子と沙羅。高槻、この友人はこれからも好き勝手に動くのだろう。いいやつではあるんだろうけど。

  •  「UFOが釧路に降りる」は、元妻から離婚を迫られている小村が同僚の佐々木に頼まれて釧路へ行く話です。この話を深読みすれば色々と出てくるのかもしれません。けれども、ただ、小村が妻が離婚をすると申し出た事だけが頭にあり、佐々木のことはあまり深く触れていませんでした。けれども最後の方で分明してはいませんでしたが、佐々木(兄も妹も)の恐ろしさが少しだけ垣間見れた気がしました。
     「アイロンのある風景」は神戸の震災にあった三宅が海岸で焚き火をし、それを順子達が眺める話です。ただ焚き火を眺めるのではなく、焚き火のようなものが人間の中にあるのだと警告した作品だと思います。
     「神の子どもたちはみな踊る」は、沢山の異性と関わってきた母は宗教にはまってしまうが、息子はそんな母に反抗して宗教から足を洗い、多くの異性と交わった。そんな息子の父は産婦人科の医者をやっており、母と付き合ったことを息子ができた当初は否定していたが、数年後、息子の前で後悔した。……という話です。ただ気になることは、息子の邪念ってなんだろうってことと、宗教とは離別した筈なのになぜに元カノに神の子と言ったのかということです。やっぱり、拭いきれない何かがあるから、後悔して神の子って言ったのかな? よく分からなかったです。
     「タイランド」は、神戸に住む男が地震に巻き込まれれることを望む女性医師が主人公の話です。自分を捨てた男でも過去を振り返ってはならないってことが言いたいのでしょう。それが結果として悪くても、文句は言ってはいけないということがこの作品では主張したかったのでしょう。でも、言った方がすっきりする時ってあるから、必ずしもそれでいいとは思えないんだが……
     「かえるくん、東京を救う」は、アニメ「輪るピングドラム」で取り上げられた作品でした。この作品があったからこそ、この本を読もうという気持が持てました。ピンドラ(略)では世の中に起こったことが気付けば解決していたことって沢山あることを暗喩(?)として用いられていた題材でした。その中でも、特に片桐のような、実は会社や世の中で重要な位置にいるパターンって実はあると思うんです。その時、自分はどのように立ち振る舞えばいいのかを教えている作品なのでしょう。それは兎も角として、私は片桐の生い立ちになんだか不憫になってはいけないんだおろうけど、なってしまいました。でも、かえるくんのように軽率な言葉は慎んだ方が賢明なんでしょうね。だって、下手に同情していいとは思えない場面だろうし……と気にかけながら後半読んでいきました。かえるくんがみみずと戦う場面よりもそっちの方が気になっていました。
     唯一の書き下ろし作品である、「蜂蜜パイ」。四角関係なのに、あっさりとWカップル(夫婦)が成立。なんか、前からそうなることが運命づけられたみたいな感じ。ほのぼのするんだけど、たまにある沙羅の予知能力(?)が恐ろしさを醸し出しているかもしれない。
     今回初村上さんでしたが、流石にノーベル文学賞候補者だけあって話は面白いなって思いました。でもこれらの作品は、落ちがなさすぎて納得のいく終わり方ではない方も多くいるかと思います。けれども、これでいい気がします。なんとなくですけど……このぽいっと投げ出された感じが逆にいい味出しているのではないのでしょうか?

  • これ短編集なんですよね、勝手に長編と思い込んで、読んでみたいと思ってたのですが…。

    やっぱり、村上春樹さんの作品って不思議。
    ファンタジックな雰囲気を醸し出していて、問題というか、謎は全て解き明かされない。
    だけど歯がゆさが残るような不完全燃焼でもなく。
    このファンタジックな感じが、好きなんだよね。

  • 珠玉の短編集
    最後の蜂蜜パイが秀逸

  • 嫌いではない筆致なのですが、、読み終わると相変わらずなにも残らない、、読了感。本来文字にしづらいものは文字にする割に、肝心なところがいつもボケているイメージ。阪神淡路大震災からのインスピレーションがこの内容なのか。。凡人には判読不明でした。

  • 1999年に「新潮」誌に「地震のあとで」とのタイトルで連作された短編に書き下ろし「蜂蜜パイ」を加えて出版された短編集。

    この地震とは阪神大震災。
    それぞれの登場人物は直接的な被災者ではないが、間接的に様々な影響を受けている。

    「UFOが釧路に降りる」ーー阪神大震災のテレビ報道を5日間見続けた妻が、家を出て言ってしまう。

    「アイロンのある風景画」ーー高校三年生の五月に海岸沿いの茨城のある街にやってきた順子。同棲相手の啓介とともに仲良くなったのは、海岸で焚き火をする三宅さん。

    「神の子どもたちはみな踊る」ーー編集者の善也は母と二人暮らし。生まれた時から父はいない。

    「タイランド」ーー甲状腺の免疫機能の研究をデトロイトで続けてきたさつき。証券アナリストのアメリカ人の夫と別れ帰国。
    バンコクでの世界甲状腺会議に参加後、観光でしばらく滞在することに。

    「かえるくん、東京を救う」ーー主人公の片桐は信用金庫融資課の職員。父母を亡くし、弟と妹の面倒を見て大学を出して結婚もさせた。自分は独身。何も失うものはなく腹が座っている。
    そこを見込まれて、ある重要な仕事を依頼される。「かえるくん」に。

    「蜂蜜パイ」ーー書き下ろし。
    短編小説家の淳平。大学時代からの親友・高槻と小夜子。卒業して高槻と小夜子が結婚しても三人の仲は続いていた。

    人は様々な縁によって紛動される。それをどうするかは自分次第。
    人の為に明かりを灯せば、自分の前が明るくなる。

  • 震災と関係ない風に、震災をなんとなく、しっかり散りばめた?
    そんな本。

  • あっ、そういえば読んでいなかったと思って手を付けた短編集。神戸の震災を軸に語られる物語の数々。村上ワールド全開な感じでもちろん全編に渡って不思議だなーと思わされる話の展開と結末。村上好きにはたまらない一冊。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年5月9日、対談集『本当の翻訳の話をしよう』を刊行。5月10日、両親と過ごした幼少期と父親の戦争体験、そして自身が親の語りをどう受け止めかたを記したエッセイ「猫を棄てる」を『文藝春秋』に寄稿し、話題となる。

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