海辺のカフカ〈下〉

著者 :
  • 新潮社
3.63
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本棚登録 : 4362
感想 : 341
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534143

作品紹介・あらすじ

15歳になった僕は二度と戻らない旅に出た。古い図書館の書架には秘密が満ちている。夜の風がはなみずきの枝を揺らせるとき、いくつかの想いは静かにかたちをとり始める。県を越えて陸路で四国を移動するとき、人々は深い森と山を越えることになる。いちど道を見失うと、戻るのは困難だ。

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹ー難しいけど理解できたらすごく奥深いと感じられる作家。独特な世界観=村上春樹 です。完全に村上春樹の世界観にはまってしまったようです...また他の本も読んでみたいです!

  • 下巻に入ってからは、夢中で読み進める。
    なのに、どういう訳かページ数はあまり進んでいない。何度も前を読み返したりするからか?
    それくらい読み逃したくない、と言うか、事柄を正確に分かりながら先に行きたい、と思う。
    不思議な世界の中で、人間の内面を考えさせられる。
    途中から、悲しい結末になりませんように、と願いながら。
    未来のある終わり方だった。
    15歳かぁ。自分が15の時って、何考えてた?
    本当に君は世界でいちばんタフな15歳の少年だ。

  • ナカタさんと星野くんの掛け合いが、ほのぼのして面白かったです。
    入口が開いてしまって、そこに入り込もうとする化け物を殺さなければならないシーンは、ホラー感が強くとても不気味でした。

    死んでしまったナカタさんが生き返ることはなかったけど、このまま放置して星野くんは大丈夫だったのでしょうか。
    警察の追求とか、ナカタさんの力を引き継いで、猫と会話ができるようになったのだろうかとか気になることは沢山ありますが、すべてファンタジーで片付けられる不思議な終わり方でした。

  • 2002年4月5日 4刷 再読
    村上春樹氏の作品の中で海辺のカフカが一番好きです。15歳にしては、タフだが儚さのあるカフカ少年。彼に関わる人達の優しさのメタファー。
    黙説法と批評されることもあるようですが、その中でカフカ少年の多少なりともシミリー的な未来が見えたような気がする。

  • ストーリー展開は何となく分かったが、場面ごとに出てくる哲学的な話は難しくて、セリフ全てを理解できなかった。
    でもmixiでこの小説を分析している人の文を読むと、キリスト思想にもつながっているらしく、村上春樹作品を研究している人が多いのも分かった気がした。
    考えれば考えるほど奥が深くなりそうね。
    ある程度村上作品を読んだら、その分析本も読んでみたいな。

  • 村上春樹氏にしては現実に近い話でしたが、楽しく読むことができました。

  • 前回読んだときほどの感動はなかったが、
    3つの場面が 読み進めていくうちに1つに繋がっていくのは 何回読んでもおもしろい。
    1Q84も読み直したくなる。

    今回は、少し風変わりなナカタさん と 自分のことを「俺っち」と呼ぶホシノくんがお気に入り。


    p.422
    「僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける」
    「大事な機会や可能性や、取りかえしのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。でも僕らの頭の中には、たぶん頭の中だと思うんだけど、そういうものを記憶としてとどめておくための小さな部屋がある。きっとこの図書館の書架みたいな部屋だろう。そして僕らは自分の心の正確なありかを知るために、その部屋のための検索カードをつくりつづけなくてはならない。掃除をしたり、空気を入れ換えたり、花の水をかえたりすることも必要だ。言い換えるなら、君は永遠に君自身の図書館の中で生きていくことになる」

    前回読んだときには全く引っかからなかった言葉が、
    今の自分には響くんだよね。
    映画とか、タイミングで感じ方が変わるものはたくさんあるけれど、
    私は同じ映画を見返すことがほとんどないから、
    この体験は専ら読書によってすることになる。
    だから、私はこれは読書の不思議であり、素敵なところだと思う!

  • 「僕が求めているのは、僕が求めている強さというのは、勝ったり負けたりする強さじゃないんです。外からの力をはねつけるための壁がほしいわけでもない。僕がほしいのは外からやってくる力を受けて、それに耐えるための強さです。不公平さや不運や悲しみや誤解や無理解-そういうものごとに静かに耐えていくための強さです」
    「それはたぶん、手に入れるのがいちばんむずかしい種類の強さでしょうね」
    「知っています」

    「僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける」、ベルが鳴りやんだあとで彼は言う。
    「大事な機会や可能性や、取りかえしのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。でも僕らの頭の中には、たぶん頭の中だと思うんだけど、そういうものを記憶してとどめておくための小さな部屋がある。きっとこの図書館の書架みたいな部屋だろう。そして僕らは自分の心の正確なありかを知るために、その部屋のための検索カードをつくりつづけなくてはならない。掃除をしたり、空気を入れ換えたり、花の水をかえたりすることも必要だ。言い換えるなら、君は永遠に君自身の図書館の中で生きていくことになる」

  • とあるカフェにおいてあった上下巻を、カフェに行くたびに読んでいた。カフェに行って読まなかったことはない。読むためにカフェに行っていた。後半から展開が早くなっていく感じがした。最後の数章を読む最中、涙腺がたびたび刺激されるのを感じた。村上春樹を読もうと思ったのは、ドライブ・マイカーの映画を観てからだった。映画を観てから原作を読んだ。その後、短編も読んだが、長編は「ノルウェイの森」が初めてだった。自分にとっての村上春樹長編第2段がこの「海辺のカフカ」だった。きっと、あの映画監督もこの本を読んだに違いない、と思いを馳せる瞬間もあった。なにより、読み進め、そして読了したときに、すっと、カタルシスを感じた。次は、最新作を読み進めたいと思う。それと同時に「海辺のカフカ」に出てきた土地のいくつかを、回るための計画を立てようと思う。

  • ナカタさんと星野青年によって入り口の石は開けられた。
    甲村図書館の館長、佐伯さんとナカタさんは出会い、佐伯さんは死ぬ。ナカタさんも力を使い切ったように死ぬ。ずっと半分死んでいた二人はやっと死ぬことができた、ともいえるだろう。
    入り口の石は星野青年によって閉じられた。

    カフカ少年は山奥で不思議な場所にたどり着く。生と死の世界のあいだのような場所。そこで15歳の佐伯さんと出会い、現在の(亡くなったばかりの)佐伯さんとも再会する。彼は元の世界に戻る。入り口が閉まってしまう前に。

    ナカタさんの死体を通して現れた”わるいもの”は星野青年によって成敗された。カフカ少年は図書館に戻り、油絵「海辺のカフカ」を受け取り、中野区野方へと帰っていく。

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    不思議な物語だった。たくさんの固有名詞がでてきた。それ以上のメタファー(暗喩)もでてきた。
    田村カフカくんとナカタさんを導いていたものの正体はわからなかった。
    何人かの死があった。”ある意味では死と友だちになり、腹をわって話をする”ような物語だったような気がする。

    田村カフカくんと佐伯さんが本当に母子だったのかはわからない。何をもって、人はタフになれるのかもわからない。
    死んでいった人のことを覚えていてくれる人がいる。それが死者と繋がっていられる方法だということはわかった。
    田村カフカくんは佐伯さんを忘れないだろうし、星野青年はナカタさんを忘れないだろう。つまりきっとそういうことだ。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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