海辺のカフカ〈下〉

著者 :
  • 新潮社
3.62
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本棚登録 : 3827
レビュー : 317
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534143

感想・レビュー・書評

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  • ★隠喩はあえて読み取らずとも★正しい詩とそうでない詩、本当のメタファーと見せかけのメタファー。その区別ができるだけの能力は僕にはない。小説のメッセージはよく分からないが、ストーリーテラーとしてはやはり素晴らしく、少年とナカタさんの話が交互に表れ引き込まれる。過去と現在、現実と夢の境界が曖昧になり、善悪を超えて、起きてしまったことに少年も老人も誠実に向き合う。経験(例えば音楽の理解)はあるタイミングでしか身に沁みないことを改めて思い出し、(本当に起きたことなのかという)記憶に対する自信も揺らいでいく。
    今ごろ偶然に手に取った本だが、もう10年以上も前のものなのか。著者らしく、登場人物は(たとえやんちゃな人物でも)清潔で整然としている。

  • やっぱり不思議だったけど、どんどん引き込まれていった。
    ナカタさんが良かった。お世話をしてしまうほしのさんがわかる気がした。

    カフカ、15歳かぁ。強いなぁ。

  • もし私が15歳でこの作品を読んでいたら、よく分からない内容だと思うだけだったかもしれない。でも、20歳を過ぎてこの作品を読んだとき、カフカのような旅に出て、色々な体験をしてみたいと強く思った。そして、やっぱりストーリー全ては理解できなかったけど、人それぞれ自分なりの解釈で良いんだと思う。それがこの作品の良いところ。
    他の村上春樹作品も読んでみたくなった。

    どうかカフカの未来が明るいものでありますように。

  • 面白かったけど、訳分からない世界もでてきて、
    春樹ワールドだわ❗️
    でも最後は少年が明るくなり希望の持てる終わり方だったかな。ナカタさんの口から出てきた妖怪?なんか変じゃない?宮崎駿さんの世界にいたヤツ

  •   15歳の少年カフカ君が「恋したときに哀しい気持ちになるのはなぜ?」と問う。
      その人はこたえる。
      「誰もが恋することによって、自分自身の欠けた一部を探しているものだからさ。
      だから恋をしている相手について考えると、多少の差こそあれ、いつも哀しい気持ちになる。
      ずっと昔に失われてしまった懐かしい部屋に足を踏み入れたような気持ちになる。」

  • ようやく、村上春樹の言う物語ということの意味を理解し始めることになったような気がする。物事をそのまま語るのでは逆に真実味が薄れ、フィクションの次元でしか語れないことがある。わたしたちの生きている世界のシステムは硬直していて時にはわたしたちを傷つけるし、地面は不安定でぐらぐらしていて、何を信じればいいのか分からない。そういうときに、この人の語る言葉は深く心に染み渡る。世界はそういうものだけれども、その不条理みたいなものも引き受けながら、耐えるように生きていかなければいけないよ、と。しっかりと前を向いて自分の頭で考え、自分の言葉で語ることを大事にするのならば、あなたはこの世界をきちんと生きていくことができるのだから、と。

  • 6時間くらい掛けて一気に読んだ。
    途中から主人公パートよりナカタさんパートの方が面白くなってきちゃった。
    主人公の周りは共感できる人物が少ないからかな
    舞台を見たけれど、カットされてしまった“町”のシーン、あれ可能ならやってほしかったな

  • 下巻に入ってからは、夢中で読み進める。
    なのに、どういう訳かページ数はあまり進んでいない。何度も前を読み返したりするからか?
    それくらい読み逃したくない、と言うか、事柄を正確に分かりながら先に行きたい、と思う。
    不思議な世界の中で、人間の内面を考えさせられる。
    途中から、悲しい結末になりませんように、と願いながら。
    未来のある終わり方だった。
    15歳かぁ。自分が15の時って、何考えてた?
    本当に君は世界でいちばんタフな15歳の少年だ。

  • 6月28日読了。

    全体の感想。
    田村カフカ、15歳にしては大人びた少年だと思ってたら案の定これだよ。なのでいまひとつ彼には感情移入出来ず。そもそも15歳の頃の姿を見たとはいえ、母親ほどの年代の女性に恋するとかアリ? さくらくらいの年上の女性は充分アリでしょうけれど。
    少年にはこういうの憧れかな。リアルかもしれないけど、もしこれ10代で読んでたら全く受け付けなかったかもしれない。

    対するに、ナカタさんがすごく気になってすごく好きで、ホシノさんとの旅をとても興味深く読んだ。
    ホシノさん(最初は風体からしてちょっと怪しんだけど)もとても良い青年。ナカタさんを通して色んな物を見てきて、一番変わったし頑張った人じゃないかな。きっかけは「じいちゃんに似た人」だったけど、そのうちナカタさん自身が気になって一緒についてきたという気持ちがすごくよくわかる。
    ナカタさんに接する人たち(猫たちも)がみんな優しいというのが本当に素敵なこと。

    黒い犬とは何のメタファーなのか?
    黒い猫も出た。カラスも黒。どれも不吉な感じだけど、猫はいろいろ教えてくれた。

    ともあれ父の死と、母かもしれない姉かもしれない人たちとの遭遇と、いろいろな人たちとの出会いにより成長していくカフカ少年。周囲のお陰によるところが大きいのだけど。呪いの開放にはなったのか。

    ジョニー・ウォーカー、カーネル・サンダース、佐伯さんとナカタさんのことなど、謎はかなり残ったまま。

    (下巻の覚書)
    カーネル・サンダース、セックス・マシーンまでが哲学?(喋る人はほとんど皆、哲学的なことを口にする)
    二人の兵隊、サダさん(大島兄)、猫のトロ

  • 今ひとつカフカ君の立ち位置が掴めないまま終わってしまった、、、ナカタさんとホシノくんのやり取りが余りに素敵過ぎて、段々カフカ君と佐伯さん、大島さんのくだりが頭に入らなかったせいかも。その意味でこの作家お得意のパラワールドは本作では失敗かも。
    しかし最後の最後でナカタさんは友を持てたのだろうか。ホシノくんにはまだ先はある、そうであって欲しい。兎に角この二人のお噺を読むだけでも本作の価値は十分にあるかと思われ。
    最後に、全てを受け入れ許す、うーむ、矢張りこの作家の立ち位置は明確ですな。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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