象の消滅 村上春樹短篇選集 1980‐1991

  • 新潮社 (2005年3月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784103534167

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに村上春樹
    を体が欲して、読みたい読みたい!とふつふつと湧き上がり、再再読。
    この感覚、時々起こるんですよね。

    やはり短編好きだな。
    そして、この本好きすぎる!
    やはり納屋を焼く、好きだな。
    象の消滅も。
    踊る小人!

    本を持った感じも好き。
    気に入っていた短編がいっぱい入ってるのも好き。

    村上春樹週間、しばらく続きそうです。


  • 『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』をこの時期に読みたくて、図書館で借りた。

    かっこいい!笑
    これぞ村上春樹!

  • アメリカで出版された村上春樹の短篇選集『The Elephant Vanishes』が日本に逆輸入されたのが本書。
    全部で17の短篇が収められています。

    「午後の最後の芝生」が一番印象に残っています。
    夏の焼けつくような日差し、対照的な薄暗い部屋の中の様子…そういった場面場面に差す光が感じ取れるようなのです。
    ストーリーはどちらかというと地味なのですが、なんとも忘れ難い作品でした。

    「躍る小人」の象工場の描写が好きです。
    象を工場で製造する、という発想にくらくら。
    それぞれの体の部位で工程があり、それらのパーツが組み立てられて象になる。
    耳を作る描写も、実際にそんなふうにして象の耳が作られているのではないかと思ってしまうほど。

  • 2005年に刊行され、もう20年。ファミリーアフェアが良い。

  • サンドウィッチを食べ、缶ビールを飲み、ショスタコーヴィチのチェロソナタを聴き、眠れないのでトルストイやドストエフスキーを読んだ。妻は猫が帰ってこないと言って台所で独り泣いて僕を責めたが僕は反論しなかった、妻の友達はいきなり両親が何故離婚したかについて話はじめた、夜中にお腹が空いても冷蔵庫には玉葱しかなかった、僕はあのハンバーグステーキを作ってくれた女性と寝るべきだったろうか?・・・誰にでも書けるような平易な文章、意味があるのかないのか判別出来ない文章。 バブル全盛のあの頃の短編集。1980年代から90年代の始め、今以上に若者は村上春樹を読んでいた。ノルウェイの森以降の長編を出せばミリオンセラーになる経済と結びついた村上春樹になる前の、濃縮した彼らしい文章の数々にしばし酔った。

  • 「象の消滅」は、何年か振りに買った短篇集でした。

    個人的には、村上春樹先生の作品は長篇より短篇のほうが好きです。
    読み易さもありますが、あっという間に確立される世界観(=セットアップの速さ・スマートさ)、提示される目的、そこへ読者を引き込む言葉… 音と映像を感じさせる文章。
    軽く言ってしまえば、全体の「雰囲気」でしょうか。
    そして何より、すっと話を終える美しさ。

    ウン、いくら読んでも雲の上過ぎて、全く参考になりません^^;

  • 「納屋を焼く」という短篇がいいと聞き、そのお話が収録されている本を図書館に予約したらこれだった。「ニューヨーカー」というアメリカの雑誌に載った短篇ばかりを17篇集めた、村上春樹初期の短篇集。
    読み出したらとても充実した内容で面白かったから、これは自分の手元にもあってもいいかも、と思っている。装丁も格好いい(これも手元に置きたくなる要素の大きなひとつだと思う)。

    短篇集なので読みやすいのだけど、どれも様々なメタファーが隠されていそうで、それを考えながら読んだものもけっこうあった。
    「納屋を焼く」はおそらく、偏愛するものだとか、フェティシズム的な意味合いとして「納屋を焼くことを趣味とする男」が出てくるのだけど、自分にもそういうフェティシズムはあるのだろうかとしばし考えた。ぱっとは思いつかなかったから自分はごく平凡な人間なのだろうと思ったけれど、他人から見るととても偏った部分がきっとあるはずで、無自覚であることの怖さも少し感じたりした。

    どれもそれぞれに良かったのだけど、私はとくに「眠り」「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」「中国行きのスロウ・ボート」「午後の最後の芝生」が好きだった。

    村上春樹氏のお洒落感がある文章って好きずきというか、わりと好みが分かれやすいのかしらと思うのだけど、短篇だと(それとも初期のだから?)そういう雰囲気もやや薄いように思う。私は1人の作家を激烈に愛する派ではなく、自分の思想とかも関係なしにこだわりなくいろいろ読む派なので、どうなのか分からないところもあるけれど。
    シンプルに面白い本だった。

  • ニューヨークが選んだ、村上春樹さんのかなり初期の短編集。すべてが自分の想像力を超えていて圧倒されました。個人的には、『沈黙』と『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』がお気に入り。冒頭の、アメリカという広大なマーケットで「新人作家」として挑戦した頃のエピソードにも感銘を受けました。

  • ムラカミハルキばっかり読んでた頃に読んだことある短編も沢山入ってたけど、世界的にはこのセレクトだと聞いて読んでみました。

    久々に読んでみて、「あっ!この話、覚えてる!覚えてる!」
    「いったいどう収束するんだっけ?」なんて思ってると、
    あぁ~、終息はしないんだったぁ♪
    それがムラカミハルキの短編だったぁ♪
    って^^
    それにしても、どんだけ「渡辺昇」がすきなんだろ?この人。
    何人の渡辺昇が出てきたかしら…?

  • 2010.03.23. 5年くらい前に、読んでいる。でも、その頃はまだ村上さんを好きでもなくて、全部読み通せず。今回も、ちみちみとひとつずつを千切るように読んだ。「四月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて」が、何度読んでもいい。とても素敵で幸せな気持ちになれる。「踊る小人」の象工場も覗いてみたい。そしてやっぱり「緑色の獣」が怖くて読めない。

  • 繋がっているような物語もあるし、それ単体の物語もある。
    前の物語の余韻を残したまま次の物語を読んで、不思議な気持ちになる。

  • 「眠り」を読むとプールに行きたくなるし、「ローマ帝国の崩壊…」は日記をつけたくなるし。

  • 「眠り」
    ところどころ共感できるところがあった。
    読み心地がよい。
    クライマックスはすこし恐怖感があったけれど、やっぱり村上節だなあという感じで終わったなという印象。でも、だからといってわるくない。
    足元にちっちゃいおじさん出てくるところはなんか笑える。こわいけど。

    ※気になった箇所
    最後にきちんと本を一冊読んだのはいつのことだろう?そしてその時私はいったい何を読んだんだろう?どれだけ考えても、その本の題名さえ思い出せなかった。人生というのはどうしてこんなにがらりと様相を変えてしまうのだろう、と私は思った。憑かれたように本を読みまくっていたかつての私はいったいどこに行ってしまったのだろう?あの歳月と、異様とも言える激しい熱情は私にとっていったい何だったんだろう?

    私はその時に、夫から守られているという実感をなくしてしまったのだと思う。そう、夫は私を守ってはくれなかった。それで私はとても腹を立てた。もちろんそれは昔の話だし、私と姑は仲直りをした。息子の名前は私が自分でつけた。私と夫もすぐに仲直りした。でもその頃からおそらく、私は夫の寝顔を眺めるのをやめてしまったのだと思う。

    血統的なかたくなさ、自己充足性…私は夫の家族のそういうある種の傲慢さが嫌いだった。確かに夫は私に良くしてくれている。優しいし、とても気をつかってくれる。浮気ひとつしないし、よく働く。真面目で、誰に対しても親切だ。私の友達はみんな、あんな良い人はいないわよ、と口を揃えて言う。文句のつけようがない、と私も思う。でもその文句のつけようのなさがときどき私を苛立たせる。その「文句のつけようのなさ」の中には、何かしら想像力の介在を許さないような、妙にこわばったところがあった。それが私の癪にさわるのだ。

    「納屋を焼く」
    とても好き。読み心地がよいし、とてもきれいなものをみているような気持ちにもなる。かつ、こころの中に何かを落とされる。納屋ってなんだろ。その言葉通りの納屋ではなく、自分にとっての納屋なのかも。男が消したのは女の子だったのかな?と考えるのは単純すぎるのか。

    ※気になった箇所
    彼女と二人でいると、僕はのんびりと寛ぐことができた。やりたくもない仕事のことや、結論の出しようもないつまらないごたごたや、わけのわからない人間が抱くわけのわからない思想のことなんかをさっぱりと忘れ去ることができた。彼女にはなにかしらそういう能力があった。彼女の話す言葉にはとくに意味らしい意味はなかった。僕は相槌を打ちながらその内容をほとんど聞いていないこともあった。でも、それに耳を傾けていると、遠くを流れる雲を眺めている時のように、ぼんやりと心地良かった。

    よく晴れた気持の良い日曜日で、庭のくすの木を眺めがながらりんごを食べていた。僕はその日だけでもう七個もりんごを食べていた。ときどきそういったことがある。病的にりんごが食べたくなるのだ。あるいはそういうのは何かの予兆なのかもしれない。

    「こういう言い方は変かもしれないけれど」、彼は顔の前で両手を広げ、それをゆっくりとあわせた。「世の中にはいっぱい納屋があって、それらがみんな僕に焼かれるのを待っているような気がするんです。海辺にぽつんと建った納屋やら、たんぼのまん中に建った納屋やら…とにかく、いろんな納屋です。十五分もあれば綺麗に燃えつきちゃうんです。まるでそもそもの最初からそんなもの存在もしなかったみたいにね。誰も悲しみゃしません。ただー消えちゃうんです。ぷつんってね」

    「窓」
    お話に流れる空気感がすき。
    まったりと過ぎてゆくところが。
    手紙のお仕事っていうのもいいな。

    ※気になった箇所
    しかしお互いに一度ずつ驚いてしまうと、初対面の緊張はほぐれた。我々は同じ列車に乗り遅れてしまった乗客同士といった雰囲気でハンバーグ・ステーキを食べ、コーヒーを飲んだ。

    「パン屋再襲撃」
    おもしろくて先を急いで読んだ。
    ビッグマック30個って滑稽すぎだし、襲われたマックのスタッフやお客さんの反応のなさというかやる気のなさが笑えた。妻が妙に手慣れているのとかも謎。夢見てるんじゃないか?って思ったりする。

  • 村上春樹の作品は短編より長編の方が好きだった。短編は何となく尻切れトンボのような気がしていたが、今回はこの作品集を読んでその考えは改まった。この作品集の中には短編でも深い思索の要素が眠っている。特に『象の消滅』は私が猫を飼い始めてから動物に対する考え方が変わったのだろう。前回読んだときよりも数段心に響くものがあった。

  • ノルウェイの森よりすきかも、パン屋最襲撃、眠り,テレビピープルは何回読んでも興奮する、納屋も

  • 読むと言う行為が退屈になる前に読み終われるものばかりで良い
    中国行きのスロウボートが好き

  • ニューヨーカー誌が選んだ村上春樹の短編集。「ファミリーアフェア」と「沈黙」がよかった。

  • 英語版と同じ構成で贈る初期短篇集。
    もうね、ワードセンスといい、独特の村上春樹節が感じられる。ワタナベ・ノボル、やれやれ…スパゲティー、ラジオ…とか
    あ、ここにも。みたいな発見があるのが面白い。
    一作ずつ、読みやすい短篇なのでいろんな料理をつまみ食いしてるような感覚で、読んでいて楽しかったですね。
    ●特に気に入った作品まとめ
    ・「納屋を焼く」
    言われてみたらあぁ、そうかと思うけど、いやいや焼かないでしょ!という話の目の付け所が面白い。そんな作品が多い気がする。ありそうで無い現実と、非現実が交差する世界の中立を描いているのかなと。
    ・「踊る小人」
    象工場の描写、小人!いやー、ここを結びつけられるって凄いな〜とただただ感心。
    ・「沈黙」
    この作品集の中では一番現実世界に近いところにいるリアルさを感じられる作品。この感じ、体験してないと書けなくないか?と思っちゃう。実際、どんな背景があって書いた作品なんだろうと気になった。
    ・「象の消滅」
    さすがタイトルになってる作品。不思議なストーリーと後半、余韻が楽しめる。ありそうなリアリティのある表現にはついクスッと笑えてしまう。

  • 外国で出版されたのと同じ体裁ということですが、本のサイズや分量など非常にいい感じで、手に取るだけでもいい気分になりますね。「納屋を焼く」「ファミリー・アフェアー」「午後の最後の芝生」が好き

  • 今回、女性の「やれやれ」が多く見受けられた

    カンガルー通信、眠り、ファミリー・アフェアが特に好きでした

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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