世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

著者 :
  • 新潮社
4.07
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本棚登録 : 1644
レビュー : 247
  • Amazon.co.jp ・本 (618ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534174

作品紹介・あらすじ

村上春樹、80年代の記念碑的長編。

感想・レビュー・書評

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  • 手に持った瞬間からずっしりくるこの厚み。
    短編や中編はすごく面白かったものの、正直読む前からすでに読み切れるか不安でした。
    でもとっっっっっても良かった!!!読んで良かった。
    もうどうレビューするべきなのか分からないのですが、とにかくこの世界観に入り込んでしまって、久しぶりに物語を物語として純粋に味わったような気がします。
    何かの合間では読めなくて、夜やるべき家事をすべて終えてから「さぁ読むぞ」と心して読み進めてました。

    ハードボイルド・ワンダーランドと世界の終り、交錯することなくそれぞれ独立しているかに見えるこの2つの世界の曖昧な境界線が終始心地よかった。
    SFのようなファンタジーのような、かと思ったら青山で地下鉄に揺られたり銀座のレストランで食事したり。
    そういう夢とも現実ともつかない雰囲気をまとい、村上春樹特有の文体と言い回しが完璧にこの世界観を仕立て上げています。

    僕と私は同一人物なの?私がこれからとり戻す世界の終りとは、僕が残ったままの世界の終りのことなの?
    ラストもあれは絶望なのか希望なのか、どちらとでもとれるような不思議な余韻だけを残していました。
    便宜的な正解は何も明言されておらず、すべてが自分自身に問いかけられているかのようで、私は彼の作品のまさにそこがとても好きです。
    共感する、感情移入するという次元ではなく、読み手をそのままひっぱりこんでどぼんと沈め込まれるような、そんな感覚にしてくれます。

    カラマーゾフの兄弟の名前を全員言えることとか、図書館でリファレンス係やってることとかが少し誇らしくなってしまった。
    何度も読み返したい素晴らしい傑作です。
    これで「村上春樹好きだ!」と確信をもって言えるようになりました。

  • 日本近代文学館にあるBUNDANという名前のカフェに「ハードボイルド・ワンダーランドの朝食セット」という、この物語の「ハードボイルド・ワンダーランド」における主人公の最後の晩餐(朝食)を模したメニューがあるのです。
    私はその時、まだこの小説を読んだことがなかったのですが、最後の晩餐だなんて主人公は死ぬんだろうか、とか、いろいろ想像しながら食べました。食べてから、気になって、小説を読んでみました。
    納得のいく結末でした。先に現実世界で主人公の最後の晩餐を疑似体験できて、ラッキーでした。

  • <再読>「色彩を持たない〜」が期待外れだったので80年代の記念碑的作品を読み直す。2つのストーリーが並行し絡み合う構造。緊張感と独創性。個人的村上ベスト3は揺らがず。10数年振りに読んだが案外忘れているもの。

  • 村上作品で一番好きかも。
    「世界の終わり」は静かさと想いに満ちている。
    私も行ってみたい。

  • どちらが好きかと言われたら最初は世界の終わりの方で、後半になるにつけて現実?の方の主人公の心の変わり方が好きになってくる。

    ちょっと分厚くてとっつきにくかったけれど読んでみたら面白かった。

  • ぶっ飛んでいる。最初の3、4章、???が飛び交った。が、だんだん事情が分かってきて、引き込まれた。特に世界の終わりの世界観が好き。頭骨、音、夢、光、とても美しい。一方でハードボイルドの世界は原宿やら新宿三丁目やら知っているところが出てきて、そこにやみくろがいるなんて夢想する村上春樹に驚かされる。妙に現実味があるところや、女の子のつくったような話し方が気に入らない。沢山の音楽、文学、映画が出てきて、村上氏の文化趣味の洗礼を受けた。この後ノルウェイの森を読んだけど、私は世界の終わりのほうがずっと好き。

  • 今までになく、混沌とした気持ちが残った。
    本とか映画って、始まる前に少なからず結果を予測していると思うんだけども、その予測に対して正解でも不正解でもない答えが返って来たと言うか…
    ラスト、全部持ってかれた感じだった。
    村上春樹は読みにくくて嫌いって人がいるけど、そういう人には向かない作品。
    私は村上春樹大好きなので、好きな人には読んで欲しい。

  • つらかった時期に読んで、ハラハラドキドキさせられながらも、深い癒しを与えてくれた本。

    太った娘の語る「くすの木」のくだりが大好きです。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月7日発売の『文学界』で短編小説を2作掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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