東京奇譚集

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3210
感想 : 471
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534181

作品紹介・あらすじ

五つの最新小説。不思議な、あやしい、ありそうにない話。しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語。

感想・レビュー・書評

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  • ブクログでオススメしてもらった作品


    文学作品はどうも苦手で
    村上春樹もなかなか手が出なかったのですが
    こちらは読みやすかったです(^^)


    ちょっと不思議な5つの短編集でした。


    この不思議な雰囲気と、
    村上さんの書く文章と、
    短編の長さがちょうどよかったです


    ちょっとした時間に
    不思議な世界に浸ることができて
    短編なら村上さんの作品も楽しめるかもと
    思わせてくれる作品でした(^^)



    20年近く前の作品なのに
    色褪せず楽しめるのはすごいですねー


    一人称単数も読んでみようかな(^^)

  • 最新の短編集「一人称単数」にも登場する「品川猿」が読みたくなり再読。
    …のはずだが、内容を全く忘れておりほぼ初読。

    「一人称単数」より間違いなく面白い。何というか、スジがしっかりしている気がする。
    村上春樹さん自身の「コミットメント」宣言とリンクするような力強さを感じる。

    以下、ネタバレ注意です。

    偶然の旅人 評価3

    知り合いの調律師に起きた不思議な話。
    面白いけど、乳がんの部分が浮いている、というか雑な感じがして評価下げました。うまく言えませんが…。ホモ・セクシュアルについての記述も若干古さを感じる。なんせ書かれたのは15年前。優秀な作品でも少しずつ色あせる。

    偶然の一致はありふれた現象だけど、大半は目にとまらない。でも、見る方に強く求める気持ちがあれば、鮮やかな一つのメッセージとして浮かび上がってくる…という部分はなるほどな、と思った。

    ハナレイ・ベイ 評価5

    サチは絶対音感を持つけど譜面を読むのが苦手なピアニスト。息子テカシをハナレイ・ベイで亡くす。サーフィン中に鮫に右脚を喰いちぎられたのだ。

    サチが息子の死を乗り越え、そこにあるものをそのとおり受け入れるようなるまでを淡々と描く物語。
    さざなみのような不思議さが心に押し寄せる。
    これは、素晴らしい小説。

    どうであれそれが見つかりそうな場所で 評価2

    うーん、残念ながら心に引っかからない…
    私が人捜しをする話。ただし、失踪者が住んでいたマンションにずっと留まったままで、マンションの住民と何やら意味ありげな話をするだけだ。「ねじまき鳥クロニクル」の僕が妻が失踪した後、井戸の底に降りたことを彷彿させる展開…
    「私」は依頼された人捜しをしているのではなく、自分が求めている何かを捜しているだけだ。
    やれやれ…笑

    日々移動する腎臓のかたちをした石 評価4

    ↑をモチーフにした短編を執筆中の淳平。彼は父親に「男が出会う中で、本当に意味を持つ女は三人しかいない」と呪いをかけられる。淳平はそれを都合よく解釈し、都合の良い女性としか付き合わなくなっていた。
    そんなある時、年上の魅力的な女性キリエに出会う。

    キリエとの付き合いを通じて、淳平は自分が傷つきたくないから、相手を受け入れない、大切なものを大切と認めない、そんな態度に決別する。あるがままを受け止める覚悟を持つ。

    なお、この短編は、「神の子どもたちはみな踊る」収録の「蜂蜜パイ」と繋がりがあるのだそうだ(そらも全然覚えていない)。しかも、小夜子(サヨコ)という女性が登場する…って、う〜ん

    品川猿 評価4

    品川に住むみずきはある時、何故か自分の名前が思い出せなくなる。それは猿が〇〇したから。
    名前を取り戻したみずきは最後に、自分の名前と名前に付帯する要素を全て受け止めて生きていくしかないことを悟る。

    念願の(笑)「品川猿」。タイトルは「新宿鮫」に対抗して付けたのかな?きっとそうだ。
    なるほど、これ読むと「一人称単数」の「品川猿の告白」も深みが増す。猿の気持ちも知った方がよいと考えを改めた(笑)

  • 読みやすいほうのハルキ。

  • 5篇中、『偶然の旅人』がお話としては一番面白かった。ジャズバーで、どマイナーな2曲を心の中で願っていたら、まさにその2曲をやってくれた、という、冒頭で出てくる偶然は、ジャズの神様のお陰と思っていた方が素敵だけど、きっとどこかの誰かが口ずさんだか、BGMで流れたのかだかを、主人公とジャズ奏者が無意識に聴き取ったのだろう、とつい「科学的」に考えてしまう。

  • 村上春樹作品で1番面白かった^_^
    人の潜在意識に潜む闇がコミカルに描かれた品川猿がお勧め。どの作品も文章か読みやすく世界観に引き込まれた。

  • 15年前に買ったこの本がまだ家にあったので、このほど文學界2020年1月号の「品川猿の告白」を読んだのをきっかけに、5編の短編のうち「品川猿」だけを再読してみた。当然ストーリーも全く覚えていなかったので新鮮な気持ちで読み、2つの物語がつながって楽しませてもらった。
    (C)

  • 村上春樹を読もう!と思って適当に選んだ。彼の作品は、長編より短編の方が好きかもしれない。タイトルのつけ方からして、シンプルなんだか複雑なんだか読めない作者だなあという印象。文章がすらっと頭に入っていく。「ハナレイ・ベイ」がすき!リリカルなお話が上手。

  • 博物館帰りに古本屋さんで見つけて、
    久々にハードカバーの本を読んだ。
    電子書籍とも文庫本とも違う、読み心地が新鮮な感じ。

    どれも良いけど「日々移動する腎臓のかたちをした石」が一番お気に入り。

    読み始めてすぐに、前に読んだなと思い出した。本棚から文庫版が出てきた。

  • すごく変だった。逆に他のより内容を覚えてるかも知れないと思った。でもどれも嫌な気持ちにもならず、ちょっとほっこりさえするし、なんならこの状況が奇譚だ。

  • 偶然の旅人、が一番今の気分に合致。偶然の一致は日常的なありふれた現象だけど、見過ごされているだけ。素敵な考え方です。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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