1Q84 BOOK 2

著者 :
  • 新潮社
3.78
  • (1589)
  • (2611)
  • (2219)
  • (338)
  • (75)
本棚登録 : 18605
レビュー : 1618
  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534235

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 1Q84 2巻、かなり解れてきた糸。この巻もテンポよく展開するのでひといきに読了。小学生で出逢った二人がどうやらメインで展開して行くようだ。結構面白い。出版時にはなかなか入手困難だった記憶があるけど今やいつでも借り出し可能な状況なので流行遅れもいいもんだ 笑。

  • 文体は好み。

    後半からは淡くゆらめく感じ。

    なんらかの澱(おり)みたいなものが残った。

    これは良くも悪くも。

  • 読後感は 「尻切れトンボ」の感じか、「残尿感」がある。
    最後まで きちんとしっこさせてくれよーと思った。
    パソコンの画面がフリーズして「強制終了」させたような感じだ。

    この物語は 「月」がテーマとなっている。
    ニンゲンの世界はどんどん変化しているが 
    月が400年前も 100年前も 同じのままだというテーゼ。
    それを 黄色い月と 少しいびつな緑色の月が 二つ。
    同じ大きさでないというのが ミソで、
    それは 青豆のオッパイが 左右同じでないというのに通じる。
    ムラカミハルキの連想のなかでは 
    月とオッパイが つながっているようだ。

    ムラカミハルキの小説は 親父っぽい目で女子を見る。
    ときおりロリコン風で そのようなスケベの目が
    随所にあるのは おじさん読者として 楽しい部分である。

    「今ここにあること」 
    「今ここになくて もう一つの世界にある」こと
    その区別が 月が二つあるということで表現し、
    その月を見ている 青豆と天吾の 二人の1984年を描く。
    10歳のときの 青豆から 手を握られた「感触」から
    「かけがえのないもの」が 二人の中に生まれる。

    二人は 現実に立ち向かいながらも 「逃避」すると言う性格が
    共通している。
    ムラカミハルキの中にある「逃避」のテーマは続いている。

    確かに 父親が 堂々と登場するが、
    相変わらず ムラカミハルキは 父親問題を 避けた。
    自分の本当の父親でないということで 天吾は安堵するのである。
    育ててくれた 父親の感謝と 
    本来なら発生する 父親へのわだかまりを 避けてしまった。
    ムラカミハルキは 多分最後まで 
    しょぼくれた父親に対峙できないのだろう。

    日本人の心の歴史として 何故オウム真理教事件が起こったのか?
    というのが ムラカミハルキの 大きな問題意識のひとつであるが、
    そこでは アイスピックで つつくような 作業をしているだけで
    総体として つかみえていない ような気がする。
    リーダーと青豆の会話は 意味が深いが 青豆の個人的なレベルに
    矮小化されて、教義のない 宗教 が 天の声を聞く
    ということで成り立っている。
    そして その宗教の大きな資金源がどこにあるのか?
    というところまで・・・明らかにできていない。

    孤独 というものをうけとめること、
    その重みだけは ひしひしと伝わってくる。

    二つの月が あることを微細に語ろうとするが
    カクメイ と ピース がどうやって違い
    ムラカミハルキはいう
    『カクメイはいくぶん尖ったかたちをした考え方であり、
    ピースはいくぶん丸いかたちをした考え方だ・・・』
    (ふーむ。それだけで 片付けちゃうのかな。)
    ピースが 何故宗教になってしまったのか?
    ということは 謎として 読み手に投げかけられている。

    『青豆を見つけよう、と天吾はあらためてこころを定めた。
    何があろうと、そこがどのような世界であろうと、
    彼女がたとえ誰であろうと。』

    でおわる が なぜ 青豆 を見つけようとするのか?
    愛のためなのか?青豆のためなのか?自分のためなのか?

    というより 何故物語の中で 青豆を見つけることができないのか?
    青豆を 物語の中で 見つけたら、三文小説になる
    という 考えが あるのかもしれないが、
    ふーむ。
    ムラカミハルキらしい 1Q84 だった。

    多くの疑問文があるが 答えは少ない。
    そしてムラカミハルキはいう
    『説明しなくてはそれがわからないというのは、
    どれだけ説明してもわからんということだ。』

    いいな。このムラカミハルキの開き直り、
    読者に 謎かけ して・・・よくわからないのは 読者のせいだ。
    しかし、実は 書いている本人も よくわからんのだ。
    説明できるわけねぇだろ・・・ということかな。

  • おじいちゃんと旅行中に読んでいたら、脳梗塞で言葉の出にくいおじいちゃんから「村上春樹か」と言われた。
    おじいちゃんも村上春樹の作品を読んでいたようだ。
    5回り以上年齢が離れた人との会話は共通の話題を見つけにくいこともある。
    しかし、この作品のおかげで、旅行という時間の共有と、お互いに知っている著者という話題を共に出来た。

  • 擦れ。摩擦。パラレルとか捻れとかはちょっと違う。相対的な関係と絶対的な存在の同居。戻れない過去。辿ることのできる記憶。すれ違いと同じ目的。他者の為の自己犠牲と、責任という自己欺瞞。
    それらは明確に分かれるものだけれども、同時に存在する。しかもたちが悪いことに一人の人間にとってもそうだし、思いが錯綜する人間社会ならなおさらだ。絶対的善が存在しないのと同様に、絶対的悪も存在しない。そこにあるのは「人間」でしかないし、そこに思想が入るからややこしくなる。
    著者はそれを説明しようとも思っていないし、理解してもらおうとも思っていないはずだ。ただその存在をパシヴァとしてわかりやすく表現し、読者にレシヴァとなることも求めていない。
    夜空に浮かぶ月の様に、ただ前に進む時間のように、世の中の真理を紐解く方法の一つである数式のように与えられた役割を、いやただそこに存在することだけであれば、どれだけ世界は平和だったことだろう。
    思考することを身につけてしまった人間の背負った業の深さと贖罪を許されない存在に対し、慈愛を持ちながら突き放す1Q84という世界を作り上げた著者はこの世界では神となり、語り部となる。人間は過去を辿り、やり直すことが出来るのか、それとも新しく世界を少しでも変えることができるのか。あるいは。

  • 繋がった
    book1では点だった部分が繋がった。しかも強く。

    自分に言われているような、言い聞かせられてるような
    そんな文章を目にして自分の歪みを認め、また
    それを矯正すべく愛を与えられる、愛す事の出来る人間になろう
    そして自分を愛せる人になりたいなぁと思う
    そんな本でした。読み終えての陰鬱感たまんない。
    そしてそのままbook3へ…

    ↑そが5つならんでるー!

  • 村上春樹のさすがといえる作品。
    独特の世界観と二人の主人公間の密接なリンクが素晴らしい。
    実は初めは気持ち半分で読んでいたのだけれども、その世界観と緻密な計算にぐいぐいと引き込まれてしまった。
    最後の急展開も素晴らしく、早く続編が読みたくなってしまった。

    早速図書館予約します。

  • 流行っていたころ、図書館ではBOOK1が貸し出し中で手に入らなく、BOOK2から読みました。

    適当に斜め読みしていたら、青豆の性別間違いました。最初はもちろん女性だと思って読んでいたんですが、アユミの青豆への気持ちややり取りで、青豆って男か!!と勘違いしました。異性同士で恋愛するだろうという固定概念はだめですね。そのすぐあとに同性愛だったのかと気づきましたが。(ノルウェーの森でもレズ出てきますもんね。)

    数日後、BOOK1をよんだら、青豆の性別や名字が珍しいことについての詳しい説明が最初にされていて、驚きました。(2巻から読むと「青豆」は偽名やあだ名なのかと思いました)

    こんな読みをしてしまったので評価は控えます。わたしのように勘違いした人はいらっしゃるのでしょうか?村上氏が万が一、性別間違いを仕組んでいたら惚れてしまいます。内容を忘れたころにBOOK1から読み直したい。

  • おもしろくなってきたー!続きが気になる。

  • 1よりも嫌悪感みたいなものが少ない状態で読めた。
    そしてやはり続きが気になる〜。
    こんな感じはこの作品が初めてだから凄いなと思う。
    3はどうなるのか?

    • norigami112さん
      nyancomaruさん。そうですね。確かに重苦しく感じたかも。私は苦手意識がすっかり薄れたのでより入り込めました。
      しかし、如何せん寝る前...
      nyancomaruさん。そうですね。確かに重苦しく感じたかも。私は苦手意識がすっかり薄れたのでより入り込めました。
      しかし、如何せん寝る前のひと時だけの読書なので続きが気になりながらも眠ってしまい・・・誰かから逃げる夢を見ちゃったりして。
      2012/08/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「誰かから逃げる夢を見ちゃったりして」
      怖いですよね。
      私は普段殆ど夢を見ない(睡眠時間が短いから?)のですが、「1Q84」読んでいる間に2...
      「誰かから逃げる夢を見ちゃったりして」
      怖いですよね。
      私は普段殆ど夢を見ない(睡眠時間が短いから?)のですが、「1Q84」読んでいる間に2回、夜に電車に乗って窓の外を眺めている夢をみました(休みだから普段より寝たからかな)。
      2012/08/29
    • norigami112さん
      nyancomaruさん、最近は読んでも夢を見なくなりました。慣れたのか?余程疲れてるのか?(笑)
      nyancomaruさん、最近は読んでも夢を見なくなりました。慣れたのか?余程疲れてるのか?(笑)
      2012/08/29

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

村上春樹の作品

ツイートする