めくらやなぎと眠る女

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2121
レビュー : 135
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534242

作品紹介・あらすじ

ニューヨーク発、24の短篇コレクション。

感想・レビュー・書評

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  • 外国の読者向けに編まれた短編集、第二弾。

    「東京奇譚集」がまるまる入っているのですが、当時、読んだときよりもしっくりきました。

    初期の短編のほうが好きだ!と思っていたのに…年をとると好みも変わるようです。

    とくにお気に入りは、

    「めくらやなぎと、眠る女」
    p.28 やらなくちゃいけないことなんて、どこにもひとつもない。でもここにだけは、いるわけにはいかないんだ。

    「スパゲティーの年に」
    p.261 「だから今ちょっと、手が離せないんだよ。スパゲティーが絡んじゃうから」

    「ハナレイ・ベイ」
    p.403 「女の子とうまくやる方法は三つしかない。ひとつ、相手の話を黙って聞いてやること。ふたつ、着ている洋服をほめること。三つ、できるだけおいしいものを食べさせること。簡単でしょ。それだけやって駄目なら、とりあえずあきらめた方がいい」

    あと、プーランクがゲイだったという新発見。(「偶然の旅人」より)

  • 村上春樹苦手だったが、この短編集はすっと入ってきた。日常の描写や感情の描写が目に浮かぶ又は実感として感じられる所が良かった。
    表題の『めくらやなぎと眠る女』の難聴のいとこへの彼の小さな苛立ち
    『我らの時代のフォークロア〜高度資本主義前史』の藤沢嘉子の彼が求める「肉体的一体感」への対応。決めたものはどうしてたか崩せない。周りが何と言おうとそれを崩したら、自分の中で何かが変わってしまいそう。でも、彼の要求も受け入れたい。受け入れない自分は彼に悪い事をしている気がする。そして苦肉の策。

  • 村上ワールドに短時間浸りたい方にオススメです。短編集なので一つ一つの村上ワールドに浸る時間がそこまで長くないので物事の合間合間に読めちゃいます。結末が尻すぼみなものもありますが、おもしろいです。

  • 村上春樹の短編集です。1990年代から2005年あたりまでに書いたまたは書き直したという24のお話が収められています。村上さんご自身も序文にあたって短編小説は心の墓標のようなものと述べておられるように、これまでの長編小説と短編小説は作品を作り上げていく上で密接に結びついているようです。
    村上作品の長編を全部を読んだわけではないのですが、確かにこのひとつひとつの短いお話を読んでいると自然に以前読んだ小説の一部分が呼び戻されます。あの小説の雰囲気だなあとか、この人はあの人物のようだと思いながら読んでいました。この中で「スパゲッテイ-の年に」の終りの文が至極詩的で素敵でしたのと「七番目の男」は大震災での大津波を予言したような情景だったので、印象に残りました。

  • 村上春樹の短編を初めて読んだ。短編の方が好きかも?

    順番ではなくて、気になるものから適当に読んでるのだけど、あんなに短いお話なのに読み始めと、読んでいる途中と、読み終わった後の感想、思いがこんなにめまぐるしく変わるのはなかなかないなあ、と。そしてやっぱり着地点が春樹だなあと。おもしろいです。
    全て読み終わっても、またきっと何度となく読み返すとも思う。なんとなく。

    あと、ピンクの装丁も好き。

    追記:「蛍」「偶然の旅人」良い!!

  • 『象の消滅』とセットで読みたくなる。
    何回も読めるのは良い短編集だと思う。

  • 安心して読める。文章が文章としてではなく概念として、私の頭の中へと伝わってくる感じが心地よい。この人ほど読みやすい文章を書く作家は、今の日本にはいない。東京奇譚集の作品はとくに1Q84っぽい。充実。

  • 村上春樹さんの言葉の選ぶセンス、言い回しや比喩は本当に天才的であると感じる。

    「その一文を伝えるために、その短編小説が書かれたのかなだろな」と感じるものがあり、その言葉の使い方や導き方がとても心地よかった。

    作品内容は過去の数種類の短編集をニューヨークの出版社がアメリカで発行するために抜粋したもので、その全てが素晴らしかった。

    あえて好きな順位をつけさせて頂くなら。
    全24作品

    1、偶然の旅人

    2、我らの時代のフォークロア~高度資本主義前史

    3、ハナレイ・ベイ

    4、トニ-滝谷

    5、ハンティングナイフ

  • 旅に出る時はいつも村上春樹 持参です。今夜もついつい夜更かししちゃいました。

  • 「ハナレイ・ベイ」
    少し泣いた。
    「我らの時代のフォークロア~」
    こんなせつない思いをしたことがあったような、なかったような。
    「嘔吐1979」
    なんのメタファーかものすごく、気になる。

    読み終わるのにすごい時間がかかったけど
    ハッとする表現がいくつもあって
    どれもすこしずつ悲しいのは
    いつもの長編と同じだった。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月7日発売の『文学界』で短編小説を2作掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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