- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534242
作品紹介・あらすじ
ニューヨーク発、24の短篇コレクション。
感想・レビュー・書評
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村上さんの短篇小説はいい!
前書きで、村上さんにとっての短篇小説と長篇小説の位置づけみたいなのが語られていて、それもとても印象的。 -
外国の読者向けに編まれた短編集、第二弾。
「東京奇譚集」がまるまる入っているのですが、当時、読んだときよりもしっくりきました。
初期の短編のほうが好きだ!と思っていたのに…年をとると好みも変わるようです。
とくにお気に入りは、
「めくらやなぎと、眠る女」
p.28 やらなくちゃいけないことなんて、どこにもひとつもない。でもここにだけは、いるわけにはいかないんだ。
「スパゲティーの年に」
p.261 「だから今ちょっと、手が離せないんだよ。スパゲティーが絡んじゃうから」
「ハナレイ・ベイ」
p.403 「女の子とうまくやる方法は三つしかない。ひとつ、相手の話を黙って聞いてやること。ふたつ、着ている洋服をほめること。三つ、できるだけおいしいものを食べさせること。簡単でしょ。それだけやって駄目なら、とりあえずあきらめた方がいい」
あと、プーランクがゲイだったという新発見。(「偶然の旅人」より) -
村上春樹の比喩表現がおもしろくて好き。シーツの皺を直すみたいに口の端をきゅっとひっぱって微笑む仕草、だとか、彼の耳たぶはちょうど今焼きあがったばかりのマドレーヌのようにふっくらしていた、とか。
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過去に読んだ短編もあり、やはり村上春樹は良いなと痛感させてもらいました。
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村上春樹苦手だったが、この短編集はすっと入ってきた。日常の描写や感情の描写が目に浮かぶ又は実感として感じられる所が良かった。
表題の『めくらやなぎと眠る女』の難聴のいとこへの彼の小さな苛立ち
『我らの時代のフォークロア〜高度資本主義前史』の藤沢嘉子の彼が求める「肉体的一体感」への対応。決めたものはどうしてたか崩せない。周りが何と言おうとそれを崩したら、自分の中で何かが変わってしまいそう。でも、彼の要求も受け入れたい。受け入れない自分は彼に悪い事をしている気がする。そして苦肉の策。 -
二月にNHKブックレビューで、高泉淳子さんが薦めていて
すぐ予約して、3ヶ月以上待ち、ようやく手に入りました。
ちなみに高泉さんも、昨年マイミクさんに教えてもらって
劇的な出会いを感じた女優さんで
夏に舞台を見に行きました。
今年村上春樹氏の読者にデビューして、
「ノルウェイの森」「ねじまき鳥クロニクル」に続いて
三作目になります。
先の二作は長編なので、続きが気になって
だんだん本に束縛される日が増えてしまったのです。
今回は短編24作品なので、のんびり読めるかなと思ったのですが
結局面白くて、「次はどんな話なんだろう」と気になって
だんだん加速がついて読書時間が増えてしまいました。
ノルウェイの森のときもジャズの形式のように思うと書きましたが
私にとって彼の文は本当にJAZZのアドリブのようです。
PIANOを何年も弾いて、何曲も弾いてきたのに
JAZZのアドリブは私の知っているピアノの鍵盤以外の鍵盤があるようです。
ただ順番が違うだけなのに。
そして村上氏の文章も、私の知っている日本の字が並んでいるだけなのに、まるで思いつかないところに表現をもっていく。
でもJAZZも村上氏もその流れがとても心地よいし、共感してしまうのです。
全部面白かったけど、【偶然の旅人】を読み終えた直後
本当に偶然、驚くべきできごとが起こったことをここにメモしておきます(メモできない) -
村上春樹の短編集です。1990年代から2005年あたりまでに書いたまたは書き直したという24のお話が収められています。村上さんご自身も序文にあたって短編小説は心の墓標のようなものと述べておられるように、これまでの長編小説と短編小説は作品を作り上げていく上で密接に結びついているようです。
村上作品の長編を全部を読んだわけではないのですが、確かにこのひとつひとつの短いお話を読んでいると自然に以前読んだ小説の一部分が呼び戻されます。あの小説の雰囲気だなあとか、この人はあの人物のようだと思いながら読んでいました。この中で「スパゲッテイ-の年に」の終りの文が至極詩的で素敵でしたのと「七番目の男」は大震災での大津波を予言したような情景だったので、印象に残りました。 -
『象の消滅』とセットで読みたくなる。
何回も読めるのは良い短編集だと思う。
https://encount.press...
https://encount.press/archives/435658/