1Q84 BOOK 3

著者 :
  • 新潮社
3.73
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本棚登録 : 16400
レビュー : 1751
  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534259

感想・レビュー・書評

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  • 不明なままの箇所はたくさん有るけれど、それでもいいし、それらが解明されるような続編が出てもいい。続編がもし出たら、読むだけであり、出なかったら、社会に対して問題提起をし続ける気なんだろう、とも解釈出来る。

    あっち と こっち のボーダーライン上を危うげに歩く青豆と天吾。ラストは素直に「ああ、よかった」と思った。

    緻密に描かれているのにとても曖昧な、いびつな世界観に魅了されっぱなし。バランスの取れていない世界。それが村上春樹が抱いている世界観なんじゃないかってふと思ったりした。

    ただしいものと
    そうでないもの なんて
    人の感性ひとつで変わるものだから。

  • エンディングが近づくにつれて
    名残りおしく、物語から出たところで
    何かが残る。近年の村上春樹の長編で一番のハッピーエンド?エンドではなくBOOK4希望ですが、あえて読者に委ねてるのか、無意識の振動を待ってるのか? あと一冊ないと一年にならないが、それも狙い?

  • 一見、ハッピーエンドに終わったかのように思えたBOOK3(無理やりに感じましたが)。

    月が2つある世界から抜け出せたことはわかりました。
    しかし、青豆はエッソ石油の看板、「タイガーをあなたの車に」のタイガーが右側ではなく左側の顔を向けていることに気づく・・・。

    これは元々いた世界に戻れたのではなく、新たな世界に足を踏み入れたことを示唆しているのだろうか・・・。

    ミステリー小説ではないので、すべての謎を解明して欲しいわけではないが、プツリと切れた糸があまりにも多すぎる。
    ので、BOOK4がでるのを期待してます。

  • 面白かった。夢中で読んだ。長さは全く感じなかった。村上春樹の作家性そのものは必ずしも好みとはいえないが、少なくともこの物語には先へ先へと進める力があった。
    BOOK4はどうだろう。
    もちろん出版されれば喜んで読むだろうが、別になければないで良いように思う。牛河の空気さなぎやふかえりの動向など、気になるところがないわけではないが、消化不良というほどのものでもない。あとは各々考察を、で充分な気もする。


    読みかけの「ねじまき鳥クロニクル」での、もういいわ!お前の脳内BGMとかどうでもいいわ!お前がどうなろうと知ったこっちゃないわ!っていうあのかんじがなくてぐいぐい読めた。
    多分三人称形式で距離感を出してくれたのがよかったんじゃないかな。
    村上春樹の作品、そんなにたくさん読んでるわけじゃないけど、主人公に対するまたお前か感が半端ないじゃないですか
    古いクラシック又はジャズを聴きながらコーヒーをつくり、冷蔵庫にあったクラッカーとかチーズとかトマトとかなんかそういうので作ったサンドイッチとかで簡単に食事を済ませ、ウィスキーを少し飲みたかったけれども我慢し、わからないな、どうして世界は僕を放っておいてくれないんだろう、やれやれ
    っていうあいつ!
    またお前か!

    村上春樹ってそんな万人受けする作風のひとじゃないように思うんだけど、それでもこんなに人気があるんだからやっぱり地力が桁違いなんだろうな、わたしも文句いいながらそこそこ読むしね、面白いよね。

    とにかく天吾にはそういうまたお前か感がなくて好感を持った。いや眠れないので冷蔵庫にあったトマトとチーズでサンドイッチを作って食べたりはしてたけど。許容範囲。

  • 村上春樹の1Q84-3巻を読了。牛河の容姿について前編で執拗に描き込まれていたのが、ようやくここで繋がった感じ。天吾と青豆、そして牛河が求心的に距離を縮めていく物語の疾走感が面白かった。孤独な3人が目撃した夜空に浮かぶ2つの月。といってもここで本当に孤独なのは牛河なんだけれども、その子供のような小さな体で滑り台の上から再び2つの月を見上げる描写がなんとも切なかった。冬の夜の公園で異様な光景を目の前にしても一人。咳をしても一人。

  • 色々な意味が暗示されているのだろうけど、今の私にはなかなか難しい内容だった。
    だけど、ラストの部分は本当によかったなぁと思った。
    あと、BOOK3から牛河の章が始まるが、その章があることで、全体像を見やすくしてもらえた気がする。

    どうでもいいことだけど、青豆とタマルの会話で、青豆が「~だわ」というような語尾をたくさん使っている箇所があったけど、それまでもその後も言い切りの形ばかりだったので、妙に目立って気になった。

  • 青豆、天吾。
    ふたりの世界がひとつになっていく
    20年の時を経て、ようやく再開できたふたりは
    この世界から逃れることができるのか

    結論から言えば、2巻がいちばんおもしろかったかなぁ
    この3巻は、ひたすら純愛ストーリー

    ふたりが逃れた先の世界は、どんな世界なんだろう

  • いろんなテーマが見え隠れする本。
    私が読み取れたものは次のものたち…
    ・20何年前の、淡い光を放つ恋心。
    大人になるまで誰とつきあっても誰ともつきあわなくても、ただ一人を想い続ける。言葉も交わさないまそれぞれの時間が流れ、お互いが想い続けていて望み通り結ばれる。
    奇跡だけど、ありえないと思ってしまうけど美しくてうっとりする。どちらかが死んでしまうと思っていたけど(予期悲嘆)、ヨカッタ(涙)
    それこそを生きる意味と断言する、壮大なラブストーリー。時空も越えてますから。接触する前から、精子も飛ばして妊娠してますから。想像妊娠じゃないよ。
    ・子を宿す
    そう。青豆が妊娠をする。ちいさなものを宿した青豆から孤独が去っていく。私にはこの子がいる。離れられない。守るしかない。
    私もおんなじ思いを抱いたことがある。
    だんなとケンカして別れようかと思ったとき、寝ている娘を見ながら「だんなと別れてももうひとりじゃないんだ」と、何とも言えない、うれしいような責任が重すぎるような複雑な気持ちになって涙がだーだー出た。きっと母になった人はなんどか抱く感情なのだ。
    ・各種友情
    対タマル。互いの心情を可能な限り理解しようとし、信頼する。粋でスマートで、会話も仕事もまた惚れ惚れしてしまう。なんかおもしろいし。
    対2人の女友達。レズッぽさがしばし覗くのもどことなく美しい。
    ・親子について
    親の存在。
    幼い頃は絶対的なその存在。逃れるのが2人ともだいぶ早いが、単純に好き嫌いでも合う・合わないでも説明しきれない、親子のつながり。


    途中で気づいたけれども、この話の中にはイヤなやつというのが出てこない。みんなどこか好感が持てたり憎めなかったりする。
    牛河でさえ、孤独なそれまでの人生が徐々に明かされ、気の毒な最期を遂げるとお疲れ様…とねぎらいたい気持ちになる。かわいそかわいそ。
    牛河、他の2人同様、やはり孤独。容姿は悪い意味でかなり目立つタイプであり、家族でも浮いていた。でも自分の能力、粘り強さ、…を正当に評価し、最後の仕事を詰める前で一歩及ばず。日の当たらないところにいても、自分を信じるっていうのは人生を生き抜くために大事だね!と教えられたよ。


    フレンチの料理のタイトルみたいな、各章の名前もなんか好きだ
    な。


    レビュー続く…かも

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「この話の中にはイヤなやつというのが出てこない」
      そう言われれば、そうだ。
      読み終わった時に、不思議に感じたのは、その所為だったんだ、、、
      「この話の中にはイヤなやつというのが出てこない」
      そう言われれば、そうだ。
      読み終わった時に、不思議に感じたのは、その所為だったんだ、、、
      2013/04/24
  • ※ネタバレ注意
    (スマホだとネタバレ設定がうまくいかなかった)

    超ロマンチックな恋愛物語(だとおもう)。

    愛と意思の力で運命(リトルピープル的存在)に立ち向かう、とても勇気の湧く物語でした。

    1Q84の世界はこことは違う世界として描かれているけど、そこがどんな世界であれ、僕たちは不条理な世界に生きていかなくてはいけない。

    でも、この世界で本当に大切な人と同じものを見ているということは(例えば二つの月)どんなに幸せなことだろう。

    リトルピープルや二つの月が何を意味するのか、良き者か悪き者か読み解けなかったけど(あるいは中立?)、愛と勇気で立ち向かい、運命を切り開く。

    僕らも人生を生きていく上で、リトルピープル的存在に運命を支配されているだろうと思う。それは「悪い予感」であったり「否定的な感情」であったり、様々な形でリトルピープル的な存在が僕たちの人生を悪い方向に導こうとする。
    でも、それだけじゃなくて、リトルピープル的存在に愛と勇気で運命に対抗できるんだという力強いメッセージを感じることができました。


    (スマホで書いたので見直しできてない。後で書き直そう)

  • 初読。
    BOOK2より初めてBOOK1を読んだ時の興奮が蘇ってきたぞ!

    しかし、当然 BOOK4に続くものだと思っていたら
    BOOK4は出るのか!?いやそれだと1Q85になってしまう、
    前段階のBOOK0か?
    と、諸説あるのですね。

    確かにハッピーエンディングっぽいけど、
    いやいやいや、まだまだ謎は全然放置されてるでしょ!
    これで終わったら…と思ったけど春樹氏はBOOK2を書き上げた段階で
    終わりのつもりだった、とか。えー!
    でもそうやってジリジリ待つのも面白いものね。

    で、BOOK4。
    天吾と青豆になんと牛河sideが加わって謎が解き明かされていく。
    ミステリー色が強くなって頁をめくる手を急がせるぞ!

    一度死んで生まれ変わった看護婦ーはあの彼女なのだろうしー
    タマルの仕事場面や天吾の父親のNHKの集金や
    ついに出会えた天吾と青豆、そして虎が反転した世界、
    一気に動いたことと、ふかえりは?教団は?リトルピープルとは?
    という残された謎、でも全てがつまびらかになるとも思えないかな?

    今巻は青豆の潜伏中でも規則的に繰り返される生活の描写、
    天吾の準備の早さなどが個人的ツボ。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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