ねむり

著者 :
制作 : カット・メンシック 
  • 新潮社
3.38
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  • 本棚登録 :1060
  • レビュー :186
  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534266

作品紹介・あらすじ

覚醒する新世界。目覚めつづける女の不定形な日常を描いた短編『眠り』が、21年ぶりの"ヴァージョンアップ"を経ていま再生する-ドイツ語版イラストレーション、日本版のためのあとがきを収録した、村上世界の新しい「かたち」。

感想・レビュー・書評

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  • 私の大好きな短編「眠り」のイラストレーション付き単行本。
    深い群青と鋭いシルバーのコントラストがとても素敵な雰囲気をつくりあげています。
    「眠り」は一度読んですぐ気に入って、読み返すのはそれ以来なのですが、そのときとはまたちがった面持ちがありました。
    どんよりとたちこめる死の影と、果てしなく果てしなく広がる精神世界。
    死ぬということが、永遠に覚醒し続けることだったら?
    底のない暗闇をただじっと見つめていなければならないだけだとしたら?
    まるで私も彼女のシティに閉じ込められたかのような息苦しさを感じていました。
    アンナカレーニナ読みたい。
    あとがきで、この短編の執筆背景について語ってくださっているのもファンとしては嬉しい。
    窓から見える人々は楽しげで、陽気で、鮮やかな原色の花があふれる、春のローマ通りの光景。
    やれやれ、これからまたなんとかやっていくしかないな、という爽やかで気持ちの良い諦念にも似た決意。

  • やっぱり村上春樹の文体は心地いいなあ。
    アフターダークにも似た感覚。
    時間を置いてもう一度読もうと思う。

  • アカデミーヒルズでの待ち時間30分で読みました。
    これまた独特の世界。
    カフカの変身を思い出しました。
    ちょっと気持ち悪いけれど、でもやっぱり好きです。
    ただ、表紙をめくったところにびっしり描かれたセミには、ちょっと勘弁して欲しいです。

  • 挿絵の評判が良かったが、あまりに主張してきてワタシはダメだった(- -;) 村上作品は自分の中でじっくり読みたいナ。

  • 新書くらいの厚さで新書を二回り大きくしたハードカバー。
    なんだか持ったときの感触が心地いい。
    絵本のように紙が厚いのも手触りが良かった。

    ふんわりした終わり方をするのかと思っていたら、
    ラストが後味が悪いというか、怖い終わり方でびっくりした。
    「世にも奇妙な物語」でやってもおかしくないような感じ。

  • ものすごく眠れない、不眠の時期にこの本と出会いました。
    不眠の女性のお話とのことで、運命だと思いました。

    これで共感しながら読める!と思ったのもつかの間。
    この本は、とてもよく眠れる本でした(苦笑)

    この本のページを繰ると、あっという間に睡魔が訪れ、
    毎回、深い眠りを満喫することができました。

    そんな訳で、私にとってこの本は、本来の意味での「ねむり」の本でした。

  • 眠りから書き換えた箇所は判別つかず、こんなお話だった、そうだそうだと思ううちに読み終わりました。夫と子どもにはねむりがあって、自分にはねむりのこない時間帯は恐いほど自分に正直な生き方をしているのに、家族でない他人に邪魔される運命に転がっていきました。ねむりが不要=クールダウン不要の生き方をしているとテンションがあがり続け、事故にでもあわないと思考の暴走をとめられないと恐くなりました。

  • (確か)再読。図書館本。54

  • 眠れなくなってから17日目の女の話。
    歯医者の夫も小学生の息子も自分が寝ていないことに気づいていない。夜がふけると女は長編小説を読み、アルコールをたしなむ。それでも眠気は訪れない。日中もチョコレートを齧りながら読書に励む。睡魔はやってこない。
    誰もいない夜の港に車を停め、物思いにふける女。その車を揺らす二人の男。彼らはいったい何なのか。なぜ女は眠れないのか。答えは教えてくれない。(たぶん答えなんか最初からない)

    ------------------------------

    読みやすいかわりに、わかりやすい答えを用意してくれない村上春樹の短編。
    ふんふん言いながら簡単にページをめくっているが、理解できているかどうかはわからない。夜、寝ているが本当に寝ているかはわからないし、本当に日中起きているかだってわからない。読み終えた後、そういうことを考えた。自分が何を考えているのかわからないし、頭を使って考えているかもわからない。

  • 「TVピープル」に収録されていたものに、少し手を加え、イラストを挿入して新装出版された作品。
    「TVピープル」で読んだ時のことはあまり覚えていないのだが、このラストだけは非常に印象が深く、ラストを読んだ時の心情だけは妙に覚えていた。
     このラストをどう解釈すればいいのか。
     そもそもこの、最初から最後までずっと「薄い不穏な幕」に包まれたような作品をどう解釈すればいいのか。
     それは孤独なのかもしれない。
     倦怠や乖離なのかもしれない。
     現実に対する接し方なのかもしれない。
     もっと違うものかもしれない。
    「何かが間違っている」
     登場人物はラストでハッと気が付く。
     でも登場人物にはその「何か」がわからない。
     読者である僕にもその「何か」がわからない。

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