小澤征爾さんと、音楽について話をする

  • 新潮社
4.18
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本棚登録 : 1916
レビュー : 267
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534280

作品紹介・あらすじ

小説家はマエストロを聴き尽くす。東京で、世界の様々な場所で、時間を忘れ自由に語り合った一年に及ぶ日々。不世出の指揮者、その煌めく魂に触れる迫真のロング・インタビュー。

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹さんがこんなに音楽マニア(オタク?)だったと、初めて知りました。

    なんかもう、笑えるくらいの知識の豊富さに加えて、とても耳がいいんだと思う。わたしなんかみたいにレコードを集めてなんとなく「聞く」んじゃなくて、「聴く」ということをしている人なんだなと。小澤征爾さんとこんなに話が噛み合うんだから、物書きの天才はやはりそこだけには留まらないんだなーと。

    対談はとても面白くて、二人が聴きながら話しているCDを聴きながら読むともっと面白い。残念ながら同じ指揮者やソリストじゃないんだけど。。

    マーラーも真剣に聴いたことがなかったけど、読みながら聴くと面白い。マラ2素敵。
    オペラも『フィガロの結婚』と『魔笛』くらいしか観に行ったことがなかったんだけど、今ものすごく興味を持ってしまっている。『ラ・ボエーム』が観たい。

    話している内容ってほとんどわからない(同じレコードがなし、知らない人物の名前が多いしで、とても調べながら読んではいられないから)んだけど、音楽熱がかなり上がる一冊でした。

    • yoshie3さん
      さっき、別ルートからこの本を知って、WEB予約をしようとしたけど、出来なかった。。
      帰国したら、図書室で予約をしてみる♪
      さっき、別ルートからこの本を知って、WEB予約をしようとしたけど、出来なかった。。
      帰国したら、図書室で予約をしてみる♪
      2012/06/17
  • 「アンダーグラウンド」と比べていいのか
    分かりませんが、村上さんは人の話を聞くのが
    すごく上手いなぁと感じました。
     音楽については、自分のペースで聴けたらいいです。

  • こんなに解らない分野のことを、こんなに面白く読めるって
    やっぱこの人の文章力なんだろぉか。
    それとも、心から好きなことを語り合う人同士の話って
    解る解らないを跳びこして、こんなにも面白いものなんだろぉか。
    ともあれ、凄い♪

    録音した会話の中から、丸々書き起こしてる訳じゃないだろうに、
    例えば
    「これ、砂糖ですか?」みたいな本題とは関係ない部分のチョイスが
    効いてるんだよね~。
    その辺は、やっぱり著者のセンスだわね♪

  • 驚きました。春樹さんといえば、ジャズとクラシックがとてもお好き、ということはもちろん知っていたのですが、世界の小澤からこんなにも深い話を聞き出せるほどの“好き”であったとは。





    私はクラシック音楽には全然詳しくないのですが、小説家村上春樹のファンなので、ただ、春樹さんの語りが読みたい、という興味でこの本を手にとりました。

    小澤征爾さんの娘さん・征良さんとたまたま知り合いだったというご縁から、春樹さんは時折、小澤さんとも親交を持たれるようになり、特に、小澤さんが大きな病気をされてからはその機会が多くなったとか。そして、(たぶん)音楽畑にいない自分だからこそ気楽に語ってくれるこの話を誰かがテープにとって文章として残すべきである、と思われた、というきっかけには頷けるものが。
    だって、春樹さんって、これまでにも感じていたたけれど、その人が語りたいことをピンポイントで引っ張り出す優しさをお持ちの方だなぁ、と思うから。
    小澤さんという人も、たぶんかなりフランクなお人柄で、音楽の話をするのもお好きではあったんでしょうが、こんなにも気持ちよく話せた自分(*^_^*)に驚かれているのでは、と思います。

    春樹さんは、この本の最初で、世の中には「素敵な音楽」と「それほど素敵じゃない音楽」がある、というデューク・エリントンの言葉を引用しています。
    これだけで、春樹さんは音楽がホントにお好きなんだなぁ、と感じとられ、とても嬉しくなりました。どのジャンルであれ、音楽ファンには、いいものはいいと認めつつ、それほどでもない、という演奏にはかなり辛辣になったり、極端なことを言えば、悪口が言いたいがために音楽の話をしているんじゃないの、と思えることもあるから。

    それにしても・・・
    上にも書きましたが、春樹さんのクラシック音楽に対する深い愛情と膨大な知識にはホントに驚きました。素人が“蘊蓄”を語ることなく、こんこんとただ綺麗な水が湧きでるようにひとつひとつの演奏や指揮者、演奏者についてさらっと口にし、小澤さんがそれに応え、かつ、忘れていたけど…と言われながら当時のあれこれ(これは小澤征爾の、そして、クラシック界の貴重な歴史なんでしょうね)を語る、というパターンが実に素晴らしいです。

    小澤さんがスイスで毎年行われている、若い弦楽者たちのためのセミナーにも春樹さんは同行されてます。寄せ集めの若い演奏家たちの演奏がたった10日間ほどでどんな具合に“良き音楽”になっていくか、の美しいレポートには感嘆するばかり。
    (私は、中・高・大・社会人、と吹奏楽バンドでピッコロを吹いていたので、1人の指揮者によって音楽が変わって行く様、特に、バンドの他メンバーの音が急に厚い層として耳に入ってくる&その中に身を置く自分の位置が喜びを持って感じられる、という経験は持っています。レベルは全然違うけれど、そんなことをふっと思い出したりもして、これも嬉しいことでした。)

    また、休み時間に受講者たちと話をしたことを小澤さんと後に語っていた際、「彼らはそんな風に思っていたんですか」と小澤さんが驚かれるのも面白かった。プロの音楽家ではない春樹さんだから、(そしてやはり春樹さんが人の本音を引き出すのがお上手だから)話してくれたんでしょうね、と言われているのも納得できたし。

    「音楽好きの友人はたくさん居るけれど、春樹さんはまあ云ってみれば、正気の範囲をはるかに超えている」、そして、「春樹さん、ありがとう。あなたのおかげですごい量の思いでがぶり返した。おまけになんだかわからないけど、すごく正直にコトバが出てきた」という小澤さんによる後書きが、春樹ファンとして、とても誇らしかったことをここに記しておきます。(*^_^*)

    • ゆきさん
      はじめまして。goodマークありがとうございました!
      春樹さんの、お話を聴き出す優しさ、能力に改めて感嘆、そして納得されたようですね。自分...
      はじめまして。goodマークありがとうございました!
      春樹さんの、お話を聴き出す優しさ、能力に改めて感嘆、そして納得されたようですね。自分の感想ではその部分について書き忘れていたので、「そう、そう!」と思いながら読ませていただきました。
      わたしは村上春樹もクラシック音楽も好きなので必然的に(笑)手にとりましたが、クラシック音楽にとくにご関心のない方にもこのように楽しめるのだなあ、と思いました(あ、じゅんさんは吹奏楽部で演奏されていたので、クラシックにお詳しくないとはいえ音楽自体はお好きなんですね)。
      わたしも本についておしゃべりするのが大好きです。よろしくお願いします♪
      2012/01/03
    • じゅんさん
      >文月遊亀様
      嬉しい書き込み、どうもありがとうございます!(*^_^*)
      この本の感想を書く前に、皆さんの感想を読ませてもらおうと思って...
      >文月遊亀様
      嬉しい書き込み、どうもありがとうございます!(*^_^*)
      この本の感想を書く前に、皆さんの感想を読ませてもらおうと思って文月遊亀さんのお部屋にたどりついたんですよ。(*^_^*)

      文月遊亀さんの感想には、うんうん!そうだよね!と、深く共感させてもらいました。(*^_^*)特に、春樹さんが、書くことを音楽から学んだと言われたところでは、やっぱり文章にはリズムが大事なんだぁ~~と楽しくなっちゃって。(*^_^*)

      遊亀さんはオケでバイオリンを弾かれていたんですね。春樹読者で、クラシック音楽がお好きで、となるともう無敵!\(^o^)/じゃないですか。
      新年早々、素敵なお友だちができたようでとても喜んでおります。どうぞ、あれこれたくさんおしゃべりできますように!
      よろしくお願いします。
      2012/01/03
  • 考えてみれば、この二人の対談というのはアリだろう。村上も自分で書いているが、二人には確かに共通する部分があるからだ。何点かの共通点は、実際に村上の文章で読んでもらうことにして、一つ思い出したのは、どちらも日本で権威があるとされている人たちにこっぴどくいためつけられていながら、ちょうどそれとは反対に海外ではたいそうな評価と好意を得ている点だ。

    今の人は知りもしないだろうが、小澤は忘れていない。ちゃんとN響からボイコットを受けたことを口にしている。村上にしても日本文学の権威筋からはかなりバッシングを受けている。はっきりと書いているわけではないが、村上はそうした二人の共通する部分をかなり意識しつつ、このインタビューを持ちかけたにちがいない。

    小澤がここまで心を開いて音楽について語ることができたのは、村上に対する信頼があってのことである。たしかにかつてジャズ喫茶のマスターであった村上は自分で言うほど音楽の素人ではない。クラシックにしても、そのレコードコレクションがどれほどのものかは、小澤が驚くほどだ。

    ではあるにせよ、演奏家でなく単なる聴き手にすぎない作家相手にずいぶん突っ込んだ話をしているし、最後にはセミナーの会場に同席を許してさえいる。音楽と文学という異なる分野で仕事をしていても、互いを理解し合える相手を得たという悦びがインタビューから伝わってくる。音楽について話される内容は勿論のことだが、何よりそういう生き生きした前向きな感動があるのだ。

    音楽については、大好きなマーラーについて「巨人」第三楽章の曲をかけながらの対談が素晴らしかった。小澤の「とりーら・ヤ・った・たん、とやらなくちゃいけない」というようなくだけた語り口調がそのままマーラーの曲になって頭の中に響いてくる。音楽について書かれた本を何度も読んだが、こんな経験ははじめてだ。

    対談の中で村上が文章を書く方法を音楽から学んだと語っている部分に感銘を受けた。「文章にリズムがないと、そんなもの誰も読まない」「でも多くの文芸批評家は、僕の見るところ、そういう部分にあまり目をやりません。文章の精緻さとか、言葉の新しさとか、物語の方向とか、テーマの質とか、手法の面白さなんかを主に取り上げます」。このあたり、かなり手厳しい日本の文芸批評に対する反論になっている。村上はきっと音楽を聴くように自分の作品を読んでくれる批評家を待っているんだ。そう思った。

    でも、日本にも村上の良さを分かる批評家はいる。例えば、清水徹が、こう語っている。「普通に書いているようでいて、突然予想外な発展をしていくし、それから文体に魅力というものがある」(『書物への愛』)。これなど、村上の「しっかりとリズムを作っておいて、そこにコードを載っけて、そこからインプロヴィゼーションを始めるんです。自由に即興をしていくわけです。音楽を作るのと同じ要領で文章を書いていきます」という発言の言い換えのように読める。

    村上は小澤の音楽についての話を書き残しておきたいという思いがあったのだろうが、期せずして作家としての自分の仕事について誰かに心おきなく話しておきたいという気持ちも無意識の裡にあったのではないだろうか。それが、小澤という願ってもない相手と向き合ううちに自ずから顕れ出たのが、このインタビューであったような気がする。まさに、運命の出会いというべきである。

  • 一気読みした。
    村上春樹がクラシックを勉強しすぎていてビックリした。小澤さんよりも音楽史的なことは把握出来ていて、小澤さんに「そうなんだ。」と言わせていた。

    小澤さんが本をあまり読まない様で、「文章にリズムなんてあるんだ。知らなかった。」みたいなことを言ってる。村上春樹がインタビュアーだったら何かしら作品の話するかな、と思ったけど一切出ず。。。

    バーンスタインの弟子時代・副指揮時代の小澤さんの勉強の取り組み方はすごい。早朝からスコアとにらめっこする。誰にとっても楽譜を読み込むことは基本中の基本なこと。誰も劇場にいなくなってからスコアをピアノで勉強する。安月給でも他のアルバイトをしていては勉強の時間が無くなるので一切しない。常に劇場へスタンバイしている。だから、急遽指揮者交代しないといけないときは小澤さんが信頼されて指揮を任された。ここまで仕事にかけていたから今の成功があるんだと思った。

    • mitsukinomoriさん
      面白そう!!読んでみたくなった。
      面白そう!!読んでみたくなった。
      2011/12/26
    • なっちゃんさん
      ありがとうございます!面白いです★是非♪
      ありがとうございます!面白いです★是非♪
      2011/12/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      早く文庫にならないかなぁ~
      早く文庫にならないかなぁ~
      2012/05/29
  • 面白くてあっという間に読み通してしまった。デューク・エリントンからの引用—世の中には「素敵な音楽」と「それほど素敵じゃない音楽」の二種類の音楽しかない—、村上春樹が音楽から学んだというリズムを大切にする文章の書き方の話、小澤征爾から見たカラヤンとバーンスタインの違い、などの話が特に印象に残った。

  • 図書館で借りて読んだんだけど、あまりにも面白かったので、買ってしまいました。話に出てくる曲を収録した三枚組CDも。曲と向き合う村上春樹の集中力は彼の小説に対するそれと全く変わらない。プロの小澤征爾が驚嘆するのも頷ける。彼の音楽に対する造詣の深さと聴き込みの深さ、とにかくすごい!

  • 対談ということで非常に読みやすい。小沢征爾が語る他の演奏者、クライバーやバーンスタインについてなど興味深かった。村上春樹の聴き込みの深さ、音楽についての鋭い洞察、音を言葉にする技術に脱帽。クラシック音楽はよく聴くけど、これまでやや敬遠していた「世界のオザワ」の演奏を聴きたくなった一冊。

  • 20130502読了

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