図書館奇譚

著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (2014年11月27日発売)
3.32
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  • 89レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (75ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534303

図書館奇譚の感想・レビュー・書評

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  • 「カンガルー日和」の佐々木マキさんでずっと読んできたので、この絵にビックリ!
    しかもドイツのイラストレーターさんとのことでそれにも驚く。
    文章にも手を入れたとのことだけど、絵のおどろおどろしさに本当に同じ話?と「カンガルー日和」を読み直したい気持ちになる。
    どちらかというとファンタジーと思って読んできたのに一気にホラーのエリア入り。
    挿絵に虫を描きすぎだし。
    主人公は少年なのか青年なのかわからなくなってきた。
    それにしても、脳みそちゅーちゅーも毛虫壷も闇の中裸足で何か踏んじゃうのも嫌すぎる。

  • 村上春樹がよくいう、心の底の暗い部分を掘り下げていく話というのは、多分こういう短篇に原点があるのだろうな、と思う。夢でも見ているような突拍子もない転回に、どことなく後暗い思いが潜んでいる。その事を上手く覆い隠すのではなく、じくじくとした生乾きの傷痕に触れるようにして後暗いところに踏み込んで行けるのが小説家の本分なのだと思う。もちろん、つまびらかにした詳細をそのまま言葉に置き換えたりはしないだろうけれど。

    夜の闇の持つ不可視さは、ひっくり返せば可能性ということでもあり、不可思議な世界の不可侵さでもある。そのことを村上春樹は理解していて、そのニュアンスをすっと入れ替えるのが巧みだと思う。多分、人は一つの物事を一つの意味できっちりと捉えるのが苦手な生き物なのだと思う。その時々で対象物は自分にとって善ともなり悪ともなる。だから、物事の好ましい面と煩わしい面は常に表裏一体であると考えておくのがよい、自分自身のことを含めて。

    このシリーズは、挿し絵が夢とも現とも着かない「夜」の雰囲気を捉えていて、大人のための童話という印象が残るのが好もしい。矢作俊彦の名無しの探偵シリーズの谷口ジローの白黒の挿し絵のことが何となく思い出されるけれど、日下武司の朗読が活字になってこの挿し絵に出会ったとき、何か見てはいけないものを見てしまったような印象を抱いたのは、今から思えば思春期の少年には理解できない大人の雰囲気がそこにあったからなのだなと思う。活字だけなら堂々と電車の中で読むこともできるけれど、この大人の絵本は人前で読むのに今でも少し勇気がいる。

  • 大人が読む絵本といった感じ。完成度がめちゃくちゃ高い!!

    「羊をめぐる冒険」や「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」などの初期の作品を思い出させる作風になっていて、まるで昔にタイムトリップしてしまった様な感覚になった。

    これこれ!私の好きだった村上春樹だーっと興奮して読み終えたけど、それもそのはず。
    あとがきに書いてありましたが、この「図書館奇譚」は1982年に発表された作品が元になっているとの事。それから何度か加筆修正を繰り返して、何パターンか出ているとな。
    うーん、全部読みたい。

  • 村上春樹。
    日本で最も有名な作家の一人で、世界でも有名な作家の一人である。
    読書家だと自負している私だが、村上春樹を読み通したのは実は本書が初めて。
    というのも、小学生から中学生にかけて、村上春樹を読んだことがあるものの、苦手意識があったのだ。
    しかも、村上龍と角川春樹とごっちゃになってしまっていたという、どの口が読書家というのやら、な認識もあり、かなり久しぶりに手に取った次第である(今は区別はついています!)。

    イラストを手がけるのはドイツ人画家、カット・メンシック。
    個人的には、日本人にもなじみやすい絵だと感じた。
    その理由として、色を抑えていることで、切り絵を思わせるからではないかと思う。

    さて、本文について、図書館はまさに不思議空間である。
    一冊一冊に異なる世界が描かれ、それは無数の、しかし薄くて軽い扉たった一枚のの向こう側にある。
    主人公の「ぼく」は、その不思議な世界に迷い込んでしまった。

    「知識の詰まった脳味噌というのはとてもおいしいものなんだよ」
    羊男は語る。
    確かにそうかもしれない。
    グロテスクでありながら、そうかもしれないと思わせる、この世界!
    牢獄から出ようとする「ぼく」と、美少女と羊男。
    三人は一緒に閉じられた世界から出ようとした。
    しかし、一緒に、という言い方は間違っているのかもしれない。
    なぜなら彼らの世界は同一でありながら、異なる世界に生きていたから。

    私は図書館でたくさんの夢を見、知識を得た。
    そしてもっと頭が良くなれば、もっと知識を得られたならば、と望んだ。
    「ぼく」はちゅうちゅうと脳味噌を吸われるのを嫌がったけれど、知識と引き換えなら私はどうするだろう?

  • 「ねむり」「パン屋を襲う」に続く、村上春樹とカット・メンシック(絵)のコンビによるアート・ブック。
     この「図書館奇譚」には4つのヴァージョンが存在するとのこと。
     つまり
     ヴァージョン1:雑誌に連載され「カンガルー日和」に収録
     ヴァージョン2:若干手を加え「村上春樹全作品1979~1989」に収録
     ヴァージョン3:佐々木マキさんと一緒に絵本化した「不思議な図書館」
     ヴァージョン4:本書
     僕は全てのヴァージョンを読んでいるはずなのだが、どんな違いがあったのか全く覚えていない……記憶力が脆弱なのだ……ブツブツ。
     どんな内容かといえば、「図書館の地下で脳味噌を吸われそうになった」話である(本文より引用)。
    「ダークな大人の童話(村上氏本人による表現)」とあらわされているように、楽しい話ではない。
     ただ、あまり重たくなりすぎず、最後までよどみなく読み通せたのは、やはり村上春樹氏の文体によるものだと思う。
     かなり薄い本でもあるから、一気に読み通せる作品だと思う。

  • 佐々木マキの絵のほうが好き。

  • 2017 11/14

  • ダークファンタジー。薄いのですぐ読める。
    地下室も老人も不気味だが、主人公の少年の感情が薄いのが何より不気味。

  • 村上春樹の初期作品とドイツのイラストレータのコラボ。村上春樹の怪奇物というのを読み慣れてないので、この不思議話をどう読み解くのか不明。

  • 図書館好きにとってはちょっと怖い、でももしかしたらこういうこともあるのかも…いやないか。
    カット・メンシックの挿絵によって不気味な世界観が増しているような気がします。
    そして羊男はどうなってしまったのか気になります。

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