騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534334

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹は大体読んでるけど、「1Q84」よりは読み易かった印象。
    前半はリアリティのあるストーリーが展開されるが、主人公が騎士団長を殺してメタファーの世界に旅立つあたりからは、それぞれ読み手の想像力が試されるところだ。
    最後まで読んでも「スバルフォレスターの男」が主人公にとって何なのかとか、結局こちら側の解釈に拠るところが大きい。
    「顔なが」のキャラが村上作品らしいなと思った。

  • 妻と別れた画家が「騎士団長殺し」の絵を見つけたことから不思議な出来事を経験する話。現実的でないような登場人物たちの言い回しが印象的。騎士団長の「あたし」、「諸君」、「あらない」などの言い回しが癖になる。

  • 後半はどんどん視界が狭まって、読み終えたときには水面から顔を上げたような気持ちになるくらいのめり込んで読んでしまった。終わり方がおさまるところにすべておさまってすっきりした感じでよかったです。幽霊とかそういったわかりやすい怖さではないのに、穴の場面とかまりえの場面とか、文を読んでいるだけでこちらも脇に冷たい汗をかくような怖さがあって、こういうことがあるから村上春樹を読むのはやめられないと思う。(まだわたしには読んでいない作品がたくさんあり、それを早く読みたい反面、読み終えてしまうのが今から残念とさえ思う。)私は勇気のある、賢い女の子でいなくてはならない。

  • いつもの村上ワールドは健在で、しかも「色彩のない」のときに感じたフラストレーションみたいなものもなく、きちんと物語を閉じてくれているのがありがたい。村上春樹流に言えば円環の理を閉じる、と言ったところか。

    例によって、イデアやらメタファーやらわけの分からないものたちが跋扈する世界に、ごくごく平凡にまっとうに正しく生きているいわば善良に思える主人公が心ならずも巻き込まれている悲哀みたいなものも感じるが、それがこの人の物語の魅力なのだろう。

    第二部完みたいな終わり方をしているので、「1Q84」のように続編を期待する向きもあるだろうけれど、村上春樹の場合、長編を書き終わった後は、本当に愛読者からしてみればびっくりするほどあっさりと自作の世界を忘れ去ってしまうようなので、正直なところスピンオフの類も含め、続編には全く期待できないし、これまでもそういう例はない(はず)

  • 一部、二部を読みきったという達成感と、一体どこからどこまで繋がっている物語なのだという面白さがあった。まりえという少女が出てきてから面白さが爆発的だった。免色さんの自己紹介、「わたるは、川を渉の渉です」や「私は左利きで、右か左を選ぶ場面では、左を選びます」など何気ないフレーズも、主人公が時間のない穴に入ったときにヒントになったときは驚いた。また主人公が時間に対して疑問を持つ場面では、自分も同じように考えに陥り、自分の生きている世界が覆るかのような感覚になった。まりえに未完成の肖像画を渡すシーンもよかった。どの人間も完成していない、未完成であるとのメッセージを感じた。そのままにしておいていた方がいいこと、不思議なものをそのまま楽しむこともこの作品から学んだ。

    また作中には、海外の小説や、海外の歴史について書いてあり、そのような本も読んでみたいなと僕の本の興味を広げてもらえた!

  • まりえちゃんかわいい免色さんちょっとこわい。結局免色さんがまりえちゃんに色々を打ち明ける日はこないんだろうな。騎士団長と顔なががとてもすきだった。第3部はあらないのかなぁ。

  • イデアをこういう形でとらえて小説にするのがすごい。プラトンが読んだらどう思うのかな。

  • 読了。読むにつれて、話に引き込まれ、続きが気になって仕方がなかった。最終的に〝ユズの子供は誰の子だったのか〟〝免色はその後も双眼鏡で家を覗いているのか〟〝主人公が騎士団長を消すことと、まりえの動きに何の関係があったのか〟色々とモヤモヤの残ることが多かったけど、それは明るみにすることではないことなのかなと、自分の中に留めておくことなのかなとか色々思った。頭が良くないから考察もままならないけど...。
    とにかく読んでいて、独特の世界観に魅了されました。

  • ストーリーもそうだか、文章自体が引き込まれるようで楽しむことが出来た。騎士団長を殺す辺りのシーンは抽象的過ぎて難しかった。免色が最終的に意図していたのかが、最後まで分からないのが良い意味で不気味さを感じた。

  • R2.8
    続きがきになって、図書館で借りてすぐに読む。

    村上さん独特の、異次元に行きました。
    本当に不思議な出来事は、ワープするくらいですね。
    それ以外は、主人公のただの幻想とも思えるしね。
    でも、まりえちゃんが行方不明になって、どこに行っていたのかと思ったら。。
    ね。まさかの、免色さんの家へ侵入してたってね。なんじゃそれ。
    ま、それがまたよし。

    この本から、何を学ぶのか。それは、自分が知らなくてもいいことがあるってこと。無理して聞いてもただめんどくさいことになるだけ。知らなくてもいいことなら、知る必要なし。ってか

    そして、大学の時に即身仏を見に行ったことを思い出しました。それこそ山県のお寺だったな。
    生きたまま死ぬ。なんて、修行なんでしょうね。。。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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