- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534334
感想・レビュー・書評
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うまくおさまることはわかっていたのに、本当にどうなるのか心配でそれだけで読み進めました。
こんなになにもかも上手くいく人とは。結果的にだけれども。主人公にしても、免色にしても。
彼らはダブル主人公のような気がする。三十六歳と五十四歳。二人ともそんな年齢には見えない。精神的に。三十六歳が老けてるのか、五十四歳が若いのか。
なにかしら破壊力があるのは女性たち。特に秋川まりえ。妻のユズもかなりだけど、出番が少なかったせいか、よく理解できない。一度別れたいと言っておきながら何なんだ。それでも許してしまうのは主人公の人の良さか。
周囲の人たちも皆優しいな。雨田政彦。肖像画ビジネスのエージェント。騎士団長や雨田具彦も入るのかな。あとみみずくも。
結果的に主人公は、免色渉をあまり信用してなかったということなのか。騎士団長との方が信頼関係はあった気がする。騎士団長は免色の目には見えてなかったようだし。
そういえば秋川笙子の読んでいた本のタイトルがわからなかった。 -
初村上春樹。村上春樹の何がそんなにいいのか、試に読んでみるか・・・と読んでみた。確かに、今まで読んだ他の作家さんたちとは、同じ日本語を使っているとは思えない表現だった。引き込まれていった。ストーリーは、ミステリーのような、SFのような、スピリチュアルなような、なんとも言い難いものだったけど、おもしろかった。とっても奥深くて、感慨深かった。
私にとっての穴、私にとっての白いスバルフォルスターの男、私にとっての騎士団長が、身近にあるような気がする。 -
「騎士団長殺し」の画を軸に異次元の世界に入り帰って来て元におさまっていく話だが、相変わらず村上さんらしい世界に何故か引き込まれていくのが不思議である
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私である彼が羨ましい。
「自分はワンセットの遺伝子を引き継いで、それを次の世代に送る容れ物に過ぎない。そしてその職務を別にすれば、自分はただの土塊に過ぎない。」
騎士団長にぼくも出会いたい。でもちっとやそっとなやつでは現れてくれないんだろうな。
村上氏が言葉で描く日本語のニュアンスが読むたびにとても新鮮で心地よい。自分は日本語だからと、そのように理解し受け止めている。海外向けの場合、それは正しく伝えているんだろうかって心配してしまう。彼自身が校正したとしても。あの日本語で感じるニュアンスを。余計な心配ごとだけど。
それとセックス描写が不快とかポルノ?などの意見を見聞きしてそう思う人もいても仕方ないかもしれないけど、それは生活の一部に過ぎないのかな? それを描写しないですむ表現もあるだろうけど村上氏はそれを含めてのことじゃないかと。ぼく個人としては自然なことだと感じてるんだけど。
イデアもメタファーも調べたけど未だしっくりカラダにしみてこないっす。そのうち馴染む時がくるのだろうか?
そうそう、もう少しで終わりかぁって分かるくらいのページ数なのにまだあと1部くらいかけんじゃね⁈って位、終わりが見えてなかったけどいきなり駆け足で終わりにした感がしたんだよなぁ〜。その辺がちょっと物足りなくて残念ではあったんだけど、久々に村上春樹って面白いって感じたわけで。感謝です。ごちそうさまでした! -
色彩を持たない免色さんやふくろうや離婚してひたすら一人旅することや穴の中に入ってみたりすることなど、どっかで聞いたことがある話しのような気がしていたが、全部村上春樹さんの本だった。それくらい村上春樹さんらしい話しだけど、その分新鮮味には欠ける。というかお腹一杯。クロニクルとカフカの余韻を楽しむみたなことだったら分からなくもないけど。
ちなみにイデアとかメタファーとかそういうのは本当にどうでもよくて、いつもはそういうのもお話しのテンポが良くて気にならないのだけど、今回は少々あざとくてなかなか読み進むスピードが出なかった。
青いプリウスとか銀色のジャガーとかスバルフォレスターとかの車が効果的に使われてるのは好きだったかもしれない。それとそもそも話がややこしいので時系列や場所がアチコチ飛ばれるとついていけなくなりそうだったけど、そこがじゅんぐりにつながっているのに、毎章ごとに安心していた気がする。
それにしても免色さんにだけはずっとくぎ付けだった。自分の中にある免色さん的な何かがミシミシと動き出しそうな感じは何とも不気味だったかもしれない。
免色さん何者? -
第1部に続き、村上ワールド炸裂!
60センチの騎士団長が、誘う不思議な世界に入り込んでいく「私」。どの登場人物の言葉も、哲学的で、軽いやりとりの中にも、考えさせられる台詞がたくさん出て来る。
最終的にはハッピーエンドだけど、そこに至るまでの過程がいまいち理解出来ないところも… -
どうとでも読める小説なので感想を言葉にしづらい。全てが何かの比喩にも思える。書かれていることを受け取るためには読んで体感するしかないという小説。
今まで読んだいくつかの村上春樹の作品の中では、いちばん心に響いた。
こころの中に、ここではないどこかの美しい風景やイメージをいくつか持っているということは、人が生きるのを励ますのだと思う。みみずくがいた屋根裏の風景もまた、私にとって大切なイメージのひとつとなった。 -
現実、非現実 般若心経の世界を想起させる。
第三部上梓はいつだろうか?
乳房の膨らんだまりえの色濃い沙汰、かおなしの肖像画依頼
免色と笙子の別れなどが語られるのかな?
村上春樹はノーベル賞など要らぬほど凄い