騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3772
レビュー : 552
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534334

感想・レビュー・書評

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  • いろいろ気になる(さわる)ところを棚上げにして読み進めてみたものの、最終的にこれはまったく自分のための本ではなかった。全能感に包まれた男が子供の使いを達成するカタルシスはいらない。

    口にするものにこだわりはないといいながらバラライカを注文してバーテンを試し、女性に対する評価は性的魅力に関することばかりな主人公にはなんの魅力も感じなかった(ドンナ・アンナにさえ男性から見てどうかを言わずにいられない主人公はほんとうに気持ちが悪かった)。そういう彼に年上の人妻やら美しい少女が心を開く理由がさっぱりわからない。そうだったらいいなという書き手の妄想の気配しかない。

    そんな主人公が何も自分で選ばず周囲に後押しされて「がんばった」結果、病的にイケメン好きな妻が戻ってくる(だからそもそも妻が別れたがったのだって主人公のせいじゃない)んだからおめでたい。白いスバル・フォレスターの男も、免色も、穴と鈴も、彼が行って帰ってくるための道具にしかなっていない。妻の恋人の結婚失敗の理由を描いたくだりはとても下品だし(いくら脇役だからと言って、小説家があんな風に雑に人の人生を語っていいものだろうか)、とってつけたような東日本大震災のエピソードには呆れるしかなかった。

    もう村上春樹とはお別れな気がする。わたしは年を取ったけれど、春樹はいつまでも15歳なのだろう。

  • (…上巻からの続き)
    村上春樹はミステリー小説を書いているわけではないので、謎めいた描写の伏線が(論理的に)回収されることは基本的にはない。とはいえ、初期の作品(世界の終わり~等)は、そのもやもや感を上回る世界観の魅力があった。

    本作ではどんな世界観を見せてくれるのだろうと期待して下巻に進めたところ、「美少女をモデルに絵を描く」という、絵的に洒落たシーン以外、見どころは正直ほとんどない。絵を描く行為自体が単調(に映る)なので、毎週主人公の家にまりえが来るのも秒でマンネリ化する(当たり前だが、一部の男性諸君が期待するようなエロ展開は一切ない)。

    その「世界観」たる部分であるクライマックスでは、①免色の家で隠れる、②病院の3階から続く謎洞窟を探検 という意味不明かつ盛り上がりに欠ける展開だったことでがっくり。どちらもひどい
    ①免色の家で、亡き妻の衣服を大切に保管する部屋があるシーンは良かったが、そこで表れた「男」は誰なんだ。1mmも回答がない。傷や泥は自分でつけたって、ええ~~~なんだそれ!
    ②謎洞窟で、これまでの伏線回収~!的なお気楽な流れが散見されたが、伏線というのは確信的であるからこそ伏線であってだな・・・とズッコける。かつ、遠く離れた石室にワープっていうのも、世界観が確立されていれば納得できるが、相当な唐突感を感じざるを得ない

    極めつけはエンディングである。ええ~~~ユズと元さやに戻んの?!そういうのはストーリーがあってこそ映えるシーンであってだな・・・とズッコける。白いスバルフォレスター男はなんだったんだ?お前がどこで何をしていたかちゃんとわかってるぞ、って何回言うねん。顔のない男は??何気に上巻の頭に少しエピソードがあることに気づくが、本編との関連も不明。

    いくら村上春樹ファンだとしても、さすがにこの作品には納得いかない。

  • 色彩を持たない免色さんやふくろうや離婚してひたすら一人旅することや穴の中に入ってみたりすることなど、どっかで聞いたことがある話しのような気がしていたが、全部村上春樹さんの本だった。それくらい村上春樹さんらしい話しだけど、その分新鮮味には欠ける。というかお腹一杯。クロニクルとカフカの余韻を楽しむみたなことだったら分からなくもないけど。

    ちなみにイデアとかメタファーとかそういうのは本当にどうでもよくて、いつもはそういうのもお話しのテンポが良くて気にならないのだけど、今回は少々あざとくてなかなか読み進むスピードが出なかった。

    青いプリウスとか銀色のジャガーとかスバルフォレスターとかの車が効果的に使われてるのは好きだったかもしれない。それとそもそも話がややこしいので時系列や場所がアチコチ飛ばれるとついていけなくなりそうだったけど、そこがじゅんぐりにつながっているのに、毎章ごとに安心していた気がする。

    それにしても免色さんにだけはずっとくぎ付けだった。自分の中にある免色さん的な何かがミシミシと動き出しそうな感じは何とも不気味だったかもしれない。

    免色さん何者?

  • ひさびさに村上春樹の作品を読んだ。人物や目に見えるもの見えないものの描写技術は天才的だと改めて感じた。それがゆえに中身は冗長である。ただひたすら長い。読んでいる間は熱中させるものがあるのだけど、後に残る余韻は少ない。やっと読み終えた感じ。

  • もう村上春樹は卒業かな、、、と思合わせてくれる作品。時間を潰すには良かったが。

  • 第1部の盛り上がりとは、反転。第2部は村上春樹の淡々とした筋道で話が流れる。
    正直最後は繋がりが良くわからず、モヤモヤしたままで終わってしまった。モヤモヤするのがこの作家の特徴ではあるのだけど。

  • 司書さん曰く、私にはちょっと難しくて途中で断念したとの事。
    最後まで理解しながら読めるのか?(^-^;
    で、やはり私はハルキストにはなれなかった( ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )

  • 村上春樹の世界が少し理解できてるかも❗️〝心は記憶の中にあってイメージを滋養生きている〟納得したかも

    • あさきゆめみしさん
      村上春樹の世界が少し理解できてるかも⁉️〝心は記憶のなかにあってイメージを滋養にいきている〟納得してしまった
      村上春樹の世界が少し理解できてるかも⁉️〝心は記憶のなかにあってイメージを滋養にいきている〟納得してしまった
      2019/03/03
  • 長々と読まされた割に伏線が全く解消されない
    スッキリしない……

  • 題名通りの内容を期待していたが違った。主人公が自分の心と向き合う様な話

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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