王子失踪す

  • 新潮社
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本棚登録 : 47
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103543510

作品紹介・あらすじ

小説でしか描けない過激さ! ギャグ漫画のレジェンドがたどり着いたブラックユーモアの極致。「あんたは子供の顔をした淫婦だわ」――。8歳の娘とミカちゃん人形の間に恋愛バトルが勃発。はたして父親は家庭の安寧を守れるか。王子をめぐる争いがフツーの一家を惨劇に陥れる表題作ほか、予想のつかない展開と飛び切りシニカルな笑いに悶絶必至! 退屈な毎日に倦んだ紳士淑女に贈る、タブーとエロス満載の艶笑滑稽譚。

感想・レビュー・書評

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  • 小説を読んで、やはり漫画的な絵が見えるようだと思っていたら、著者が漫画の原作を書いたものを小説にしたもののようだ。どれも怖い話でよい。
    「王子失踪す」は娘に買ったリカちゃん人形。あれは家やら友人やら増えていくものであるが、この家でもボーイフレンドの家族を揃えたのがいけなかった。娘が話の創造性を発揮し、リカちゃんが彼氏のかっこいい父親とも関係し、美貌の母親はヒステリーを起こし、家は焼け、中には三人の・・・
    娘がいる人にはより楽しく読める話。
    フラワー・ドラム・ソングが個人的には好き。名人級の植木屋、特に桜ではレジェンド。ワルの少年を弟子にするが、才能を発揮していく。瀕死の桜の銘木再生を依頼されるが。
    その他のアナコンダの話や、暴れる大根の話もなかなか面白い。流石です。

  • 全5編。
    背中がムズムズするような(ゾクゾクではない)悪趣味。背徳感。
    暗い夢の中にいるよう。

  • 「がきデカ」作者の山上たつひこ氏の小説。
    漫画のイメージがあるからか読んでいると映像がありありと浮かんでくる。
    ちょっとブラックだけど不思議と清涼感あります。
    面白かったです。

  • p.263
    "「人はそれぞれ『お化け』のようなものを背負わされてこの世に生まれて来る。人はそのお化けに一生つきまとわれ、見張られ、操られ、値踏みされ続ける」"

    "生まれるときに背負わされたお化けはその人間にとって唯一無二のもの"

    蛇が愛おしくなるし、大根が食べたくなる。

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著者プロフィール

山上たつひこ
一九四七年徳島県生まれ。出版社勤務を経て漫画家に。代表作は、『がきデカ』『光る風』『喜劇新思想大系』など多数。特に『がきデカ』は社会的にも大ブームとなり、掲載誌の「少年チャンピオン」を少年誌初の二百万部に押し上げた。一九九〇年、マンガの筆をおき、本名の〈山上龍彦〉として、『兄弟!尻が重い』『蝉花』『春に縮む』などを発表。 二〇〇三年より、再び〈山上たつひこ〉として、小説『追憶の夜』(のちに『火床より出でて』と改題)を発表し、漫画「中春こまわり君」を描く。最新刊は『枕の千両』(小説。小社刊)。原作を担当した『羊の木』(いがらしみきお画)で、二〇一五年文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞。

「2017年 『大阪弁の犬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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