生きていりゃこそ

  • 新潮社
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 11
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103545057

作品紹介・あらすじ

ある午後は森光子さんを訪ねて芸術座へ。暮れには樹木希林さんと久々に芝居の話をし、新年の宴は昔の歌で盛り上がって夜更かし。誕生日の御馳走はすき焼きとステーキの二本立て、三時のオヤツは甘いものをたっぷりと。夕餉には七十年来の友であるブランデーが欠かせない。九十二歳を迎えますます元気な名優の語りを久世光彦がまとめたエッセイ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • インタビューのテープ起こしではない。
    毎週2~3時間、森繁久弥の話を聞くというか、時間をともにして、語った言葉や語らなかった想いなどを、久世光彦がエッセイとしてまとめたもの。

    90歳を過ぎた森繁は、一周まわって子どもに戻ったよう。
    話はどんどん脱線して、歌も歌うし、居眠りもする。
    癇癪も起こすらしいけど、なんか自然で自由で、いい年の取り方してるなぁって思った。

    “芝居のお手本は世間です。世の中には芝居に出てくる人たちより、よほど面白い人間がたくさんいます。”

    “過ぎ去った日のことは、正確な記録に残されるより、曖昧な記憶の中にあった方が、よほど美しいし懐かしい。あのころ〈ホームビデオ〉なんかなくてよかった。人生の記録などというものは、飛び飛びでいいのだ。それを繋ぐのが想像力で、そこから浮かび上がってくるのが情感というものなのだ。”

    “捨てたり、忘れたりすることに慣れることは、新しくなることではありません。私たちは、心のどこかで頬かむりして生きているのかもしれませんねえ。”

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1913-2009 大阪府生まれ。コメディアン、俳優、歌手として映画、舞台、テレビで活躍。映画「夫婦善哉」、ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き」ほか、「知床旅情」などのヒット曲がある。

「2022年 『親愛なる向田邦子さま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森繁久彌の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×