祝宴

Kindle版

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  • 新潮社 (2022年11月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784103547310

作品紹介・あらすじ

我最愛的家人。娘を誰よりも理解したい、けれど――。気鋭の新たな代表作。「私は、彼女のことを、秘密にしたくないの」。長女が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。戸惑う父は、娘にふつうでいて欲しいと願ってしまう――。日本で外国人として育った娘、外省人の祖父、日本・台湾・中国で生きる父。いくつもの境界を抱えた家族を、小籠包からたちのぼる湯気で柔らかく包み込む感動長編。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の明虎は、台湾出身の初老の実業家で、仕事の関係で妻子を連れて日本に移り住み、彼は日本と海外を飛び回るビジネスマン、そのほかの家族は日本で生活をしている。

    彼には2つ悩みがある。
    ひとつめは、次女が長女より先にお嫁にいったこと
    ふたつめは、長女の好きになる対象が同姓であること

    というおおまかにいうとこの2つの葛藤の話だが、作者が「両親ともに台湾人、台北生まれの東京育ち」という生い立ちだからか、国際色豊かに描かれている。

  • 家族を大事に大切に思っているが故の様々な葛藤。似ているからこそ、踏み込めず互いに避けてしまう父・明虎と長女・瑜瑜。戦争によって引き裂かれた家族、近いようで遠い国境、幼かった娘が成長につれ、自身のアイデンティティについて悩んでいく様子など心を打たれる部分も多かったです。

  • どこで生まれ、育ったか。
    どんな人を好きになるか。
    子供を産むことは当たり前のことなのか。
    父と娘、家族の思いが交錯してわかりあっていく。
    おいしそうな小籠包を食べて、明日も楽しく過ごしてほしい家族の物語。

  • 耳がなくとも尻尾がなくとも虎は虎だけど、自分は一体何者なのかは簡単に答えが出ない。台湾人、中国人、日本人、LGBTで彷徨う物語は胸を打つ。正常か非正常かわからないなかで苦しむ人たちに寄り添う言葉は簡単じゃない。

  • 女性をとりまくいろいろのことを、書いてこられた作家さんだけど老齢?の男性目線で書かれたのは初めてなんじゃないかと思う。
    日本人が知らないといけない歴史はまだまだあるし、世界中のひとが考えないといけない生きづらさは、そこここに転がっている…

  • 2.0

  • 父親の娘を思う気持ち、そして娘から同性愛者と告白されて普通とは何かを意識しそして受け入れるまでの葛藤が綴られている。読みやすいがもう少し重厚さが欲しかった。重くならないから受け入れやすいのかなぁ。

  • 温又柔さんの作品を久しぶりに読んだ。

    著者の生い立ちを想起させるお話で、アイデンティティを確立できず悩む瑜瑜の様子は他の作品の登場人物でも見たことがあった。著者の過去の苦しみを追体験しているようで苦しかった。心がチクチクした。
    娘について、理解できない父の言動の描写が、とてもリアルというか、わかるなぁという気持ちになった。お互いを尊重しあえる未来を感じさせるラストの描写にほっとした。

    国民党とともに、中国から台湾に来た人々の当時の市中での立場や、その後の運命など、歴史的にも興味がある記述もあり勉強になった。
    20230528

  • 台湾、中国、日本を行き来する主人公と家族のアイデンティティや差別、ジェンダーの多様化の話も出てきて色々考えさせられる内容でしたが、家族愛を感じる物語でもありました。

  • 台湾、日本、中国の取り巻く環境がぎゅっと絡まっていて、それに加えて結婚、同性愛、子どもを持つということも折り重なっている。それらをゆっくりゆっくりほどいていきながら読んでいた。ここまで積み重ねていくと重たい雰囲気になりそうなところ、全くそうではない。最後の方は涙を湛えて読んでいた。

  • 台湾人の明虎(ミンフー)と妻の玉伶(イーリン)は日本で生活し、台湾や上海を行き来しており、長女瑜瑜(ユユ)と次女喜喜(キキ)がいる.キキが結婚する場面から話が始まるが、台湾の人たちの付き合い方が濃厚で昔の日本を見るような感じだった.キキは普通の結婚で寧寧(ネネ)と名付けた女の子を出産する.親戚が多く集まってお祝いをするが、これも華やかだ.中国本土との複雑な関係も随所に現れているが、日本人には理解しにくい部分も多かった.ユユはミンフーからすると正常でなく、ユキという女性との生活を始めている.ミンフーの葛藤がうまく表現されていた.

  • 長女・瑜瑜が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。。小籠包からたちのぼる湯気が、あらゆる差異を包み込む感動長篇。(e-honより)

  • 中国から台湾に渡り、現地で結婚
    主人公は出世して、半導体の会社の副社長
    日本で暮らし
    今は上海、台北、東京など忙しい
    二人の娘は日本人のように育ち
    台湾人でも日本人でも、ましてや中国人でもない
    妹は日本人と結婚
    その日に、姉は自分は同性の恋人がいると告白
    父親はその事を受け入れられず
    悩む
    自分に良く似た娘のことだから
    そして、向き合おうとする

  • 国際的にビジネスをする男性が、娘が性的少数者であることがわかったことで自身のルーツを見つめ直す話。

    男性は自身が受けたような差別意識を娘にも向けてしまうのだが、その考え方の描き方がとても自然でわかりやすく、自分もそのようなことを知らず知らずのうちにやっているのだろうと考えずにはいられなかった。

    また、性的少数者の議論では「子どもを作るか作らないか」という議論がセットされることが多いがそこへの言及もされていた。
    女性が感じる「子どもを作らなければならない」というプレッシャーはすさまじく、またその価値観を内面化は自身を傷つけるほどのものなのだろう。

    自身の価値観を放棄して人(自分他人問わず)をありのまま受け入れる・幸せを願い行動することの難しさについて考えさせられる話であったが、「性的少数者は気持ち悪い」と言った総理補佐官が読んだらどのような感想を持つのだろうか。

  • 日本、中国、台湾、3つの国で生きる家族の物語。
    主人公の明虎は3つの国を行き来するビジネスマン。
    両親は大陸から台湾に渡ってきて、台湾に古くからいる人々の中で様々な困難の中で生きてきた。
    明虎の娘瑜瑜と喜喜は日本で育った。
    瑜瑜は日本の学校には馴染めず日本人以外は不正常と言って学校へ行かなくなってしまう。
    そして妹喜喜の結婚式で同性の恋人がいることを告げる。
    そのことを感情的に受け入れられない明虎。
    理解しようとする中で両親の苦労や自分自身のことにも思いを馳せる。
    瑜瑜が言った不正常と言う言葉、正常ではない、周りとは違う状況、というのがこの家族の底に流れていて、その中で一生懸命生きてきたのだろうと思った。
    唯一、喜喜だけは日本の社会に適応し、今の日本の若い世代そのもののように感じた。
    激動の世代を生きてきた明虎が家族とともに小籠包の食卓を囲む最後の場面に何故かホッとした。

  • 初めて台湾人著者の本を読みました。

    内容は主人公の家族の話だったのですが、すごい心温まる、家族思いの人できっとこの人に限らず、台湾の文化として染み付いてるんだろうなと感じました。

    また海外著者の本を読んでみたいです^_^

  • 前回の『魯肉飯のさえずり』が母と娘の話だとすると今回は父と娘の話で、よくぞいろんな人の気持ちが分かるのね!!と思う。そんな感想怒られそう…。だけど小説家が凄いと思うのはいつもそういうところ。自分の気持ち、自分が体験したことなら色々深く分かりそうなものだけど、それ以外のことや人の気持ちをなぜその機微まで理解して書けるのか…。

    台湾と日本、LGBT、歴史や経済といった話でもあり、いろいろな背景が絡み合って物語が、人物達の心が深まっていてそれが伝わってくる。

    お互いを想い合っているが故に苦しいというのは究極だな!自分の気持ちを無視できないけれど、そのために相手を苦しませていることもわかって、そのことがまた苦しい。だけどそれでよくて、お互いに抱えながらいい距離感で繋がっている。家族って、親子っていいなあと改めて思う。

  • 優しい物語でした。
    家族だけどもどことなく緊張感のある感じ、でもその根底には幸せになってほしいからと願う気持ち…。

  • 単純に娘を受け入れるか否かという話ではなく、人間味を感じる父の複雑な心境の描写は、とても興味深かった。

    自分は娘の良き理解者という立場であり続けたいと思いつつ自信を無くし、娘を避ける明虎。

    また、固定観念も相手を理解しようとする明虎の邪魔をする。
    「年頃になると異性と結婚して家族を持ち、我が子を育てることが人生」といった価値観の社会の中で生きてきた明虎。固定観念が強すぎると、足枷にもなるということをまざまざと感じた。

    ー 娘が「正常」でない。家族でそう感じているのは自分だけのようであり、自分の気持ちを誰とも分かち合えない。ー

    同性が好きだと告白する娘にはもちろん苦労があっただろうが、告白をされる側にも葛藤が生まれ得るということを教えてもらった。大切に思う人を、もちろん受け入れてあげたい「けれど」、複雑な気持ちを抱くこともまたあり得るのだと。

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著者プロフィール

1980年、台湾・台北市生まれ。3歳より東京在住。2009年、「好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作を受賞。両親はともに台湾人。創作は日本語で行う。著作に『真ん中の子どもたち』(集英社、2017年、芥川賞候補)、『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社、2015年、日本エッセイスト・クラブ賞受賞、2018年に増補版刊行)、『空港時光』(河出書房新社、2018年)、『「国語」から旅立って』(新曜社、2019年)、『魯肉飯(ロバプン)のさえずり』(中央公論新社、2020年)など。

「2020年 『私とあなたのあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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