- 新潮社 (2022年9月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784103547815
作品紹介・あらすじ
ずっと息苦しさを感じていた少女が、ニットの世界に居場所を見つけるまで。「書く」ことは「編む」ことと似ている──。学校になじめなかった自分と父との関係、おもしろいことが大好きだった母、人生の道標となった叔父のこと、アルバイト先で出会った夫との恋。傷つきながらも一歩ずつ進み、編みもの作家となった著者。その半生を追ううちに、読者それぞれの「あの頃」が蘇る極上のエッセイ集。
感想・レビュー・書評
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若い頃からチマチマと編むのが好き。
最近は指なし手袋や短めマフラーなど小物ばかり。自己流だから長く編んでいても一向に上手くはならないんですが(涙)
でも毎年秋になると続々と発行される編み物の新刊はマメにチェックして、編み地のデザインや素敵な配色のセーターを眺めてはうっとり♪
実は眺めてる時間の方が長いです。
三國万里子さんは大・大・大好きな作家さん。
数年前個展に出かけて、編まれたセーターを直に目にすることが出来とてもとても嬉しかった!
信じられないくらい細かい編み目、素敵なデザイン、配色の妙…。
このエッセイには編み物のことは最後の方にちょろっと出てくるだけ。子どもの頃や学生時代、20歳代のアルバイトの話、家族のことが中心。でも文章から「あぁこれが三國さんなんだなぁ」と納得させられ、三國さんの制作する編み物に思いを馳せたのでした。 -
ブルータスかポパイで紹介されていて、興味を持った本。
筆者は編み物作家なのだけど、エッセイが本業なのではないかというくらい、あっさりと深いエッセイを書いている。
なんでもない様な話で、さらさらと書いているんだけど、切り取った描写以上の行間から情緒が感じられる。
最初の「三國さん」とか、なんでかわからないけど、最後のフレーズで、涙ぐんでしまった。
瞬間と永遠が一瞬で切り替わったような、奇跡をみたような。
普段から、自分の感性でよく観察されてるから、ここまで書けるのだろう。
あとはやはり文学的な素養が元々深い方なのだと思った。 -
ニットデザイナーである三國さんが綴るエッセイ。それは子供時から現在までほぼ半世紀の出来事があっちへいったりこっちへ行ったりと語られる。
その気ままさがこの本の魅力になっている。人生って、OLDがあってNOWがある。Then&Now。私にとっても、梅新時代、宝塚時代、南港時代、そして今の岸和田時代、単に順につながっているだけではなく、相互に感化されながらつなっがていますな。
書きたいことを探し、拾いながら、物語の糸をたぐり寄せると、いつの間にか歩いた分の地図がつくられ、しかるべきゴールにたどり着くと・・・私も、ぼちぼち多少記憶のあるうちに書き始めなければと思った次第でございます。 -
人生は、その人その人の物語なんだ、としみじみと思う。その時は、なぜこんなに息苦しいのか、なぜ自分は生きていかなければいけないのか、わからない。でも、人生を自分の物語として捉えた時、世の中を受け入れることができるし、自分自身をまるごと受け入れることができる。
ニット作家であるこの作者は、文章の紡ぎ方も本当に上手だ。その時々の自分の気持ちを的確に表現できる彼女の世界にぐいぐい引き込まれていく。
ほぼ日ファミリーに認められた人間なのも、うなづける。 -
ときどき無性にエッセイが読みたくなる。
こちらは去年から読もう読もうと思っていた、ハンドニットデザイナーの三國さんのエッセイ。
毛糸を編み上げていくように、三國さんの中に仕舞い込まれていた一つ一つの言葉が丁寧に紡がれていて、読んでいて心地よかった。
幼少期から成人し、現在のご家族との日常まで、時系列はあちこちに飛ぶけれど、そのゆらぎの中に人生の何気ない一場面が情感を伴い浮かび上がる。
独特の言葉のセンスがときに面白く、ときにほっこりしつつ、家族との他愛ない会話や大切にしてきた物への愛情がとてもいいなと感じられる一冊だった。 -
三國さんの作品は『アラン、ロンドン、フェアアイル 編みもの修学旅行』に続き2作目。
先に読んだものは、紀行文としても楽しめた。
本作については、最初こそ正直期待外れかもと感じたが、読んでいくうちに、作者の品性というか持って生まれた才能というのが、決してひけらかしているわけではないのに、じんわりと感じられてきた。才能のある人の多くがそうであるように、確個たる自分の世界を持っていて、彼女は自分が目指すもののためには、何をしたら良いか判る人であり、そういった才能ゆえに学校に居場所を見つけられなかったのだろうという印象を受けた。
何かを成し得るには、努力が必要であろう、でもそれだけじゃない。才能や運も大いに必要だと、最近よく感じる。それらを持たない者は持たないものとして何が出来るのか、考えさせられる読書となった。
実を言うと、編み物に少々関心のある私は、発売当初けっこう話題になった本書が、図書館で予約の集中が一段落するのを待っていた。そんなことも忘れ、今回『編むことは力』が図書館で予約待ちとなり代わりに選んだのであった。作者と編み物のかかわりについてを期待して読むと、もの足りなさを感じる。が、なぜか中学生だった作者が、自身についてひいたところから語った次の言葉が心に刺さった。
これからわたしは「自分なりに自分のことをやっていく」ことにするけれど、その先にはもしかしたら... -
ほぼ日のミクニットで、彼女のことを知った
“編む動物”とご自身のことを言うだけあって、爆音でロックを聴きながら、一心不乱に編む姿は、まさに“編む動物”に見えた
彼女のエッセイを書き下ろしたこの本
ニット作家、という側面を持つけど
その前に1人の人で
彼女の頭の中にある
思い出の美しい断面を、すこしずつ並べてる
初めて作品が売れた時のこと
やりたいことを見つけて、お金を貯めるために働いた秋田の温泉宿のこと
家族のこと
育った新潟のこと
正体を無くしたバナナのこと
かたつむりのお姫様のこと
転校生の匂いをさせていたころのこと
日記に“おばさんになったら、もっと鈍感になって、生きることが簡単になるかな。でもそうしたら生きてるっていえるかな。そうして鈍感になってまで生きる意味なんて、あるかな”って書いてたこと
私はひとりっ子で、中学生の時に担任の先生に
「ひとりっ子、というだけで病気みたいなもんです」
と、言われた。いまだにこの先生の名前を覚えてる。その時には、あんまりわからなかったけど、世間一般で言うところの、わがままであるとか、甘やかされて育っているとか、そういうことが人格形成の中で“良くないこと”とされていたんだろう。
もちろん、人見知りだし、どうやって同世代の人と仲良くなるのかもよくわからなかった。1人で遊ぶのは楽しいし、1人の方が楽だと思ってた。誰かといると、疲れちゃうなーって思ってた。
万里子さんの視点から見えてる、子供時代にも同じような孤独と安心を感じる。万里子さんには食べ物に対する記憶力がものすごい妹さんがいるんだけど。
子供の時って、こうやって自分の中をいろんな事で満たしてて、知らないことが少しずつ減っていって、世界と馴染んでいくんだろう
一番好きなのは
“佐藤くんとクラブのダンスフロアの向こうに映る映画「グラン・ブルー」を見るともなしに見ていた。目の前がふいに暗くなる
「どうしたの?」彼が腕を伸ばして、私の目を手のひらで覆っていた
「これからこの人死んじゃうよ。怖いから見ない方がいい」
言われるがままに30秒ほど、彼が作ったふわふわとあたたかい暗闇の中にとどまった”
このシーンをこうやって覚えていること -
私も編み物をするので、編めば編むほどわたしはわたしになっていった、というタイトルにとても共感します。
素敵な本、素敵な生き方。
憧れます。
妹さんもクリエイティブな仕事に就かれたのは、育った環境なのでしょうか。
のびのびと、受容されて育ったのかなあ。
その時々に自分で考え、歩む余裕があったんだなあ。
そんなふうに、正直、羨ましくもなりました。 -
なかしましほさんとの共著で知っていたけれど、ラジオ「飛ぶ教室」に出演されていて、ほっこりした雰囲気と高橋源一郎さんの感想から、興味を持って。
子どもの頃の記憶を、鮮やかに描いていて、著者はいろいろな時代にまだ住んでるかのようだった。
装丁のお人形さんは、ロシアの作家さん。この本にぴったりな装い! -
一番初めに書かれていたのが喫煙の話で、一気に印象が…
そして書いてることも興味が持てなかった…
もともとこの方を好きな人ならおもしろいのかも? -
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ニットの図案と同じくとても繊細な方で、小さい頃から色々悩まれながら生きてこられたという三國さんの人生を、正直な力の程良く抜けた自然体なお話と、何より巧すぎる文章力で引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。
同世代だからか私の子どもの頃の出来事にも重ね合わせて住んでいるところは違うけどあの頃の思い出が私にも蘇ってきた。
三國万里子さんはお菓子作りのなかしましほさんの実姉であり、いやもうなんて多才な姉妹なんだろう。それぞれの世界を持っててそれを作り出して世に出せてる。すごい。
三國さんの図案は初級者の私にはまだまだ難しすぎて小物しか作れないけど、いつかセーターやショールが編めたらいいなと思う。 -
読みたいと思っていた本です。
想像以上に文章も内容も良く、心にスッと入ってきたエッセイでした。
子供の頃、大人になってから…その時の思いと家族達との思い出が綴られています。
特にひろしおじ・早退癖・23歳が好きです。共感もしたし、そういう道もアリなんだなぁとか。
ままごとも味わい深くとてもよかったです。 -
ニット作家の三國万里子さんの随筆。専業作家ではないけれど、とても素敵な文章を書かれる。三國さんだけの世界がしっかりと存在していて、そこをこっそりと覗き見させてもらってるような気持ちになった。
息子さんにニンテンドーDSを買ってあげるお話が特に心に残った。息子さんはみんなが持ってるDSをいらないと言っていたそう。母が自分は自分という考え方をしているから影響を受けて、息子が人と同じ遊びをしないという縛りを自分で作ってしまっていたとしたら申し訳ないな、と思い三國さんは入院してしまった息子さんにニンテンドーDSとポケモンを買ってあげる。そんな考え方をできるのがとても素敵だと思う。自身の周りに迎合しないある種アーティスト気質な所を押し付けるでもなく、息子はゲームをやりたがらないからラッキー、でもなく、自分と一緒に暮らす事で少なからず影響を与えていないか省みるというのは、相手をこの上なく尊重していないとできないと思う。
小さな頃から自分の世界をしっかり守って、きっとそのせいで生きにくい事も多々あったと思うが、だからといって簡単に手放してしまわずにしっかりとその世界と一緒に生きていく覚悟を持っている方だと感じた。大人になってするお人形遊びや、アンティークジュエリーとの出会いなど、とても楽しそうに過ごしているのも魅力的。 -
ニット作家の著者が、自分のこれまでを語る。
決して裕福な家庭では無かったといい転校も多かった幼少期や、東京の大学での生活や卒業後のフリーターのような生活などなど、ステキなニットのバックには、こんな来し方があったんだ! -
とてもぜいたくな読書体験だった。言葉の選び方が、ちゃんと自分で経験して腑に落ちたから使っている、という感じで信頼できる。今後も本業だけでなく、文筆業もつづけてほしい。
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静かな人なのだろうな、でも心の中にはとても熱くて強いものを持っているのだろうなと思った。私も自分の気持ちに正直生きていきたいと思った。
「小さいセーターを編む話」は編み物が本当に好きなんだなぁと感じられた。 -
読み終わってすぐは何の感想もないかも…と思っていたけど、後から何回も思い出すので、自分にとってとても良い本だったんだと思う。
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なんせ編み物に興味がないので、失礼ながら三國さんのことも全然知らなくて、その代わりお菓子作りは大好きだから、妹さんであるなかしましほさんのレシピは超リピートしまくっているんだけども…
三國さんってたぶん、人気のニット作家さんなんだと思うんだけど、そんな方でも失礼な言い方すればこんなにテキトーすぎる時期があって、それでもいまこうしてご活躍されてらっしゃることが、「ああ、人生ってほんと全然わかんないなあ」と楽観的になれるような。
もちろん、当時と比べれば時代の違いや、人の温度の違いもあると思うけども。
山形の旅館での体験、ちゃらんぽらんだったけど超頼れるマンなおじさん、やさしいやさしいお父さん、ナイスガイな息子さん、夫婦2人での他愛ない会話とともにあるお花見。
日々が愛おしく感じられるような出来事が詰まっていました。
悪役でもなりきって演じたり、暴走族に囲まれて静かにしろと言われているのにトイレに行きたがったり等々、なかしましほさんのキャラも愉快だった笑 -
編み物がたいへん好きなので、三國さんのニットデザインについてはよく知っており、この度エッセイが文庫化かれたということで手に取りました。
日本の手編みのニットデザインは割にやぼったいパターンがほとんどだった時代から都会的でおしゃれな日本語パターンを出されているという点において日本の編み物界の存続に貢献した方だと思うのですが、エッセイは普通でした。というか、そのあたりの日記ブログのような(というか、そのあたりの日記ブログの方が面白いしよく書けています)。やはり、餅は餅屋なのか?
各テーマ別では、喫煙の話とアルバイト絡みの話は私はうけつけませんでした。そのまま書けて出版してしまうあたりなんとも思っていないのかそれとも正直さの現れなのか、推しはかりかねるところ。
ニットデザインで活躍されている様子を知っているだけに、読まなければよかった、、というのが正直な感想です。
なお、編み物の話はほとんど出てきまん。
著者プロフィール
三國万里子の作品

いつもいいねありがとうございます。
編み物されるんですね。すごいです。私も母に教わりながらやったんですが、...
いつもいいねありがとうございます。
編み物されるんですね。すごいです。私も母に教わりながらやったんですが、続かなかったです。
不器用でこれは私には無理だと思いました。だから、編み物(手芸全般)好きと言う人は尊敬してしまいます。まったく出来ないというわけではないんですけど…。
こちらこそいつも有難うございます♪
編み物は無心になれるのが好きですねー。
サイズが大き過ぎた、小さ過ぎた、模様間...
こちらこそいつも有難うございます♪
編み物は無心になれるのが好きですねー。
サイズが大き過ぎた、小さ過ぎた、模様間違えた…と編んではほどき、を繰り返しているので、なかなか出来上がりませんが(涙)
編み物しなくても三國さん知らなくても、このエッセイお薦めです。一人の女性の生き方として、読んで良かったと思いました。
お返事ありがとうございます。
無心になれるのっていいですよね。私だったらなんだろうなと考えたけど、ウォーキ...
お返事ありがとうございます。
無心になれるのっていいですよね。私だったらなんだろうなと考えたけど、ウォーキングしてる時は無心になってるかもしれないです。
エッセイ、面白そうですね。探してみます。
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