- 新潮社 (2023年5月17日発売)
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感想 : 27件
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784103550617
作品紹介・あらすじ
世界に自分しかいないんじゃないかって夜も、そばにいるよ。高校入学前の春休み、セックスワークで生計を立て、ひとりで僕を育ててくれた母が、突然「結婚したい」と言い出した。それを聞いた僕は、元風俗嬢と噂される先生のもとへ……。肌を合わせることは、ときに切実で、ときにかなしく、ときに人を救うのかもしれない。夜のリアルを照らし出す、R18文学賞友近賞受賞作。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
人間関係や社会の複雑さを描いたこの作品は、風俗というテーマを通じて、私たちが抱える偏見や理解の壁に挑戦します。主人公が母の突然の結婚宣言を受け、元風俗嬢の先生を訪れることで始まる物語は、風俗で生計を立...
感想・レビュー・書評
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女による女のためのR18文学賞友近賞受賞作。
風俗に関わる人々を描いた連作小説集。
彼女ら彼らを見つめる作者の視線があたたかでほっとする。
同時に、自分の中にある彼女ら彼らへの根強い偏見に気づかされた。
搾取され、弱く、救い出してあげなければいけない存在という偏見。
それもあるのかもしれないのだけれど、それだけではない。
小説の中で、生身の人間として息づいている彼女ら彼らを愛しく思う。
遠い世界、遠い人間だと思っていたけど、違うのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちゃんとした職ってなんだ?
風俗はちゃんとした職?
生活のために、子どもを育てるために風俗嬢として生計を立てるのは恥ずかしいこと?
学校や教育委員会から「子どものことをおもったら」「かわいそう」「ちゃんとした職に就くべき」とか言われたどうだろう
正直、ほっといてくれ!とも思う
けど、もし自分の家族が風俗嬢として働いていたら…、それはない!嫌だ!無理だ!
風俗はもちろん仕事としては成り立つし必要としている人もいるだろう
風俗嬢として働いている人も、「こんなあたしでも必要としてくれる人がいる」「楽しい」「胸を張れる仕事」として誇りを持って働いている人もいる
結局はどんな仕事でも、どんなことでも、自分自身が納得しているかどうかということか…-
そりゃ、ぶったまげますね!w
「○○ちゃん、女優さんになってたわよ〜、AVの」とはなかなか言えませんね(^.^;そりゃ、ぶったまげますね!w
「○○ちゃん、女優さんになってたわよ〜、AVの」とはなかなか言えませんね(^.^;2023/09/06 -
2023/09/06
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2023/09/06
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連作短編集。
どの話も心にくるものがある。
「理解から納得までの道のりって、めちゃ遠いよね」(p182)
風俗という仕事があり、それを生業にしている人がいる。
それは理解していても、自分の身近な人、例えば家族がそうだったら?納得して受け入れられるか?
それに向き合った、夏希の気持ち。夏希が関わってきた人たちの気持ち。
最後はなんとなく前向きに、でもリアルな淋しさと少しの暗さも感じる。 -
1話目は、子供の為に風俗で働く母親を子供目線で見たお話で、生活の為に何より子供の為に他に選択の余地がなかった母親についてだったから、読んでて母親に対しても、子供に対しても切なかった。選択の余地がないと途端に極貧になるしかない国の制度にもモヤモヤしていたけど、話が進むと風俗を職業としてやりがいを持ってとか言われると、ちょっとなぁ。職業で差別とかダメだとは分かりつつ、理解とまではいかず。一つ一つ深いい話なんだろうけど、どうしても、そこが引っかかってしまう。3話目とかすごくいい家族になれそうだったのに、そこ、こだわる?って言う思いが強くて、イラっとしつつどうにかならないのかなって気持ちもあって、自分の中でも複雑に感情がもつれる。
これほど他の人の感想が気になる本ってなかなかないな。 -
R18文学賞友近賞受賞作。
作家さんの知り合いに勧められて、読んでみた作品。
風俗に関わる人々を描いた連作短編集。
普段、この手の作品を読まないので、最初は探り探り。
1作目の主人公が2作目以降、風俗で働く女性たちに寄り添う姿に段々心が解れていく感じがした。
風俗で働く女性の気持ちも、その風俗で何かの欲求を満たしている人たちの気持ちも、どこか現実的で、実際に人生で接点のない自分には読んでいて、心がギューッと苦しくなることも。
鶴の折り紙の件が救いになっていたのには、最後まで読んでて良かったと、希望をもらった気がする。 -
母親が風俗嬢だったり、大学時代に風俗始めて辞めれなかったり、誰かに必要とされたいのベクトルが風俗に向いてしまった女の子など色んな立場の短編集。
サクサク読めた。最近の風俗嬢はホス狂いが多いイメージだったので、この主人公たちは彼女たちとは違うタイプ
ひかりて話の主人公がひどかった。圧倒的に教養も知識もどうやってそれを身につけるか手段もわからないまま風俗に従事して、本人が素直なのが余計救いようのない感じがした。
他人が意見するのもおかしいけど、やっぱり目の前にこの主人公が現れたら、子供が可哀想て思ってしまうだろうな -
千加野あいさん
初読みでしたが、すごく良かった
風俗嬢をテーマに
繋がる短編連作
風俗嬢、そこで働くスタッフ、その子ども、その恋人…。
お金のため、だけでない
そこにいる理由。
だいぶ泣きました -
私の涙腺との相性がいい。どの短編も目頭熱くなったし泣いちゃった。
千加野さんの言葉がいいのかもしれない。どうしようもないどちらも悪くないこの感じが当事者にとっては1番辛くて私はとても悲しかった。 -
すごく読みやすかったです。
みんなが幸せになってほしい -
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「女による女のためのR-18文学賞」友近賞(審査員の1人である友近が推したということらしい)受賞作を含む全5編の短編集。
各編には共通の登場人物がいるなど、ロンド形式でゆるやかにつながっている。
デリヘルで働く女性たちと、その身近にいる男たちの物語である。
どれもストーリーはよくできている。とくに、物語の小道具としてのツイッターの使い方が、とてもうまい。作者がツイ廃なのかもしれない。
ただ、全体に雑然としていて、刈り込み不足な印象がある。 -
とてもよかった。
という感想しか出てこないくらい、とてもよかった。
どの話もせつないし苦しい、なのに優しい。
強い主張?(風俗はいいとか悪いとか正解とか間違いとか)がわかりやすく書かれてるわけじゃないのに、強く胸に伝わってくる何かがある。
風俗って遠い世界の話だと思ってたけど、全然身近で、思ったより私と同じなんだなって。無意識に決めつけてたとこあったなって、反省するところもあったり。
とてもよかった。読んで欲しい。 -
性風俗にまつわる人たちの連作短編集。
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注目している『女による女のためのR18文学賞』。
本作は友近賞を受賞しての著者デビュー作品。
「今はまだ言えない」
「雪解け」
「落ちないボール」
「ひかり」
「折り鶴を開くとき」
風俗業界に携わる人々を描いた五話収録の連作短編集。
読みながら考えさせられた。
『職業に貴賎なし』
どんな仕事にも価値があり、尊いものだと頭では理解出来ても、自分が彼女達に対して偏見を持たないかと問われた時、すぐにYESとは答えられない。
風俗の仕事で生計を立てる母親を持つ子どもの複雑な心情がリアル。
理解と納得の間には大きな距離がある事を痛感する。 -
とても好みの本。
風俗で働くことへの偏見や蔑みは、私の中にもある。その部分をチクチクと刺されて痛いのに、とても優しくて切ない気持ちになる。
短編集だけど、登場人物が緩くリンクしている構成も良い。
「折り鶴を開くとき」が一番好き。リコさんと夏希の痛みがダイレクトに心に響いた。 -
風俗がテーマになっている連作短編集。孤独、後悔、葛藤、偏見、矜持。いろいろなものを抱えて、傷つき悩みながら生きていく登場人物の姿が心に残った。必要とされたい、誰かを幸せにしたいという思いから風俗に足を踏み入れる人もいる。風俗を必要とする人はいるし、必要な業界だとも思う。でも理解は示せても、風俗への垣根というか、自分と風俗との間に線引きをして、別世界のものと分けてしまう感情を自覚した。そんな自分の曖昧な感情を抉り出されるような読書だった。R18文学賞はやっぱりテイストが合うし、これからも追っていきたいな。
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心が張り裂けそう。とくに雪解けの、それ
