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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784103556916
作品紹介・あらすじ
『明け方の若者たち』の著者、待望の最新長編は波乱の結婚譚――3歳年上の彼女へのプロポーズ。人事部の若手社員として関わったハラスメント疑惑。何の変哲もなかった雨宮守の人生は、26歳で大きく動き出す。恋も仕事も理想は幻想へと変わり、目の前の現実と向き合い始める20代後半――過去からも未来からも逃れることのできない世の中で、光を求めて彷徨う者たちの物語。
みんなの感想まとめ
人間関係の変化と自己認識の重要性をテーマにした物語が展開されます。主人公の雨宮守は、長年付き合った彼女にプロポーズする一方で、職場では同僚の土方がパワハラ問題に直面し、雨宮がその対応を担うことになりま...
感想・レビュー・書評
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会社の食堂に置くための単行本を買う担当者になってしまい、どうしたものかと悩みながら、話題作だからと手に取った本作でした。最近、結婚がテーマの本読んだり、会社の人と結婚について話す機会も多い中で、本作は割と心に響きました。
本作の中心人物となるのは主に2人で、人事部で働いている若手社員の雨宮と、営業課長を務める土方。雨宮は長年付き合っていた彼女にプロポーズを、土方は長年連れ添った妻から離婚を切り出されるところから物語が始まります。プライベートで人間関係に変化が訪れ、それぞれが思いを抱えて働くある日、土方がパワハラで告発される。その案件を雨宮が受け持つことになり、土方の聴取に行くというお話。
パワハラを題材にしていた作品ということもあり、本作で取り上げられていたのが「加害者意識」というテーマで、すごく考えさせられました。特に本作では価値観の押し付けについて焦点が当たっているパートもあり、そうした行為も精神的な暴力にあたるのだなと改めて認識させられました。
ネタバレになるのであまり詳しく書くことは控えますが、過去を振り返って加害者であったことを自覚した主人公が物語の最後で決意したことは、本作を読む人に「救い」を与えているのではないかと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出逢って八年、付き合って六年、そして同棲をはじめて二年経ち、三歳上の彼女にプロポーズする雨宮守。
雨宮が勤める会社の営業課長の土方は、娘の結婚式の翌々日に妻から離婚を切り出された。
土方のパワハラが問題になり、人事の雨宮もその対応で日々疲弊していたが、彼女から過去の話をされて知らずに自分が加害者になっていたことを気づかされる。
何気なく放った言葉は、確かにモラハラであり、知らずに人を傷つけていたことを指摘された。
誰かに言われないとわからないという感覚は、土方も雨宮にもあった。
夫婦だからって横柄であっていいわけがない。
家事は、女がするものと決めてかかるのはいかがなものかと。
家族だからって、わかりあえるわけでもないし、言いたいことが言えないのは苦しい。
職場でも上司だからと命令口調でいいわけがない。
あたりまえに生活することにしんどくなってはいないか?
ヒリヒリするような日常など過ごしたくはないけれど…過去は消せないけれど…それでも光を見たいと思いながら生きていく者たちが見えた。
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「叱責なんかしていない、指導しただけ」どこかで聞いたセリフが出てきた。作中では第三者が介入、証拠の録音を聞かされて、加害側は自らのハラスメントに気が付く。現実では、命を絶った方が居られるのに、「道義的責任が何かわからない」人間が居る。御遺族が、本当にお気の毒。自分の言動が誰かを傷付けたり、不快にさせたりしないか、気を付けねば
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結婚生活の話かと思って手に取ったら、ハラスメントについて多くを割いていた。
パワハラ、モラハラ、セクハラが主だった。世代間の意識の違い、男女間の意識の違い、そして、された側とする側の印象の違いなどなど…。
婚約者の彼女に、過去の言動をきつく戒められた主人公の男性は、自分が半ば無意識に相手を深く傷つけていたことに唖然とする。そして、彼女とのこれからの関係に悩み始める。
この二人がこの先結婚してもうまくいきっこないのになぁ…
仕事場でのハラスメントより、私は家庭内でのハラスメントが怖い。家族は距離も近いし、なかなか縁を切ることができないから。職場でのパワハラはこちらの立ち居振る舞いで、ある程度避けることができるけれど、家庭内ではなかなかそうはいかない。若くして亡くなった父はフキハラ(不機嫌ハラスメント)が酷かった。父が亡くなってやっと息がしやすくなったと思っていたら、それを受け継ぐ家族がいた。毎日のフキハラに胃が痛くなるし逃げ出したくなる。
結婚生活を長く送れる人はすごいと思う。
「もともと別の人間であるニ人の人生を一時的に重ねてみることに、大きなロマンと義務を背負わせすぎたのが、この国の結婚観の正体だ。」
と書かれていた。確かにそうだなぁ。 -
自分の正しさを貫いて無自覚に人の心を萎縮させてしまうことって、誰にでもあるだろう。
無自覚なのだから、自分では気づけないし誰かに言われないと分からない、傲慢なひとにはどれだけ他者から助言があれど変わろうとしない。
少なくとも、誰かが上手に掬い取って対話できる相手がいるならば気づけるし変わろうとは試みる。
対話ができる環境にあるって幸せなことだなとつくづく感じた。
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あなたの身近にハラスメント野郎はいない?
土方剛、こいつが会社でも家庭でも気持ちいいぐらいのハラスメント野郎!
(褒めてはないです)
だけど、仕事に対しては真っ直ぐで本物
無茶を言うけどきちんと結果も残している
仕事はできる男なんです
(ちょっとだけ褒めてしまってます)
だけど、いくら仕事ができても今の時代、ハラスメントはダメでしょ!
(やっぱり褒めてないです)
とは言ってみるものの、会社のためにはこのような強引な人物もやっぱり必要なのではないかとも思う
(おーい、どっちだよ)
ただ、誤解しないでくださいね!
もちろんハラスメントを認めているわけではないですよ!
(当たり前だ!)
ただ、会社の利益の為、部下や後輩の育成の為には時として厳しさも必要なのでは…
その厳しさが度を過ぎて暴言や暴力、ハラスメントになることはもちろんダメ!
(その通り!)
言動としてあきらかにハラスメントとわかるものもそうだが、厄介なのは加害者が覚えていないこと
また気づかないうちに加害者になってしまっていること
いずれも被害者には傷として永遠に残る記憶となってしまう
さぁ、みなさん復唱してみよう
やっぱりダメ!ハラスメント〜♪
かっこ悪いぞ!ハラスメント〜♪
けど、最近なんでもかんでもハラスメントにしてないか?
〇〇ハラ多すぎ〜(^.^;
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おびさん
そりゃないですよね…
メモ取りな!って怒られるなわかるけど、身体で覚えなって…(-_-;)おびさん
そりゃないですよね…
メモ取りな!って怒られるなわかるけど、身体で覚えなって…(-_-;)2024/10/01 -
ultramanさん
そこは負けずにヤレヤレ返ししてやりましょうよ!w
もちろん絵文字付きで!ultramanさん
そこは負けずにヤレヤレ返ししてやりましょうよ!w
もちろん絵文字付きで!2024/10/01 -
ヤレヤレぐらいしか出来ないですしね!
めっちゃ強めの発言返すとハラスメントとかになりかねないし…
まぁ、スルーするんですけどね。ヤレヤレぐらいしか出来ないですしね!
めっちゃ強めの発言返すとハラスメントとかになりかねないし…
まぁ、スルーするんですけどね。2024/10/01
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タイトルから結婚に関する物語かと思ったら、結婚のみならず、離婚、パワハラ…と色んなことが絡み合っている小説だった。
時代錯誤とも思える土方の言動は、確実にパワハラだし、離婚を突きつけられても当然!と思えるものだけど、守の過去の加害の話の方はドキッとした。
無自覚の加害って、本人はずっと知らないまま…ということもあるし、時が過ぎて知ったところでどうしようもない。
でも、ラストで守がちゃんと自分自身と向き合って翠さんと話しをするところで、「正解」を教えてもらった気分になれた。
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加害者視点と被害者視点で捉え方が全く違っていて、加害者側は自分の都合の良いように捻じ曲げるけど、被害者は自尊心を傷つけられたり、怖くて惨めなんだろうな。自分も加害者にも被害者にもなる。ちゃんと考えて行動しなきゃ。怖くて発言もできなくなるな。
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ブクログで発見。
最初はタイトルがなんでマリッジブルーでなくてブルーマリッジなのか、が気になった。
内容は確かに男性目線の結婚に対する意気込みや不安や惰性があったけどそれと同時にパワハラ、セクハラ、モラハラまであり一気読み。
無自覚の加害と無自覚の被害。
ハラスメントはしてる方もされてる方も意外と無自覚でやり過ごされてることが多いのだと気付かされた。 -
仕事や結婚、男女間や上下関係にまつわるハラスメントやマイクロアグレッションを取り上げた小説。同じ商社に勤める2名の視点から交互に語られていく。ハラスメントの場面や加害者の認識が甘すぎることに重苦しい気持ちになるが、ページを捲る手が止まらなかった。これまで加害者の心情をここまで描写した小説は読んだことがなかったかもしれない。「無自覚な加害」についても、被害者の苦しみはもちろんのこと、加害者も後から深く苦しむこともあるのだと知った。さまざまな考え方を持つ人が相互理解しながら仕事を進めていかなければならない職場、多様な価値観をすり合わせる必要のある結婚、人間関係はいずれも難しい。それでも、そんな中でヘルプを求めれば、何もかも失いどうしようもない状況になった加害者にでさえ手を差し伸べてくれる人がいることに救いがある気がした。
「これからは、もう自分のために働いて、自分のために生きると決めたんです。誰かに少しずつ迷惑をかけながら、自分のために幸せになると、決めたんです」という登場人物の言葉が最も印象に残った。人は一人で生きることは不可能だが、困っているときには助け合いながら、そんな存在に感謝しながら、自分を大切に生きていくことが幸せに生きることにつながるのかなと思った。 -
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一度読んでみたかったカツセマサヒコさん。
あらすじを読んで好きそうだな、と思ったので新刊を手に取った。
まず装丁がすごく素敵。半透明のカバーで、カバーをかけてても綺麗だし、カバーを外しても綺麗。是非書店で見てほしい。
長年付き合っている恋人にプロポーズをした雨宮守。長年連れ添った妻に離婚を突き付けられた土方剛。同じ会社に勤める2人の人生、価値観がある事件をきっかけに変わっていく。
無自覚な加害、価値観の押しつけ、について考えさせられる話だった。
身につまされるような思いで読み終えた。
生きてきた中で私も無自覚な加害はしたことがあると思うし、されたこともあると思う。
それに気付いたところで、過去は変えられないから、今後同じ過ちをしないようにするしかない。
あと、昔は当たり前だったことが今はもう当たり前なことではない。
時代が変わるように、人も時代に合わせて変わらなければいけないのだと思った。
タイトルがマリッジブルーではなくて、ブルーマリッジなのが納得。
✎︎____________
どこでも働けるってことは、どこまでも仕事が追いかけてくるってことだよ(p.22)
多くの加害に対して、被害者は一生痛みを抱えるかもしれないのに、加害者はそれを一生かけて償うことはなかなかしないのだ。(p.112)
人ってそんな簡単に変われないし、変わったからといって、オセロみたいにこれまで黒かったものが白に裏返ることもないよ。(p.132)
それでも、昔から善人でした、みたいな顔だけはしないでよ。私や誰かを、傷つけてきた過去まで、消そうとしないでよ(p.132)
生きることは、ほとほと面倒で、生活とはその繰り返しだ(p.176)
でも、その面倒なことを土方さんがしてこなかったってことは、今日まで、別の誰かがそれをしてくれていたってことですから。パートナーだけじゃないです。きっと、全部失う前に気付かなきゃいけなかったことが、たくさんあったんですよ(pp.176~177)
これからは、もう自分のために働いて、自分のために生きると決めたんです。誰かに少しずつ迷惑をかけながら、自分のために幸せになると、決めたんです(p.201)
無自覚な加害があれば、無自覚な傷もどこかにあるのかもしれない。(p.220)
恋が終わったら、その先は、愛が引き継ぐんじゃないかって思う(p.224)
結婚も、離婚も、幸せになるためのただの選択肢でしょ?(p.225) -
カツセマサヒコさん2冊め。
タイトル的には恋愛小説かと思ってたら、人間関係(世代間)の価値観の違いを描いた物語の認識でした。
土方課長のパワハラ発言、雨宮守が婚約者・翠から指摘されたサークルメンバーへのいたずら。そして両親からの「男は働き、女は家を守る」「子どもは何人ほしいか」。
自分も社会に出た20代ころから感じた違和感があったし、むず痒さは40代の今でも感じる。
親の言う事、上司の言う事(年配世代)は正しいと植え付けられた立ち位置でもあったこともあるが、今、その考え方から変化していることは親も上司も気づいて欲しいところ。
すべての人間が同じレールにそって歩いて成功するとは限らないのに、押し付けるのは違う。そうはいかないのが年配世代の男尊女卑がまだまだくすぶってるからかなと。
各々がもつ価値観を大事にし尊重あう今の時代であり、デリケートになった。
年配世代・自分たちの世代・若い子の世代が、価値観の共有をお互いにできる時代になれたらいいなぁと思う…。 -
プロポーズをして結婚しようとしている雨宮守と
妻から離婚を言い渡されている土方剛。
この2人は部署は異なるが同じ会社で働いている。
守の婚約者である翠さんの言葉がとても刺さった。
昔の傷ついた経験はずっと残るし、
自分の言動をしっかりと見直してみようと思った。
気付かぬうちに他人を傷つけているかもしれないと思うと怖くなった。
セクハラ、モラハラ、パワハラについて
書かれていることもあり
とても現実味のあるお話で一気読みでした!
誰しも加害者になりうる。
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結婚を控えた20代の人事部社員。
彼は古い体質の職場で、ハラスメントを匿名で投稿できる社内ページを立ち上げる。
しかし、そんな彼自身も婚約相手から、過去にあった性加害について問われている最中であった。
大事なポイントは、彼がそれに「無自覚」で、言われてもピンときていないところ。
それは私も含め、誰にでも当てはまる可能性があるもので、私自身頭を金槌で叩かれるような衝撃を感じました。
その加害を受けた本人の傷は一生癒えないもの。
加害した側は、それに気づいた上で一生その罪は背負ったままで生きていくことになる。
その中で唯一救いがあるとすれば、本作の人事部長(彼の相談相手)が言う、「加害した事実は一生背負って生きていく必要はあるが、それについて誰にも相談していけないわけではない。許されるわけではないが、周囲の人に吐き出して、少しでも前を向いて進んでいくことができる」ということ。
本作のストーリー展開に対する個人的な感想として、件の社内ページでハラスメント被害が明るみに出た男性社員が、家庭でも離婚を求められ、少しずつ改心していく部分は少し出来すぎなきらいはありました。 -
本を読む目的は多々あるが、「自分の振舞いを見直すきっかけ」はあると思う。この本がそう。
上司、部下。彼氏、彼女。妻、夫。女、男。
父親、母親。ハラスメント加害者、被害者。そして、結婚、離婚。
人間関係の形は沢山あるけど、社会に生きる以上、関わりをゼロにはできない。この本から、自分に近い登場人物を見つけることができ、彼ら彼女らの行動とその結果を読むことで、今後の自分の振る舞いをアップデートするきっかけになると思う。
読み始めると、手が止まらない良い作品でした。 -
一気読み。
トレペのカバーの素敵な装丁。
読み終わるとその装丁にした意味がわかる。
「無自覚の加害」
気が付かずしているかもしれないハラスメント。
今までそうやってきたから…
時代は変わっている。
それなのに考え方は古いまま。
加害者は覚えてなくても被害者の傷は一生残る。
謝って済むものではない。
その傷が癒えることは一生ない。 -
価値観とは怖いなーと思った。
自分の価値観を人に押し付けるつもりはないけど、でもそれが自分を作るもので軸となるものだから、そこを責められたりすると途端に揺らぐ。
守と土方の二人の男性の価値観に焦点をあてた本作。
ブルーマリッジとはよく言ったものだな。
本作では女性が男性の古い価値観を押し付けられるけど、逆もまた然り。
日本の結婚の価値観がそもそもって話しだったんだなー -
50代パワハラ親父と、アラサー人事課男子の対比で連作短編のような感じで話が進んでいく
続きが気になってサクサク読めたが、最後がどうなのか、救いはあるのかなぁ、、、考えさせられる
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去年の夏、病院に行ってる間に恋人が買ってくれた本。自分用と二冊。
カツセさんが書く文章は読みやすいから、とオススメしたらすぐに読んでくれた。
知らぬ間の加害っていうのは、ものすごく恐ろしいものなんだなと。なにせ自覚がないってのが怖い。
僕も知らぬ間の加害してないだろうか。してそうで嫌かも。
態度や言葉、された側・言われた側ってのはどうしようもなく覚えているもので、した側・言った側はどうしても忘れているもの。
気をつけるって言ったってどう気をつけるのか分からないけれど、気をつけたい。
著者プロフィール
カツセマサヒコの作品
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