ブルーマリッジ

  • 新潮社
4.02
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本棚登録 : 858
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103556916

感想・レビュー・書評

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  • 会社の食堂に置くための単行本を買う担当者になってしまい、どうしたものかと悩みながら、話題作だからと手に取った本作でした。最近、結婚がテーマの本読んだり、会社の人と結婚について話す機会も多い中で、本作は割と心に響きました。

    本作の中心人物となるのは主に2人で、人事部で働いている若手社員の雨宮と、営業課長を務める土方。雨宮は長年付き合っていた彼女にプロポーズを、土方は長年連れ添った妻から離婚を切り出されるところから物語が始まります。プライベートで人間関係に変化が訪れ、それぞれが思いを抱えて働くある日、土方がパワハラで告発される。その案件を雨宮が受け持つことになり、土方の聴取に行くというお話。

    パワハラを題材にしていた作品ということもあり、本作で取り上げられていたのが「加害者意識」というテーマで、すごく考えさせられました。特に本作では価値観の押し付けについて焦点が当たっているパートもあり、そうした行為も精神的な暴力にあたるのだなと改めて認識させられました。

    ネタバレになるのであまり詳しく書くことは控えますが、過去を振り返って加害者であったことを自覚した主人公が物語の最後で決意したことは、本作を読む人に「救い」を与えているのではないかと思いました。

  • タイトルから結婚に関する物語かと思ったら、結婚のみならず、離婚、パワハラ…と色んなことが絡み合っている小説だった。
    時代錯誤とも思える土方の言動は、確実にパワハラだし、離婚を突きつけられても当然!と思えるものだけど、守の過去の加害の話の方はドキッとした。
    無自覚の加害って、本人はずっと知らないまま…ということもあるし、時が過ぎて知ったところでどうしようもない。
    でも、ラストで守がちゃんと自分自身と向き合って翠さんと話しをするところで、「正解」を教えてもらった気分になれた。

  • ブクログで発見。
    最初はタイトルがなんでマリッジブルーでなくてブルーマリッジなのか、が気になった。
    内容は確かに男性目線の結婚に対する意気込みや不安や惰性があったけどそれと同時にパワハラ、セクハラ、モラハラまであり一気読み。
    無自覚の加害と無自覚の被害。
    ハラスメントはしてる方もされてる方も意外と無自覚でやり過ごされてることが多いのだと気付かされた。

  • 一度読んでみたかったカツセマサヒコさん。
    あらすじを読んで好きそうだな、と思ったので新刊を手に取った。
    まず装丁がすごく素敵。半透明のカバーで、カバーをかけてても綺麗だし、カバーを外しても綺麗。是非書店で見てほしい。
    長年付き合っている恋人にプロポーズをした雨宮守。長年連れ添った妻に離婚を突き付けられた土方剛。同じ会社に勤める2人の人生、価値観がある事件をきっかけに変わっていく。
    無自覚な加害、価値観の押しつけ、について考えさせられる話だった。
    身につまされるような思いで読み終えた。
    生きてきた中で私も無自覚な加害はしたことがあると思うし、されたこともあると思う。
    それに気付いたところで、過去は変えられないから、今後同じ過ちをしないようにするしかない。
    あと、昔は当たり前だったことが今はもう当たり前なことではない。
    時代が変わるように、人も時代に合わせて変わらなければいけないのだと思った。
    タイトルがマリッジブルーではなくて、ブルーマリッジなのが納得。

    ✎︎____________

    どこでも働けるってことは、どこまでも仕事が追いかけてくるってことだよ(P22)

    多くの加害に対して、被害者は一生痛みを抱えるかもしれないのに、加害者はそれを一生かけて償うことはなかなかしないのだ。(P112)

    人ってそんな簡単に変われないし、変わったからといって、オセロみたいにこれまで黒かったものが白に裏返ることもないよ。(P132)

    それでも、昔から善人でした、みたいな顔だけはしないでよ。私や誰かを、傷つけてきた過去まで、消そうとしないでよ(P132)

    生きることは、ほとほと面倒で、生活とはその繰り返しだ(P176)

    でも、その面倒なことを土方さんがしてこなかったってことは、今日まで、別の誰かがそれをしてくれていたってことですから。パートナーだけじゃないです。きっと、全部失う前に気付かなきゃいけなかったことが、たくさんあったんですよ(P176~P177)

    これからは、もう自分のために働いて、自分のために生きると決めたんです。誰かに少しずつ迷惑をかけながら、自分のために幸せになると、決めたんです(P201)

    無自覚な加害があれば、無自覚な傷もどこかにあるのかもしれない。(P220)

    恋が終わったら、その先は、愛が引き継ぐんじゃないかって思う(P224)

    結婚も、離婚も、幸せになるためのただの選択肢でしょ?(P225)

  • 一気読み。

    トレペのカバーの素敵な装丁。
    読み終わるとその装丁にした意味がわかる。

    「無自覚の加害」
    気が付かずしているかもしれないハラスメント。
    今までそうやってきたから…
    時代は変わっている。
    それなのに考え方は古いまま。

    加害者は覚えてなくても被害者の傷は一生残る。
    謝って済むものではない。
    その傷が癒えることは一生ない。

  • 全て失っても気づかない者と全て失う前に気づく者(気付かされた者)の対比がよかった。全て失うとは、福祉や社会、身近な人から独立してしまうこと。そうなると人は闇に飲まれてしまう。だからこそ、嫌なことって分かっていても言ってくれる人がどれほど大切か。
    そして、人は無意識に人を傷つけている。だからこれからは傷つけないように優しくしよう...ではなく、その事実を認めて自分はどうするのかを問う作品でもあった。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    結婚についての小説をほぼ読んだことがなかったので、とても新鮮に読めた。が、なぜかずっと苦しかった。今の自分が絶対に読まないといけない小説だと感じそれは的中していた。今の自分の考えが甘いことに気付かされる。甘いことは悪いことではないが脆い。こんなに読了後の感想がまとまらず難しいと思った経験はなかなかない。こういうジャンル読んでいって、苦しさの言語化していかないと。

    それにしても土方が酔っ払って漏らすシーンの臨場感半端なかった...。庭園のゲロのシーンなんて吐く描写の表現の仕方が引き込まれすぎちゃう。



    ・義務感ではなく、探究心とか好奇心を持って生きると、何だが生活自体が楽しく思えてくる。
    ・三条、助けてほしい
    ・じゃあ、加害者だよ。超キモイ加害者。
    ・表層的なものだけ掬い取って、大切なことは何ひとつわからないまま、動いている気がする

  • なぜ題名が『マリッジブルー』ではないのだろうと思っていた。


    ”夫婦だからこうあるべき”というテーマを2組の男女の間でこれでもかという程にリアルで交互に織りなす男性視点のストーリー展開もこの作者の作品の中では新鮮だった。

    「自分は正しい」と思っていたことが相手には加害だと感じたり、いつの間にか自分がしていた加害を忘れて偽善者のように見られたり。
    結局は夫婦でもどこまでも他人なのだと終盤にかけて温かい気持ちになりながらもそう感じた。


    やっぱりこれは『ブルーマリッジ』だ。

  • 結婚に起因する不安や嫌悪感、。自分自身は持たなかったが、持つ人がいてもおかしくないと思う。小説にはいいテーマ(いろんな展開がつくれるという意味で)、読みたい

    #ブルーマリッジ
    #カツセ・マサヒコ
    24/6/27出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3xyriYc

  • マリッジブルーではなく、ブルーマリッジ。タイトルにはどんな意味があるのか?

    結婚と離婚の対比で物語が交差していく。理想に縛られ、大事な人を知らずに傷つけていく。気づいた頃には幻想となる。過去は変えられないけれど、何度でもやり直せる。世の中において、結婚と離婚は周りに流されずもっと自由でいいのではないかと思った。

    カバーは半透明のトレペとなっており、ベールをはがすと現実が見える仕様になっているらしい。
    最近よくある本の内容に近いようで、新しい視点の感触も得た。複雑さはなく、発売日に購入し一気に読めた。

    ブルーマリッジは、マリッジブルーの逆であるが、結婚・離婚、過去・未来など、双方向の視点で生きるのが人生かなと、個人的に読みとった。
    作者の今後の新刊も期待したくなる。

  • 感想
    伝わらない。ではない。伝えたことがない。どうせわかってもらえないから。だからわかってくれる人に救いを求めてしまう。でも。それは間違い。

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著者プロフィール

1986年東京生まれ、大学を卒業後、2009年より一般企業にて勤務。趣味で書いていたブログをきっかけに編集プロダクションに転職し、2017年4月に独立。ウェブライター、編集として活動中。本書がデビュー作となる。

「2020年 『明け方の若者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

カツセ・マサヒコの作品

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