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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784103560814
作品紹介・あらすじ
今日こそ彼らに往復ビンタ。もやもやはびこる職場と私を描く芥川賞候補作。同じ部署の三人が近頃欠勤を繰り返し、その分仕事が増える私はイライラが頂点に。ある日、三人のうちの一人、先輩女性の下村さんから、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られたのに弱っているのか開き直っているのか分からない下村さんの気ままな「ダンス」に翻弄される私は、いったいどうすれば——新潮新人賞受賞作。
みんなの感想まとめ
職場の人間関係や感情の葛藤を描いた本作は、主人公が同僚の三角関係に翻弄されながら成長していく姿を描いています。欠勤を繰り返す同僚たちに対するイライラや、職場に馴染めない孤独感がリアルに表現され、主人公...
感想・レビュー・書評
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新潮 2024年11月号で読みました。2024年下半期の第172回芥川賞にノミネートされています。また好きな作品、好きな作家さんができました♡ という気持ちです♪
独特な語り口でお話が始まり、最後まで同じトーンで語られます。おだやかな言葉のリズムがココチよいです。
お話は、とある会社の中の人間関係を大きな幹にして、枝葉のように現れる登場人物が良い味を出しつつ、主人公女性の30代が語られます。
はじまりは、「今日こそ三人まとめて往復ビンタをしてやろうと堅く心に決めて会社に行った。」とか、チョット物騒です。主人公は、最近仕事を休みがちな同じ部署の女性の先輩 下村さんと、他の二人の社員の仕事が自分に回ってきて忙しい思いをしています。
往復ビンタしたい三人というのは、この下村さんと、彼女と同棲し婚約していた同じ部署の男性社員と、なんとその男性と付き合って一緒に住みだし、下村さんと男性との婚約を破棄に向かわせた同じ部署の女性です。そんな複雑な人間関係に気を使いながら、休みがちな三人分の激務をこなす主人公ですが、山羊に似た係長からは「職場に馴染んでいない」と思われています。
登場人物を表わす表現が面白いです。係長は山羊。男性社員は、かまぼこ1。女性社員は、かまぼこ2です。(主人公の向かいの席に座っていて、パソコンのディスプレイ越しに頭の上の部分しか見えないので、かまぼこに見えるから)
下村さんは、傷付いていて可哀想です。そして、「下村さんはやせ衰えていくことが生命の輝きであるかのように、苦しんでいるんだか楽しんでいるんだかよく分からないダンスを踊っているようにも見えた。」という表現があるとおり、タイトルの「ダンス」は、ここからきているようです。
下村さんは恋愛のことで仕事は休むし、お酒に溺れるし、フラフラしていてグダグダな人です。でもなぜか主人公は付き合い良く、下村さんと行動をともにしています。なんか、(逆)成瀬と島崎の関係みたいですw
ある日の夜、主人公は下村さんに公園に呼び出されます。そこからは、例の二人が住み始めたアパートが見えるのです。何をしているんでしょうか、未練タラタラです。その公園にはスケートボードの練習をしていた男の人がいました。
下村さんは、彼と同棲していた部屋を引っ越そうと思い、新しい部屋を探し始めます。そして、主人公は彼女に付き添って部屋を見て回ります。すると案内してくれた不動産会社の男性は、なんと公園でスケボーをしていた男性だったのです。
部屋が気に入り、見終わった下村さんと主人公は、不動産会社の男性の案内で、その街のカツ丼屋さんに行きます。おいしそうですw 婚活マエストロでは、なか卯の親子丼が食べたくなりましたが、この小説ではカツ丼が食べたくなりましたw(結局、下村さんはこの部屋には引っ越しませんw)
その後、主人公は希望していた異動となり、下村さんとは会うことがなくなります。そして主人公は結婚を機に退職することとなり、そのことを下村さんに伝えようと連絡をとりますが、下村さんは退職しており連絡がとれなくなっていました。
お話は、*(アスタリスク)をはさみ、それから15年が経っていました。そして、病院帰りにホームセンターへ寄った主人公は、そこで。。。
ぜひ、お読みください。作中に作者による箴言が数々あり、作者の力の入れ具合が良く分かります。ラストに向けての展開に、納得させる技巧的な楽しみもあります。キーワードは、「馴染めてない」とか「ダンス」とか「30代」とか「ビンタ」でしょうか。面白いです♡
芥川賞の選考委員会は、この本の発売日と同じ、2025年1月15日(水)です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
職場で浮いているのは私なのか…
同じ部署の3人が欠勤を繰り返しているが、山羊みたいな係長は全く気にしておらず、私に「仕事に慣れるより、職場に馴染むことを目標に頑張って」と言う。
遅刻や欠勤を繰り返し、その仕事まで私がやっているのに…と。
そのうち下村さんが同僚と三角関係になっていると聞き…
同僚の三角関係に翻弄されながら徐々に馴染んでいっているのか…と感じながら他人の家でお風呂を借りる老夫婦の話などにちょっと驚きつつ、あぁなるほどお風呂に拘りのある話でもあるなぁと。
下村さんが辞めたあと、気になってたその後もなかなか濃い出来事で、人生ってわからないなぁと思った。
自分の三十代はどうだったのか?と振り返ってみたが…特に…。
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新潮 11月号より
かなり面白かった。周囲に馴染めない主人公のオフィス内でのドタバタ劇的な作品か?と読み始め、他人にビンタをかましたい!と心の吐露と共に強くなっていく成長譚?と思いつつ、ここで登場する我らが下村女史。なんとも魅力的なキャラである。この作品の絶対的肝、彼女と共に歩むシスターフッドとも…違う。ジャンルもわからない、主人公もわからない、コメディ的であるがなんか泣ける。ノスタルジックであり青春の甘き香りもそこはかとなく漂う。いずれにせよ、まだまだ続きが読みたかった。甘いダンスに酔いしれながら。 -
128ページなのに、面白さがぎゅっと凝縮されていてとても良かった!次作も読んでみたいな。
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女性同士の友情のような、さらけ出し合った痛い部分のその傷のなめ合いのような、楽しくもなく哀しくもない人間関係。それでいて我が身を顧みる機会を持つことが出来る有意義な読書タイムでした。
いやぁ~ホント、楽しかった。 -
会社内で同じ係の三名が欠勤を繰り返し、いつもその皺寄せの対処をしているわたし。会社に「馴染ん」でいないわたしは、三人の内の一人、下村さんに三角関係であることを初めて聞かされる。自由気ままな下村さんにつき回されるわたしは彼女にビンタをしたい...
わたしが魅力的過ぎる。節々でわたしに共感させられて、自分が実際に体験しているような気持ちで読み進められた。
特に下村さんに対する感情がすごい好み。他人に迷惑が多少はかかることを厭わず、自分がやりたいことのために奔放にステップを踏む下村さんが羨ましく思うが、それはそれとして腹が立つからビンタさせて欲しい。良い人だ。 -
25分で読破。
読み始めてから読み終わるまでずっと体が軽くて浮いていた気がする。
あまりにもぼーっとしていてそれが印象に残った。
辛い時、何も考えたくないときに読んだらホッとすると思う。 -
生きてくって、こんな感じよね。ちょっとした面倒に巻き込まれたり。それなりにドラマチックなこともあったりなかったり。なんだか理不尽なことがあって相手に腹が立っても結局は怒鳴り込むようなこともなく、相手にビンタをお見舞いするようなこともなく。逆になぜか飲みや部屋の内覧に付き合ったりしてる。ものすごく親密かといえばまったくそんなこともなく、十数年ぶりにひょっこり出会っても、さらりとまたねと別れる。離婚後すぐに病気が見つかる。気が滅入るが、そんなこともある。日々は続く。淡々と、生きていかねばね。がんばろう、みんな。
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芥川賞候補作品。下村さんという先輩とのやり取りで進む話なのだが、ちょっとどう読み解けばいいのか分からなかった。会社の中の普通だけど異常な人間関係の中で、何かを破壊しようとするものの何も破壊されしないし、なんだかモヤモヤした。もっと深く読み込めば何か分かることがあるのかもしれないが、私のレベルでは無理だった。作者に踊らされるから「ダンス」なのだろうか。
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面白かった。簡潔で読みやすく展開も早い。そしてほどよくシュール。
迷惑を被っているにもかかわらず同僚を放っておけない主人公のやるせない心情が、「往復ビンタ」という表現でうまく表されていると感じた。 -
●読前#ダンス
第172回芥川賞候補作。内容紹介からはエンタメエッセンスを感じるので直木賞っぽいけど、新人だから芥川賞なのかな、と思った。芥川賞作品は「うーむ、よーわからん」と相性よくないこと多いけど、候補作はすべて読むことにしている
https://mnkt.jp/blogm/b250115b/
●読後#ダンス
芥川賞候補らしくなくとてもおもしろかった! こんな作品が候補だなんて想定外、ちょっと認識が変わった。登場人物が現実感あって活き活き、話の展開テンポがいいなどが相まって、純粋にエンタメ小説として楽しめた。小説の次作が楽しみ
https://mnkt.jp/blogm/b250115b/ -
第56回新潮新人賞受賞作、第172回芥川龍之介賞候補作品。
芥川賞系の作品にはやや苦手意識があるが、本作は読みやすくて面白かった。
まず書き出しの一文が良い。
会社で往復ビンタをしてやりたい相手が三人もいるなんて!
物語への吸引力が凄まじい。
ビンタする覚悟を決めて会社へ向かう主人公の女性の事が気になってしょうがない。
三人のうちの一人、先輩の下村さんから聞いたのは、同じ部署内での三角関係。
自分には関係のない事で翻弄され、職場に馴染んでいない自分を憂う彼女の姿が眼に浮かぶ。
終始安定したリズミカルな文章が心地良かった。 -
職場にいる同僚の下村さん
頻繁に仕事を休み、職場の恋人を職場の女子にとられる
でもドロドロしてるわけじゃなく、妙にあっさりしているのになにかねばつくものがある
とりあえずこの職場では働きたくないかな
そして自分は下村さんと友達にはなれない気がする -
何かシュールな話。
会社の先輩の下村さんは同僚との恋愛のゴタゴタで会社を堂々と休む。しかも、結構休む。
主人公は割を食ってひたすら下村さんの仕事のフォローをする。
時には下村さんの元カレ、今カノ、三人同時に休む時も…
いやぁ、そんな会社あり得ない。でも何か面白い。
日々募る下村さんをビンタしたいという要望。わかる!そんな奴がいたら殴りたいよね!激しく同意!
でもなかなかビンタもできず、下村さんペースに巻き込まれ…
最後まで楽しく読めました。 -
主人公は終始先輩をビンタしたいと思っているし、本人にも言っている
そんな簡単に人を殴っていいものなのかな?て
そこが引っかかってしまった
終始だからずっと引っかかったまんま
純文学って、、、難しいね
文字も大きく改行も多く数時間で読み終えちゃうほど読みやすかった
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2024.1.3読了
新潮2024.11月号にて。
出だし部分では、何か起きそう!と最高に震えたのに、大きな出来事は何も起きない。それでも面白いのは登場人物がみんな魅力的だからだろうなぁ -
社会人2年目の「私」。指導員の下村さんは酒豪、仕事ができる人ですが、同棲中彼氏を会社後輩に奪われてしまいます。そんな下村さんと私の関係性を中心に、テンポ良く語られた物語だと思います。
私個人は少しだけ物足りないように感じて星3つとしましたが、テンポ良く読みやすい綺麗な文章の作品と思いました。 -
「三十代は人を別人にするからね」という文章に29歳350何日のタイミングで出会って、いえ〜い✌️って感じ
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